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「影の金利」の政策シグナル
米連邦準備理事会(FRB)が16〜17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)でついに利上げを決めるのか。世界の金融市場が固唾をのんで見守っている。
仮に今月の利上げを見送っても、堅調な雇用情勢を背景に近い将来に利上げをする、という予想が現時点では多い。英国でも2016年前半の利上げ予測が多い。
では、金融市場は利上げの可能性をどの程度織り込んでいるのか。その尺度の一つとして中央銀行関係者に注目されているのが「影の金利」だ。
リーマン危機後に日米欧の中銀は政策金利を実質的にゼロまで下げ、さらに国債購入などで資金供給量を増やす量的緩和政策に乗り出した。
政策金利は一般にゼロより下げられない制約がある。だが、仮にそんな制約がなかったと想定した場合、市場関係者がどの程度の政策金利の水準を妥当とみているかを推定したのが影の金利だ。
市場関係者が「ゼロ金利解除」を織り込み始めると、マイナス圏で推移してきた影の金利が徐々に切り上がるはずだ。
ニュージーランド準備銀行(中銀)のレオ・クリップナー氏の試算によると、今年8月時点の米国の影の金利はマイナス0.3%台。英国はマイナス0.4%台で、13年ごろにマイナス幅が5%超だった金利はようやくプラス圏をうかがう。
ユーロ圏の影の金利はマイナス3%台で推移している。
影の金利は、市場が予想する物価上昇率や金融政策で上がったり下がったりする。
過去の日本の影の金利をみると、日銀が00年にゼロ金利を解除した時はまだマイナス圏だったので「早すぎ」、06年の時はプラス圏に浮上していたので「市場予想と整合的」ともいえる。
気になるのは、7月時点でマイナス4.34%だった影の金利が8月にマイナス4.50%まで下がってしまったことだ。2%の物価安定目標の達成は遠のき、追加の金融緩和を市場は静かに織り込み始めたのだろうか。
(編集委員 瀬能繁)
[日経新聞9月15日朝刊P.29]
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