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あなたの「投資リテラシー」を鍛えるはじめの一歩 〜金融機関は「手数料」で儲けている(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/15/hasan100/msg/852.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 9 月 26 日 08:03:00: igsppGRN/E9PQ
 

あなたの「投資リテラシー」を鍛えるはじめの一歩 〜金融機関は「手数料」で儲けている
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/45499
2015年09月26日(土) 山崎 元「ニュースの深層」 現代ビジネス


■甘い言葉にダマされるな!

昨年のNISA(少額投資非課税制度)のスタートに加えて、来年からはジュニアNISAがスタートするなど、「貯蓄から、投資へ」のスローガンを実現すべく、行政の動きは活発だ。

しかし、投資信託を巡るビジネス側の動きは、必ずしも好ましいものばかりではない。

もともと合理的な仕組みではない毎月分配型投信は、商品の複雑性・悪質性を増しながら、投資リテラシーの低い顧客(主に高齢者)に向けて売られていて、金融機関の手数料稼ぎの道具になっている。

また、最近大手証券等が力を入れているラップ口座(投信を組み合わせる「ファンド・ラップ」の販売に熱心だ)も投資家にとって好ましい商品ではない。

ラップは、金融機関の側から見ると、投信の乗り換え推奨販売が金融庁に睨まれていることへの対策の意味を持っていると推測される。

しかし、(1)ラップ口座自体の手数料が高いこと、(2)口座内で運用管理手数料が高いファンドが選ばれがちであること、(3)為替や債券など価格に含まれる手数料が発生する商品で手数料をこそげ取られるケースがあること、(4)そもそも運用側に顧客の事情を十分考慮した適切な運用を行う能力がない場合が多いこと、

などの点で、すべての投資家にとって、近づかない方がいいサービスだ。「止めた方がいい!」とはっきり申し上げておく。

さて、ここのところ業界側に感心しない動きが多いことを、残念に思っていたのだが、つい最近、投資信託の手数料水準の改善を促すかも知れない「大変好ましい動き」があったので、ご紹介したい。

なお、あらかじめお断りしておくが、本件には、筆者の勤務先である楽天証券株式会社が関連している。本稿では正しい情報をお伝えするつもりだが、筆者は中立な立場ではないことを一言申し添えておく。

いい商品・サービスであるか否かは、読者ご自身で判断されたい。いいものはいいし、悪いものは悪い。金融の世界では、はっきり決めることができる。

■「手数料ゼロ」商品の魅力

三井住友アセットマネジメント株式会社は、9月18日(金)より、これまでDC(確定拠出年金)専用に提供してきた4つの投資信託商品について、積立投資限定でだが、一般向け投資信託としての販売を楽天証券を通じて開始した。

国内債券、外国債券、外国株式、新興国株式のそれぞれインデックスファンド(指数に連動する運用を行う商品)だ。(プレスリリースはこちら、https://www.rakuten-sec.co.jp/web/company/newsrelease/pdf/press20150914.pdf

これらの4商品は、ノーロード(販売手数料ゼロ)で販売されることに加えて、運用管理手数料(信託報酬)の水準が、DC向け商品のレベルなので、商品によっては、既存の一般向け投信と比較してかなり安い。商品名と、連動を目指す指数、信託報酬(運用管理手数料)の水準は以下の通りだ。

「三井住友・日本債券インデックスファンド」(NOMURA-BPI(総合)に連動)、信託報酬(税込):年0.1728%

「三井住友・DC外国債券インデックスファンド」(シティ世界国債インデックス(除く日本、円ベース)に連動)、信託報酬(税込):年0.2268%

「三井住友・DC全海外株式インデックスファンド」(MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本、円ベース)に連動)、信託報酬(税込):年0.2700%

「三井住友・DC新興国株式インデックスファンド」(MSCIエマージング・マーケット・インデックス(配当込み、円ベース)に連動)信託報酬(税込):年0.6048%。

新興国株式の商品の信託報酬率は既存の最割安の商品とそう変わらないが、残りの3つに関しては、かなり安いと思う。

現在の金融環境(先進国の債券利回りが中央銀行の政策の影響で「不自然なまでに」低水準だ)も考慮して、筆者が一般投資家にとって特に魅力的だろうと思うのは、「三井住友・DC全海外株式インデックスファンド」だ。

このカテゴリーでは、これまでニッセイアセットマネジメント社による「ニッセイ外国株式インデックスファンド」の信託報酬が税込みで0.4212%だったが、これを大幅に下回っており、手数料が安いことで知られる内外のETF(上場型投資信託)と拮抗する水準だ。

一般向けの投資信託なので、ETFよりも細かな単位で積立投資ができ、売買に手数料が掛からない点で、こちらの方が使い勝手がいいと判断する個人投資家は少なくなかろう。長期的な資産形成に適した商品だ。

リスク資産で運用する部分の投資配分として、国内株式と外国株式のインデックスファンドを5:5ないしは、4:6くらいで組み合わせるのが簡単かつ適切だと筆者は考えるが、国内株式部分にはTOPIX連動のETF(信託報酬は年率0.1%前後)で投資して、外国株式部分にこのファンドで投資すると、ローコストですっきりした運用が可能だと思う。

■なぜ「手数料ゼロ」が可能なのか

これまで、一般向けに売られている投資信託よりも、DC専用のファンドの方が信託報酬水準が低かった。主な理由は、通常の投資信託では販売会社に支払う代行手数料(信託報酬の半分弱)がDCでは必要ないことが大きかったと推測される。

それでは、販売会社が介在する今回の募集方法にあって、どうしてDC専用の投信を一般向けに投入することが可能になったのか。加えて、そもそも、これで運用会社や販売会社(筆者の勤務先だ)は儲かるのか。

「三井住友・DC全海外株式インデックスファンド」の目論見書で、信託報酬の配分を見ると、税抜きで0.25%の信託報酬を、運用会社0.11%、販売証券会社0.10%、信託銀行0.04%となっている。要は、関係者すべてが、受け取る手数料を既存商品よりも少しずつ下げたのだ。

これで儲かるのかというと、もちろん既存の投信商品が売れる方が儲かった訳だが、ある程度以上の金額の資金が集まるなら、関係各社はそれなりに「儲かる」といっていい。

そうなると気になるのが、今後、運用会社、販売会社とも、他社による追随があるかどうかだ。

他の運用会社、証券会社としては、投信の手数料の相場を下げたくないので、可能なら、今回の動きを無視したいという気分はあるだろう。

しかし、資産運用に熱心な顧客から見て、手数料の差に基づく既存商品との優劣は明白に今回の商品が優れており、運用会社としても、販売会社としても、いずれは追随せざるを得なくなるのではないかと筆者は推測している。

運用会社としては、DB(確定給付)の年金(公的年金や企業年金)に供給している運用の手数料を考えると、今回の水準は売り手として十分リーズナブルだ。

一方、販売会社側でも、既存の高手数料の商品の残高を維持したいと考えない訳ではないが、NISA(少額投資非課税制度)の拡大などで新規資金の獲得が見込める当面の状況で、金融リテラシーの高い顧客から見て明らかに有利な商品を持たないことの不利益は大きい。

1年間の残高維持に対して顧客の資金100万円当たり1千円という代行手数料水準は高くはないが、取引がシステム的に処理できるネット取引であれば十分採算が取れるはずだ。

筆者の個人的な利害から見ると残念なことだが(筆者は楽天証券の社員なので)、他のネット証券をはじめとする販売会社の追随は遠からずあるだろう。

最終的には、支店の窓口では手数料の高い商品ばかりを並べているメガバンクでも、ネット取引専用のファンドでは同様の手数料水準の商品を並べなければならなくなるのではないだろうか。そうでなければ、金融に詳しい顧客から愛想を尽かされることになるだろう。

■手数料を払うのは恥ずかしいコト!

ついでに言うと、インデックスファンドの手数料がこれだけ下がるのだから、アクティブファンド(市場平均を上回るリターンを上げる事を目指す投信)の手数料ももっと下がるべきだ。事実、DBの年金の世界では、金額がまとまれば0.2%程度の運用手数料は珍しくない。

過去に(1990年代前半から近年まで)、日本の投資信託の手数料は、販売会社の現場が高い手数料率を好むことから、競争によってむしろ上昇するような、経済論理的に不自然でもあり、何よりも投資家にとって大変不幸な状況が続いてきた。

しかし、今回の三井住友アセットマネジメント社の英断によるDC専用商品の一般向け投信への投入は、この悪弊を断ち切って、消費者のメリットにつながる健全な競争への道を切り開くきっかけになる可能性があると筆者は考えている。

投資家各位に対して「是非今回の商品を買って欲しい」とまでは言わない。しかし、これらの商品よりも運用管理手数料の高い商品を売る運用会社・販売会社に対して、「手数料が高い!」と文句の声を上げて大いに騒いで欲しい。そうした声こそが、わが国の個人の資産運用環境をまともにする力になる。

少なくとも、バカ高い手数料を払っていることに対しては、「悔しい」、「恥ずかしい」と思うようになって欲しい。


 

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