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大卒・年収700万円以上の 労働者の労働時間は長くならない(Wedge)
http://www.asyura2.com/15/hasan100/msg/742.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 9 月 22 日 12:36:00: igsppGRN/E9PQ
 

大卒・年収700万円以上の 労働者の労働時間は長くならない
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150922-00010002-wedge-bus_all
Wedge 9月22日(火)12時10分配信


 労働者派遣法改正案が11日の衆院本会議で可決、成立した。一方、年収1075万円以上の高度な専門職につく人を対象にした「脱時間給」制度(ホワイトカラー・エクゼンプション、以下WE)の新設を盛り込んだ労働基準法改正案は廃案が濃厚だ。「時間」ではなく「成果」を求められるホワイトカラーにとって、「脱時間給」の働き方は必要だが、いつも論点になるのは労働時間の長期化による健康被害の問題だ。しかし、山本勲・慶応大学教授によれば「大卒・年収700万円以上の労働者では、労働時間は長くならない」との実証実験の結果が出ている。

編集部(以下――):「脱時間給」制度を導入した場合、労働時間は長くなるのか

山本氏:試算によると、学歴によって異なった。確かに大卒以外の労働者や卸小売・飲食・宿泊業などの労働者は労働時間が長くなった。一方で、大卒の労働者が残業代のつかない管理職に昇進した場合、労働時間が週平均で0.46時間短くなった。

 次に年収別に見ていくと、「年収700万円以上の労働者」の労働時間は長くならなかった。これは卸小売なども含めたすべての業種に当てはまる結果で、学歴問わず「700万円以上の年収のある人は労働時間が長くならない」ということだ。この層の人々はいわゆる「名ばかり管理職」ではなく、実質的にも管理職の役割を担っており、労働時間を自分の裁量でコントロールできる層なのだと考えられる。

――実際に導入する時の留意点は

山本氏:インターバル規制や有休を取らせることだ。しかし制度だけでなく、不要な残業を削減するための企業と個々人の努力が不可欠だ。仮に週3時間ほど無駄な時間があるとしたら年間では、1日10時間の労働としても10日を優に超える休日が取れる計算になる。労働時間を削ったとしても生産性が変わらないのであれば、企業としても痛手はない。企業が強制的に休みを与え、その代わりに「平日は効率的に仕事をしよう」としていくのが理想だ。「時間=給料」という職場の風土を、「成果=給料」に変えなければならない。WEはその手段に過ぎず、あくまでも目的は「生産性向上」だ。優先順位をつけるなど、本当に必要な仕事を絞り込むことになるため、現場では多少の痛みは伴うだろうが、企業・労働者双方にとってのマインドセットのきっかけになる。

――様々な報道があるが

山本氏:「脱時間給」制度導入には、成果さえ出せば「長時間労働をしなくていい」という労働者にとってのメリットがあるにも関わらず、「残業代ゼロ」「健康被害増大」といった悪い面ばかりがクローズアップされてきた。しかし、閣議決定では、労働者1人当たりの給与の平均額の3倍相当程度を上回る水準である年収1075万円以上の労働者、と対象の要件を厳しくしている。自律的に仕事を組み立てることができる、いわば「交渉力のある」労働者に限定しているので、より「脱時間給」制度に関して報道されてきたようなデメリットは出にくいと思われる。

――時間単位の生産性を上げる努力をしないと制度の実効性はない

山本氏:別の調査では、日本のグローバル企業で働くホワイトカラー管理職者(ほとんどが労働時間規制の適用除外者)がイギリスとドイツに転勤し、現地法人で働いた場合の平均の労働時間の変化を分析した。その結果、欧州に転勤した場合の労働時間が、週2〜3時間も減少した。なぜ減っているのかと言えば「同僚が残っているから長くいなければならない」というメンタリティが減っているからだ。ヨーロッパは効率的に働いているので、その影響を受けて数時間の労働時間が削減されていると考えられる。当然転勤に伴って、仕事の内容は変わるので、仕事の量・裁量の有無・チームでの仕事かどうかなどの内容は統計的にコントロールしている。この調査は、日本企業では『1週間に2〜3時間の「成果を伴わない残業」が発生している』ことを示唆している。

 経営層としては「部下がダラダラ働いていないか」を見抜き、非効率な時間を潰していくことが必要だ。「週の労働時間が10時間延びるごとに、翌年、課長に昇進する確率が3%上がる」という長時間労働が昇進に有利になるとの調査結果もある。長時間労働をしていると成果に関わらず「あの人はがんばっている」と見えてしまい、昇進しやすいということはあるのかもしれない。その日本独特の企業文化が変わっていかなければならない。

■研究の概要

 「脱時間給」制度を導入した場合、ホワイトカラーの労働者の労働時間が週間でどう変わるのかをシミュレーションで試算した。慶応義塾大学が2004年から08年まで継続して行った4000人規模の個別調査の結果を用いた。調査期間中に残業代のつかない管理職に昇進した者は、昇進前後の労働時間を比較して、同一人物の労働時間の変化を見る。

 一方、調査開始時に既に管理職だった者については、残業代がつく者の中から産業や企業規模、職種といった属性の近い者を探し出し、その労働時間を調査対象者の仮想的な労働時間としてシミュレーションした。こうすることで、実際には観察できない労働時間を仮想的に求めた。

 研究の詳細は『労働時間の経済分析』(日本経済新聞出版社)に収録。早稲田大学の黒田祥子教授との共同研究による本書では、「メンタルヘルスと企業業績の関係」や「日本人は働くのが好きなのか」など働き方についての全般的な検証・提言を行っているので参照されたい。(http://www.nikkeibook.com/book_detail/13451/

Wedge編集部
 

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コメント
 
1. 2015年9月22日 17:59:26 : AyGp2VZpos
試算の根拠は? このおっさんになぜ残業時間が増えるか減るかがわかるのだ。
えらそうにグローバル企業なる金の亡者が経営するところと比較するだけか。

しょせん誰かにとって都合のいいことを書いている太鼓もちだろう。


2. 2015年9月22日 19:44:45 : nJF6kGWndY

>大卒の労働者が残業代のつかない管理職に昇進した場合、労働時間が週平均で0.46時間短くなった。
>「年収700万円以上の労働者」の労働時間は長くならなかった。これは卸小売なども含めたすべての業種に当てはまる結果で、学歴問わず

なるほどね

ただ制度変更の効果も検証する必要があるから、

どう変化したかもリサーチすると良いだろう。

https://www.youtube.com/watch?v=X_WcHLUXe8o
http://www.rieti.go.jp/jp/fellow_act/allcategory_top10_yamamoto-isamu.html
2014年10月
執筆: メディア寄稿
「やさしいこころと経済学―メンタルヘルス」(山本 勲ファカルティフェロー、黒田 祥子 (早稲田大学))
2014年06月13日
執筆: メディア寄稿
「従業員のメンタルヘルス 企業業績に影響」(山本 勲ファカルティフェロー、黒田 祥子 (早稲田大学))(2014年6月13日 日本経済新聞「経済教室」に掲載)

http://www.rieti.go.jp/jp/publications/summary/14100002.html
『労働時間の経済分析―超高齢社会の働き方を展望する―』(著:山本 勲、黒田 祥子)
 序 章  本書の目的と概要
第I部  日本人の働き方
 第1章  日本人の労働時間はどのように推移してきたか
 第2章  労働時間規制と正社員の働き方
 第3章  長時間労働と非正規雇用問題
 第4章  日本人は働きすぎか
第II部  労働時間の決定メカニズム
 第5章  日本人は働くことが好きなのか
 第6章  労働時間は周囲の環境の影響を受けて変わるのか
 第7章  長時間労働は日本の企業にとって必要なものか
第III部  日本人の望ましい働き方の方向性
 第8章  ワーク・ライフ・バランス施策は企業の生産性を高めるか
 第9章  ワーク・ライフ・バランス施策に対する賃金プレミアムは存在するか
 第10章 メンタルヘルスと働き方・企業業績の関係


http://www.pdrc.keio.ac.jp/NIKKEI2.pdf
http://www.pdrc.keio.ac.jp/NIKKEI4.pdf
日本経済新聞『やさしい経済学』−「データでみる非正規雇用」

http://www.rieti.go.jp/users/yamamoto-isamu/index.html
http://www.fbc.keio.ac.jp/teacher/staff_list/yamamotoisamu/index.html
山 本   勲  教 授

【ゼミページ】http://news.fbc.keio.ac.jp/~yamamoto/
学歴(卒業・学位取得):
  学部
慶應義塾大学商学部  1993年卒業
  大学院
慶應義塾大学大学院商学研究科修士課程 1995年 商学修士
ブラウン大学経済学部大学院 2000年 経済学修士(ブラウン大学)
ブラウン大学経済学部大学院博士課程 2003年 経済学博士(ブラウン大学)
  他の学歴・経歴
1995年4月 日本銀行入行
2005年7月〜2007年2月 日本銀行金融研究所企画役
研究室:三田研究室502号室(内線23202)
E-mail:yamamoto@fbc.keio.ac.jp
(@は全角で表示してあります。半角の@に置き換えてご利用ください)
担当科目:経済学基礎I,経済学基礎II,経済学I,総合教育セミナー,計量経済学各論,研究会,計量経済学演習(大学院)
専門領域:応用ミクロ経済学,労働経済学
研究紹介:労働市場を分析対象として,労働時間や賃金、雇用形態、ワークライフバランス、ダイバーシティ、メンタルヘルス、人材マネージメントなどのテーマについて、企業や労働者の多様なデータを用いた定量的な検証をしています。
主要著作・論文
〔著書〕
 1.『労働時間の経済分析:超高齢社会の働き方を展望する』(共著)日本経済新聞出版社, 2014年(第57回日経・経済図書文化賞受賞)
 2.『デフレ下の賃金変動:名目賃金の下方硬直性と金融政策』(共著)東京大学出版会,2006年
〔その他〕
 3.『日本の家計行動のダイナミズムVIII:東日本大震災が家計に与えた影響』(共編著)慶應義塾出版会 2012年(第4回政策分析ネットワーク賞受賞)
〔論文〕
 4."Effect of Work-Life Balance Practices on Firm Productivity: Evidence from Japanese Firm-level Panel Data,"(共著)The B.E. Journal of Economic Analysis and Policy, 14(4), 2014
 5."Is downward wage flexibility the primary factor of Japan's prolonged deflation?”(共著)Asian Economic Policy Review, 9(1), 2014
 6."Do peers affect determination of work hours? Evidence based on unique employee data from global Japanese firms in Europe,”(共著)Journal of Labor Research, 34(3), 2013
 7.“Firms’ demand for work hours: Evidence from matched firm-worker data in Japan,”(共著)Journal of the Japanese and International Economies, 29(3), 2013
 8."Impact of overtime regulations on wages and work hours,"(共著)Journal of the Japanese and International Economies, 26(2), 2012
 9."What motivates volunteer work in an emergency? Evidence from the 2011 East Japan Earthquake and Tsunami,"(共著)Economics Bulletin, 32(3), 2012
 10.“The era of the 24-hour society? Assessing changes in work timing using a Japanese time use survey,”(共著) Applied Economics Letters, 19(11), 2012
所属学会・団体:
 日本経済学会,行動経済学会


3. 2015年9月23日 00:01:39 : gjSWR86AiA
葛西の会社の雑誌なんて、信用できない。

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