http://www.asyura2.com/15/hasan100/msg/643.html
Tweet |
9月17日、実質輸出が一段と勢いを失っている。写真はコンテナを運ぶクレーン、都内で8月撮影(2015年 ロイター/Issei Kato)
焦点:実質輸出が失速、頼みの米国向け不振 GDP2期連続減も
http://jp.reuters.com/article/2015/09/17/trade-japan-economy-idJPKCN0RH16I20150917
2015年 09月 17日 18:35 JST
[東京 17日 ロイター] - 実質輸出が一段と勢いを失っている。アジアと欧州向けが弱含む中で期待されていた米国向け輸出数量も減少を続けているためだ。7、8月の実質輸出指数の平均が4─6月平均を下回り、成長率に大きく影響する生産の停滞に波及する公算が大きくなった。
その結果、7─9月期が2期連続マイナス成長に陥る可能性も出てきた。
<エンジン役の米国向けが振るわず>
「8月は輸出入ともに弱いといわざるを得ない」──。エコノミストからは8月貿易統計で事前予測よりも輸出入とも下振れたことに、景気の弱さを指摘する声が相次いだ。
日銀が発表した8月実質輸出は、3カ月ぶりに前月から減少。すでに4─6月に前期比3.6%もの大幅減少となっていたのに続き、7、8月の平均指数は前期平均をさらに下回った。
内閣府が試算した地域別輸出数量指数によると、8月は中国やアジアの減速だけでなく、欧州向けや米国向けも相当な落ち込みとなった。
特に米国向けは、4カ月連続の減少となっている。海外生産への移管で完成車輸出がそれほど伸びないことに加え、部品の輸出数量も2桁減少となっている。米国での企業部門の不調により、一般機械類や電機などの輸出数量も前年比で減少している。
ニッセイ基礎研究所の経済調査室長・斉藤太郎氏は「海外経済の減速を背景に、この先も輸出が伸び悩むことが予想される」と見ている。
<7─9月成長率は当初見通しを大幅下ブレの公算>
輸出動向が大きな要素を占める生産も、8月は弱い動きとなる公算が大きくなった。予測指数を前提にした7─9月期見通しは、もともと前期比0.6%の伸び。予測指数が下振れる最近の傾向を踏まえ、そこに中国経済減速や天津爆発事故の影響も加わると、2四半期連続の生産低下も視野に入る。
個人消費を中心に内需もさえず、原油・商品安もあり、輸入の伸びも弱いとはいえ、輸出の弱さがそれを上回れば、外需の寄与度がマイナスとなる。
7─9月期成長率は、主な需要項目においてプラス材料に乏しく、4─6月期に続き「マイナス成長が続く可能性は排除できない」(BNPパリバ証券・チーフエコノミスト、河野太郎氏)との見方は根強い。
エコノミストの7─9月期成長率の見通しは、8月まで前期比年率2%台半ばだったが、9月に入り1%台半ばに大幅下方修正されている(フォーキャスト調査)。
貿易統計が弱い結果となったため「生産統計が弱くなると、7─9月期の景気はかなり弱くなる」(第一生命経済研究所・主席エコノミスト・新家義貴氏)との観測が広がりそうだ。
政府内でも今月上旬までは「7─9月期については、7月までのデータがそろっただけで、3カ月のうち残り2カ月で挽回する可能性もある」との見方もあった。
だが、8月の主要経済指標の第1弾ともいえる貿易統計が弱かったことで、企業活動のエンジンは期待が弱まったことは否定できない。
2期連続のマイナス成長が景気後退との見方につながれば、デフレ脱却を目標としているアベノミクスには大きな誤算となりそうだ。
<中国減速で政府の認識も転換>
こうした懸念から、11日の経済財政諮問会議では、中国経済の減速を踏まえて、内需を成長のエンジンとすべく、「構造強化プログラム」が打ち出された。背景には「中国の問題は構造問題。そう簡単には解決しないだろう。外部環境の変化により、もはや外需を取り込む成長シナリオは難しい。もっと内需の体質強化を図らなければならない」(政府関係者)との危機感がある。
ただ、内需の構造強化といっても、低所得者向けの家計支援や子育て支援・少子化対策が中心。企業向けは、早期の法人税率20%台への引き下げや外国人人材の確保に向けた滞在期間延長などだ。
国内経済の体質強化につなげるには時間がかかる。人手不足のために需要刺激型対策の対症療法を打つべきではないとの判断があり、目の前の景気下支えには工夫が必要だ。
日本経済は、昨夏のように今年も天候不順に見舞われ、さらに中国ショックが加わったことで、年度後半の回復期待は見えていない。
(中川泉 編集:田巻一彦)
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民100掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。