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米利上げならドル高円安 株式や債券市場にも大きな影響必至(週刊ポスト)
http://www.asyura2.com/15/hasan101/msg/185.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 10 月 01 日 16:12:40: igsppGRN/E9PQ
 

米利上げならドル高円安 株式や債券市場にも大きな影響必至
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151001-00000018-pseven-bus_all
週刊ポスト2015年10月9日号


 9月16〜17日(現地時間)に開かれたFOMC(連邦公開市場委員会)の行方を世界の市場関係者が固唾を呑んで見守っていた。FRB(連邦準備理事会)がアメリカの金融政策を決めるために開く会議だ。
 
 注目を集めたのは政策金利を引き上げる判断がなされるかどうか。いわゆる「アメリカの利上げ」の有無だ。日本時間の18日午前3時に声明が発表され、利上げは見送りとなった。
 
 アメリカの政策金利は2008年のリーマン・ショック以降事実上のゼロ金利(0〜0.25%)が続いている。
 
 政策金利とは中央銀行(日本なら日銀)が一般の銀行に資金を貸し出す際の金利のこと。金利が低いほど銀行や企業に資金が回りやすくなるのでゼロ金利は景気刺激策となるが、「お金を貸しても利息がつかない」という異常な状態をいつまでも続けるわけにはいかない。アメリカではFRBが「景気は回復し、経済が安定した」と判断したところで、利上げに踏み切ることになる。
 
 今回は見送られたが、投資のプロたちがアメリカの利上げの有無に注目するのは、それによって世界中の為替や株価が大きく動くと考えられているからだ。
 
 トレーダーの酒匂隆雄氏(酒匂・エフエックス・アドバイザリー代表)が解説する。
 
「まず影響を受けるのが為替です。米ドルの金利が上がるわけですから、『米ドルを買いたい』と考える人が増え、ドル高の要因となります。また、円のように金利の低い通貨は売られやすくなって円安が進む。相対的に高金利で人気だった新興国の通貨も、ドルとの金利差が小さくなって魅力が減るので売られていくことになるでしょう。ドルに資金が集まることで、為替のみならず株式や債券市場にも大きな影響を与えることになります」

 

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1. 2015年10月01日 18:09:06 : nJF6kGWndY

日本の部品メーカーが価格カルテル…サムスン電子も被害
2015年10月01日13時29分
[ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版] comment23mixihatena0
韓国の公正取引委員会が日本のコンデンサーメーカー8社は最大4兆ウォン(約4100億円)台の価格カルテルを結んでいた疑いで調査に入った。これらのカルテルでサムスン電子やLG電子など韓国の電子メーカーは数百億ウォンの損害を受けたと公取委は把握している。

公取委関係者は30日「コンデンサーの価格カルテルを結んだ疑いがある日本の電子部品メーカーの本社と韓国法人などから関連資料をもらって調査を行っている」として「日本製のコンデンサーが入っていない電子製品がないほど広範囲に活用されており、被害を受けた韓国企業が少なくないだろう」と話した。調査対象はパナソニック・ニチコン・日本ケミコン・日立化成・NECトーキンなど8社だ。

カルテルを結んでいたとされる期間は2002〜2013年だという。最近ある日本企業が公取委に対しカルテルの事実を認め、公取委は容疑立証に問題がないとみている。

8社の日本電子部品メーカーの役員らは2002年から2013年まで定期的にアルミニウム電解コンデンサー、タンタル電解コンデンサーなどの価格を自社に有利な方向で調整していたという。調査対象の日本の電子部品メーカーの世界コンデンサー市場占有率の合計はカルテル期間に60%前後を維持してグローバル市場のコンデンサー価格を動かすことができた。日本の経済産業省が毎年発刊する機械統計年譜を見ると2002〜2013年の日本のコンデンサー生産額は計6兆329億円(約59兆5000億ウォン)で世界最大規模だ。

日本の電子部品メーカーがカルテルの誘惑に落ちたのは韓国や台湾など後発走者の追撃とコンデンサー需要の減少のためだという分析だ。日本の企業は2008〜2009年に積極的に価格カルテルを結んでいたという。世界景気の低迷で主なコンデンサー納品先である家電・情報技術(IT)企業の販売量が減少していた時期だ。日本の企業はコンデンサー需要の減少で発生する可能性があった出血競争を防ぐためにカルテルを結んだとみられると公取委関係者は説明した。

2009年、日本のコンデンサー生産額は3962億円(約3兆9000億ウォン)で2008年の5773億円(約5兆7000億ウォン)対比31.4%の急減となったが、日本製のコンデンサー販売単価は需要減少にもかかわらず同期間で3.4%の下落にとどまった。

公正取引委員会はサムスン電子など韓国企業の具体的な被害状況を立証するのに注力している。関税庁によれば2002〜2013年韓国の日本製のコンデンサー輸入額は計39億9454万ドル(約4兆7700億ウォン)だ。ほとんどがコンデンサー市場占有率上位圏を形成している日本の調査対象企業の売り上げであると推定されている。

公取委は早い時期内に調査を完了して委員会審議を経て課徴金の賦課額や是正命令などの制裁程度を決める予定だ。公取委のカルテル課徴金は期間内に発生した関連売り上げの最大10%まで賦課される。日本の電子部品企業が数千億ウォン台の課徴金爆弾を受ける可能性も排除できない。

日本の電子部品企業からカルテル期間にコンデンサーの納品を受けた韓国企業は公取委の調査結果を根拠に損害賠償訴訟に出るものと展望される。LG電子は昨年2月、台湾の液晶表示装置(LCD)パネルとブラウン管メーカー5社を相手に100億ウォン台規模の価格カルテル損害賠償訴訟を進行中だ。公取委が2011年10月、これらの企業にカルテルの疑いで課徴金を課したものに伴った後続措置だ。
※本記事の原文著作権は「韓国経済新聞社」にあり、中央日報日本語版で翻訳しサービスします。
The Korea Economic Daily
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http://japanese.joins.com/article/394/206394.html?servcode=300§code=300&cloc=jp|article|ichioshi


2. 2015年10月01日 18:10:23 : nJF6kGWndY

ドル高になる前に、VW的トラブルが、ひと悶着ありそうだな


3. 2015年10月01日 18:46:50 : OO6Zlan35k

焦点:主要中銀の政策運営に渦巻く疑念、独立性低下の懸念も
 9月30日、金融政策目標の達成のめどが立たない世界の主要中央銀行に対する市場関係者や学識者の目が厳しさを増している。写真はテレビ画面に映るイエレンFRB議長。NY証券取引所で17日撮影(2015年 ロイター/Lucas Jackson)
 9月30日、金融政策目標の達成のめどが立たない世界の主要中央銀行に対する市場関係者や学識者の目が厳しさを増している。写真はテレビ画面に映るイエレンFRB議長。NY証券取引所で17日撮影(2015年 ロイター/Lucas Jackson)
[ロンドン 30日 ロイター] - 金融政策目標の達成のめどが立たない世界の主要中央銀行に対する市場関係者や学識者の目が厳しさを増している。問題視されているのは中銀の政策運営のあり方と、政策目標自体の妥当性だ。同時に、中銀の独立性低下の懸念も広がっている。

米連邦準備理事会(FRB)が今月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ見送りを決めたことも、金融市場を落ち着かせるどころかかえって多くの疑問を生む結果となった。

FRBが今回のように表面上はハト派的なシグナルを送った後で、株式やコモディティ、新興国市場がこれほど荒れたのは、皆無ではないにしても極めて異例なケースといえる。

最大の疑問は、FRBや他の主要中銀は景気が拡大してきても、物価が低迷しているために、現在の事実上のゼロ金利を動かせなくなっているのではないかという点だ。

投資家の不安の根底には、このまま新たな景気減速局面を迎えてもテコ入れのために政策金利を下げる余地がない、という芳しくない展望がある。

シティグループのチーフエコノミスト、ウィレム・ブイター氏は「金融政策の手段が比較的乏しいことで、景気拡大の脆弱性が増し、マイナスのショックによって企業や消費者が後ろ向きになり、状況が著しく深刻化するリスクがある」と指摘する。

2週間前の米利上げ見送りをもたらした、中国をはじめとする新興国経済の減速とコモディティ安が年内に歯止めがかかるかどうかは不透明。また、こうした現象や米物価の低迷に、ドル高が少なくとも一因として影響しているのなら、FRBの利上げで拍車が掛かるのではないか、という疑問もある。

資産運用会社ロンバー・オディエのチーフストラテジスト、サルマン・アフメド氏は「現在の環境では国内だけに焦点を当てた金融政策運営はできない。足元で起きているのは、中銀がもはや国内の経済データのみに対応して政策調整できなくなっている事態だ」と話した。

FRBと同じジレンマを抱えるのはイングランド銀行(英中央銀行、BOE)だ。一方、日銀と欧州中央銀行(ECB)は、国内や域内からの利上げ圧力が乏しいという点では違いがあるが、デフレ回避と物価目標達成の試みが国内要因ではなく海外要因によって揺さぶられている構図に変わりはない。

アフメド氏は、低成長の下では、中銀に対して政府と一体化した政策の枠組み導入を迫る圧力が強まる、と指摘した。

<独立性侵害の危険性>

英国では既にこうした方向に議論が進んでいる。最大野党・労働党の新党首になったジェレミー・コービン氏と影の財務相を務めるジョン・マクダネル氏はかねてよりBOEの独立した地位に批判的だ。マクダネル氏は、ジョセフ・スティグリッツ氏やトマ・ピケティ氏らが出席した今週のパネル討論会で、新たに設立する国営の開発銀行がインフラ整備計画のために発行する債券をBOEが買い取り、「国民の量的緩和」を進めるべきだと主張した。

BOEの元金融政策委員会(MPC)メンバーのデービッド・ブランチフラワー氏も29日、労働党がBOEの目標を単なる物価上昇率達成以外に広げることを論じているのは正しいとの考えを示した。

同氏は「MPCの新たな目標としては成長や雇用、恐らくは賃金などを加えるべきだ」と指摘した上で、雇用と物価安定、相応の長期金利水準を目指すFRBのモデルの方が好ましいとしている。

ただしFRB自体が政策運営で苦境に置かれている以上、中銀批判派の中で、こうしたモデルに賛同しない向きもいるだろう。

また一部のエコノミストや投資家は、政治の統制が強化されることで中銀が時の政権のより極端で目先的な発想に対して妥協する可能性を懸念している。

英国の経済学者ジョージ・マグナス氏は、政府と中銀の協調促進にはそれなりの根拠があると考えられ、実際に境界線がぼやけてきたと指摘するが、中銀の独立性について「ルビコンを渡る」危険性に警鐘を鳴らす。

マグナス氏は、日本のような経常黒字国ならそうした行動をとることは可能としても、英国など巨額の赤字を抱える国は資本逃避が起こりやすくなりかねない、とみている。

英金融サービス機構(FSA)長官を務めたアデア・ターナー氏は今週、中央銀行による財政赤字ファイナンス(OMF、いわゆるヘリコプターマネー)は中銀の権限に属するのだろうが、政府がそれを乱用する恐れがあるので、中銀を守るために法律でより厳しく縛る必要があるとの意見を表明した。

ターナー氏によると、政府が一度OMFに手を出すと、今度は無規律かつ行き過ぎた形でもう一度使いたくなると指摘。また政治家が規律を守ると強調しても、市場が信用せずに為替レートや予想物価上昇率が自己実現的に変化してしまう恐れもあると説明した。

(Mike Dolan記者)

トヨタがプリウスの中国生産停止、次期モデルから日本に集約 2015年 09月 29日
コラム:独VW不正問題、米司法の公平さ試す「試金石」に 2015年 09月 29日
米議会は政府機関閉鎖を回避へ、辞任まで尽力=ベイナー下院議長 2015年 09月 28日
http://jp.reuters.com/article/2015/10/01/investment-centralbank-mandates-idJPKCN0RV3MX20151001?sp=true


4. 2015年10月01日 18:54:06 : OO6Zlan35k
焦点:欧州各国で緊縮派与党の支持拡大、景気回復の実績てこに

[アテネ 30日 ロイター] - 欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)による緊縮プログラムを受け入れた欧州諸国すべてにおいて、数カ月後の総選挙で与党が再選を果たしたり、政治勢力を保つ可能性が高まっている。常識を覆す現象だが、緊縮が功を奏して景気回復が勢いを増していることが背景にある。

ポルトガルからスペイン、アイルランドに至るまで、世論調査では与党が支持率を伸ばす一方、野党は主流派と過激派との間で分裂し、政権打倒の見込みは薄れている。

アイルランドとスペインでは景気が力強く拡大しており、ポルトガルでも持ち直していることがその一因だ。もっとも、失業率は依然として極めて高く、生活水準は多くの国々で下がっている。

与党の支持率が上昇しているもう一つの理由として、歳出削減と増税という痛みを受け入れた有権者が、安全路線を選ぶようになっていることが挙げられる。野党指導者は信頼に足る緊縮の代替案を示せていない上、ポピュリスト政党や愛国主義政党が至る所で主要野党の支持基盤を切り崩している。

欧州市民が突如として、給与削減や定年延長、社会保障や公共サービスの削減を熱烈に支持し始めたわけではない。しかし多くの市民は、やや規模を縮小しながらも「欧州社会モデル」を守るには、そうした犠牲もやむなしと腹をくくっている。

9月20日の議会選挙で勝利したギリシャのチプラス首相は、手のひらを反して厳しい改革案を受け入れてもなお、選挙に勝つのは可能だということを証明して見せた。

5月の英国総選挙ではキャメロン首相率いる与党保守党が、5年にわたって公共支出と社会保障の削減を実施したにもかかわらず単独過半数を確保した。ギリシャの選挙と同様、世論調査では接戦が予想されていたが、予想を覆した格好だ。

野党労働党はこのほど、緊縮に反対する極左のジェレミー・コービン氏を党首に選んだが、これは欧州全域の流れと逆行しているようだ。

<与党優勢>

4日に総選挙が迫ったポルトガルでは、コエリョ首相率いる与党社会民主党(PSD)が支持率で最大野党の社会党をリードしている。

PSDはストに屈せずEUとIMFの改革案を断行した経緯があり、選挙戦では、債務と競争力の危機を回避した実績を前面に打ち出している。

経済の安定維持を公約に掲げ、それを達成できるのは自分しかいないとするコエリョ首相の訴えは、有権者の心に響いている。現在のポルトガル経済は債務危機が終結して以来で最も堅調で、消費者信頼感は2001年以来の最高に近い。

隣国スペインではラホイ首相率いる与党国民党が、最大野党の社会労働党に支持率で約6%ポイントの差をつけてリードしている。新たに台頭してきた極左、極右政党に加え、カタルーニャ自治州の分離独立を掲げる政党が社会労働党から票を奪っている。

国民党の支持率は30%弱で、12月20日の総選挙で単独過半数を確保できる数字にはほど遠い上、今年行われた地方選挙は敗北続きだ。

それでも多くの政治アナリストは、ラホイ氏が連立政権を樹立できるだけの票なら十分獲得できると予想している。対する野党、社会労働党は連立相手探しに苦労しそうだという。

ポルトガルのコエリョ首相と同じくラホイ首相も、経済の安定を確保し、ポピュリスト勢力がスペインを再び危機の淵に陥れるのを防げるのは自分だけだと訴えている。彼は2012年に銀行救済のための国際融資を受け入れたが、国の全面的な救済は回避した。

9月27日に行われたカタルーニャ自治州議会選挙で分離独立派が勝利したことも、国家の一体性を支持する層を奮起させ、ラホイ首相に有利に働くとの見方がある。

アイルランド経済は今年の成長率が6%と、EU内で最も高い伸びが予想されている。これを追い風にケニー首相率いる統一アイルランド党は着々と支持率を伸ばしており、左派でEU懐疑派のシン・フェイン党は後退、中道右派の共和党の支持率は横ばいとなっている。

景気回復が加速する中、議論の焦点は7年に及ぶ緊縮策の恩恵から、人々の暮らし向きが良くなったかどうかに移った。失業率と家計の債務水準はなお高い。

ケニー首相および、連立を組む労働党は続投を目指し、経済の安定維持を掲げて選挙戦を戦う構えだ。13日の予算で減税と歳出拡大を打ち出した後、その勢いに乗って予定より半年前倒しで総選挙を実施する可能性がある。

(Paul Taylor記者)
http://jp.reuters.com/article/2015/10/01/analysis-eu-austerity-idJPKCN0RV3ND20151001


[32削除理由]:削除人:無関係の長文多数

5. 2015年10月01日 19:01:14 : nJF6kGWndY

>>04 緊縮プログラムを受け入れた欧州諸国すべてにおいて、数カ月後の総選挙で与党が再選を果たしたり、政治勢力を保つ可能性
>常識を覆す現象だが、緊縮が功を奏して景気回復が勢いを増していることが背景

と言うか、欧州は日米英と違って独立した中銀がないから、緊縮しなければギリシャ化するという恐怖がある

またECBが積極的に緩和してマイナス金利政策を取っているし、金融不安も通貨安に効いていること、そして資源安も生活水準の維持にプラスに働いている

ただ英国では野党労働党のバラマキ派が安倍自民に近い役割ということだから、今後は注目すべきだろう


6. 2015年10月01日 19:03:45 : OO6Zlan35k

コラム:市場の霧、背後に米中めぐる不安結合=山口曜一郎氏

三井住友銀行 ヘッド・オブ・リサーチ

[東京 1日] - 現在の金融市場は多くの不透明性に覆われており、市場参加者は先行きを見通しにくい状況にある。その不透明性を大きく2つに絞り込むと、「米国の利上げ」と「中国の成長減速」に行きつく。

1点目の米国の利上げについては、同国経済は堅調だが、米国外の要因がどの程度、米連邦準備理事会(FRB)の判断に影響を与えるかという不透明性とともに、米国の利上げ実施がグローバルな金融市場に与える影響についての不透明性も混在している。

2点目の中国については、経済統計への疑問もあってどの程度成長が減速しているのか、この先どうなるのか見通せない点が大きな不透明性を生み出している。しかも悩ましいことに、この2つは最近、強く結びついてしまった。

<イエレン発言で不透明性に拍車>

最も強い接着剤の役割を果たしたのは、9月17日に発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)声明文とイエレンFRB議長の記者会見だ。

夏の中国株の急落とそれに続く人民元切り下げによる世界的な金融市場のボラティリティーの高まりを受けて、市場ではFRBは9月利上げを見送るのではないかとの見方が台頭していたが、それはあくまでも市場のボラティリティー上昇を考慮したリスクマネジメント的な対応であり、年内の利上げは揺るがないだろうと筆者は考えていた。

しかし、FOMCの声明文には「最近の世界経済や金融の動向が経済活動をいくらか抑制する恐れがあり、短期的にインフレ率にさらなる下振れ圧力を与える可能性がある」との文言が盛り込まれた。また、イエレン議長は記者会見で、こうした動きが米国に与える「インパクトを評価するのにもう少し時間をかけたい」「特に中国と新興国に焦点を当てている」と述べ、中国が予想以上に急減速するリスクに言及した。

中国の減速が米国に直接与えるインパクトは、韓国、オーストラリア、ドイツ、日本などと比べて小さいにもかかわらず、FRBは中国の動向を心配していることを明らかにしたわけであり、夏の混乱から2、3カ月で米国への影響を判断することが難しいことを勘案すると、年内の利上げはないと考えるのが自然であり、筆者もそう受け止めた。

しかし不思議なことに、イエレン議長は9月24日の講演で「私の同僚および私は年内の利上げが適切だろうと予想している」と発言した。これはどう考えたらよいのだろうか。

筆者には、9月17日の記者会見で強く結びつけてしまった米国の利上げと中国の成長減速の結び目をほどこうとしているように見えるが、17日の記者会見を真に受けた市場参加者にとっては、17日と24日のトーンの違いに違和感を持っているはずであり、また一度できてしまった結び目をほどくのは簡単ではない。

9月28日にニューヨーク連銀のダドリー総裁が「経済が現在の軌道を続けるのであれば、利上げのかなり強い主張となる」と述べ、サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁が「次の適切なステップは漸進的な利上げであり、年内の開始が最もありそうだ」と発言しても、マーケットの反応は限定的だった。

<世界貿易から見た中国減速のインパクト>

こうした一連のFRBの動きを見るにつけ、筆者はあらためて、米国の利上げと中国の成長減速は難しいコンビネーションであると感じている。これは「世界第2位の経済規模である中国が減速している時に、第1位の米国は利上げを行いにくい」という関係のほかに、世界経済における米国と中国の役割の変化も絡んでくる。

世界貿易機関(WTO)発表の統計データによれば、2011―14年の3年間における世界貿易の伸び率は年あたりわずか1%であり、その中で、米国の輸入が世界全体に占める割合は2000年の19.5%をピークに、14年には12.7%まで低下した。かつて世界各国は米国向け輸出の増加という形で米経済の成長の恩恵を享受してきたが、世界の貿易額が伸びず、その中で米国がシェアを落としているという状況では、米国への輸出による恩恵はどうしても細っていく。

その一方で、存在感を強めていたのは中国であり、2000年に3.5%だった輸入シェアは14年に10.4%まで上昇している。世界各国は中国向け輸出に注力することで中国の経済成長の恩恵を受けてきたわけだ。今回、米国の利上げと中国の成長減速が同時進行するようであれば、緩和マネーに巻き戻しが入ると同時に、成長の源泉が弱まるというダブルパンチになる。

加えて悩ましいのは人民元切り下げだが、これは必然だったとも言える。中国当局は人民元切り下げの理由を、為替レートの決定をより市場実勢に沿ったものにするためとしているが、ほかに2つの理由があると筆者は見ている。

1つは予想以上の成長減速を受けた輸出下支えのため、もう1つはドルペッグが限界に来ていたためだ。後者については、米国の利上げが射程圏に入ってくる中、中国としては利上げどころか追加金融緩和によって景気減速に対応しなければならない状況であり、これ以上のペッグは維持不可能だった。よって、米国が利上げを行うならば、中国は通貨切り下げをするしかなかった。

幸か不幸か、中国はまだ資本移動の自由化途上にあり、多くの規制が残っていたことから、海外からの多額の資本流入とその急激な流出が発生するリスクは相対的に小さく、グローバルな危機に発展する可能性は限定的だろう。

これに対して、他のアジア新興国はすでに変動相場制を導入しており、固定相場という潜在的な歪みはない。これ自体は望ましいのだが、中国経済のスローダウンによるアジア新興国の景気減速が連想される中、人民元切り下げが他のアジア新興国通貨売りにつながり、資本流出や外貨建て債務の負担増を招くというリスクが存在する。

<リスク資産全体に巻き戻しが入る恐れは>

最悪の展開は、新興国市場の動揺が先進国市場にも広がり、利回り追求で買われていたリスク資産全体に巻き戻しが入るケースだ。しかも、その投資が短期調達と長期運用で構成されていたり、運用資産が投資信託などに幅広く組み込まれていたりするようだと、話は一層厄介になる。

筆者の試算によれば、中国の経済成長が1%ポイント減速した場合にグローバル経済に与える影響は約マイナス0.4%ポイントだ。よって、中国の国内総生産(GDP)成長率が6%前後に減速する程度であれば、世界経済はまだ3%台の成長が可能だが、中国の成長が5%を割り込むようだと、世界全体の経済成長率は3%を下回ってくる恐れがあり、グローバルな金融市場にも大きな影響を与えることになる。

こうして考えると、実はFRBが現時点で利上げを躊躇(ちゅうちょ)する理由はなく、逆に待てば待つほど中国からの間接的な影響が米国に及んだり、拡大局面が7年目に突入した米国の景気サイクルが循環的なピークに達してしまったりする可能性が台頭する。

中国経済統計の信頼性に疑問が存在する中、中国側の不透明性が払拭(ふっしょく)されるには、相当にポジティブなニュースが必要であり、米国については不透明性が払拭されるようにFRBが行動することが肝要だ。

結びついてしまった2つの不透明性の結び目をほどくのは容易ではなく、ネガティブなニュースへの反応が大きくなりやすい状況がしばらく続くだろう。

*見出しを修正して再送しました。

*山口曜一郎氏は、三井住友銀行市場営業統括部副部長兼調査グループ長で、ヘッド・オブ・リサーチ。1992年慶應義塾大学経済学部卒業後、同行入行。法人営業、資本市場業務、為替セールスディーラーを経て、エコノミストとして2001―04年に ニューヨーク、04―13年ロンドンに駐在。ロンドン大学修士課程(金融学)修了。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。(こちら)
http://jp.reuters.com/article/2015/10/01/column-yoichiroyamaguchi-idJPKCN0RV3A520151001


7. 2015年10月01日 19:42:39 : OO6Zlan35k
ロンドン外為:円ほぼ全面安−中国指標が景気改善の兆候を示す
2015/10/01 17:16 JST
    (ブルームバーグ):ロンドン時間1日午前の外国為替市場では、円が主要通貨に対しほぼ全面安となっている。中国製造業が改善しつつあることを示す指標を受けて、安全資産として円を求める動きが後退した。
元日本銀行副総裁の岩田一政・日本経済研究センター理事長が、経済・物価情勢は「日銀が何かやらざるを得ない方向に動いている」との見方を示したことも材料視された。
ロンドン時間午前8時50分(日本時間午後4時50分)現在、円の対ドル相場は前日比0.3%安の1ドル=120円19銭で取引されている。ユーロに対しては1ユーロ=133円99銭で、ほぼ変わらず。ユーロは対ドルで0.3%下げ1ユーロ=1.1147ドルで推移。
原題:Yen Falls After World-Beating Quarter as China Boosts Sentiment(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 Kevin Buckland kbuckland1@bloomberg.net;ロンドン Lucy Meakin lmeakin1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: David Goodman dgoodman28@bloomberg.net Chikako Mogi
更新日時: 2015/10/01 17:16 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NVJ81S6S972Z01.html

中国でまた本土社債デフォルトの恐れ−保定天威英利新能源が資金難
2015/10/01 16:08 JST
    (ブルームバーグ):中国のソーラー部品メーカー、保定天威英利新能源が本土社債市場で次にデフォルト(債務不履行)に陥る企業となる可能性がある。
保定天威英利はウェブサイト、チャイナマネー(中国貨幣網)に9月29日掲載した資料で、損失を被っていることから、10月13日に期限を迎える元利10億5700万元(約200億円)相当の社債の償還をめぐり不確実性があると発表した。河北省に本社を置く同社は引き続き資金確保に努めているという。
問題の社債は保定天威英利が2010年に額面10億元で発行。現在の表面利率(クーポン)は5.7%。チャイナボンドの集計データによると、同社債の利回りは9月29日に9ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し12.4%と、過去最高に迫った。
原題:Chinese Solar Company May Default as Xi Makes Emissions Push(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:上海 Judy Chen xchen45@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Katrina Nicholas knicholas2@bloomberg.net
更新日時: 2015/10/01 16:08 JST

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NVJ2XQ6KLVR801.html


8. 大阪のオッサン 2015年10月01日 21:00:49 : IrxKWlzBv.FMQ : rF4U6PwdlY
アホな予想だな!
最後の利上げとみて円高になり、
世界同時株安の第三段の下げの始まりになる!

9. 2015年10月02日 14:44:31 : OO6Zlan35k
雇用と物価の均衡目指すFRB
失業率がもっと下がれば、インフレ圧力が高まりかねない(ミシガン州の就職説明会) ENLARGE
失業率がもっと下がれば、インフレ圧力が高まりかねない(ミシガン州の就職説明会) PHOTO: LAURA MCDERMOTT/BLOOMBERG NEWS
By SPENCER JAKAB
2015 年 10 月 2 日 13:30 JST

 米経済は次第に慎重に対処しなければならない状況になりつつある。

 投資の専門家たちは、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げは早くても12月になるとみている。金利をゼロ近辺に約7年間とどめるだけでなく、米経済は低失業率というもう一つの極端な状況が続くことになるだろう。

 一般に豊富な雇用は純粋に好材料とみなされるが、エコノミストは好材料が多すぎるとどうなるかも理解している。ただ、好材料が物価上昇圧力という悪材料になる転換点は、議論が分かれるところだ。この転換点は一般に5.1%程度の失業率だとみられている。これは現在の水準だ。

 この転換点が何らかの理由で下がるとしても、失業率の動向をみると戸惑うはずだ。ウォール・ストリート・ジャーナルが行ったエコノミスト調査では、2日発表の雇用統計では9月に20万人の雇用が増えたとみられている。過去12カ月の平均は24万3000人だった。この動向が来年暮れまで続くならば、失業率はさらに低下するだろう。

雇用の伸び(12カ月平均)の推移 ENLARGE
雇用の伸び(12カ月平均)の推移 PHOTO: THE WALL STREET JOURNAL
 アトランタ地区連銀の分析モデルによると、労働参加率が横ばいならば、16年11月までに失業率は3.8%に達するだろう。これはハイテクバブル期の2000年4月につけた過去20年間で最低の水準に並ぶ。

 FRBは16年10-12月期までに失業率がこれよりもインフレ懸念の少ない4.8%までしか下がらないと予想している。だが、それではつじつまが合わない。

 FRBは同時に、来年末のFF金利は現在よりも約1%高い水準にとどまるとみている。

 だが、FRBの失業率の見通しは、来年の雇用の伸びがはるかに減速し、過去12カ月の平均よりも10万人程度少ない状態と一致している。雇用の伸びがそのように減速すれば、FRBの積極的な利上げを想定するのは難しいだろう。

 FRBが12月までに利上げするとしても、その後の道筋はこれまで以上に不透明だ。インフレに追いつく展開になるか、あるいは反転を余儀なくされる可能性もある。

米利上げ、早ければ10月にも=ウィリアムズSF連銀総裁
米サンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁 ENLARGE
米サンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁 PHOTO: JASON HENRY FOR THE WALL STREET JOURNAL
By DAVID HARRISON
2015 年 10 月 2 日 08:41 JST

 【ソルトレークシティー(米ユタ州)】米サンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁は1日、米経済が完全雇用に近づく中、早ければ10月にも利上げがあるとの見通しを明らかにした。

 連邦準備制度理事会(FRB)が行動を起こす上で新たな経済指標はあまり必要ないとし、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ見送りが決まったことについて「極めて際どい判断」だったと述べた。

 総裁は当地での講演後、記者団に対し「このような際どい判断を下す場合、たくさんの情報がなくても情勢は変わるものだ」と指摘し、今月のFOMCで利上げが決まる可能性を示唆した。10月に利上げを決める可能性は「十分あると思う」と語った。

 利上げの鍵を握る重要指標の一つが、米労働省が2日発表する9月の雇用統計だ。総裁は新規雇用者がこれからも毎月大幅に増えるとの期待は禁物だと警告した。直近8月の失業率5.1%は総裁が完全雇用と考える5%に迫る水準だ。

 「雇用市場が着実かつ持続的な改善を見せ、景気回復が継続するだけで十分だ」とし、非農業部門就業者数の伸びは「10万人超か15万人なら私は満足だ」と話した。

 就業者数は年初来、1カ月当たり平均21万2000人のペースで伸びており、総裁の言う10万人超から15万人という水準はこれよりもかなり少ない。だが、就業者数の伸びが減速するのは雇用市場がより完全回復に近づいている表れでしかない、というのが総裁の見解だ。

 国際情勢については、FRB関係者らは依然注意深く見守っているとした上で、FRBでは、9月には海外の混乱を意識して利上げを見送ったものの、今は行動を起こす前に海外発のリスクがいくらか後退した兆候がないかを見定めているところだと説明した。

 「世界の経済成長に大きく意気消沈したり悲観的になったりしたわけではない。ただ世界成長をめぐるリスクの高まりがうかがえるだけだ」と指摘した。

 ウィリアムズ総裁の見解への注目度は高い。総裁はFOMC内の中道派とみられているだけでなく、イエレン議長の考え方に近い側近とされているからだ。


 

コラム:リーマン危機と違う「緩慢なショック」進行か
 10月2日、日本では、生産の減少に歯止めがかからず、「緩慢なショック」現象が継続するリスクが浮上している。2013年7月、都内で撮影(2015年 ロイター/Toru Hanai)
 10月2日、日本では、生産の減少に歯止めがかからず、「緩慢なショック」現象が継続するリスクが浮上している。2013年7月、都内で撮影(2015年 ロイター/Toru Hanai)
田巻 一彦

[東京 2日 ロイター] - 中国発の世界経済減速は、短期的に反転・回復基調に入るとの楽観論が日本の政策当局や一部のエコノミストから出ている。しかし、反転するとの確かな「証拠」は見当たらない。

そればかりか日本では、生産の減少に歯止めがかからず、「緩慢なショック」現象が継続するリスクが浮上している。リーマンショックとは違った展開のショックが進行しているリスクに、今こそ最大限の注意を払うべきだ。

<8月の国内生産計画、大幅下振れの裏側>

市場では、1日発表の日銀短観での業況判断の悪化が小幅で、設備投資計画も強気が維持され「想定より強めの内容」(国内銀関係者)との声が漏れている。日経平均.N225も1万7500円台を回復し、「地固め」という見方さえ一部の市場関係者から出ている。

だが、私の目からは、そうした楽観的な見方に立っている市場関係者が、日本の鉱工業生産の「変調」に気付かない素振りを見せていることに強い違和感を感じる。

多くの市場関係者は、8月生産が事前のプラス予想から前月比マイナス0.5%と減少したことに注目。「単月の振れが大きいので一喜一憂しない」(国内市場関係者)との受け止めが多かった。

だが、その見方は表層的だ。同時に発表された9月予測値は同プラス0.1%、10月が同プラス4.4%だが、経済産業省の試算では、7─9月は前期比1.1%低下と、2期連続の減産となる見通し。

同省幹部は「8月の生産計画と比べた実積率は4.2%も下振れた。これほどの見込み違いは東日本大震災以来であり、9月は前月比低下が濃厚、10月も4.4%上昇が低下に転じる可能性も否定できない」と述べている。

なぜ、そうした生産計画の大幅な下振れが起きているのか──。それは世界経済減速の「起点」である中国で、経済下押しの力が依然として継続しているからであり、その結果として周辺の東南アジア諸国の景気が、下方シフトしているからだ。

この景気下降トレンドは、短期的に終息するというのが、楽観的シナリオを支持する人たちの拠って立つ理由だが、どうも根拠が危なくなっている。

<中国の輸入・鉄道貨物輸送が大幅マイナス>

財新/マークイットが発表した9月の中国購買者景気指数(PMI)改定値は、製造業PMIが47.2と6年半ぶりの低水準となり、これまで堅調だったサービス業PMIも50.5と改善・悪化の分岐点となる50.0に接近してきた。

8月の鉄道貨物輸送量は前年比マイナス15.3%と大きく落ち込み、1─8月も前年比マイナス10.9%と国内での物流が停滞していることを示している。鉄道が道路輸送に貨物を奪われているとの指摘もあるが、それだけではなさそうだ。

と言うのも、8月の中国の輸入が前年比マイナス13.8%と大幅に落ち込み、マイナスも10カ月連続で減少しており、国内経済の停滞をうかがわせているからだ。

最近、日本企業の幹部の中でひそひそとささやかれていたのが、中国企業の収益がかなり打撃を受けているという話だ。自社の売り上げや利益水準の減少を懸念しているとの声を、直接聞いたという日本企業幹部に共通しているのは「かなり先行きは暗い」という印象だ。

実際、世界の市場を震撼とさせた9月28日発表の8月工業部門企業利益は、前年比マイナス8.8%と2011年の統計開始以来、最大の落ち込みとなった。

こうした中国経済の「スランプ」は、周辺国の経済不調へと波及。8月の中国輸入のうち、ASEAN(東南アジア諸国連合)からは前年比マイナス4.1%と前月の同プラス0.2%から急ブレーキがかかり、中国からASEANへの輸出も前月の同プラス1.4%から同マイナス4.6%へ急減。ASEAN経済の急減速ぶりを示した。

新興国の不振は、世界経済全体の勢いを削ぐ格好となっており、世界貿易機関(WTO)が9月30日に発表した2015年の世界貿易伸び率予想は、4月時点の3.3%から2.8%に下方修正された。

<自動車販売マイナスのなぞ>

一部のエコノミストは、中国の製造業は確かに減速しているが、個人消費は堅調だとの見方を崩していない。しかし、典型的な耐久消費財である自動車販売が、足元で前年比マイナスになっているのは、どう説明したらよいのだろうか。

中国汽車工業会によると、8月の国内自動車販売台数は、前年比マイナス3.0%。前月の同マイナス7.7%から落ち込み幅は縮小したが、同工業会幹部は、2015年の中国国内での自動車販売は、前年比マイナスに転落する可能性があると述べている。

また、強気派が最大の根拠にしている中国の国内総生産(GDP)に対しても、一部では懐疑的な目が向けられている。

ロイターが9月下旬に実施した多国籍企業の中国事業部幹部13人を対象にしたインタビューでは、9人が実際のGDPは公式統計で示されている7%ペースの成長を下回る3─5%ではないかと実感していると回答した。

人民元切り下げで輸出を振興し、供給過剰を緩和させる作戦も、8月の世界的な市場混乱で実施が当面、困難になった。その結果、「漢方」的なアプローチでジワジワと血行が良くなる治療法を取るしかないという状況に直面したのではないか。

経済対策を打っても、対症療法的なアプローチしか残されていないことを、多くの市場関係者はいずれ認識することになると予想する。

ジェイコブ・ソール氏の著書「帳簿の世界史」によると、かつて太陽の沈まぬ帝国と言われたスペインは、新大陸の銀山や銅山から産出される銀や銅の価値の2倍のコストをかけて、ネーデルランドの独立を抑える戦争をしていたが、正確な収支は当時の国王・フェリペ2世も把握していなかったという。

正確な経済データの把握が、妥当な経済政策選択の出発点であることは、今日も16世紀のスペインでも同じことだ。中国経済の実態が、正確に把握できたと世界の市場関係者が認識するまで、現在の混乱は継続し、「緩慢なショック」は進行する可能性があると指摘したい。
http://jp.reuters.com/article/2015/10/02/china-r-idJPKCN0RW06E20151002


[32削除理由]:削除人:無関係の長文多数

10. 2015年10月02日 18:39:16 : iUVF4cZcfI
利上げで困るのは米財務とFRBだけ、
アメリカも日本も利上げで大助かり、株も大助かりだ。




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