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財務省が軽減税率で無理筋の還付案を出した狙い(週刊ダイヤモンド)
http://www.asyura2.com/15/hasan100/msg/706.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 9 月 20 日 16:54:15: igsppGRN/E9PQ
 

マイナンバーカードを活用した軽減税率制度は、持ち歩く消費者にも、事務作業が増す小売業者にも負担と、悪評高い。だが、批判続出も財務省にとっては想定内というのだが…… Photo:REUTERS/アフロ


財務省が軽減税率で無理筋の還付案を出した狙い
http://diamond.jp/articles/-/78750
2015年9月20日 週刊ダイヤモンド編集部


財務省が2017年4月予定の消費増税に合わせて導入する「日本型軽減税率制度」を提案した。なぜ、天下の財務省が突っ込みどころ満載の案を出したのか。ある財務省OBは「レースはまだ競技場を出たばかり、この案が本命とは限らない」と言う。財務省の深謀遠慮はどこに。(「週刊ダイヤモンド」編集部 原 英次郎)


「ほんとマスコミは単純だな。この案が本命であるとは限らないよ」。財務省の手練手管を熟知している同省OBの見立てだ。


 その案とは、去る10日に財務省が与党税制協議会に提示した「日本型軽減税率制度」。案が提示されるや否や、メディアのみならず、自民・公明の与党内からも問題点の指摘が相次いでいる。


 財務省案は、2017年4月に予定される消費税の8%から10%への引き上げに際し、軽減税率対象品目の2%を払い戻す還付制度を導入するというもの。対象品目は外食を含む飲食料品。還付の上限金額は4000円との報道もあったが、今後の検討課題とされた。


 具体的なやり方としては、16年1月から始まるマイナンバー(社会保障・税共通番号)制度で、希望者に配布されるマイナンバーカードを使う。各個人がレジでマイナンバーカードをかざし、消費税2%分の「還付ポイント」を得る。対象商品の購入情報は政府が新たに設立する「還付ポイント蓄積センター」に送られて蓄積され、パソコンなどで請求すれば、振込口座に税が還付される。


「財務省の苦肉の策」と評価するのは、財務省OBで明治大学大学院の田中秀明教授だ。軽減税率は15年度の与党税制改正大綱で、消費税率10%時に導入するとされており、この5月には与党税制協議会で、対象品目を「酒類を除く食料品」「生鮮食品」「精米」の三つに分けて検討されたが、課題が多く、結論が先送りされていた。


 そもそも消費税は税率が同じであるため、所得に占める消費の割合が高い低所得者層の負担が重いという逆進性の問題を抱えている。消費税率が上がればその負担はさらに重くなる。そこで、EU(欧州連合)では、食料品など生活必需品には標準税率より低い軽減税率を適用している国が多く、特に公明党がその導入を強く主張していた。


 だが、軽減税率は対象商品の線引きが難しい。例えば、英国では同じバナナでありながら、店内で食べると標準税率で、持ち帰ると税率の低い食品扱いというおかしなことも起こっている。そして何より、軽減税率はお金持ちにも同様に適用されるため、逆進性の改善効果がない。



 現在、住民税が非課税となっている低所得者に、「簡素な給付措置」として一律6000円が給付されている。図は中央大学法科大学院の森信茂樹教授が、この給付措置よりさらに進んだ、所得に応じて税金を還付する「給付付き税額控除」と軽減税率の効果を試算したもの。明らかに前者の方が、逆進性改善の効果が大きい。


 財務省案は、還付金額に上限を設けることで、逆進性をいくばくか改善し、マイナンバーカードを使うことで事業者の負担を減らし、対象品目を設定することで、軽減税率の性格を併せ持った苦肉の策というわけだ。


■欠点多い案を出し批判を噴出させるのが財務省の本当の狙い


 ところが、この「日本型軽減税率制度」については、議論百出だ。


 まず実現可能性の問題。マイナンバーカード自体がこれからスタートする。果たして普及するかどうかさえ不明なものをインフラとして使えるのか。またカードを読み取り、ポイントを蓄積するためには、小売店の店頭に読み取り用の端末を設置するなど、システム構築が必要になる。マイナンバーカードの通信機能は速度が遅いとの指摘もある。消費増税は社会保障費に充当し、財政再建を目指すために行われるのに、システム費用が膨らめば、何のための増税か、本末転倒とのそしりを免れない。


 個人のプライバシー保護の問題もあるし、軽減税率の形を採っているため、対象品目の線引きの問題も残る。まさに突っ込みどころ満載なのだ。


 財務省OBの嘉悦大学の高橋洋一教授によれば、税還付の仕組みとして簡単でコストが掛からないのは、順に(1)簡素な給付、(2)領収書による一種の確定申告、(3)マイナンバーカードになる。なぜ財務省は(3)という一番高い球を投げたのか。高橋氏は「次の引き上げの17年4月ごろは、中国経済の減速で日本経済もどうなっているか分からない。還付措置にメディアの議論を集中させることで、消費再増税は既定路線と国民に刷り込むことが狙い」と、読み解く。


 別の財務省OBも「検討してみるとあまりにも問題点が多いので、原点に返ろうという話になり、結局、簡素な給付措置に持っていく財務省一流の戦術ではないか」とみる。12月に与党の税制改正大綱が決まるまでには時間がある。「日本型軽減税率制度」が本命と決め付けて騒ぐのは、財務省の術中にはまるということかもしれない。本来、議論すべきはあるべき税の姿と、消費増税の是非である。


 

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コメント
 
1. taked4700 2015年9月20日 19:55:02 : 9XFNe/BiX575U : PWynUfMPno
軽減税率など考えずに、一律課税をする方が簡単。その代り、一定の所得水準に行かない人々の住民税や健康保険税を軽減する方がいい。超高齢化社会を迎える現在、その方が、税体系全体としては簡潔であることは確実。

それから、今の日本の消費税は中小企業いじめになっている。だから、インボイス方式にするべき。公明党はその方を主張するべきだ。

ともかく、財政再建を進めないと、そのうちに超円安になって、普通の生活は一気に行き詰る。それだけは何としても避けないといけない。世間一般に、または特に公務員層に、今後も国債発行、地方債発行が簡単にできていくと思い込んでいる人々がいる様子ですが、既に金融機関は国債保有量を減少させてきている。

http://jp.reuters.com/article/2015/02/24/idJPL4N0VY0CH20150224
2014年の都銀国債残高は8.3兆円減、年後半は減少に歯止め

親方日の丸だったゆうちょ銀行も民営化を控えて国債残高を減らしている。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL15HIK_V10C15A5000000/
ゆうちょ銀、国債保有を20兆円減らす 運用比率は51.8%に低下
2015/5/15 16:25

今では、日銀が政府発行の国債のほぼ全額を間接的に引き受けている状態だ。間接的という意味は、市中銀行が買ったものを日銀が買い上げると言うことで、実質的には日銀の国債引き受けと同じこと。

こんなことが何年も続くわけがなく、きちんと増税しないと相当に近い将来に急激な円安に振れる。

しかし、既に国民一人当たり1000万円ほどの国債や地方債の借金がある。これを増税で賄うには相当大変だ。単に、観光収入を高めるとかのように、一定しかないパイを日本国内で奪い合うようなことをやっていても、国全体の税収は回復しない。海外からの観光客を増やすというのは一定程度効果があるのは確かだが、それよりも輸入依存度の高い品目の自給率を高める方が確実でかつ効果的だ。

つまり、エネルギーと食糧の自給率に注目して、これを高める政策を打つしかない。この二つの自給率向上に役立つのが地熱であり、地熱資源は日本にかなり豊富にある。


2. 2015年9月20日 22:41:45 : C3lq0gpU9A

   ○千億円をかけて還付金管理センター?なるものを作って「天下る」これが目的。

   年間ランニングコストは一般に、初期費の1/10.


3. 2015年9月21日 01:06:50 : rwgORSmgTI
シロアリ官僚は本来の仕事そっちのけで、自らの天下り先となる新田開発に熱心である。

4. 2015年9月21日 06:51:04 : jXbiWWJBCA
森信茂樹の目覚めよ!納税者
【第99回】 2015年9月21日 森信茂樹 [中央大学法科大学院教授 東京財団上席研究員]
欧州で機能している軽減税率を
なぜ日本では避けるべきなのか?
世間の疑問に答えよう
欧州で軽減税率が機能している理由


欧州では、消費税込みの総額表示になっている
 財務省の提言した日本型軽減税率が大きな話題となっている。この案は、欧州で導入されている軽減税率が様々な問題を持つということで考え出された「苦肉の案」である。

 軽減税率については、様々な問題や課題があることを、これまで指摘してきたとおりだが、筆者のところにはその反論も寄せられている。これについて考えてみよう。

 最も多い反論は、「欧州では、軽減税率は定着しているではないか。なぜわが国ではできないのか」という質問である。

 これに対する筆者の答えは、「もちろんわが国でも導入できないことはない。しかし、欧州でも軽減税率の的確な執行には、インにボイスの導入をはじめとして、大きな手間とコストがかかっている。それがわかっていながら、あえて10%引上げ時にわが国で導入することは、政策論、財政論(コストパフォーマンス)として避けた方がいい(避けることは当然)」ということである。

 2014年4月、わが国で開催されたOECD主催のハイレベル税制当局者の集まり(VAT Global Forum)で、OECD事務局、IMFなどが、「欧州の軽減税率・非課税制度は、消費税制度の効率性を損なっており、なるべく縮小すべだ」という見解を述べ、参加者全員が賛同した。

 また、プレスリリースされた報告書には、以下の記述がある。

「今回の消費税グローバルフォーラムにおいては、消費税が所得などの異なる層に与える影響についても議論が行われた。低所得者世帯の負担を緩和するため、軽減税率を導入している国もあるが、消費税グローバルフォーラムにおける議論においては、軽減税率は、低所得者を支援する方策として、対象者を限定した給付措置に比べると極めて非効率であるということが確認された」

(参照リンク)http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/discussion1/2014/__icsFiles/afieldfile/2014/04/24/26dis14kai4.pdf

 OECDサンタマン事務局長は、筆者に「(軽減税率問題は)Don’t Follow Europe」と忠告した。

 このように、「欧州で軽減税率がスムーズに定着している」という表現は、正確ではない。当局者は、軽減税率対象品目の拡大に強く反発しているのだが、どこの国も政治のポピュリズムにより、効率の悪い軽減税率・非課税を導入させられているというのが、実情だ。

外税表示と総額表示の差に見る
日本と欧州との決定的な違い

 もう1つ、欧州とわが国では、BtoC、つまり小売事業者・消費者の消費税に対する認識が大きく異なる。それは、わが国は消費税を外税表示にしているが、欧州では、消費税込みの総額表示になっていることに表れている。

 日本では消費税率が引き上げられる際、個別商品ごとに値段を貼り替えるのが一般的で、3月31日に徹夜して一斉に値段の貼り替えが行われている。しかし、フランスの当局者から聞いた話は全く異なっていた。

「フランスでは税率引き上げが決まると、3ヵ月〜半年前から事業者は、売れ筋のものについては少しずつ値段を上げ、売れ筋でないものや目玉商品は、消費税が上がろうと価格は上げられないので、値段は変えない。前の晩に一斉に引き上げるという事態は、フランスでは起こらない」というのである。

 英国の例も挙げてみたい。英国では、キャメロン政権の下で、消費税率が2010年と11年のそれぞれ1月に2.5%ずつ引き上げられた。その際小売業者は、「引き上げ実施前」に始まるクリスマス商戦に大きな価格改定をして、1月には小さな価格改定で済ませ、マージンを確保したという話が、五十嵐文彦・財務副大臣(当時)の英国出張報告に記されている(『ファイナンス』12年11月号)。

 彼らは何をメルクマールとするかというと、自分のマージン(利益)の確保である。消費税率を完全転嫁して売上の数量が落ちると、利益は減ってしまう。そもそも、原材料の価格や人件費なども日々変動する。コスト変動の要因の1つが消費税率の引き上げだ、という認識である。

 価格はコストで決まるのではなく、需要と供給のバランスで決まる。消費税を完全転嫁したいのはやまやまだが、それは売上の減少につながるかもしれない。欧州では、消費者の顔を見ながら値段を上げ下げしていくのである。

 わが国で例えれば、ガソリンスタンドの値付けがこれに近いのであろうか。隣のスタンドが、消費税引き上げ分を完全転嫁しなければ、自らも価格転嫁(価格の引上げ)は難しい。このあたりの認識がわが国には少ない。

 以上のように、インボイスの導入がなされているかどうかという点や、消費税にと価格に対する認識の違いが、軽減税率を(訴訟は多くあるものの)比較的「スムーズ」に運用している要因である。

わが国のように、インボイスも導入されておらず、消費税は価格とは別物、外税表示して確保するもの(現に、税抜きと税込みの2つの表示が行われている)という商慣習の下では、軽減税率はなじみにくいのである。

 消費税率10%引上げ時の軽減税率の導入は、我慢すべきだ。

 インボイスの問題については、次回に譲りたい。
http://diamond.jp/articles/-/78821


5. 2015年9月21日 17:20:01 : LY52bYZiZQ
2015年9月21日(月)
消費税10%やめよ

小池氏「還付策は姑息」

NHK討論

 日本共産党の小池晃政策委員長は20日に出演したNHK「日曜討論」で、自民・公明両党と財務省で迷走している、消費税率10%への増税時の負担緩和策について「最初から増税をやめればいい」と指摘しました。

 増税時の負担緩和策については一部の品目だけ税率を軽減する「軽減税率」に加え、財務省からは共通番号(マイナンバー)を使って増税分の一部を後から払い戻す還付案が示されています。

 小池氏は、財務省案について「マイナンバーを買い物のたびに見せなさい、すべての小売店に読み取り装置を置きなさい(と言って)、それで返ってくる額の上限は年間4000円。1日10円だ。消費税増税とマイナンバーという不人気の政策を、還付金をエサにセットにしてやらせようという本当に姑息(こそく)なやり方だ」と批判しました。

 「軽減税率は低所得者対策になる」と言い張る公明党の石井啓一政調会長に対しても、小池氏は「増税が庶民に重いからこういう(負担緩和の)議論になるわけで増税自体やるべきじゃないんですよ。財源を言うなら、法人税の減税などをやめればいい」と指摘しました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-09-21/2015092102_01_1.html


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