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イエレンFRB議長は、FOMC後の記者会見で「海外経済動向を注意深く見守る」と述べた Photo:REUTERS/アフロ
米利上げ12月説濃厚、さらなる先送りリスクも
http://diamond.jp/articles/-/79040
2015年9月28日 週刊ダイヤモンド編集部
米連邦準備制度理事会(FRB)は、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、利上げを見送った。9月の利上げを予想してきた大川智宏・UBS証券エクイティ・ストラテジストは、「利上げの先送りで、金融市場の不透明感が増してきた」と指摘する。FOMC後、日経平均株価も米ニューヨークダウもじわじわ下落した。
雇用も消費も強い中、FRBが利上げを見送ったのはなぜか。原油安でインフレ率が低く抑えられていることに加えて、新興国経済、とりわけ中国経済の減速に対する懸念があったからだ。
「流れを変えたのは、8月の人民元切り下げ。中国経済は思った以上に悪い、と金融市場が不安定になった」(小野亮・みずほ総合研究所主席研究員)
市場の乱高下が続けば、企業は設備投資を先延ばしし、資産価格の下落懸念から消費も減退する。さらに、中国など新興国の景気減速が米企業の業績悪化を招き、雇用や賃金にも悪影響を及ぼしかねない。そのような現状では利上げに耐えられないと判断されたのだ。
■12月の利上げが濃厚
今後の焦点は、いつ、何を判断材料として利上げが決定されるのかだ。ほんの1カ月前までは10月利上げ説も広く聞かれたが、現時点では、「10月までに中国経済の底打ちが見えるとは考えにくい」との見方が多くなっている。
代わりに濃厚になってきたのが12月説。鍵を握るのは、やはり中国経済だ。前出の小野氏は、「金融緩和や財政出動で、中国経済は10〜11月に底打ちし、金融市場のセンチメント(市場心理)が変わる可能性がある」とみる。ただし、中国景気の回復や改革が進むのが前提で、それが進まなければ年内の利上げは難しくなる。
利上げのリスクばかりが注目されるが、利上げをしないリスクもある。金融バブルが醸成されるためだ。あるアナリストは、「今のままの低金利を続ければバブルが生じる。投資家はより利回りのいい金融商品を求め、ジャンク債などが市場に出回り、バブル崩壊後の傷が大きくなる」と指摘する。
利上げの遅れは日本経済にも影響を及ぼす。気になるのは為替だ。「米国が利上げを行った場合は、1ドル=125〜130円のレンジで上下動を繰り返す」(田中泰輔・ドイツ証券チーフ為替ストラテジスト)のが順当なシナリオだ。
だが、新興国経済の減速を警戒し利上げができないところに、市場が当局者の発言などから利上げを織り込めば、金融市場が不安定となり、リスクオフ(リスクの高い資産を避け、円などの安全な資産を買う)で円高になる。市場関係者からは1ドル=117円程度の円高を警戒する声も上がっている。そうなれば、企業収益が悪化し、日本株にも下押し圧力となる。
米国の利上げをめぐる混乱は当分続きそうだ。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 大坪稚子)
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