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研究学園都市として発展してきたつくば市。北部に筑波山を望み、市中心部にも公園が点在。緑が多い(撮影/編集部・金城珠代)
◯◯にお金がかからない 移住者増加中「つくば」の魅力〈AERA〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150919-00000006-sasahi-life
AERA 2015年9月14日号より抜粋
都市に暮らす働き盛りの世代が移住して、無理なく暮らせるのはどんな街だろう。そんな観点でアエラが独自に「移住しやすい街」を抽出。関東で上位に浮上したのは、茨城県つくば市だった。実際に近年、移住者が増えているというつくば市の魅力は。
今年開業10周年を迎えたつくばエクスプレス(TX)の沿線には、新しいマンションや一戸建て住宅が立ち並ぶ。近年、茨城県内のほかの地域からの転入や、都心部に仕事を持つ家族連れの移住者が増えているという。彼らを惹きつけるのは、利便性と恵まれた教育環境だ。
東京・秋葉原とつくば間を最短45分で結ぶTXはもちろん、つくば駅周辺を中心に、総延長48キロにおよぶペデストリアンデッキ(歩行者専用道路)が張り巡らされ、アメリカの会員制ショッピングセンター「コストコ」など大規模な商業施設も多い。市内のあちこちに公園が整備され、大学病院もある。
現在、市役所で副広報監として働く入沢弘子さん(53)は、20年前に家族で移り住んだ。夫の海外転勤先から帰国する際に、自身も都内の大手広告会社に復職することになり、当時2歳半だった娘を育てるため、実家があるつくば市を選んだ。
TX開通前で通勤はJRか高速バスで1時間以上。2万5千円かけて深夜にタクシーで帰宅することもあった。だが、家賃は東京の半額ほどになり、予想外のメリットもあった。
「教育に、お金がかからなかったんです」
東京に住む友人からは、受験の反動で子どもが勉強から遠のいてしまったり、学校帰りに子ども一人で外食させて塾に通わせたり、という状況をよく聞いた。だがつくば市、特に市の中心部では、塾に通うことなく、公立高校から東京大学や筑波大学に進学する子が少なくない。
「娘も自然と勉強するようになりました」
つくば市は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの研究施設が国立・民間あわせて100以上という国内有数の理系頭脳の集積地でもある。知的水準が高く教育熱心な親とその子どもたちが集まり、それが教育水準を引き上げる一つの要因になっている。
外国人研究者の子どもたちのために、1992年に設立されたつくばインターナショナルスクールも注目の存在だ。国内に6校しかない、国際バカロレアの初等・中等教育課程の認定を受ける学校の一つ。森の中のログハウス風の校舎で、20カ国152人の子どもたちが学ぶ。指導する19人の教師も10カ国から集まる。
この学校に子どもを通わせたくて、今年4月に都内のタワーマンションから家族で移住した会社員の男性(51)はこう話す。
「都内のインターナショナルスクールは最低でも学費が年に250万円かかり、教育の質にもばらつきがある。でも、ここならその半額で高い水準の教育が受けられる。東京と違って、子どもが寄り道して遊ぶ場所が少ないのもいいですね」
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