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中国経済崩壊で訪れる未曾有の事態 疑惑まみれの経済統計、世界中が「見放し」か
http://biz-journal.jp/2015/10/post_11824.html
2015.10.06 文=渡邉哲也/経済評論家 Business Journal
バブルというのは、その名の通りいつか必ずはじけるものだ。そして、いわゆるバブル景気の場合、そのはじけ方が問題になる。ハードランディングになるか、ソフトランディングになるかで、その後の経済状況が変わってくるからだ。
最近、世界的な話題になっている中国経済のバブル崩壊に関しては、「どうやら、ハードランディングになりそうだ」ということで、問題視されている。
そもそも、中国とはどのような国家だろうか。この国は、「共産党独裁自由主義経済」ともいうべき、非常にゆがんだ経済構造を持っている。中国共産党のための自由主義経済であり、資本主義と計画経済の“いいとこ取り”をしてきたのが実態だ。
資本主義と計画経済というのは、正反対の経済思想であり、本来は並立することはあり得ない。しかし、中国において、このような経済システムが許されてきたのは、なぜだろうか。それは、世界各国が中国を利用して儲けることができたからである。
しかしながら、いよいよそれも許されなくなってきた。そういった背景が、中国のバブル崩壊の根底にあるといえる。
「金の切れ目が縁の切れ目」ということわざがあるが、中国の場合はまさに「金の切れ目が国際社会との縁の切れ目」になりつつあるわけだ。また、中国経済を語る際、その構造から、よく「張子の虎」にたとえられるが、巨大な張子の虎もついに壊れようとしている。
世界には、実体経済の60倍近い架空資金(フェイクマネー)が生まれている。これは、金融の世界における信用創造の過程でつくられる。例えば、土地を担保にお金を借りて、そのお金を株式に投資して、それが証券化されて……といったかたちで、リアルマネーが何倍にも膨れ上がっているのだ。
そして、その膨れ上がった部分が「バブル」と呼ばれるものであり、それが一気にはじけるのが「バブル崩壊」である。中国の場合、このバブルの膨れ方が異常だったという指摘もできる。
■中国の成長率7%はウソ?
中国の国内総生産(GDP)の成長率について、見てみよう。
中国は長らく「保八」という政策目標を達成してきた。これは「成長率8%以上を維持する」というものであり、中国の経済成長を象徴するものである。逆にいえば、毎年8%以上の成長率を維持しないと、失業者の大量発生などにより、社会の安定が保てないという事情もあった。
しかし、ここ数年の中国は保八を割り込んでいる。中国国家統計局の発表によると、2014年の成長率は7.3%であった。15年の目標成長率は7.0%で、4〜6月期の成長率は7.0%である。
しかし、昨年の成長率が本当に7.3%だったのか、今年4〜6月期の成長率が本当に7.0%だったのかについて、鵜呑みにしないほうがいいだろう。なぜなら、中国においては政府発表の公式な数字であっても、その真偽が危ぶまれているからだ。いわば、中国の統計は、あてにならないのである。
そんな中国経済を測る上で、最も大切な指数といわれているのが「李克強指数」と呼ばれるものだ。
李克強とは、現在の国務院総理(首相)だが、遼寧省の党委書記を務めていた際に「鉄道輸送量」「電力消費量」「銀行融資」の3つを、比較的信頼できる数字として挙げたことがある。以来、この3つは李克強指数として、中国経済の内情を測るためのツールとして使われている。
この李克強指数を見れば、どのくらいエネルギーが消費され、モノが輸送されているかがわかるわけだが、近年はいずれも下落基調にある。それを鑑みると、実質的な中国の成長率は良くて3%程度、悪ければマイナスという試算まで出始めている。
あらゆる面で、中国の発展は、すでに限界に達しているといえるだろう。その具体的な中身については、次回以降に見ていきたい。
(文=渡邉哲也/経済評論家)
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