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米国利上げ見送りをどう読むか 〜中国の景気がアメリカの金融政策を縛る時代
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/45438
2015年09月20日(日) 真壁 昭夫「通貨とファイナンスで読む世界経済」 現代ビジネス
■利上げがさらに景気の腰を折る
9月17日、米FRB(連邦準備理事会)は、金融政策を決めるFOMC(連邦公開市場委員会)を開き、政策金利を0〜0.25%で据え置いた。市場の事前予想の中には、雇用の回復などを理由にFRBが利上げに踏み切るとの見方があったが、結果的に実質的なゼロ金利政策を据え置くことになった。
FOMCの決定を受けて、米国の株式市場は下落しドルも下落した。それは、世界経済の先行きに対する懸念を反映している。中国を筆頭に景況感の悪化が懸念される中、米国での利上げ時期が読みにくいことが金融市場を不安定にさせている。
FRBが利上げを見送った最大の理由は、世界経済と物価の先行き見通しが不透明感が強まっているためだ。イエレン議長は、米国外の経済見通しに関する不確実性の増大、そして、低迷する物価情勢に言及し、慎重な景気への認識を示した。
FRBにとって特に重要なファクターは、中国経済の減速懸念を受けた金融市場の不安定さだろう。8月以降、中国株価の大幅な下落や人民元の切り下げによる為替相場の混乱は、急速なリスクオフにつながった。
そのため、FOMCは現時点での利上げは国際金融情勢の不安定化に拍車をかけかねないと判断したとみられる。
引き続き、イエレン議長は年内の利上げの可能性を示している。ただ、中国など新興国の景気は弱含んでいる。
更なる市場の安定や物価の上昇を待つあまり、景気回復のペースが鈍化し、最終的に利上げが景気の腰を折る可能性は高まっていると考えられる。
■アメリカの景気政策が中国に縛られた
エコノミスト等の専門家たちは、米国内での物価の低さや中国への懸念を受けた金融市場の混乱を理由に、利上げは時期尚早とみていたようだ。一方、市場は利上げに備えた。特に、9月15日には長期金利が大きく上昇した。この動きには注目する必要がある。
また、政策金利の据え置きが発表された後、米金利は低下し株価などのリスク資産は軟調に推移した。ドルは対円で120円台後半から119円台に下落した。この背景には、今後の利上げが、減速しつつある世界経済を追加的に圧迫するという懸念があったと考えられる。
今回のFRBの決定を見ると、FOMCは米国の金融政策が、米国の景気よりも中国経済等の動向に縛られやすいことを示したことになる。足元の中国経済は不安定な状況が続いている。これまで以上に、FRBの利上げは難しい判断になりそうだ。
当面、市場では米金利の低下など利上げに向けた準備の解消が進みやすい。それはドル売りにつながる。また、景気への懸念はリスク資産の価格を下落させやすい。そうした動きが進んだ後での利上げは、市場に大きなストレスをもたらすだろう。
その時、中国などの新興国が米金利の上昇に耐えられるのか、先行きは不透明だ。これまで以上に、利上げへの警戒感は市場を不安定にさせやすくなったとみる。
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