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原油安と中国変調、二重苦のアフリカ資源国[日経新聞]
2015/9/26 5:35
ナイジェリアやアンゴラといった、アフリカの資源国が経済低迷のリスクに直面している。これまでの成長の頼みだった資源高と中国からの直接投資という要素に大きな変化が生じているためだ。アフリカの資源国はこの二重苦に直面し、通貨は大幅に下落し、国内の安定を揺るがす事態に発展しかねない情勢だ。アフリカ諸国は今後も成長を持続できるのか、重要な岐路にさしかかっている。
国連アフリカ経済委員会(UNECA、本部アディスアベバ)のチーフ・エコノミスト、アブダラ・ハンドック氏は「アフリカは長期的には成長すると見ているが、目先の情勢は厳しい」と指摘する。不安要因は2つ。資源安と中国経済の変調だ。アフリカ最大の経済規模を誇るナイジェリアでは、2015年4〜6月期の経済成長率が年率換算 で2.35%と、前年同期の6.54%から大幅に減速した。
ナイジェリアは歳入の7割以上を原油収入に依存しており、原油安が同国経済を直撃した格好だ。経済低迷を受け、通貨ナイラは足元で過去最安値圏である1ドル200ナイラを挟む展開が続く。食材や日用品など、生活必需品の多くを輸入に依存する同国では、物価の上昇圧力が強まっている。
5月に就任したブハリ大統領は経済成長を重要な政策テーマに掲げてきただけに、足元の経済情勢で苦悩が深まっている。もともと、同国はキリスト教徒とイスラム教徒との間で深刻な宗教対立を抱えている。経済の低迷が長引けば、ただでさえ活動が活発なイスラム過激派「ボコ・ハラム(西洋の教育は罪)」がさらに伸長しかねない。
こうした経済状況はナイジェリアだけではない。アンゴラやガーナなど、アフリカの資源国ではどこも原油安による通貨下落に見舞われている。さらに、こうした国々の経済にとって大きな影響を与えているのが中国経済の変調だ。中国は資源が豊富なアフリカ諸国に対し、多額の投資を実施してきた。中国がかつてのような高成長を見込めない「新常態(ニューノーマル)」に移行したとの見方が強まっていることも、アフリカ経済の先行きを不透明にしている。
米通信社ブルームバーグは8月下旬、中国の経済低迷や人民元 切り下げなどで影響を受ける世界の10大通貨を発表し、アフリカ大陸からはナイジェリアとガーナ、ザンビアとエジプトの4カ国がランクインした。こうした資源国ではこれまで、直接投資の拡大や資源高をテコに歳入を増やして国内のインフラを整備する計画を立ててきたが、状況が変化していることを受け、過去の計画を見直する作業に着手している。
一方、同じアフリカでも、各国によって経済構造は異なる。ケニアやエチオピアといった非資源国にとっては、原油安は経済活動を活発にする上で大きな恩恵をもたらしている。それでも、UNECAのカルロス・ロペス事務局長は「アフリカの資源国はアフリカの中で経済規模が大きく、現在の原油安が続けば、アフリカ全体の経済にとってはマイナスの影響の方が大きい」との見方を示す。
貧困にあえぐ国が多いアフリカでは、経済成長を続けることが国家の安定に欠かせない。ただ、これまでアフリカの資源国は資源高と中国からの投資が続くとの甘い見通しにあぐらをかき、経済の多角化を進める努力を怠ってきた側面は否定できない。それだけに、今回の経済環境の変化は多角化を進める絶好の機会ととらえることもできる。
日本政府が支援するアフリカ開発会議 (TICAD)は来年夏、初めてケニアで開催する予定だ。日本が官民一体となり、アフリカ諸国に対して製造業やサービス業の育成といった経済の多角化について具体的な提案ができるかどうか。現地の事情に即した形で、もしもこうした提案が実現すれば、日本企業のアフリカ進出の大きな足がかりになりそうだ。
(カイロ=押野真也)
http://www.nikkei.com/markets/kaigai/emerging.aspx?g=DGXMZO9201311024092015000000&n_cid=DSTPCS007
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