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中国だけじゃない! 欧州経済も、実はこんなに「不安定」〜物価も株価も低迷、出口はあるか
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/45662
2015年10月05日(月) 真壁 昭夫「通貨とファイナンスで読む世界経済」 現代ビジネス
■原油価格の下落による物価低迷
10月2日の米国雇用統計の下振れを受けて、一段と米国の金融政策に注目が集まっている。そうした中、欧州中央銀行(ECB)に対する量的緩和の拡充期待が高まる。
ユーロ圏が抱える最大の問題は景気の回復が不十分という点ではなく、物価が低迷していることだ。当面、ユーロ圏の物価は低位に推移するだろう。中国の景気は弱含んでおり、資源価格が短期のうちに反発するとは考えづらい。そのため、追加緩和に対する期待も高まりやすい。
この動きは、世界経済にとって思わぬリスクをもたらす可能性がある。市場関係者の中で中国経済への懸念が目立つ中、先進国の景気動向もしっかり検証する必要がある。
9月29日に発表されたドイツの消費者物価指数(CPI)は、9月単月で-0.2%、前年比でも0.0%となり物価上昇率の鈍化が明らかになった。イタリアなどでも物価は予想を下回っている。
そして、ユーロ圏のCPIも前年比で-0.1%。総じて物価は低下傾向にあると考えられ、ECBが2%前後の物価目標を達成できるかはより不確実だ。
そのため、ECBは、国債を買い入れて金利低下に働きかける"量的緩和策"をさらに拡充し、「市中に供給する資金量を積極策に増やすべき」との見方が強くなっている。これが、追加緩和期待の背景にあるロジックだ。
物価低迷の要因の一つには、原油価格の下落が影響していることは言うまでもない。原油以外の資源価格を見ても、中国の需要低迷が価格を押し下げている。当面、そうした動向が続くだろう。
■世界経済はより不安定に
すでにECBのドラギ総裁は、現行の量的緩和の終了が予定されている2016年9月以降も、必要に応じて継続する用意があると発言している。
一方で、現在の政策効果を検証するための時間が必要であり、今のところ、追加緩和の必要性が急速に高まっているという認識は示していない。
ただ、市場は、ユーロ圏の物価下振れ、株価の下落等を受けた景気への懸念を材料に、近い将来に追加緩和が行われるという見方を強めている。その証拠にCPI発表後ユーロは対ドルで下落した。
目下、市場は金融緩和の環境が続くという期待に支えられている。それが、一部投資家のカラ売りの巻き戻しを誘発し、株価を上昇させている。雇用統計発表後の株価上昇はその典型例だろう。
一方、やや長めの視点で世界経済の先行きを考えると、景気は軟調に推移しやすい。リスク資産に対する下落リスクは徐々に高まりやすくなっていると考えられる。
ECBに対する緩和期待も、リスク資産の買い戻しを促す大きな誘因だろう。一時的に株価、新興国通貨などは上昇するかもしれない。しかし、景気は軟調であり、市場は不安定化しやすい。
ECBは近い将来、追加緩和を真剣に検討し、実行する可能性がある。しかし、それで終わりではない。追加緩和を実行したのち、景気が追加的に弱含めば、市場はより強力な対応を求められるだろう。
新興国のみならず、ユーロ圏など先進国の景気動向も不安定になりつつあるだけに、先行きは慎重にリスク資産の動向を見極める必要がある。
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