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東芝「粉飾決算」問題 メディアが報じない金融庁の「不正見逃し」疑惑と処分の行方〜なぜ、誰もが消極的なのか
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/45666
2015年10月05日(月) 高橋 洋一「ニュースの深層」 現代ビジネス
■「みんな、分かってたんじゃないの?」という疑念
東芝は9月30日に臨時の株主総会を開き、11人の取締役のうち過半数の7人を社外の取締役にするなど、外部による経営への監視を強める対策を講じた。
マスコミは、当初「不適切会計」という用語で報道していた。独立系のメディアでは、この点の指摘は早くから行われきたが、大手紙ではようやく最近になって「不正会計」といっている(それでも一部はまだ不適正といっている http://gendai.ismedia.jp/articles/-/45464)。
これに対して、「不正会計」と言えなかったのは、東芝から広告費をもらっているからとか、東芝出身で、東京証券取引所会長を経て現日本郵政社長となった西室泰三氏を守るためだとか、いろいろな噂もあった。
たしかに、西室氏が東京証券取引所会長をやっていたのは、2005年6月から2010年6月であり、東芝が粉飾決算を行っていた期間(2009年3月期〜2015年3月期の第3四半期)とダブっている。
こうした噂が飛び交う中、東芝問題は歴代3人の社長が辞任ということで終わりそうだ。その根拠となっている第三者委員会(委員長、上田広一・元東京高検検事長)による報告書をみても、なぜ3人の期間だけなのか、また監査法人である新日本監査法人への言及がない点など、不思議なことが多い。
そして、株価下落の損害賠償、役員の任務懈怠に対する株主代表訴訟などの民事訴訟は今後起こされるだろうが、刑事訴訟、行政処分はどうなるのだろうか。
少なくとも有価証券報告書虚偽記載による「金融商品取引法違反」、利益操作・背任で「商法違反」、金融庁による「課徴金納付命令」などが考えられる。
これらは、主務官庁の胸三寸であるが、「市場を欺く悪意は見えなかった」という観測気球が上がっているので、そうならない可能性が高いだろう。
なにか、触れたくないという空気があるようだ。日本を代表するエクセレントカンパニーなので「手を出しにくいのかな」と素人ながらに思っていた。
しかし、最近は「結局、みんな、うすうす東芝の不正をわかっていて見逃していたんじゃないの?」「みんな一蓮托生なのではないか?」と思うようになった。
■金融検査官の経験からわかること
東芝の不正会計とVW(フォルクスワーゲン)の排ガス問題は、実力以上に見せかけを大きくしたという意味では、同じようなものだ。ただし、VW事件の発端はNPOからの連絡で米環境保護局が実際に調べたのに対して、東芝事件は、2月に証券取引等監視委員会が開示検査をしたのが端緒となっている。
VW事件では外国当局、東芝事件では自国当局と、外国と自国という違いがあるが、ともに発端は当局による検査である。
しかし、大きな違いがある。VW事件では、米環境保護局がグゥの音も出ないほど調べているが、東芝事件では、すぐに第三者委員会が作られて、当局主導ではなくなってしまった。
この点、筆者はかなり不可解だった。というのは、筆者はキャリア官僚では珍しく金融検査官の経験がある。検査官は自分が検査している時にぶつかったヤマは、他の人ではなく自分で最後まで解明したいものだ。
実際、金融検査でヤマをあてることは滅多にない。それが、金融検査は健康診断のようなもので、「病気が見つかれば儲けもの」という言い方にもなっている。だからこそ、自分で探しあてたヤマは他の人に手を触れさせたくないのだ。
そうこうしているうちに、筆者のところに、「実は、金融庁は東芝を監査した新日本監査法人を検査していた」という情報が入ってきた。
筆者はこうした企業ものを書くことを業としているわけではないので、親しいマスコミ関係者にこの話をして、面白そうだから調べてみたらと話している。
その頃、それとは別に、朝日新聞の大鹿靖明記者から「金融庁が新日本監査法人を検査していたと聞いたが、金融庁の検査で(不正を)見逃すことがあるのか」という取材を受けた。
それに対して、金融庁検査は健康診断みたいなものだ、という一般論を話した。それは、ネットの上で一部読める( 東芝粉飾決算*竭閧ニ金融庁 新日本の東芝監査をなぜ見逃していたのか http://webronza.asahi.com/business/articles/2015082000003.html)。
そこに書かれていることは、大鹿記者が取材したことで、筆者の知っていることとも矛盾しないので、おおよそ正しいのだろう。
ただし、このことはあまり知られていないので、筆者は、あるメディアからの依頼で、次のような趣旨の話を書いた(まずはご一読いただきたい)。
■やたらと新日本監査法人を擁護していた第三者委員会
〈 素人にはなぜかすっきりしない東芝問題。東芝が決算の利益を水増ししていたのは明らかになったが、大手新聞は当初「不適切会計」といっていた。そのうち「不正会計」といったところもあり、それはいいが、あいかわらず「不適切会計」で通していることもある。なぜ「粉飾」ではないのか不思議だ。
金融庁の傘下にある公認会計士・監査審査会の千代田邦夫会長ですら、東芝は「広い範囲で不正があり、明らかな粉飾決算にあたる」といっている。
しかし、東芝「粉飾」問題は一筋縄でいかない。たしかに粉飾したのは東芝であるが、東芝の決算を監査し、適正と言い続けてきた新日本監査法人にも問題がある。
粉飾を見抜けないなら監査法人は役立たずのはずだ。東芝粉飾問題での第三者委員会は、やたらと新日本監査法人を擁護していたのは気になるところだ。
どうやら問題は監査法人にとどまらなかったようだ。新日本監査法人が粉飾を見逃したのに、妙に悪びれなかったのには理由があった。
それは、新日本監査法人は、日本公認会計士協会からは1999年3月期と2014年3月期の、金融庁の公認会計士・監査委員会からは2011年3月期の、それぞれの東芝決算を抽出して検査を受けたが、いずれも適正と判断されたというのだ。
2011年3月期と2014年3月期は、東芝が粉飾決算を行っていた期間(2009年3月期〜2015年3月期の第3四半期)に該当する。
冒頭の公認会計士・監査審査会の千代田邦夫会長は、東芝の一件を「粉飾決算」というが、自らが新日本監査法人を検査して見逃していたわけだ。
この件については、金融庁も公認会計士協会も「個別の検査についてはコメント出来ない」というが、どうやら、金融庁と公認会計士協会が、新日本監査法人のミスを見逃したのだから、新日本監査法人が東芝のミスを見逃したことについて、誰も批判できなくなったようだ。
そして、大元の東芝についても強いことをいえなくなり、結局モヤモヤ感が残っているわけだ 〉
ところが、そのメディアの担当者は、「こうした話は金融庁との関係でいろいろと差し支えるので困る」と私に伝えてきたうえで、ボツにしてしまったのだ。
■やたらと新日本監査法人を擁護していた第三者委員会
〈 素人にはなぜかすっきりしない東芝問題。東芝が決算の利益を水増ししていたのは明らかになったが、大手新聞は当初「不適切会計」といっていた。そのうち「不正会計」といったところもあり、それはいいが、あいかわらず「不適切会計」で通していることもある。なぜ「粉飾」ではないのか不思議だ。
金融庁の傘下にある公認会計士・監査審査会の千代田邦夫会長ですら、東芝は「広い範囲で不正があり、明らかな粉飾決算にあたる」といっている。
しかし、東芝「粉飾」問題は一筋縄でいかない。たしかに粉飾したのは東芝であるが、東芝の決算を監査し、適正と言い続けてきた新日本監査法人にも問題がある。
粉飾を見抜けないなら監査法人は役立たずのはずだ。東芝粉飾問題での第三者委員会は、やたらと新日本監査法人を擁護していたのは気になるところだ。
どうやら問題は監査法人にとどまらなかったようだ。新日本監査法人が粉飾を見逃したのに、妙に悪びれなかったのには理由があった。
それは、新日本監査法人は、日本公認会計士協会からは1999年3月期と2014年3月期の、金融庁の公認会計士・監査委員会からは2011年3月期の、それぞれの東芝決算を抽出して検査を受けたが、いずれも適正と判断されたというのだ。
2011年3月期と2014年3月期は、東芝が粉飾決算を行っていた期間(2009年3月期〜2015年3月期の第3四半期)に該当する。
冒頭の公認会計士・監査審査会の千代田邦夫会長は、東芝の一件を「粉飾決算」というが、自らが新日本監査法人を検査して見逃していたわけだ。
この件については、金融庁も公認会計士協会も「個別の検査についてはコメント出来ない」というが、どうやら、金融庁と公認会計士協会が、新日本監査法人のミスを見逃したのだから、新日本監査法人が東芝のミスを見逃したことについて、誰も批判できなくなったようだ。
そして、大元の東芝についても強いことをいえなくなり、結局モヤモヤ感が残っているわけだ 〉
ところが、そのメディアの担当者は、「こうした話は金融庁との関係でいろいろと差し支えるので困る」と私に伝えてきたうえで、ボツにしてしまったのだ。
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