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セブン&アイが抱える深刻な火種 セブン加盟店の不満噴出、傘下企業の深刻な経営不振(Business Journal)
http://www.asyura2.com/15/hasan100/msg/762.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 9 月 23 日 00:25:15: igsppGRN/E9PQ
 

                        セブン-イレブンの店舗


セブン&アイが抱える深刻な火種 セブン加盟店の不満噴出、傘下企業の深刻な経営不振
http://biz-journal.jp/2015/09/post_11669.html
2015.09.23 文=田沢良彦/経済ジャーナリスト Business Journal


 セブン&アイ・ホールディングス(HD)の鈴木敏文会長が「第二の創業」と位置づけているオムニチャネル事業(以下、オムニ事業)が、この10月からいよいよスタートする。オムニチャネルとは実店舗、ネット通販、カタログ通販などあらゆる販売チャネルの統合により、「いつでもどこでも買い物ができる」仕組みのこと。

 セブン&アイHDは傘下にコンビニエンストア、スーパー、百貨店、通販などさまざまな業態の販売チャネルを100社以上擁している。この販売チャネル数は「小売業日本一」のイオンをはるかに凌駕し、「世界一の流通コングロマリットを形成している」(証券アナリスト)といわれる。

 ところが、これまでは販売チャネルごとに個別の事業展開をしていたため、「販売チャネル同士の相乗効果はほとんどなく、コングロマリットのメリットを生かせていなかった」(同社関係者)。そこで10月から開始するオムニチャネル事業では専用の通販サイトを新たに立ち上げ、100社以上ある販売チャネルの商品を一元的に取り扱い、各社の顧客情報も統合する。これにより「15年2月期は約1900億円だった通販事業の売り上げを16年2月期に2000億円の大台に乗せ、早期に売り上げ1兆円を目指す」(同社関係者)という。

 このオムニチャネル事業の手足になるのが、全国に約1万8000店(15年8月末現在)あるコンビニのセブン-イレブン(以下、セブン)。ネットで注文した商品は基本的に店頭での受け渡しになるが、要求があれば店員が宅配する。高齢者などネット注文が苦手な客には店員が店頭や客先でタブレット端末に商品を示し、注文を代行する。これによりコンビニはネット通販の単なる受け渡し場所ではなく、「営業拠点」に変身する。従来の「待ちの営業」から「攻めの営業」に転じ、コンビニの日販(1店舗1日当たり平均売上高)も飛躍的に拡大する。

 セブンにとっては良いこと尽くめのオムニ事業だが、そのゆく手に早くも暗雲が垂れ込めている。オムニ事業の中核的役割を担う予定のニッセンHDの深刻な経営不振だ。流通業界内でも「業績の足を引っ張っているニッセンの経営を早急に立て直さなければ、オムニ事業の成長シナリオが狂う」と懸念の声が聞かれる。セブンはいったいどこでボタンを掛け違えたのか。

■セブンの通販事業赤字要因に

 ニッセンは8月17日、15年12月期連結決算の業績下方修正と、希望退職者募集を含む「経営合理化策」を発表した。業績下方修正は売上高を当初予想(15年2月9日発表)の1776億円から8.8%減の1620億円へ、営業損益は同56億円の赤字から66億円の赤字へ、純損益は同55億円の赤字から119億円の赤字へ。最終赤字は当初予想から2倍以上に拡大した上、3期連続の赤字になる見通しだ。

 経営合理化策は、全社員の1割以上に上る120人の希望退職者募集と、ベッド、ソファなどの大型家具事業撤退が柱。14年12月期連結決算の営業赤字66億円のうち12億円が大型家具事業によるものだった。三重県いなべ市の大型商品配送センターも売却する。

 セブンがTOB(株式公開買付け)でニッセンを買収、子会社化したのは14年1月のこと。TOBと第三者割当増資による株式取得総額は約133億円だった。オムニ事業を開始するには通販大手との連携が欠かせないと判断したためといわれる。ニッセンの通販会員獲得に加え、コールセンターの運営ノウハウをオムニ事業に採り入れる計画だった。

 オムニ事業開始に備え、ニッセンのカタログのセブン店舗配布、セブンのネット通販サイト「セブンネットショッピング」でのニッセン商品販売などの協業も進めた。今ではニッセンのカタログがセブン約1万8000店の大半に配布されている。それまでのカタログ配布場所は約4万カ所だったので、一挙に45%も増えたことになる。

 だが子会社化から1年半経っても協業効果が表れない。ニッセンは増収増益どころか減収・大幅赤字に陥っただけだった。これに痺れを切らしたセブンがニッセンにリストラを迫った格好だ。

 今回の経営合理化策について、セブン関係者は「ニッセンの経営不振が当社通販事業の75億円もの営業赤字(15年2月期)要因になっており、10月から開始予定のオムニ事業の足を引っ張る可能性が強まってきた。とにかく赤字止血の緊急措置が必要だった。ニッセンの経営再建はそれからの話」と打ち明ける。

■老朽化したビジネスモデル

 そもそも、オムニ事業開始を目指すセブンがその中核的役割を担う会社としてニッセンに白羽の矢を立て、買収した当初は両社の利害が一致しており、ニッセンもセブンの傘下に入ることで経営が安定するはずだった。というのは、アマゾンと楽天を先頭とするネット通販専業が通販市場でシェアを拡大するなか、先行きが暗くなったニッセンはかねてからネット通販の攻勢をかわすための資本提携先を探していたからだ。

「大手専門店、総合商社など10社以上の流通関係に提携を打診してきたが、その中でセブン以上の提携先は見つからなかった」(ニッセン関係者)

 10年頃からニッセンの売り上げと稼働客数(1年間に1回以上注文した客数)は明確な縮小傾向を示している。このため、たとえば14年12月期の場合、ニッセンの会員3258万人に対し稼働客数は412万人。換言すれば「ニッセン百貨店には年間3258万人が訪れたが、買い物をしたのはそのうちのわずか13%」ということになる。

 一方、セブン傘下のコンビニ、スーパー、百貨店などの小売店をすべて合わせると、1日に約1800万人もの客が買い物をしているといわれる。「その5%程度がニッセンの商品を買ってくれるだけで、売り上げ縮小傾向を拡大傾向に転換する起死回生策になる」(同関係者)というわけだ。

 ところがニッセンの経営はセブンの買収前から最終赤字に転落。「セブン傘下の小売店客を当てにしただけで業績回復を図れる状態ではなかった。ビジネスモデル自体の老朽化が進んでいた」(業界関係者)。

 ニッセンはネット通販への対応が常に後手に回り、価格競争力の低下に加え、業績好調時に目立たなかった商品開発、顧客管理、在庫管理、需要予測などあらゆる能力の低さが露わになってきた。消費行動の変化にも対応できなかった。たとえば「従来は残暑が厳しい9月でもカタログを発行すれば冬物衣料品が売れた。それが12年頃からまったく売れなくなった」(同社関係者)という。

 近年はファストファッション専門店の増加やネット通販の普及で、消費者はいつでもどこでも衣料品を買えるようになった。必然的に「今年の秋は残暑が厳しいからまだ夏物で大丈夫。寒くなってきたから冬物を買おう」と、気候の変化を感じてから必要な衣料品を買う傾向が強まっている。ニッセンの会員も、かつてのようにカタログを見て2カ月も3カ月も先の季節物を買わなくなった。

 ニッセンの通販事業の売り上げの3割超がいまだにカタログ通販。総発行部数が年間2億冊を超えるといわれるカタログ印刷費も半端な額ではなく、しかも売り上げ増に寄与しない。紙媒体関連経費が要らないネット通販専業のアマゾンや楽天などと収益力でも差がつく一方だった。

「カタログ通販という老朽化したビジネスモデルに起因する商品開発、顧客管理、在庫管理、需要予測などの能力の低さを、セブンが買収時に軽視しすぎていたのではないか。オムニ事業開始直前になってその欠陥に気がついた」(業界関係者)

■セブン加盟店の不満

 オムニ事業のゆく手に垂れ込む暗雲は、実はニッセンだけではない。手足となるセブンの現場にも垂れ込めている。
 
 例えば、都内のある加盟店オーナーはネット上で「本部はネット通販の手数料収入も新たに入るなどメリットは強調するが、店側の業務負担増える問題などには触れない。オーナー同士の集まりでは期待より不安の声が強い」と懸念を示している。

 ネット通販市場でアマゾンと楽天の寡占化傾向が強まるなか、オムニ事業という新しいネット通販コンセプトを掲げて「ネット通販2強」に挑むセブン。果たして「ネット通販第3極」になれるのかが注目される。

(文=田沢良彦/経済ジャーナリスト)

 

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