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中小企業は大打撃 マイナンバー還付金導入に見る利権構造〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150924-00000008-sasahi-bus_all
週刊朝日 2015年10月2日号より抜粋
消費増税は低所得者ほど負担が大きくなってしまう。その負担軽減策として世界では「複数税率」が主流だが、財務省はマイナンバー制度と莫大な税金を使った4千円還付という案を提示した。しかし、その際に買い物記録を集約する「軽減ポイント蓄積センター」の新設や小売店への端末設置にも税金はかかる。
ジャーナリストの斎藤貴男氏によると、新たなシステム開発費や端末機器の製造、団体の運営などにはNEC、東芝、日立、三菱電機、富士通、NTTデータといったいわゆる“ITゼネコン”、さらには外資コンサルティングのアクセンチュアらが予定されているという。
「これらITゼネコンに利権構造をつくろうとする財務省の思惑が透けて見えます」(斎藤氏)
この還付案はシニア世代にとってツラいものになりそうだ。還付を受けるにはパソコンやスマホでマイナンバーの専用サイトに入って申請する案が検討されているからだ。
「近年、独居老人も増えている。そういったお年寄りにPCだとかスマホで申請するなんてできるわけがない。財務省はわざと事務手続きを複雑にして消費者に負担をかけ、還付金をできるだけ少なくしようと狙っているのではないか、と邪推したくなるのも無理はありません」(同)
それだけではない。エコノミストの中原圭介氏は、次のように警鐘を鳴らす。
「読み取り機の導入のコストなどが大きな問題となる。読み取り機の導入に補助金を出すとしたら、税金を還付したいのに税金で補助することになり本末転倒。仮に自費で設置するとなると、大型小売店と比べて体力のない中小零細の小売店では、導入が遅れるのは火を見るより明らか。結果、客は大型店に流れ、町の零細小売店は潰れてしまうでしょう」
マイナンバーを活用した軽減税率の導入による日本経済への悪影響は大きい。中原氏はさらに続ける。
「後から4千円を還付されるとしても、買い物したお店のレジで払うのは10%。これではいわゆる『痛税感』が残ってしまい、消費に影響が出るのは間違いないでしょう。また、全国民1人あたり4千円を給付すると国は5千億円を超える支出となります。読み取り機の設置なども合わせると、多額の税金が使われることになります。事後に配るくらいなら、事前に配ったほうがいい」
ただ事前給付の場合は、貯蓄に回ってしまうという懸念があるが、「それなら消費増税分を還付する“期限付き地域振興券”にするなど、いくらでも方法は考えられます」(中原氏)。
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