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立ち食いそば大手各社は、メニューの充実や女性でも入りやすい清潔な店舗づくりなど顧客層拡大に向けた取り組みを進めている=東京都港区の「名代 箱根そば」田町芝浦店(写真:フジサンケイビジネスアイ)
立ち食いそば、生き残りへ反転攻勢 熾烈な業界内競争…牛丼などもライバル
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150920-00000000-fsi-bus_all
SankeiBiz 9月21日(月)8時15分配信
日本のファストフードの草分けともいえる立ち食いそば業界が、生き残りに向けメニューの高級化や新型店舗の開設など、あの手この手の新機軸を打ち出している。牛丼チェーンなどに客足を奪われ、中小の立ち食いそば店が相次ぎ廃業するなか、大手チェーン各社は、客単価を上げたり、サラリーマンを中心としていた顧客層の裾野を広げたりすることで反転攻勢をかける計画だ。
◆高付加価値メニュー
夏真っ盛りの8月5日、小田急新宿駅コンコース。小田急線沿線を中心に52店舗が展開されている「名代 箱根そば」の開業50周年記念キャンペーンで行われたメニューコンテストの入選作品がお披露目された。
入選作は「夏の衝撃!ミョウガとトマトの冷しカレーそば」と「冷しキーマカレーそば」。それぞれ期間限定で1杯500円で提供された。入選の決め手は刺激的なカレー味という斬新なアイデアだ。
箱根そばを運営している小田急レストランシステムの清水一洋・箱根そば事業部長は「高付加価値メニューを提供し販売を伸ばす」とコンテストの狙いを語る。
今後、沿線にゆかりの食材を生かした期間限定メニューの開発に注力する。これまでに「相模湾の恵み 湘南しらすそば」「丹沢の恵み 大山とうふそば自然薯(じねんじょ)がけ」の販売実績があり、秋、冬にも新たな限定メニューを予定している。
立ち食いそば業界では大手チェーンのほか、全国で個人店などが乱立。業界内での競争は具体的な事業者数が把握できないほど激しい。
メニュー開発と並び、業界内競争を勝ち抜くための鍵になっているのが、出店戦略だ。
サラリーマンが忙しい仕事の合間を縫って、せわしなくそばをすする−。立ち食いそば店は、そんなイメージが強い。箱根そばも基本的に、小田急沿線の構内に出店し、こうした需要に応えてきた。今後は小田急線沿線にはこだわらず、都心部に積極攻勢をかける計画だ。
清水部長は「多くのサラリーマンが存在することが大前提となる。大型マンションが近くにあれば理想的。そうすれば土日や祝日にも幅広い顧客層が利用してくれるようになる」とそろばんをはじく。
その条件に当てはまるのが、昨年11月にJR田町駅の芝浦口前に出店した田町芝浦店。周辺は再開発が進み、土日や祝日には近隣の住民が訪れている。同店では、サラリーマンのニーズを満たすモーニングや、ランチメニューを充実させた。
幅広い客層を取り込もうという意識は店舗づくりにも反映されている。黒が基調だった店内を3年ほど前から順次、女性でも入りやすいよう、木目と白を基調とした明るく、清潔な内装に仕上げている。
◆訪日客にもアピール
ライバル他社も、客層の拡大に知恵を絞っている。
ダイタングループ(東京都渋谷区)が東京都区内の駅近くに100店舗以上を展開する「名代 富士そば」は、海外のガイドブックで紹介されたことを契機に外国人観光客の間で人気を集めている。
同社は訪日外国人だけでなく、主力のサラリーマン層の開拓でも、新たな需要掘り起こしを進めている。
夕方以降の客を狙い、一部店舗で枝豆、フライドポテト、板わさなどの「ちょい飲み」メニューの提供を始めた。そばを食べるだけの従来とは異なる需要を喚起し売上高増加に結びつける。「今後、導入店舗を増やしていく」(担当者)計画だ。
日本最多の160店以上を出店する「ゆで太郎」を運営する信越食品(同大田区)は、麺の品質の高さを武器に、積極的な店舗拡大戦略を進める。各店舗の店内で粉から製麺する「ひきたて」「打ちたて」「ゆでたて」の“三たて”で顧客の支持を集め、別会社を通じ年間25〜30店舗とハイペースの出店を続ける方針だ。
競争は業界内にとどまらない。強力なライバルの一つが牛丼チェーンだ。
例えば、厚生労働省がまとめた2012年度の生活衛生関係営業経営実態調査によると、立ち食いそば・うどん店の約50%は同年度の売上高が前年度比5%以上減少した。これは、牛丼チェーンによる低価格競争のあおりとみられている。
逆に牛丼各社ではその後、値上げに転じたことで客数が大幅に減少。厚労省の追跡調査結果は出ていないが、これらの客が立ち食いそば店に流れてきたとの見方がある。
牛丼チェーン大手、吉野家ホールディングスは既に、07年から「そば処(どころ) 吉野家」を展開。十割そばにこだわったこのブランドを、全国に51店、展開している。立ち食いではないが、牛丼とのセットメニューなどもそろえ、客層拡大を目指している。
牛丼チェーンのほか、立ち食いそば業界が「強力な競争相手」(清水部長)と意識しているのが、コンビニエンスストアだ。
コンビニ各社は、総菜、弁当などを充実させているほか、コーヒーやドーナツを販売して、既存のカフェなど外食産業の脅威となっている。
異業種との競争が激化する中で進められるメニューの質の向上や、きめ細かな需要の掘り起こし、清潔で入りやすい店舗づくりなどの店舗戦略。こうした取り組みを進めていけば、他の外食産業に奪われたサラリーマン客を呼び戻すだけでなく、新たな顧客を獲得することができるかもしれない。(佐竹一秀)
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