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当然に何もできなかった日銀の政策決定会合
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2015年09月16日 闇株新聞
日銀は本日(9月15日)まで開催されていた政策決定会合で、大方の予想通り現行の大規模な金融緩和(量的緩和)継続を8:1の賛成多数で決定しました。
現行の量的緩和とは、日銀が保有する国債の残高を年間80兆円増加するように、また買い入れる国債の平均残存年数が7〜10年となるように、市場から異次元に国債を買い入れるものです。またETFを年間3兆円、REITを年間900億円もそれぞれ買い入れます。
利上げするかどうかでいまだに態度を決めかねている米国のFOMC(9月16日〜17日)を控えて「勝手な行動」はとれないための現行維持となります。午後3時から行われた黒田総裁の記者会見でも「追加量的緩和」への言及は皆無で、為替は一時1ドル=119円台半ばまで「円高」となりました。
要するに真剣な議論ができる(しているかどうかはともかくとして)政策決定会合の1回が無駄になったことになります。そこで来年からは政策決定会合の日程をおおむねFOMCの直後にあわせ、回数もFOMCと同じ8回(現在は14回)にしてしまいます。
まあ形の上だけでも日銀の金融政策は米国(FOMC)の影響を受けることはなく、独立性を保っていると見せかけた方が良いと思うのですが、決められてしまったものは仕方がありません。
さて本日の政策決定会合では、野村證券出身の木内委員だけが国債残高の増加を年間45兆円に抑えるいつもの提案を行い、いつものように木内委員以外の8名全員の反対で否決されました。2014年10月31日の「意表を突いた」追加量的緩和では、木内委員を含む4名の委員(全員が金融・産業界出身)が反対に回り、5:4で辛うじて決定されたのですが、その後も反対案を出し続けているのは木内委員だけです。本誌は木内委員の「ブレない態度」だけは評価しています。
だいたい9名の日銀政策委員のうち総裁、副総裁2名に官僚・学者出身が各1名の計5名は必ず与党側なので、金融・産業界出身の各2名が反対に回っても必ず可決されるようにできています。また本年7月には念のために昨年10月に反対票を投じた森本委員の後任に「間違いなく与党側」となるトヨタ自動車出身の布野委員を起用しているため、より盤石になりました。
つまり日銀の政策決定会合とは、必ず日銀執行部(だいたい総裁のことです)の意向通りに決定されるものですが、現在の黒田総裁は久々の旧大蔵官僚なので常に旧大蔵省の意向の通りになると考えておくべきです。つまり何をどう言っても今後の日銀の金融政策とは(追加量的緩和に踏み切るどうかも含めて)、すべて消費税を間違いなく10%に引き上げるためだけにあると考えておかなければなりません。
それでは現在の黒田日銀は、首相官邸(安倍首相)の意向に影響されないのか?ですが、安倍内閣発足直後の蜜月関係はとっくに終わっており、現時点で黒田総裁を含む旧大蔵省にとって安倍首相はすでに消費増税に後ろ向きな「反対勢力」となります。だいたい日銀総裁のイスを無条件で旧大蔵省に差し出してしまったのは、ほかならぬ安倍首相だったのですが、いまごろその「任命責任」を悔やんでも完全に手遅れです。
ただそんな日銀も米国政府からの要請があったときだけは、この限りではありません。過去にも米国が同時多発テロの後遺症に苦しむ2001年12月に、それまで1兆円ずつチビチビと引き上げてやっと6兆円になっていた当座預金残高目標を一気に10〜15兆円に引き上げて最終的には35兆円にしてしまったところは、明らかに不景気ながらインフレ懸念の残る米国(FRB)に代わって日銀が行った世界最初の量的緩和だったはずです。
ほかにも2010年10月に米国のQE2に合わせて日銀が導入した「資産買入等の基金」も同じだったはずです。だいたい日常の日銀からかけ離れた政策を導入したときは、米国政府の意向だったと考えておくべきです。
それでは2013年4月に導入された「異次元」量的緩和も、はるかに日常の日銀からかけ離れていたので、それも米国政府の意向だったのか?ですが、これは違うようです。安倍内閣発足のどさくさに紛れて旧大蔵省がまんまと日銀を財政赤字ファイナンスの受け皿にしてしまっただけで、その後の消費増税も含めて100%旧大蔵省の意向でした。
繰り返しですが、日銀の追加量的緩和は消費増税のために(株価を下落させないことも円高にしないことも含めて)必要かどうかで決まると考えておくべきです。
9月16日〜17日のFOMCはいまだにコンセンサスがなく、10人(2人欠員)のメンバーによる一発勝負の投票で決まり、その結果は全く予想不可能です。ただ利上げがなかったら、本日の黒田総裁の会見だけで円高になったことを考えれば、消費増税に邪魔な円高・株安を避けるためにも追加量的緩和の可能性が高まると考えます。
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