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8月鉱工業生産、予想外の低下 7〜9月マイナス成長も
http://www.asyura2.com/15/hasan101/msg/159.html
投稿者 あっしら 日時 2015 年 9 月 30 日 17:27:32: Mo7ApAlflbQ6s
 


8月鉱工業生産、予想外の低下 7〜9月マイナス成長も[日経新聞]
2015/9/30 10:28

 経済産業省が30日発表した8月の鉱工業生産指数は、中国経済の減速を背景に2カ月連続で低下した。前月比で1%程度の増加を見込んでいた市場関係者の予想は大きく外れた。四半期ベースでみても7〜9月期は2期連続のマイナスがほぼ確実だ。同期間の国内総生産(GDP)も伸び率はマイナスになるとの指摘が出始めた。

 経産省が8月末に公表した鉱工業生産指数の予測調査は前月比2.8%増だった。実績は予測調査から1%ほど下がる傾向があるが、今回は3%を超えて下振れした。経産省の担当者は「(予測と実績が)これほど大きくずれるのは、東日本大震災があった2011年の3月と4月以来で驚いた」と話す。

 直近の予測調査では9月の鉱工業生産指数が0.1%増になると見込むが、仮に予測通りだったとしても7〜9月期は前期比1.1%減と2期連続の減少となる。7〜9月がプラスになるには9月の指数が3.5%増以上になる必要があり、ハードルは高い。

 エコノミストの多くはこれまで7〜9月期のGDPが、4〜6月期の1.2%減からプラスに転じるとみていた。だが今回の鉱工業生産の結果を受け、「ほぼゼロか若干のマイナスに転じる可能性が高い」(SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミスト)との指摘が出始めている。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS30H0N_Q5A930C1EAF000/?dg=1

 

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1. 2015年10月01日 06:43:31 : jXbiWWJBCA
WTO 世界の貿易量予測を下方修正
10月1日 6時10分

WTO=世界貿易機関は、中国をはじめとする新興国の経済が減速していることなどを受けて、ことしの世界の貿易量の予測を4月の時点から下方修正し、去年と比べて2.8%の増加にとどまるという見通しを発表しました。
WTOは30日、ことしの世界の貿易量について、去年と比べて3.3%増加するとしていた、ことし4月時点の予測を下方修正し、2.8%の増加にとどまるという見通しを発表しました。
下方修正した理由について、WTOは、中国やブラジルなど新興国で景気が減速し、輸入が落ち込んでいることに加え、原油など資源価格が下落していることや外国為替市場の変動が大きくなっていることで、貿易の伸びが抑えられているためだとしています。
また、WTOは、来年の貿易量の見通しも、ことしと比べて3.9%の増加と、前回の予測から0.1ポイント引き下げました。
WTOは、今後の懸念材料として、新興国の経済がさらに減速することや、アメリカが政策金利を引き上げた場合、金融市場が不安定になる可能性を挙げ、「貿易量の下振れリスクは確実に高まっている」と指摘しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151001/k10010254221000.html


WTO、世界貿易予想引き下げ 新興国減速や米利上げがリスク

[ジュネーブ 30日 ロイター] - 世界貿易機関(WTO)は30日、2015年の世界貿易の伸び率予想を改定し、4月時点の3.3%から2.8%へと下方修正した。今年上期の伸び低下が影響した。4年連続で3%未満の伸びとなる計算で、金融危機前の1990−2008年の平均の半分程度の成長となる。

WTOは16年の予想も4.0%から3.9%に引き下げた。

15年の予想は14年の実績2.5%は上回った。しかし、世界経済の回復期待が後退する中で、WTOの予想はこれまでも楽観的すぎたとされてきた。今回の数字もそうなる可能性がある。

WTOは声明で「新興国や途上国経済の予想以上の大きな落ち込みや、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ開始に伴うマネーの流れの不安定化、欧州への難民流入による想定外のコスト増加」を先行きリスクとして挙げている。

中国経済の減速で、WTOにアジアの輸入の伸び率予想を4月時点の5.1%から2.6%に引き下げた。輸出も5.0%から3.1%に下方修正した。

中国における需要減少は、15年の第1、第2四半期の世界貿易が縮小した主な理由だ。15年上期の世界貿易は前年と比べ四半期平均で0.7%の減少となった。景気後退に苦しむブラジルの需要減少や、原油やその他コモディティ価格の値下がりも影響した。

WTOは、アジアの輸入の伸びが16年には4.3%に回復すると予想。中南米でも輸入は15年のマイナス5.6%から16年にはプラスの5.7%に戻るとしている。

WTOの予想はモノの貿易だけを取り扱い、サービス貿易は含んでいない。
http://jp.reuters.com/article/2015/09/30/global-economy-trade-idJPKCN0RU14720150930


[32削除理由]:削除人:関係が薄い長文

2. 2015年10月01日 07:38:18 : jXbiWWJBCA

FOMC、3つ目の責務あるかのように行動−ボストン連銀リポート
2015/10/01 04:37 JST
    (ブルームバーグ):米金融当局者は政策金利の決定を行う際にしばしば、金融安定を考慮する責務があるかのうような行動を取ると、ボストン連銀のローゼングレン総裁が共同執筆した調査リポートが指摘した。
リポートでは「特に景気低迷時において、連邦公開市場委員会(FOMC)で金融不安について触れられることがよくあり、結果として統計的に見て政策金利の大幅低下を招いている」とし、「金融不安の懸念をめぐっては、FOMCの会合参加者は口にするだけでなく、行動にも表す」と付け加えた。
ローゼングレン総裁は、共同執筆したボストン連銀のエコノミスト、ジョー・ピーク、ジェフリー・トゥーテル両氏とともに10月2日、同連銀主催の会議の冒頭で同リポートを発表する。
金融当局が米議会から与えられている責務は最大限の雇用と物価安定の2つ。リポートで執筆者らは、「FOMCがしばしば、金融政策に(金融不安に対処するという)3つ目の責務があるかのような行動を取ることが強く示唆される」と指摘している。
原題:Rosengren Paper Finds FOMC Acts Like It has a Third Mandate (1)(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Christopher Condon ccondon4@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Carlos Torres ctorres2@bloomberg.net
更新日時: 2015/10/01 04:37 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NVI64ZSYF02401.html


 

米国債:四半期では今年一番の値上がりに−リスク敬遠で逃避需要
2015/10/01 04:00 JST
    (ブルームバーグ):株安や中国経済の減速で世界経済の成長が抑制されるとの見方が広がる中、10年物米国債は四半期ベースで今年一番の値上がりになりそうだ。
シカゴ製造業景況指数が今年5カ月目の50割れとなり、10年債利回りは1カ月ぶりの低水準に接近した。中国経済減速への不安から最近、世界の株式市場で時価総額11兆ドルが吹き飛んだが、こうした動きは米国債への追い風となっている。29日までのバンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのデータによると、米国債は年初来で1.9%上昇、特に7月入りしてからは2%の値上がりとなっている。
RWプレスプリッチの政府債取引担当マネジングディレクター、ラリー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は「世界経済の伸び悩み、およびインフレ失速に対する不安はすべて、米国債への明確な追い風となっている」と指摘。「安全性への逃避が米国債相場を動かしている」と続けた。
ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによるとニューヨーク時間午後1時33分現在、10年債利回りは前日比で2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.07%。同年債(表面利率2%、2025年8月償還)価格は約1/8安い99 3/8。同利回りは6月30日に比べて約28bp下げており、四半期の下げとしては14年10−12月以来で最大。
原題:Treasury Investors See Quarterly Gains as Risk-Off Wagers Reign(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Susanne Walker Barton swalker33@bloomberg.net;ロンドン Eshe Nelson enelson32@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Boris Korby bkorby1@bloomberg.net
更新日時: 2015/10/01 04:00 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NVI5NQSYF01U01.html


外貨準備のドル比率5四半期ぶり低下、ユーロ13年ぶり低水準
[ニューヨーク/ロンドン 30日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)が発表した第2・四半期の世界の外貨準備高に関するデータによると、外貨準備に占めるドルの比率が5四半期ぶりに低下した。

ドル建ての外貨準備は4兆2490億ドル相当で、比率では第1・四半期の64.1%から63.7%に低下した。

市場では、新興国の中銀が自国通貨防衛に向けドル建て資産を売却しているとの見方が強まっており、ドル比率の低下はこうした状況を反映している可能性がある。

ユーロは約20.8%から20.5%に低下し、13年ぶりの低水準となった。ユーロの比率は、2009年のピーク時には28%に達していた。

全体の外貨準備高は、前四半期の11兆4400億ドルから11兆4600億ドルに増加した。

外貨準備は昨年第3・四半期から減少傾向が続いていたが、第2・四半期は増加に転じた。

だがアナリストの間では、データは最近の中国の外貨準備急減の実態を正確に把握していないとの指摘が出ている。

IMFは今回初めて外貨準備データの参加国を公表、146カ国がIMFに報告を行なっていることが明らかになった。

中国は外貨準備をIMFに報告しておらず、内訳不明の外貨準備に含まれていると長らく考えられていた。だがIMFはこの日、中国は第2・四半期の外貨準備資産の一部を報告したとし、今後2━3年以内にすべてを報告できるよう段階的に開示を進める方針だと説明した。
http://jp.reuters.com/article/2015/09/30/imf-reserves-idJPKCN0RU2JV20150930


ユーロ圏消費者物価、9月は前年比0.1%低下 予想下回る
[ブリュッセル/フランクフルト 30日 ロイター] - 欧州連合(EU)統計局が発表した9月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)速報値は前年比0.1%低下となり、市場予想(変わらず)を下回った。

原油価格の下落が背景。市場では、欧州中央銀行(ECB)に金融緩和の強化を求める声が強まるとの見方が出ている。

CPI上昇率がマイナスになるのは3月以来。8月は0.1%上昇だった。

ドイツ銀行は顧客向けリポートで「毎月の資産買い入れ額を増やすのは、量的緩和の期限延長よりも大きなインパクトがある」としながらも、「買い入れ額の引き上げはハードルが高いとみられ、期限延長が最も抵抗が少ないだろう」との見方を示した。

次回のECB理事会は10月22日。

変動の大きいエネルギーを除くCPIは1.0%上昇。サービス価格は1.3%上昇だった。
http://jp.reuters.com/article/2015/09/30/euro-zone-cpi-idJPKCN0RU11Q20150930

NY外為:ユーロ下落、域内インフレがマイナス−ECBの追加策観測
2015/10/01 05:36 JST
    (ブルームバーグ):30日のニューヨーク外国為替市場でユーロは3日ぶりに下落した。ユーロ圏内のインフレ率が6カ月ぶりにマイナスに落ち込み、欧州中央銀行(ECB)に対し追加緩和策への圧力が強まった。
ユーロは主要通貨すべてに対して下落。欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が発表した9月の消費者物価指数(CPI)速報値は前年同月比で0.1%低下した。ブルームバーグがまとめたエコノミストの調査の中央値では変わらずと見込まれていた。
ラボバンク・インターナショナルのシニア為替ストラテジスト、ジ ェーン・フォーリー氏(ロンドン在勤)は「素晴らしいシナリオではない」と述べ、「ECBは追加策を講じる必要があるとの見方が強まるだろう」と続けた。
ニューヨーク時間午後4時18分現在、ユーロは対ドルで0.7%安の1ユーロ=1.1176ドル。ドルは対円で0.1%上昇して1ドル=119円90銭。
原題:Euro Drops as Inflation Data Revive Speculation of More ECB QE(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ロンドン Lucy Meakin lmeakin1@bloomberg.net;ニューヨーク Jennifer Surane jsurane4@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Boris Korby bkorby1@bloomberg.net
更新日時: 2015/10/01 05:36 JST

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NVHHJS6JTSEE01.html

ECB、資産買い入れ規模を近く倍増の公算=S&P

[ロンドン 30日 ロイター] - 格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、欧州中央銀行(ECB)が今後数カ月に資産買い入れの規模を2倍にする可能性があるとの見方を示した。また中国経済が想定以上に落ち込むシナリオを検討していると明らかにした。

S&Pのチーフ欧州経済担当エコノミスト、ジャン・ミシェル・シス氏は「ECBが早ければ12月にも量的緩和(QE)プログラムを2018年半ばまで延長し、買い入れ総額を2兆4000億ユーロに拡大すると発表しても驚かない」と指摘した。背景には、世界的な低インフレと成長低迷があるとした。

同氏はまた、中国経済の減速が想定以上に深刻化する可能性を検討していると述べた。

中国の国内総生産(GDP)伸び率について、2016年は基本シナリオの6.3%に対し4.4%、2017年は同6.1%に対し3.9%まで落ち込むケースを想定しているとした。

このシナリオでは「ユーロ圏GDPは2017年末までに0.8%押し下げられる。最も影響が大きいのがドイツで、独GDPは2017年終盤で0.9%下押しされる見込み」という。
http://jp.reuters.com/article/2015/09/30/eurozone-ecb-s-p-idJPKCN0RU1TO20150930


[32削除理由]:削除人:関係が薄い長文

3. 2015年10月07日 08:17:37 : jXbiWWJBCA
【第187回】 2015年10月7日 森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト]

「鉱工業生産ショック」で始まった
日銀への追加緩和プレッシャー

森田京平・バークレイズ証券 チーフエコノミスト

鉱工業生産ショック

市場の景況感に痛烈な一撃

日銀は依然として景気や物価の動向に強気な見方を崩していないが…

 先月30日に発表された8月分鉱工業生産は、市場の景況感に非常に強いショックを与えた。8月の鉱工業生産は前月比−0.5%と2ヵ月連続の減産となった。前月比1.0%(ブルームバーグ調査の中央値)の増産を見込んでいた市場は痛烈な一撃を受けた。統計発表者である経済産業省も鉱工業生産の判断を「弱含み」とし、それまでの「一進一退」からついに引き下げた。

 しかもショックは単に生産実績が市場予想を下回ったことに止まらなかった。出荷とのバランスで見た在庫水準を表す在庫率指数(在庫/出荷)が東日本大震災(2011年3月)直後に当たる2011年5月以来の水準に跳ね上がった(図表1参照)。製造業で在庫負担が高まっている可能性が示される。

 加えて、9月分の製造工業生産予測指数も前月比+0.1%と精彩を欠いた。これは製造業が輸出増加の手応えを感じ取っていないことを物語る。

◆図表1:冴えない生産、跳ね上がる在庫率


注:「生産」には2015年9月、10月の生産予測指数を含む。
出所:経済産業省『鉱工業指数』よりバークレイズ証券作成
物価基調を把握する材料の需給ギャップ
日銀の短観は改善を示唆するが…

 日銀は物価の基調を判断する上で、「予想インフレ率」と並んで「需給ギャップ」を重視している。需給ギャップとは、実際のGDPつまり需要と、潜在GDPつまり供給能力の乖離に相当し、これがプラス(マイナス)であれば需要超過(供給能力超過)となり、経済にはインフレ(デフレ)プレッシャーがかかる。

 上述した鉱工業生産の下振れは需要の弱まりを反映している可能性が高く、需給ギャップがマイナス方向に広がっているのではないかという懸念を市場で引き起こした。

 需給ギャップを把握する上で重要な材料を提供したのが、今月1日に発表された9月調査日銀短観である。短観は、海外市場でも“Tankan”で通じるほど、認知度の高い調査である。

 短観には、雇用者の過不足を表す「雇用人員判断DI」(過剰−不足)と、企業が保有する各種設備の過不足を表す「生産・営業用設備判断DI」(同)が含まれる。両者を一定の方法で統合することで、日本企業全体が持つ生産要素(雇用、設備など)の過不足を見て取れる。これは需給ギャップの概念に相当するものであり、日銀も両者を統合した系列を「短観加重平均DI」と呼んで、マクロの需給環境を把握する際の材料としている。

 この短観加重平均DIによると、足下にかけて生産要素の不足感は一層強まっている(図表2参照)。つまり、同DIは需給ギャップが着実に改善している可能性を示した。

◆図表2:需給ギャップと短観加重平均DI


注:1.需給ギャップ=(実際のGDP−潜在GDP)÷潜在GDP×100
2.「短観加重平均DI」は、日銀短観の雇用人員判断DIと生産・営業用設備判断DIを内閣府『国民経済計算』に基づく労働分配率と資本分配率(1990〜2013年度平均)で加重平均したもの。労働力や生産・営業用設備の過剰・不足度合いを総合的に表す。
出所:内閣府『国民経済計算』、同『GDPギャップ』、日本銀行『全国企業短期経済観測調査』よりバークレイズ証券作成
内閣府推計では需給ギャップ改善せず
日銀が見るほど物価基調は底堅くない可能性も

 ところが内閣府が推計する需給ギャップは、2014年以降、短観加重平均DIに逆行するかのようにマイナス圏に止まっている(前出図表2参照)。両者がこれほど乖離することは珍しい。仮に内閣府が推計する需給ギャップが正しいとすれば、物価の基調は日銀が考えるほど底堅いとは言えなくなる。

 短観加重平均DI(日銀)と需給ギャップ(内閣府)の乖離を説明する一つの要素が、生産・営業用設備判断DI(短観加重平均DIのインプット変数)と稼働率(需給ギャップのインプット変数)の乖離である。

 9月調査短観では、確かに生産・営業用設備判断DI(過剰−不足)は低下しており、製造業で設備の不足感が強まっていることが示された。これは一方では製造業の設備投資計画をサポートし、他方では需給ギャップの改善を示唆するはずである。

 しかし、製造業の稼働率指数(2010年=100)は直近のピークである2014年1月の106.3から、すでに8%以上も下がっている。その結果、設備の過不足度合いに対する企業の認識を表す生産・営業用設備判断DI(ソフトデータ)と設備の稼動度合いを表す稼働率指数(ハードデータ)が全く逆方向に動いている(図表3参照)。

 生産設備の稼働度合いと不足度合いが逆方向に動くこと自体、大変珍しく、かつ両者の乖離が始まって間もないため、現時点ではどちらが正しいか判断しがたい。しかし少なくとも、短観が示唆するほどには、製造業の設備の不足感が実際には高まっていないリスクを指摘することはできる。これは、短観が示唆するほど需給ギャップが改善していないリスクと読み変えることができる。

◆図表3:下がる稼動度合い、強まる不足度合い


出所:経済産業省『鉱工業指数』、日本銀行『短期経済観測調査(日銀短観)』よりバークレイズ証券作成
企業の予想インフレ率は低下
原油価格の下落だけでは説明しにくい

 物価の基調を判断する際、「需給ギャップ」に加えて「予想インフレ率」も鍵となる。この予想インフレ率を探る上でも、9月調査短観は重要な材料を提供した。それが、今月2日に発表された『企業の物価見通し』(短観の一部)である。

 CPI(消費者物価指数)をイメージして回答することとなっている「物価全般の見通し」は、全規模・全産業ベースで見ると、「1年」が前年比+1.2%となった(図表4参照)。原油価格が下がる中でも、2014年12月調査から今年6月調査まで、この値は1.4%で粘っていたが、ついに0.2%ポイント下がって1.2%となった。

 しかも、足下にかけての原油価格の下落では説明しにくい「3年後」、「5年後」の物価全般の見通しも、それぞれ前年比+1.4%、同+1.5%と、いずれも前回6月調査から0.1%ポイント下がった。企業の予想インフレ率が下がるリスクを明確に示したのが、今回の『企業の物価見通し』であった。

◆図表4:物価全般(CPI)の見通し


注:企業が予想する「1年後」、「3年後」、「5年後」の物価全般(CPI)の前年比変化率
出所:日本銀行『短期経済観測調査(企業の物価見通し)』よりバークレイズ証券作成
10月30日の追加緩和が有力だが…
「間違いない策」はもはやない

 企業の慎重なインフレ予想と価格設定行動が示されたことで、筆者は10月30日の金融政策決定会合で日銀は追加緩和に打って出ると見ている。

 問題は緩和の中身である。これをやれば間違いなく効果がある、と言い切れる策はもはやない。その上で、筆者は以下の5点を想定している。

(1)マネタリーベースの増加ペースを現行の年間約80兆円から100〜110兆円(GDP比20〜22%)に引き上げ。

(2)国債の買い入れ額を増加し、国債保有残高の増加ペースを現行の年間約80兆円から約100兆円(GDP比20%)に引き上げ。

(3)買入れ対象長期国債の平均残存年限を現行の7〜10年から9〜12年に延長。

(4)ETFの買い入れ額を増加し、ETF保有残高の増加ペースを現行の年間約3兆円から約6兆円(GDP比1.2%)に引き上げ。

(5)超過準備に対する付利を現行の年0.1%から0.05%に引き下げ。

 ただし、こうした策に踏み込めば、今国債市場の流動性のさらなる低下や、出口(テイパリングの後工程)での日銀の自己資本の大幅な毀損など、相当なコストを伴う点は付言しておきたい。したがって、仮に今回追加緩和があったとしても、それが最後の追加緩和となるであろう。

 それでもCPI前年比2%目標が実現しない場合は、飲む薬の量を増やす(追加緩和)のではなく、量的・質的金融緩和(QQE)という処方箋自体を書き換えるしかない。
http://diamond.jp/articles/-/79560 



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