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40代社員が救済申し立て 「アマゾンジャパン」退職強要の実態
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/164984
2015年10月4日 日刊ゲンダイ
アマゾンジャパン本社(C)日刊ゲンダイ
ネット通販大手アマゾンジャパンの40代男性社員が「退職を事実上強要された」と、加盟する労組、東京管理職ユニオンに哀訴。同ユニオンが都の労働委に不当労働行為の救済を申し立てた。アマゾンといえば、米NYタイムズが今年8月、米本社の過酷な労働環境の実態を報じたばかり。日本のアマゾンも「ブラック企業なのか」と勘繰りたくもなる。
同ユニオンによると、男性は2011年10月に正社員で採用されたが、今年2月、上司から「退職するか業績改善プラン(PIP)を受けるかしかない」「PIPは退職のためのプログラム。私だったら辞めるね」などと“退職勧奨”された。男性は拒否したが、上司は翌週も繰り返し退職を迫ってきたというから、「事実上の退職強要」というわけだ。
「アマゾンでは、一定数の社員を『ローパフォーマー』と位置づけ、辞めさせるというシステムになっているようです。PIPは辞めさせたい社員に無理難題を与え、追い込んでいくというもの。畑違いの不得手な課題を押しつけたり、いきなり『人間関係を改善しろ』などと抽象的な要求をしたりする。一定期間内に改善されなければ、退職や大幅な賃金ダウンに同意するよう求められるそうです」(同ユニオン執行委員長の鈴木剛氏)
NYタイムズの報道によると、米本社には厳しい人事評価システムがあり、社員はチーム内でランク付けされ、下位10%に入ると「排除される」という。社員同士で互いに監視させ、“密告”によって評価が下がることもあるから、穏やかじゃない。出産や病気で休んでも低評価に。長時間労働などの過酷な環境を生き残れる“優秀”な社員は「アマボット(アマゾンのロボット)」と呼ばれるらしい。
「どうやら日本でも同じようなことが行われているようです。アマゾン側は『退職勧奨はしていない』と、就業規則などの資料開示も拒否しています」(鈴木剛氏)
アマゾン創業者でCEOのジェフ・ベゾス氏(写真・AP)は昨年5月、国際労働組合総連合(ITCU)から「世界最悪の経営者」に選ばれた。アマゾンの物流倉庫の従業員が勤務中に歩く距離は一日当たり24キロに達し、「従業員をロボットのように扱っている」と批判された。
アマゾンに事実関係を問い合わせたが、10月2日までに回答はなかった。
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