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財務省の姑息な横暴 国民にメリットなく煩雑極まりない仕組み強要 疑念まみれの軽減税率(Business Journal)
http://www.asyura2.com/15/hasan100/msg/594.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 9 月 16 日 00:34:35: igsppGRN/E9PQ
 

財務省の姑息な横暴 国民にメリットなく煩雑極まりない仕組み強要 疑念まみれの軽減税率
http://biz-journal.jp/2015/09/post_11563.html
2015.09.16 文=町田徹/経済ジャーナリスト Business Journal


 先週木曜日(9月10日)に、自民、公明両党が開いた与党税制協議会で、2017年4月の消費税率の10%への引き上げに伴う痛税感の緩和措置とされてきた、軽減税率の実施原案が明らかになった。連立与党の意を受けて財務省が作成したもので、「酒類を除く飲食料品」の購入代金の2%分を事後的に払い戻す還付制度が柱となっている。

 しかし、原案には所得制限を付けて還付を低所得者に限るとか、還付額に4000円程度という上限を設けるといった腹案が付いているらしい。これらが実施されれば、どう考えても納税者の痛税感の解消には役立ちそうにない。負担軽減策としては、力不足なのである。

 さらに首を傾げざるを得ないのは、実施の延期まで囁かれている「社会保障・税番号」(マイナンバー)制度の個人番号カードを取得し、それを常時携帯して買い物のたびにポイントを貯め、事後的な還付申請をしなければならないという、煩雑極まりない仕組みが唐突に組み込まれたことだ。

 われわれ国民にはほとんどメリットがない軽減税率の導入で、いったい誰がトクをするというのだろうか。連立与党と財務省のやりたい放題を放置すれば、これまで沈黙を守ってきた首相官邸の指導力も問われかねない事態である。

■貧乏くさい軽減税率導入案

 消費税の軽減税率とは、標準の税率とは別に低い税率、つまり軽減税率を設けて、消費税の税率を2本立て、3本立てにすることをいう。世界的に見て、軽減税率の導入が進んでいるのは欧州地域だ。早くから日本の消費税に相当する付加価値税が普及しており、その標準税率がすでに20%前後と高率になっているからだ。

 例えば、英国やフランスは標準税率が20%。その一方、英国が食料品や新聞・雑誌に0%の軽減税率を、フランスが食品に5.5%、新聞・雑誌に2.1%の軽減税率を設けている。欧州の場合は、必ずしも生活必需品だけが軽減税率の対象ではない。自国産の農産品などを保護するため、自国製品だけを対象にした軽減税率を設ける例もある。

 一方、日本では財務省が長年軽減税率の導入を拒み、御用学者たちを取り込んで議論を封じてきた。彼らは「税収が減る」とか「税制が複雑になって納税コストが上がる」「脱税しやすくなる」といった、もっともらしい理由を並べ立てていた。

 風向きが変わったのは、安倍政権が昨年4月の税率を5%から8%に引き上げる消費増税を容認した頃のこと。首相官邸に8%から10%への2段階目の消費増税をのませるには、増税ショックを和らげる施策も必要とみて、財務省がひそかにスタンスを変え始めたのだ。サインを送られた自民、公明両党が昨年暮れの総選挙の際に、消費税率の10%への引き上げと同時に軽減税率を導入する方針を公約に掲げた経緯がある。

 実施案づくりは、連立与党の税制協議会が逐一、財務省の知恵を借りて進めてきた。この間、首相官邸は与党の顔を立てるかたちで沈黙を守ってきた。税制協議会の今年5月の資料によると、当時は軽減税率の対象として「精米」「生鮮食品」「酒類を除く飲食料品」の3案を検討していた。見た目で与党のセンセイたちを喜ばせる意図でもあったのか、意外な感があるのは、3案のうち対象品目が最も多い「酒類を除く飲食料品」を減税嫌いの財務省が自ら実施案として推奨したことだ。

 ただ、財務省は政府の金庫番らしく歯止めをかけることも忘れていない。世帯合算は認めるものの、1人当たり上限4000円程度という還付額の上限設定置や、還付対象に所得制限を設ける腹案も付けている。

 「酒類を除く飲食料品」の購入代金の2%をすべて還付すると、1兆2600億円の財源が必要になる。消費税率を10%へ2%引き上げると、3〜4兆円の税収増が見込めるはずなので、増収分の3〜4割程度を還付する計算になる。ところが、財務省は還付額の上限と所得制限を設ける腹案を付けて、この何分の一かの還付で済ます余地を残しているのだ。なんとも貧乏くさい軽減税率導入案である。

■誰のための複雑な仕組みなのか

 加えて、あまりにも唐突だったのが、冒頭で記したように還付を受けるために円滑なスタートすら危ぶまれているマイナンバー制度の個人番号カード取得、携帯、掲示などを不可欠とする仕組みを導入するとしていることだ。日本年金機構の個人情報流出事件の前例を持ち出すまでもなく、われわれ国民にすれば個人番号カードは使う場が増えれば増えるほど、個人情報の漏えいのリスクは高くなる。積極的な利用には二の足を踏まざるを得ない。

 さらに、厄介なのは、小売店の側がカードを読み取り、納税者にポイントを付与するための専用端末を整備する必要があることだ。十分な準備期間とコスト負担が必要であり、17年4月の消費増税のタイミングに間に合う保証はない。

 では、こんな複雑な仕組みづくりがいったい、誰のために行われているのだろうか。疑わざるを得ないのは、これまでもさまざまな行政システムの構築のたびに暗躍が囁かれてきたITゼネコンや機器メーカーの動向だ。必要な機器やシステムの整備のために、数百億円規模の補助金を検討しているとの報道もあるが、潤うのはこうした企業と見て間違いない。

■史上稀な“徴税天国”

 さらに見逃してはならないのは、財務省・国税庁にとっても、マイナンバー制度を普及させることに大きな利益がある点だ。というのは、要所要所でマイナンバー制度の利用を拒めない仕組みを構築することで、財務省・国税庁は、所得から消費・貯蓄まで国民一人ひとりの経済活動を詳細に把握できる仕組みを手に入れることになるからだ。税務当局にすれば、史上稀な“徴税天国”を実現できるのである。

 だが、納税者にとってほとんどメリットのない軽減税率制度の導入を隠れ蓑にして、消費増税と徴税強化のマイナンバーカードの普及を目論むというのは強欲すぎる。中国発の世界経済危機がこれから本格化するとみられるなかで、日本経済の潜在成長力の低下を避けるためには、企業が内部留保を溜め込む一方で実質賃金を増やさない家計いじめは、これ以上禁物である。

 指導力を発揮できるのは、やはり首相官邸だろう。来年夏に参議院議員選挙を控え、先の総選挙の時のように民意に問うかたちで消費増税を先送りするという切り札を持っているからだ。財政再建のためには増税先送りは許されないが、それをある種のブラフに使えば、さすがの財務省も譲歩して、もう少し実のある軽減税率導入案を用意するのではないだろうか。

(文=町田徹/経済ジャーナリスト)

 

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