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記事入力 : 2015/09/20 06:08
【コラム】中国は本当に世界第2位の経済大国なのか
米国では仮想の金融戦争ゲーム大会が開かれている。毎年主催しているのは国防総省傘下機関だ。金融専門家らが米国チーム・中東チーム・ヨーロッパチーム・日本チームに分かれ、2日間にわたり戦争ゲームをする。
このゲームには強大国の通貨が使われ、天然資源も武器になる。金利・為替政策は重要な戦略物資だ。仮想金融戦争は、日米連合軍が中東の原油価格引き下げにどう対抗し、ヨーロッパと日本が米国の金利引き上げにどう対応をするのかを示してくれるという。
仮想金融戦争では、中国チームの存在がますます大きくなっている。中国は米国債を多く保有している上、世界第2位の経済大国だからだ。中南米・アフリカで産出される資源を大量購入する大手筋でもある。2015年は、こうした中国の経済力に別の意味合いが加わった年だ。
中国はこれまで「世界の工場」として安価な商品を全世界に供給する製造業者役を忠実に果たしてきた。また、あらゆる資源や機械類を輸入し、購買力を武器に影響力を誇示してきた。さらに中国は今年、これらに加えて全く違う一面も見せた。
中国株式市場が暴落すれば、全世界の株価が同時暴落するという現象が連続して起こっているのだ。これまでは上海・深センの株価が暴落すると米国は上がり、日本・韓国は下落するという図式だった。その影響は国によって違っていたのだ。ところが、今年は中国株式市場の崩壊が全世界に「同時テロ」のような形で広まった。中国は仮想の戦争ゲームにとどまらず、リアルタイムでほかの経済圏の利益を揺るがすようになったのだ。
だが、2015年は中国が二つの不信を露呈した年でもある。国内では政府に対する不信感が広がり、国外では経済政策はもちろん、統計すら信じられない国だという烙印(らくいん)が押された。まず、中国経済に対する国外の見方の変化から見てみよう。
習近平政権は人民元を国際通貨にしようという計画を推し進めてきた。だから韓国にも人民元取引所を許可した。今春には李克強首相が国際通貨基金(IMF)総裁に対し、人民元をIMF特別引出権(SDR)構成通貨に入れるよう要請した。米ドル・ユーロ・日本円・英ポンドの4大通貨に人民元が加われば、中国が手にする利得は計り知れない。中国政府や中国企業は国際金融市場で資金を安く調達でき、人民元借款を前面に押し出し、海外資源市場や輸出市場を拡大することも容易になる。
ところが、IMFは中国の要求をきっぱりと拒否した。その理由は、人民元は過度に高評価されているから、というものだった。韓国も1996年の経済協力開発機構(OECD)加盟前、経済力に合わないウォン高にこだわった。中国もSDR会員権を確保するため、人民元高を維持しようとしたのだ。
結局、先月の人民元暴落により、政府が為替レートを強引に調整していることが白日の下にさらされた。「やはり中国はまだまだだった」という声と共に、「胸の筋肉はすごいが、脳みそが足りない国」「乗用車の運転免許証でジャンボ飛行機を操縦している国」という印象まで植え付けてしまった。経済研究所の中には「China Meltdown(Meltdown=融解、通貨大幅下落)」と大げさに分析した所もあった。1997年のアジア通貨危機時、韓国にも同じ表現が使われた。人民元暴落後も中国政府が行政力を動員して外貨流出を防いでいるのを見ると、アジア通貨危機時に失敗した韓国の政策をきちんと教わっていないのではという気さえする。
しかし、もっと深刻なのは国内で不満がたまっていることだ。階層の二極化、都市部と農村部の貧富の格差が進む中、株価・不動産価格暴落に対する政府の政策はまったく反映されていない。景気浮揚資金をばらまき、金利も下げたが、効果がない。国民の不満は膨らむばかりだ。折しも経済成長率は下がり続けている。企業も地方政府も山のような負債を抱えている。
その上、一人っ子政策の影響により世界で最も急速に高齢化が進んでいる。米大統領選挙で「遠征出産(米国籍を取得するため米国で出産すること)」規制論争を呼んだのも中国人だ。2012年に米国自治領のサイパンで出生した新生児の70%は親が中国人だった。ニューヨークやカリフォルニアには中国人妊婦の遠征出産で金を稼ぐ会社(月子中心)がそれぞれ200社以上あり、繁盛しているという。国は強くなったものの、子どもは米国に行かせたいという中国人がどれだけ多いかを示している。
その中国で、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は天安門から中国人民解放軍による史上最大の軍事パレードを見た。6・25戦争(朝鮮戦争)時の中国軍や、米国との安保同盟のことを考えて眉をひそめる人もいる。しかし、それよりも、韓国は中国経済の将来をまず考えなければならない。「株式会社 大韓民国」の貸借対照表では、数多くの項目が中国の今後次第で変わってくるからだ。
軍事力だけでは国民を豊かにできないという真理はソ連が証明した。だからといって、「中国もソ連のように崩壊してしまう」と今から悲観する必要もない。2−3年苦労すれば終わるのか、それとも10−20年の長期低迷になるのかは、今後の中国のやり方次第だ。ただし党主導の統制経済はもはや通用せず、限界点に達していることだけは明白になった。米国の母親たちが出産のために行く理想の国に中国がなるのは、まだまだ先のことだ。
宋熙永(ソン・ヒヨン)主筆
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/09/19/2015091900442.html
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