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全国の平均水道料金を一挙公開、各自治体によってこれだけ違う!
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150921-00018472-jprime-life
週刊女性PRIME 9月21日(月)16時0分配信
「エッ全国一律じゃなかったの!?」。
とんでもない。国内の水道料金は一律どころか地域ごとの格差が広がるばかり。公共料金なのに地域によって支払い料金に差があるのだという。そんななか最近、料金改定に踏み切った、あるいは踏み切る予定の自治体の声を集めてみた。
北海道美唄市のケース。
「10月から33年ぶりに料金を改定し、平均約30%値上げします。水道事業で蓄えた3億円は、’13年には不良債務が発生するまでになってしまいました。人口は毎年約500人ずつ、世帯にすると毎年100世帯ほど少なくなっています。水道料金収入が、’05年から年間平均1000万円落ちました。今後5年はこのまま維持予定ですが、人口が増えるとは考えられず、大企業が進出してくる計画もありません。給水収益はさらに落ちると考えられ、5年後以降のこともまた考えていかなければなりません」(水道課)
静岡県東伊豆町のケース。
「東日本大震災以降、観光業が低迷し、旅館が以前ほどは水を使わなくなっています。人口も減りました。電気でポンプアップして、山を越えて供給しているので、電気代が上がり打撃を受けています。町民と5回の料金審議会を設け、今年7月から平均約25%アップの改定に至りました」
埼玉県秩父市のケース。
「今年1月請求分から、平均約17.5%料金を改定しました。県内でいちばん古い浄水場が老朽化し、漏水のため供給前に30%ほどの水が失われていました。更新費用をまかなうために、値上げを決定しました。これは今後5年の設定で、その後は状況によってまた見直します。また現在、周辺の4自治体と、水道事業の合併を進めています」
それぞれの自治体が、それぞれの事情を抱え、料金改定を行い、経営の健全化を進めている。全国の人口が減少し続ける中、目の前の改定は、小手先だけの対処法にならないのか。
今月7日、水道事業基盤強化方策検討会を立ち上げた厚生労働省水道局は、
「まだ水道事業に関して対策を練る段階にはないんです」
と現時点では有効な打開策がないことを認め、
「人口減少によって、水道料金の収入が少なくなってきています。施設の更新を進めるには、料金をきちんと設定してもらわなければなりません。今後、こちらも具体的な方策を議論していきますが、水道事業は公共企業として各自治体でやっていってほしい」
と自治体まかせにしたい気持ちをにじませる。
水ジャーナリストの橋本淳司さんは、水の専門家の視点から、改善ポイントを挙げる。
「まずは事業体の合併があります。施設を縮小することで無駄なコストが省けます。国も統合した事業体に助成金を出すなど合併を促しています。次に事業体ごとにコストを削減することです。地下水を利用できる地域は、最大限に利用すること。地方には良質な地下水が存在することも多いので、確認してみてほしい。大分県豊後高田市黒土地区は、人口200人強で限界集落ギリギリくらいの地区ですが、県や市の助成を受け、浄水能力1日8トンの小規模飲料供給施設を、自分たちで作りました。総工費は700万円。1世帯当たりの負担は5万円ですみ、2011年から稼働しています」
設備を“延命”させる手もあるという。
「お金に余裕のあるところは、水道管の内部に保護膜を張り鉄サビの進行を抑えるなどし、寿命を20〜30年延ばそうとしています。最後に行きつくところは、事業から水道を切り離して考えることです。繰り返しになりますが、給水タンクに自力で給水に行く……。料金がどこまでも上がるより、いいかもしれません」(橋本さん)
いつまでも高い水道料金を支払い続けるのか、それ以外の選択をするのかは、住民の意思次第か。
水道料金の未来が明るく照らされていないなら、「今のように1人1日250リットルも使う」(前出・橋本さん)暮らしを今すぐにでも我慢し、個人レベルで備えるしかない。
節約アドバイザーの小松美和さんは、
「少しの工夫や心がけで、水道代はどんどん抑えられる」
と呼びかけ、次のように節水術を伝える。
「洗面所は、下にあるバルブをひねって水圧を抑えます。トイレは、大小のレバーをきちんと使い分けること。年間3000円の節約につながります。キッチンではため洗い。歯磨きもコップに水をくみます。蛇口の水は1分間に12リットルほど流れるといわれていますから、5分間で60リットルもの差が生じてきます。お風呂のシャワーは節水型シャワーヘッドがおすすめ。浴槽に水の入ったペットボトルを数本浮かせば、従来の半分ほどのお湯でも肩まで浸かれます。洗濯も、すすぎの回数や時間を減らすなど工夫できる。雨水をため洗車やサッシの外側の掃除などに使いましょう」
月に数百〜数千円の節約が積もれば、年間では数万円ものお金が浮くことも。水は資源であり、資源である以上無尽蔵ではない。しかも安くもない。ひとりひとりが、上手な“水使い”になることが、高騰する水道料金に対抗できる、即効性のある手立てなのかもしれない。
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