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8月経済指標と、米雇用統計(在野のアナリスト)
http://www.asyura2.com/15/hasan101/msg/217.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 10 月 02 日 23:38:45: igsppGRN/E9PQ
 

8月経済指標と、米雇用統計
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52743185.html
2015年10月02日 在野のアナリスト


総務省から8月家計調査速報が発表され、消費支出は前年同月比、実質で2.9%増、ただしこれは6月2.0%減、7月0.2%減の反動であり、また連続して猛暑日を記録するなど、8月の季節要因といった面が強い。住居を除くと1.9%増なので、都心部の賃貸上昇が大きくなっていることを示します。

勤労者世帯の実収入は前年同月比、実質で2.2%増。ただしこれも昨年の8月が5.4%減となったことの反動で、まだ一昨年の水準には届いていません。それに内訳をみると、世帯主の収入は実質で0.7%減である一方、配偶者の収入が14.7%増と、賃上げの効果ではなく、夫婦共働き世帯が増えたことによる影響で、今年度に入ってから実収入の上昇分はすべてこうした形なので、逆に言えば雇用改善も、この共働き世帯の増加によって成し遂げられている部分がほとんどとみられます。

労働力調査でよりはっきりしますが、15〜64歳の就業者は男性33万人減、女性3万人増、65歳以上は男性21万人増、女性24万人増。女性は年齢問わず増加する一方、男性は高齢者の就労が目立つ。ほとんど労働力人口の推移と、就業者の推移が同じなので、構造変化といえばその通りですが、一人一人の収入のパイが減れば、それは将来の年金不安にもつながります。またこうした高齢層の就労が増えていく事実をみて、安倍氏が1億総活躍社会と言っているのなら、日本はすでに構造的に老若男女が働かないと立ち行かない国家になっている、ということなのかもしれません。

正規職員は24万人増ですが、これは高齢層の再雇用がかなり増えた結果でしょう。非正規職員は派遣法改正をにらんだ動きか、派遣社員が20万人増となった。産業別でみると医療・福祉が36万人増と突出して多く、運輸17万人増と人材不足が顕著なところが伸び、一方で製造業、建設業、小売業が大きく減った。内需も外需も根幹のところで労働力が減っている現状は、芳しいものではありません。しかも今年度ずっと同じ傾向なので、日本は曲がり角どころか斜陽とも指摘できます。製造業の人材過剰は、設備の過剰とも直結し易く、設備投資計画すらままならないからです

有効求人倍率が1.23と前月に比べて0.02pt上昇です。しかし有効求職者は前年同月比4.9%減、有効求人数は5.9%増、つまり人が減っているから改善にみえる、というこれまでの流れの中にあります。黒田日銀総裁が「完全雇用と言ってもいい状態なのに、賃金が上がらない」と賃上げ要請ともとれる発言をしましたが、今は国内だけでなく国外の状況もみて賃金を決めています。日本で労働人口が減り、賃上げするようなら海外に工場を移す。賃上げして競争力を減らすより、そうした選択に傾き易いのです。社会構造の変化を読み解けない、そんな総裁では心許ない。政策まで間違った認識で打たれるかもしれない、との懸念を想起させるものとなっています。

米9月雇用統計が発表され、非農業部門の雇用者数が14.2万人と、市場予想を大幅に下回りました。時間当たり賃金、製造業労働時間も小幅ですが減少し、ここに中国減速の陰がじわりと襲っているなら、やや問題の根は深くなるのでしょう。中国減速は、中国の過剰設備、過剰生産のみならず、世界全体もそれに対応した規模にしていたのですから、過剰設備、過剰生産に陥り易いともいえます。勿論、中国でもっとも悪影響になることは確実としても、日米ともやや気になる数字が出始めてきた8、9月の指標、どこまで拡がるか注視しておいた方がよいレベルなのでしょうね。
 

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コメント
 
1. 2015年10月03日 10:18:05 : OO6Zlan35k
米雇用統計、予想大きく下回る:識者はこうみる

[2日 ロイター] - 米労働省が発表した9月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が14万2000人増にとどまり、伸びは市場予想の20万3000人増を大きく下回った。

8月分も13万6000人増に下方修正され、雇用の勢いに急ブレーキがかかった。 賃金も減少し、米経済が年内の利上げに耐え得るのか疑問符がつく内容となった。

市場関係者のコメントは以下の通り。

●12月の米利上げ確率低下=RBC

<RBCキャピタルマーケッツの首席米国エコノミスト、トム・ポーセリ氏>

全般的に弱い内容で、表に現れていない部分も前向きに受け取れないものがある。単月の指標が金融政策の方向性を決定づけることはないが、米連邦準備理事会(FRB)は米国内の統計にとどまらず、ありとあらゆるデータに目を配っており、軟調な世界動向に今回こうしたさえない指標が加わったことで、12月の米利上げ確率は低下したと考えられる。

●強気派には大打撃、利上げ12月以降

<シチズンズ・フィナンシャル・グループの国際市場マネジングディレクター、トニー・ベディキアン氏>

米経済への強気派や連邦準備理事会(FRB)の早期利上げを想定する向きにとっては、ワンツーパンチを食らったような内容だ。

統計の発表を受け、利上げはおそらく10月はなく、12月の会合以降に先送りというのが市場関係者の全般的な見方だろう。

数カ月前から始まったリスクオフの動きが今後も続いても意外感はない。

●7・8月分の下方修正は驚き、回復鈍い

<エドワード・ジョーンズの投資ストラテジスト、ケート・ウォーン氏>

9月の雇用者数の伸びが大きく下振れしただけでなく、7、8月分も上方修正ではなく、下方修正されたことは驚きだ。経済が従来の想定以上に弱いことは確かだ。

だがこれは景気停滞ではなく、以前のような鈍い成長ペースだ。消費支出の基調的な力強さは、引き続き成長ペースを過去6年の回復局面でみられた2%程度に押し上げるだろう。

第2・四半期に見られた力強い成長ペースがさらに加速してほしいと誰もが望んだが、そうはならない。

株価は下げているが、ほかに注意すべき点が2つある。1つは米連邦準備理事会(FRB)が今後数カ月に利上げする可能性がかなり下がったということだ。だが将来のいずれかの時点で、事実上のゼロ金利を解除するというFRBの意図を取り除くとは思わない。

また過去分の下方修正や成長鈍化を受けても、これはリセッション(景気後退)の前兆ではなく、これまでにもみてきた鈍く不安定な回復ということだ。
http://jp.reuters.com/article/2015/10/02/instant-view-us-job-idJPKCN0RW1IW20151002


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