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米利上げに伴いディフェンシブ銘柄急落の可能性を専門家指摘(NEWS ポストセブン)
http://www.asyura2.com/15/hasan100/msg/581.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 9 月 15 日 07:49:10: igsppGRN/E9PQ
 

米利上げに伴いディフェンシブ銘柄急落の可能性を専門家指摘
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150915-00000011-pseven-bus_all
NEWS ポストセブン 9月15日(火)7時6分配信


 9月にも実施される可能性のある米国の利上げによって、株式市場にはどんな影響があるのか。これまで国内小型株中心の運用で「R&Iファンド大賞」を4年連続で受賞した「ひふみ投信」の運用責任者・藤野英人氏(レオス・キャピタルワークス取締役・最高投資責任者)は、「内需の大型株の値動きに注意すべきだ」という。以下、藤野氏が解説する。

 * * *
 いま日本株を取り巻く環境に大きな転換が起き始めている。アベノミクスを機に2012年末から日本株は大きな上昇を見せてきたが、ここにきて肝心の安倍内閣の支持率が低下。高い支持率を背景に数々の政策を打ち出してきたアベノミクスも危うさが漂い始めている。

 海外に目を向けると、ギリシャ問題は落ち着きを見せているものの、中国市場の混乱は収まらず、米国の利上げも控えて、しばらくはポジティブな材料も出てこないだろう。

 それら国内外の要因を考えていくと、当面は日本株も指数全体が大きく上がる状況ではないと見ている。

 特に厳しいと見られるのが、円安を追い風にこれまで相場を牽引してきた外需の大型株だ。為替もここまで円安に振れてくると、さすがにここからの一段安は考えにくい。何より中国の景気減速で需要が弱まっている自動車や機械、建設機械などのセクターは懸念材料が山積みとなっている。

 一方で内需はどうかというと、設備投資は更新需要で堅調、消費もさほど悪くない。まして国内景気が傾こうものなら、補正予算や日銀の追加金融緩和「黒田バズーカ第3弾」まで予想されるため、今後も堅調と見ていいだろう。

 ただ、内需の大型株にはある大きな問題が潜んでおり、この先、注意が必要となりそうだ。内需の大型株に何が起ころうとしているのか。順を追って説明したい。

 これまで世界的な低金利が続くなか、債券主体で運用する国内外の債券ファンドマネージャーは、金利だけではパフォーマンスを上げられなくなり、債券に類似するような高配当で値動きの小さい株式に目を向けるようになった。自分たちの主戦場ではない株式市場にこぞって参戦してきたのだ。

 このような価格変動リスクを抑える投資手法を「最小分散投資」というが、それによって世界中で食品や薬品といった、いわゆるディフェンシブ銘柄に買いが集中。彼らの資金量は株式ファンドをはるかに上回るため、国内ではそれまで目立った値動きのなかったエーザイやアステラス製薬などの薬品株、JTやキッコーマンなどの食品株が大きく上昇した。特に今年前半は、とてもディフェンシブとはいえないほど派手な値動きを見せてきた。

 問題は、ここから先である。本来、債券市場を主戦場にしてきた彼らは、金利が上昇すれば債券に回帰して、最小分散投資から手を引く可能性が高い。そのきっかけとなるのが、米国の利上げにほかならない。米国の金利が上昇してくれば、全世界の債券ファンドマネージャーがこれまでさんざん買い上げてきたディフェンシブ銘柄を投げ売りし、暴落の恐れすら出てくるのである。

 すでにその兆候は6月くらいから見え始めており、いざ米利上げが実施されれば、一気に株価が急落する可能性もあるので、くれぐれも注意しておきたい。

※マネーポスト2015年秋号

 

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コメント
 
1. 2015年9月15日 21:45:28 : HV5OehK4pk
 一方で内需はどうかというと、設備投資は更新需要で堅調、消費もさほど悪くない。まして国内景気が傾こうものなら、補正予算や日銀の追加金融緩和「黒田バズーカ第3弾」まで予想されるため、今後も堅調と見ていいだろう。>

追加緩和催促が見え見えで見苦しい。
http://www.asyura2.com/15/hasan100/msg/582.html
7.  
追加緩和催促の株価崩しか。
今日追加緩和期待と称して、株を無理に買い上げ、
見送りとなったとたんに、株を売り崩した。



2. 2015年9月16日 14:06:20 : OO6Zlan35k

正午のドルは120円前半、スワップでは円投/ドル転コスト上昇
[東京 16日 ロイター] - 正午のドル/円は120.23円付近。午前の外為市場では、ドルが120円前半で方向感のない小幅な値動きに終始した。ユーロは1.1287ドルまで反発し、海外市場での下落分を一部取り戻した。

前日の海外市場では複数の米経済指標がさえない結果となったにもかかわらず、米株と米金利が上昇し、ドルが買い進まれた。

落ち着いた値動きとなったスポット市場とは対照的に、為替スワップ取引やベーシススワップ取引では円投/ドル転コストの上昇が顕著だった。

ドル/円スワップ3カ月物では、円投/ドル転に際してのジャパンプレミアム(金利平価からの乖離)が40.63ベーシスポイントまで拡大し、2011年12月27日以来、3年9カ月ぶりの高水準となった。

ドル/円ベーシス・スワップ1年物では、ドル・ディスカウント幅が49.875ベーシスポイント(ビッドサイド)と、2011年12月29日以来、3年9カ月ぶりの水準まで拡大した。

市場関係者らによると、円投/ドル転コストの上昇は、欧米銀が期末を控えてドル供給/円調達を手控えていること、自国通貨防衛のためにキャッシュ需要が高まった海外中銀が日本国債などの円資産を換金売りしている可能性があること、FOMC後もドル金利の先高観があることなどが影響を及ぼしているという。
http://jp.reuters.com/article/2015/09/16/forex-midday-sep-idJPKCN0RG09Z20150916


2015年 09月 16日 12:19 JST
コラム:新たな「謎」出現と世界経済の構造変化=嶋津洋樹氏
嶋津洋樹
嶋津洋樹SMBC日興証券 シニア債券エコノミスト
[東京 16日] - 世界経済の先行き不透明感が再び強まっている。今回のきっかけは中国。米国景気は堅調さを維持していると見られるが、金融市場に不安定さが残るなか、政策金利の引き上げなど、金融政策の正常化は困難との見方が強まっている。それどころか、米国でさえも金融緩和が必要との意見もある。

いずれにしても、このまま12月を迎えれば、積極的な金融緩和が物価上昇率を押し上げ、債券相場の逆風になるとの見方は今年も外れることになる。

一方で、債券相場に順風が吹いていないのも事実だ。普通に考えれば、世界的な株安を受けてリスク回避志向が強まり、安全資産と見なされる債券相場にマネーが流入し、債券高(金利低下)となりそうなものだが、主要国の債券相場はほとんど反応していない。

たとえば、米連邦準備理事会(FRB)が今週の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を引き上げるのは困難との見方が強まっているにもかかわらず、米国の長期金利は15日時点で、中国人民銀行による人民元の対ドル基準値引き下げ前日の8月10日とほとんど変わらないかやや上回る水準で推移している。その説明として、中国などの新興国がドル高を背景とした自国通貨安に対抗し、外貨準備を取り崩している(米国債を売却している)というのは説得力があるだろう。

実際、中国は8月だけで外貨準備を939億ドルも減らしている。そのほとんどは民間の「質への逃避」に対する需要で吸収されたと考えられるが、長期金利の低下を抑えるには十分な規模だった可能性が高い。

また、物価上昇率についても、力強さには欠けるものの、安定的に推移していく兆しは見える。原油価格は8月下旬にいったん1バレル=40ドルを下回った後、足元で8月上旬の水準を回復している。エネルギー価格の影響を除く消費者物価を見ても米国やユーロ圏、日本などで安定して推移している。こうした物価動向は、ゆっくりとだが、債券相場の下押し圧力となってこよう。

加えて、中国など新興国の外貨準備における米国債への需要は、少なくともドル高が続く間、弱まりやすい。

振り返れば、2005年当時のグリーンスパンFRB議長は、米国が政策金利を引き上げるなかで長期金利が上昇しないことを「コナンドラム(謎)」と呼び、その理由として景気の弱さのシグナルという基本的な認識とともに、年金勢などによる超長期債への需要、グローバル化に伴う予想物価上昇率の低下、海外の中央銀行による米国債に対する需要などを指摘した。中国など新興国の最近の動きは、その理由の1つが揺らいでいることを示している。

当時、中国などの新興国のみならず、日本や欧州も米国向けの輸出をけん引役に景気が回復。貿易黒字の拡大が外貨準備の増加を通じて、米国債への需要を高めていた。今回の景気回復では少なくとも今のところ、世界的に貿易が停滞気味で、ドイツを除くと輸出が景気をけん引する国・地域は見当たらない。

<米国債への需要が低下する可能性>

こうした貿易の停滞は米国側の変化からも引き起こされている。それは原油の輸入減少などを背景に貿易赤字が縮小傾向にあることだ。というのも、前述の「謎」は、ITバブル崩壊後の米国が積極的な金融緩和策と財政政策で世界経済をけん引するなかで成立したと考えられるからだ。

つまり、米国景気の回復が産油国や新興国の輸出を刺激。そこで受け取った資金を米国の資産へ投資することで米国景気が一段と力強さを増し、米国向け輸出も増加するというメカニズムである。こうした仕組みが成立し、機能した背景には、当時、米国以外にめぼしい投資先がなかったこと、規制が緩く、高レバレッジを利用したハイリターンが提供できたことなどもあると考えられる。

しかし、米国は今や貿易収支が改善し、従来ほど海外から資金を集める必要がない。規制強化でハイリターンを約束することも困難になりつつある。一方、産油国や新興国は中産階級が台頭。それは従来に比べて輸出への依存度が低下することを意味するだろう。

もちろん、経済の成熟化はインフラ整備の必要性の低下を意味しない。最近の異常気象を踏まえれば、なおさら必要性は高まっていると言えるだろう。また、従来ほどの高成長が維持できなくなったことで社会的な歪みが顕在化しており、対応策として社会保障制度の拡充など、新たな支出も必要となっている。その分、産油国や新興国での過剰貯蓄は緩和し、米国債への需要も低下する可能性がある。

リーマンショック後、欧州債務危機の直後を除くと、世界的に財政政策の役割が拡大していることも、債券相場にとって逆風だろう。上述した産油国や新興国の状況はその典型だ。しかし、財政の健全化に最も熱心な国の1つであるドイツでさえも、南欧などでの反欧州連合(EU)、反ユーロ勢力の伸長を前に極端かつ拙速な緊縮財政を求める声は小さくなった。

米国ではサマーズ元財務長官などが「長期停滞論」への処方箋として、規制緩和とともにインフラ投資の必要性を訴えている。日本での「国土強靭化計画」も含め、インフラ投資による内需の拡大は世界的なトレンドとなりつつある。

しかも、金融緩和の効果もあり、日米欧の貸出は着実に増加している。それにインフレへつながるほどの力強さがあるとは言えないものの、コア物価には上述した通り、安定の兆しが見える。債券相場を支える低インフレ持続という構図は、リーマンショック後の規制強化、米国の貿易収支の改善、産油国や新興国での過剰貯蓄の緩和、世界的な財政政策の役割見直しなどを受けて変化している可能性がある。

今回の世界景気の回復が従来ほど貿易活動の活発化を伴わないのも、主要国における内需主導の景気回復という観点で見ると説明がつくように思える。

*嶋津洋樹氏は、1998年に三和銀行へ入行後、シンクタンク、証券会社へ出向。その後、みずほ証券、BNPパリバアセットマネジメントを経て2010年より現職。エコノミスト、ストラテジスト、ポートフォリオマネージャーとして、日米欧の経済、金融市場の分析に携わる。

為替こうみる:ドル118―122円、9月米利上げなら下抜けも=マネックス証券 山本氏 2015年 09月 10日
中国が三つのバブルに直面、株価暴落よりはるかに怖い=CS 2015年 07月 22日
訂正:コラム:見えてきた米成長加速とドル高再開の芽=村田雅志氏 2015年 08月 12日
http://jp.reuters.com/article/2015/09/16/column-hirokishimazu-idJPKCN0RG07Y20150916?sp=true


コラム:「米利上げ・日銀追加緩和」観測の罠=佐々木融氏
佐々木融
佐々木融JPモルガン・チェース銀行 市場調査本部長
[東京 15日] - 日銀の金融政策に関しては、海外勢を中心に追加緩和期待が強いが、15日の決定会合では大方の予想通り据え置きが決まった。

記者会見での黒田総裁発言も追加緩和の可能性を示唆するようなものはなく、むしろ過去最高水準に迫る企業収益などを背景に、インフレ率が堅調に推移することに対する自信を維持しているようだった。

こうした中、追加緩和を期待して円を売っていた海外勢による円の買い戻しが15日午後の円上昇の背景になっていると思われる。

当社は、米連邦準備理事会(FRB)が今週16―17日の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げに踏み切り、また年内に2度目の利上げを行う可能性もあると考えている。一方、日銀の金融政策については、メインシナリオとして来年1月に追加緩和、場合によっては今年10月にも追加緩和が行われると考えている。

月並みな言葉で言えば、日米金融政策の方向性は反対、つまり米国が金融引き締め方向で日本は金融緩和方向ということになる。もっとも、こうした見方は市場でも一般的であり、為替相場もすでに織り込んでいると考えられる。

また、本コラムでかねてより指摘してきたように、ドルはFRBによる最初の利上げ前後のタイミングがピークになる傾向が強い。加えて、日本の経常黒字の急増、円ショートポジションの積み上がりから、円安にはなりにくくなっている。そのため金融政策の方向性の違いはあったとしても、来年に向けては緩やかなドル安・円高方向への推移になると予想している。

<市場の期待と逆方向に向かうリスク>

ただ、筆者が本稿で指摘したいのは、逆の意味で日米金融政策が別方向に向かうリスクである。あくまで個人的な見解だが、FRBは市場が織り込んでいるほど利上げをできず、日銀は市場が期待するような追加緩和を行わないというリスクも無視できないのではないかと考えている。

まず日銀の金融政策については、個人消費の伸び悩み、所得環境の改善テンポが遅れていること、原油価格下落もあってインフレ期待が後退している可能性などを受けて、追加緩和を期待する声は根強い。

原油価格は、昨年6月のピークから追加緩和が行われた昨年10月末に向けて約4カ月間で25%程度下落した。今年も原油価格のピークは6月で、そこからの下落率は30%程度と、昨年よりも下落率は大きい。市場の期待インフレ率も昨年10月時点よりも現在のほうが低い。

しかし一方で、日銀も指摘している通り、企業収益が過去最高水準に達する中で、有効求人倍率は昨年10月時点に比べて0.1ポイントも上昇し、1990年代前半の水準まで戻している。失業率も約18年ぶりの水準まで低下してきている。FRBと同じロジックで言えば、今後賃金が上昇し始め、やがてインフレ圧力を強めてくる可能性があるということになる。

また、日銀がフォローし始めた、生鮮食品・エネルギーを除く消費者物価指数の前年比は6月がプラス0.7%、7月はプラス0.9%と伸びが加速している。9月以降の悪天候を考えると、生鮮食品の価格が今後上昇する可能性は高く、結果的に全体の消費者物価上昇率を押し上げるかもしれない。ちなみに、日銀が物価の目標としてプラス2.0%と定めているのは、全体の消費者物価上昇率の前年比である。

さらに、昨年10月に実施した追加緩和の理由に、当時2015年10月に予定されていた2回目の消費税引き上げ決定をサポートするという目的も含まれていたとしたら、今回は全く状況が異なることになる。

もちろん、今後の経済・市場の動きによる部分も大きいが、日銀の金融政策が市場に期待されているような緩和に向かわないリスクも排除せずに見ていく必要があるのではないだろうか。

<急激なドル安・円高が進む可能性も>

一方、米国については、失業率は過去3年間で3%ポイントも急低下しており、FRBが先行きの賃金・インフレ率上昇を懸念し、少なくとも年内に1回は利上げに踏み切るとの見方は根強い。実際、FRB高官からもそうした可能性を指摘する声は多く聞かれている。

FOMCは前回7月29日の声明文で、「委員会は労働市場がさらにあと少し(some further)改善し、中期的にインフレ率が2%目標に向かって戻るとの合理的な確信が持てた時」、利上げが適切になるとの考えを示した。その前の6月17日FOMCの声明文では、「労働市場がさらに(further)改善」とされていたところに、「あと少し(some)」が加えられたことから、利上げの時期が近づいているとの見方が強まった。

7月FOMC以降に発表された主な米経済指標を見ると、労働市場関連の指標の強さが目立つ。声明文の基準に立てば、利上げが適切な状況になっていると言えるだろう。

しかし一方で、その7月分のFOMC議事要旨では、数名(some)の参加者がインフレ率への下方リスクとして、「さらなる原油・コモディティー価格の下落とさらなるドル上昇の可能性」を挙げた。これは、「明らかな原油価格及びドルの安定」がインフレ率に対する下方圧力を和らげるとし、「メンバーは中期的にインフレ率が2%に向かい上昇するとの見方を示した」と記述された6月分の議事要旨から変化している。

さらに、中国経済についても、6月分の議事要旨では、何人か(several)が諸外国、「特に中国や他の新興国」の経済成長ペースに対する不透明感について言及した程度にとどまったが、7月分の議事要旨では、今後の米国景気を左右する要因として中国経済に度々触れ、「実質的な中国経済活動の減速は米国経済見通しのリスクとなる」とトーンが強まった。

7月29日のFOMCから先週金曜日(9月11日)までの動きを見ると、ドルの名目実効レートは0.7%上昇し、ニューヨーク原油(WTI)は8.5%下落した。ドル高の進行は一服したように見受けられるが、原油価格に関しては相変わらず下落圧力が強く、7月FOMC議事要旨で言及されたドル高・原油安からのインフレ下振れリスクは、一段と高まっているとも考えられる。加えて、上海総合株価指数は7月29日以降15%程度下落している。

現状、市場はFRBが年内に1回の利上げを行い、来年末までに合計3回の利上げを行うことをほぼ織り込んでいる。しかし、足元の状況に鑑みると、市場が織り込んでいるペースより早く利上げが行われるリスクよりも、市場が織り込んでいるほどの利上げは行われないリスクのほうが高いとは考えられないだろうか。

日米金融政策は、市場の読みとは逆方向に向かっているというリスクも頭の片隅に入れておいたほうが良いのかもしれない。この場合は、むしろ想定以上のペースでドル安・円高が進むことになる。

*佐々木融氏は、JPモルガン・チェース銀行の市場調査本部長で、マネジング・ディレクター。1992年上智大学卒業後、日本銀行入行。調査統計局、国際局為替課、ニューヨーク事務所などを経て、2003年4月にJPモルガン・チェース銀行に入行。著書に「インフレで私たちの収入は本当に増えるのか?」「弱い日本の強い円」など。
http://jp.reuters.com/article/2015/09/15/column-torusasaki-idJPKCN0RF17820150915

オピニオン:「ドル127円」シナリオの条件=中窪文男氏
中窪文男
中窪文男UBS証券ウェルス・マネジメント本部 最高投資責任者(CIO)
[東京 15日] - 世界経済の先行き不安が高まる中、円高シフトを予想する声が増えている。だが、UBS証券ウェルス・マネジメント本部の最高投資責任者(CIO)、中窪文男氏は、円安シナリオは当面健在だと主張する。同氏の見解は以下の通り。

<米利上げは10月の可能性もあり>

世界経済減速懸念の高まりとリスク許容度の低下を理由に、年内の円高シフトを予想する向きが増えているようだが、ドル円相場については、少なくとも年末まではドル高・円安基調で推移する可能性が高いと見ている。

主な根拠は2つある。第1に、日銀の量的・質的金融緩和は今後数年間、継続せざるを得ないということだ。2017年4月には10%への消費再増税を控えており、その前に景気波乱要因となるテーパリング(量的緩和縮小)に乗り出すのは現実問題として難しい。

むろん国債購入は量的な限界に近づいているので、今後は超過準備にかかる付利の引き下げや他の金融資産の購入増額など、質的な面の強化をより打ち出していくことになるのだろう。昨秋の追加緩和で3倍にした上場投資信託(ETF)と不動産投資信託(J─REIT)の購入ペースをさらに拡大したり、財投債や地方債、ヘッジ付き外債などを購入対象に組み入れたりする可能性がある。

2点目は、米連邦準備理事会(FRB)による利上げだ。最近の世界金融市場の大混乱を受けて、9月16―17日の連邦公開市場委員会(FOMC)で実施される可能性はやや低くなったが、米国経済の強さを考えれば、年内に少なくとも1回は利上げが行われる可能性は依然高い。

「Xデー」の最有力候補は、FOMCメンバーの政策金利見通しなどの公表とイエレンFRB議長の記者会見を伴う12月15―16日の会合だが、市場の混乱さえ収まれば、声明の公表のみである10月27―28日の会合で実施される可能性も低くない。実際に利上げとなれば、そこから数カ月間はドル高傾向が続きやすいことは過去の例が示すところだ。

一部には、日本の経常収支の黒字拡大に伴う実需の円買い・ドル売り圧力から、円高シフトの前倒しを予想する向きもあるが、そうした流れが本格化するならば、来年春先以降の話だろう。そもそも、豊富な対外純資産を背景に所得収支こそ高水準の黒字継続が見込まれるものの、貿易収支は中国向け輸出の落ち込みもあり、当初想定ほどは改善していかないと思われる。

このような理由から、ドル円相場は年末には1ドル=127円前後に到達する可能性もあると予想している。

<注意すべきリスクシナリオは>

ただし、深刻なリスクオフが起きれば話は別だ。実際、このところ市場のリスク許容度の上下動に伴い、株価だけでなくドル円相場も乱高下を繰り返している。

足元で最も気がかりなリスク要因は、中国だろう。むろん、国内の抵抗勢力を抑えながら構造改革を進めている習近平政権にとって、経済成長は国民の支持をつなぎ留めるための最優先事項であり、いざとなればリーマショック後の「4兆元投資」以降、封印してきた巨額公共投資を拡大させてでも7%前後の成長率目標のクリアを目指すと思われる。今年の中国経済は6.8%程度の成長率を維持するのではないか。

とはいえ、上海株急落や人民元切り下げが引き起こしたように、何らかの材料に端を発するセンチメント悪化を通じて、中国が世界の金融市場に大きなリスクオフの流れを巻き起こす可能性は否めない。例えば人民元相場は現在、落ち着きを取り戻しているが、それも中国人民銀行が8月11日の切り下げ後に高まった資本逃避懸念を人民元買い・ドル売り介入で抑え込んでいるためだ。この危ういバランスをこれからも保てるかは定かではない。

中国からすれば、資本逃避は怖いものの、事実上ペッグしているドルの増価に伴い人民元が再び極端な割高水準になることも、輸出テコ入れの観点からは避けたいはずだ。今後、FRBの利上げを経てドル高が進みやすくなることを考えれば、どこかのタイミングで再び人民元の大幅切り下げに追い込まれる可能性は高い。1度あることは2度ある、2度あることは3度あると考えたほうがよいだろう。

また、中国以外の新興国経済の混乱によってリスクオフが増幅される可能性にも警戒が必要だ。すでに多くの新興国が、米利上げを前にした資金の逆流で大幅な通貨安や株安に見舞われている。特に資源輸出国の中には、折からのコモディティー安を受けて、経常収支が悪化し、外貨準備も急減するなど、非常に苦しい経済運営を強いられている国もある。

むろんメインシナリオは、現在の市場の動揺が収まるとみられる10月あるいは12月に最初の米利上げが行われ、その後の利上げペースも緩やかになることから、新興国経済への影響も限られ、米国主導の世界経済成長は続くというものだ。

ただし、量的緩和後の利上げは過去に例のない未踏の領域であり、用心するに越したことはない。米利上げをめぐる不透明感や混乱が続く間は、特に新興資源国の経済危機が引き金となる世界経済の失速リスクにも従来以上に注意する必要があるだろう。

<分散投資と下値拾いが有効な局面>

では、こうした世界経済情勢下での有効な投資戦略とはどのようなものなのか。大事なキーワードは、分散投資とバイ・オン・ディップ(Buy on dip、下値拾い)だと考える。

つまり、株式や債券だけでなく、ヘッジファンドやコモディティー関連銘柄などのオルタナティブ投資まで視野に入れたポートフォリオ分散を進めると同時に、言うは易く行うは難しいが、明らかな割安局面では下値を拾いに行く胆力を持つことだ。

例えば、原油価格も今後、前述した世界経済のメインシナリオ通りに進むならば、やがては上昇基調に入っていくわけであり、その前提で考えれば、現在の米エネルギー関連銘柄はやや売られすぎている感が強い。コモディティー自体への先物投資はお勧めしないが、足元で割安感の高いコモディティー連動銘柄については選別投資していく余地もあろう。

地域別に見れば、有望な投資先はユーロ圏だと考えている。今月20日のギリシャ総選挙で反欧州連合(EU)的な政権が誕生し、金融支援が再び暗礁に乗り上げるようなことがあれば話は変わるが、そうでなければ当面はこれまでのユーロ安や原油安の恩恵を背に受けて堅調な経済成長が見込まれるだけに、ユーロ関連は分散投資先の有力候補となろう。

また、日本株も昨今の下げを受けて、下値拾いのチャンスがある。4―6月期にマイナス成長となった日本経済については、7―9月期も劇的な改善こそ見込まれないものの、中国経済がハードランディングでもしない限り、大きく崩れる可能性は低いと見ている。

一方、気を付けるべきは新興国関連の投資だ。歴史が示すように、新興国市場は底なし沼のように下がるリスクがある。ハイパーインフレによる資産価格の大暴落もあり得る。その意味で、経済ファンダメンタルズが脆弱で政治リスクが高い国は、米利上げ局面ではお勧めできない投資先だ。逆に言えば、ファンダメンタルズが良く政治リスクが低い国については、下値拾いの機会もあろう。

最後にドル円については、冒頭で述べた通り当面は円安方向であり、円高シフトは来年以降と見ている。ただ、様々なリスク要因が顕現化して、仮に1ドル=115円台を下回るようなことがあれば、円高シフトの予想前倒しも確かに必要となってくるだろう。

*中窪文男氏は、UBS証券ウェルス・マネジメント本部のチーフ・インベストメント・オフィサー(CIO、最高投資責任者)ジャパン。日本生命、ブラックロックなどを経て、2014年6月より現職。京都大学経済学博士。一橋大学金融工学・経営学修士。

*本稿は、中窪文男氏へのインタビューをもとに、同氏の個人的見解に基づいて構成されています。

中国減速でも日本の輸出大きく落ちず、市場動向に注意=日銀総裁 2015年 08月 27日
米国株式市場サマリー(14日) 2015年 09月 15日
コラム:ドル相場、年内の利上げより重要なこと=佐々木融氏 2015年 08月 11日

http://jp.reuters.com/article/2015/09/15/opinion-fumionakakubo-idJPKCN0RE0VT20150915


[12削除理由]:管理人:無関係の長文多数

3. 2015年9月16日 14:25:45 : OO6Zlan35k

怖がりの投資家向きな「非伝統的」利上げ-エコノミストら提案
2015/09/16 07:17 JST 
  (ブルームバーグ):米連邦公開市場委員会(FOMC)が今週の会合で0.25ポイントの利上げを決めるのはちょっと不安だという怖がりの投資家のために、もっと口に合いそうな方法をエコノミストらが提案した。0.125ポイントの利上げだ。
9月の利上げの是非をめぐる議論が最終局面に入ったところで、INGバンクとウニクレディト、VTBキャピタルのエコノミストらが通常より小幅な利上げを提案した。市場への影響を最小限に抑えながら景気の改善に対応する必要のある当局にとって、これがバランスの良い方法だという。
INGのエコノミストらは15日のリポートで、0.125ポイントの利上げは「確かに異例で驚きをもたらすだろうが、過去8年ほどの非伝統的金融政策の時代を経て、異例であることは普通になっている」と記述した。
VTBの世界ストラテジスト、ニール・マッキノン氏は、0.125ポイントの利上げと同時に、その初回利上げが市場に受け入れられれば10月にも追加利上げを実施する旨をイエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長が示唆するべきだと提言した。

連続0.125ポイント利上げを助言

ウニクレディトのチーフエコノミスト、エリック・ニールセン氏は、米当局はとにかく利上げを開始する必要があるとし、そうしなければますます出遅れるリスクがあると指摘。「9月に利上げを見送れば将来の混乱が大きくなるリスクがある。今回は意図を示すだけでよいので、私ならば17日に10−15ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利上げをするだろう」と語った。
マッキノン氏と同様、当局は初回利上げ後の金融市場の反応を検証すればよいと指摘。問題がなければ10月の定例会合でさらに0.125ポイント引き上げて、「通常」の0.25ポイントの利上げを完了できるという。
恐る恐るでも今利上げを開始する目的は、経済データ次第で政策を決定するというイエレン議長の約束の信頼性を高めることだ。米失業率は7年ぶり低水準にあり労働市場は引き締まりつつある。
さらに、通常より小幅な利上げをすれば市場をいたずらに混乱させることなく反応を探れる上に、利上げを慎重に実施するという当局のもう一つの約束も強調できる。万一景気が突然弱くなった時に利下げする幅も少なくて済むし、景気が勢いを増せば後で利上げペースを加速させることはいつでもできるというわけだ。
原題:Fed Increase for Wimps: Economists Propose 1/8 Point Rate Rise(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ロンドン Simon Kennedy skennedy4@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: James Hertling jhertling@bloomberg.net Zoe Schneeweiss, 木下晶代
更新日時: 2015/09/16 07:17 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NUPX7D6S972901.html

ゴールドマンは警告する−市場の備えは不十分、米利上げは12月か来年
2015/09/16 13:10 JST

    (ブルームバーグ):米ゴールドマン・サックス・グループは、米金融当局がどのような行動を取るかについて市場のコンセンサスができていないため金融市場にはもろさがあるとの認識を示した。
同社チーフエコノミストのジャン・ハッチウス氏は15日、ブルームバーグとのインタビューで、米利上げ決定は12月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合時と予想し、2016年になる可能性もあると発言。市場のコンセンサスがないことを理由に、米当局は今週16、17日のFOMCでは利上げ開始を先送りするとの見方を示した。
ハッチウス氏は「市場の備えができていないとの多少の懸念があるだろう。市場が拒絶反応を起こすリスクがある」と語った。
原題:Goldman Warns Markets Unprepared for Fed as Treasuries Seesaw(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:シンガポール Wes Goodman wgoodman@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:山崎朝子 tyamazaki@bloomberg.net
更新日時: 2015/09/16 13:10 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NUR3TL6JTSE901.html


 

日本株上値重い、FOMC待ちもちあい色−輸出堅調、電力は安い
2015/09/16 13:20 JST

    (ブルームバーグ):16日午後の東京株式相場は上値の重い展開だ。強弱混在の米国経済統計を受け、米利上げの先送りによる流動性継続期待から輸送用機器やゴム製品、機械、電機など輸出関連株は高い半面、電力やパルプ・紙、小売、医薬品など内需株は安い。米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を前に投資家の様子見姿勢は強く、売買は低調。
午後1時8分現在のTOPIXは前日比10.53ポイント(0.7%)高の1472.77、日経平均株価は125円64銭(0.7%)高の1万8152円12銭。
日経平均は午前の取引で一時265円高の1万8291円まであった。ただ、チャートを見ると、9日に直近の戻り高値1万8770円を付けた後、日中高値の水準は連日切り下がっており、一方で今週に入ってからの日中安値は1万7925円、1万7995円、1万8095円と切り上がり、もちあい色が強まっている。
きょう午後のドル・円相場は1ドル=120円20銭前後で推移。一時120円40銭台だった午前に比べると、やや円が強含んでいる。前日の日本株終了時は119円83銭だった。
大和証券投資戦略部の高橋卓也シニアストラテジストは、「FOMC前で、1日の間でボラティリティが高くなる可能性は捨て切れない」とし、短期資金主導による相場が続いているとの認識を示す。
東証1部33業種はゴム製品や輸送用機器、空運、機械、電機などが上昇。電気・ガス、パルプ・紙、その他製品、小売、医薬品は下落。鉱業は、米国の在庫減少見通しから前日のニューヨーク原油先物が1.3%高の1バレル=44.59ドルと反発したことを受けた。
売買代金上位ではトヨタ自動車、ファナック、富士重工業、マツダ、コマツ、日立製作所、ホンダ、ブリヂストンが上げ、みずほ証券が投資判断を上げたアサヒグループホールディングスも高い。半面、東京電力やトプコン、ファーストリテイリング、任天堂、コーセー、関西電力、良品計画、九州電力は安い。午後1時15分時点の東証1部売買代金は1兆3337億円と、前日同時点比で6%強少ない。
関連ニュースと情報:日本株の関連情報 NI JPS JBN NI KOBETSU
記事についての記者への問い合わせ先:東京 竹生悠子 ytakeo2@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Sarah McDonald smcdonald23@bloomberg.net 院去信太郎
更新日時: 2015/09/16 13:20 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NUQPNS6JTSE801.html


債券は下げ幅拡大、20年入札結果低調で売り優勢−先物1カ月ぶり安値
2015/09/16 13:22 JST 
    (ブルームバーグ):債券相場は下落幅を拡大。午後に発表された20年債入札で最低落札価格が市場予想を大幅に下回る低調な結果だったことを受けて売りが優勢となっている。
16日の長期国債先物市場で12月物は午後零時45分の入札結果発表後に水準を切り下げ、一時は前日比19銭安の147円70銭まで下落。中心限月の日中取引ベースで8月17日以来の安値を付けた。
現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の340回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より2ベーシスポイント(bp)高い0.39%で開始。いったん0.38%に戻したが、午後は0.395%と3日以来の高水準を付け、その後は0.385%で推移している。
財務省がきょう実施した表面利率1.2%の20年利付国債(154回債)の入札結果によると、最低落札価格は100円30銭と事前の市場予想を25銭下回った。小さければ好調さを示すテール(落札価格の最低と平均の差)は27銭と昨年11月以来の大きさ。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は2.56倍と前回の2.99倍から低下した。
UBS証券の井川雄亮デスクストラテジストは、「20年債入札は思ったより悪い結果だった。20年債が売られてベアスティープ化している。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を見てからでないと入れないということになったのだろう」と話した。
15日の米債相場は下落。10年国債利回りは前日比10bp高い2.29%程度で引けた。2年債利回りは一時、2011年4月以来の水準に上げた。米小売売上高の増加を受け、利上げが実施された場合に最も影響を受ける米国債が大きく売られた。市場では16、17日開催のFOMCで利上げが決まるかどうかが最大の注目材料となっている。ブルームバーグのデータによれば、先物市場での今月の利上げ確率は3割と、1カ月前の5割から低下している。
関連ニュースと情報:トップストーリー:TOP JK
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 池田祐美 yikeda4@bloomberg.net;東京 山中英典 h.y@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net 山中英典, 青木 勝
更新日時: 2015/09/16 13:22 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NUQHY36S972S01.html


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4. 2015年9月16日 15:44:10 : OO6Zlan35k
過去の米金融引き締め局面、株価の動きは
By KRISTEN SCHOLER
2015 年 9 月 16 日 15:40 JST

 米連邦準備制度理事会(FRB)は9年ぶりの利上げに踏み切るのか。16日・17日の連邦公開市場委員会(FOMC)を前に市場では緊張感が高まっている。

 しかし、歴史的に見れば、株価は利上げ前後には大きく変動するものの、金融引き締め期や最初の利上げから1年後は多くの場合、好調に推移していることが多い。

 BMOキャピタル・マーケッツによると、1982年以降の7回の金融引き締め期について、最初の利上げ時と1年後を比較したところ、S&P500種指数は7回全てで上昇していた。1年間の平均上昇率は6.4%だった。

 引き締め期間中の株価もほとんどの場合、順調に推移しており、S&P500種指数は7回の引き締め期間のうち6回で上昇。BMOによると、平均上昇率は21%に達した。

 当然、引き締め期間の長さはそれぞれ異なり、短くて半年未満、最も長いときは2年近くに及んだ。政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利誘導目標の上昇幅もさまざまだ。

 FRBが利上げを実施するのは大抵、借り入れコストの上昇を十分吸収できるほど経済が堅調であるとFRBが自信を持っているときだ。従って、最初の利上げ後や金融引き締め期間を通じて株価が上昇しても必ずしも驚くべきことではない。

 BMOのデータでは、利上げ前の1年間も多くの場合、株価が上昇しているが、今回はそうではない。BMOによると、S&P500種指数はこの12カ月で1.5%下落した。米国株はこのところ、ボラティリティー(変動率)の上昇、海外経済の減速、業績拡大の停滞といった逆風にさらされている。

 BMOの最高投資ストラテジスト、ブライアン・ベルスキ氏は「過去1年間の株価の動きが平均を大きく下回っていることを考えると、FRBが利上げに踏み切って市場が苦戦したとしても、当社の今の見通しが台無しになるとは思わない」と述べた。

 もっとも、歴史の通りに事が進むとは限らない。FRBがばんそうこうをはがし、2006年以来となる利上げを実施すれば、当初は株価が不安定な動きをするかもしれない。BMOは、株価は通常、最初の利上げから6カ月間は値を下げると強調している。

 それでも、騒ぎが収まれば米国株は好調の波に乗る可能性がある。歴史が味方につけば、の話ではあるが。

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5. 2015年9月16日 15:53:23 : OO6Zlan35k
市場に影響した過去5回のFRB会合を振り返る 
PAUL VIGNA
2015 年 9 月 16 日 15:33 JST

 米連邦準備制度理事会(FRB)は17日、連邦公開市場委員会(FOMC)の政策決定を公表する。唯一の問題は、2008年以来の利上げに踏み切るかどうかだ。

 政策金利には極めて長期間変更が加えられていないため、一見したところわずかな変更であっても、金融政策の大転換、つまり約7年に及ぶFRB史上最も緩和的な金融政策の終了を示唆することとなる。従って緩和策終了となれば、今週のFOMCはFRB史上最も重要な会合の一つとなる可能性がある。

 これを踏まえ、これまでに同様の影響があった5回の会合を振り返ってみたい。

 1936年5月25日

 中央銀行の重苦しい会議という意味で、これは最も悪評高い会合の一つだ。1929年のパニックが世界大恐慌へと発展する中、FRBは当初手をこまぬいていた。1934年に議長に選ばれたマリナー・エクルズ氏は、今で言うより積極的なアプローチを取った。

 エクルズ議長率いるFRBは1936年の時点で、仕事は完了し、経済は回復したと判断した。同年5月、FRBは銀行の預金準備率を引き上げることで政策転換の合図を送った。この合図が裏目に出た。財政政策の厳格化と相まって、銀行融資は減少し、経済は大恐慌へ逆戻りした。この会合がどれだけ重要だったかというと、その影響が実際今の今まで引き合いに出されるくらいだ。

 景気減速が再開し、ダウ工業株30種平均(名目値)は1936年5月の153から41年11月には115へ大幅下落した。その後は言うまでもなく第二次世界大戦へ突入した。ダウ平均は大戦が終了するまで1936年の水準に戻らなかった。

 1955年10月25日

 ダウ平均がようやく世界大恐慌以前の水準に戻ると、米金融界は再び自己満足に浸り始めた。1955年10月19日、当時FRB議長だったウィリアム・マチェスニー・マーティン氏は、ニューヨークの銀行関係者との会合で、繁栄への道として節制や倹約の美徳を称賛する講演を行った。同氏はこの講演で、FRBの仕事はパーティーが盛り上がってきたときに(お酒の入った)パンチボウルを片付けるようなものだと述べた。この比喩は今でもよく知られている。

 FRBはその後10月25日のFOMCで、この原理を実践に移した。米経済は朝鮮戦争の余波でまだ足場を模索していた。マーティン氏と当時のアイゼンハワー大統領はいずれも財政保守派だった。両者はもっぱらインフレ抑制に関心を寄せ、それを反映した政策を実施した。

 彼らは経済を刺激するどころか、1957年にはリセッション(景気後退)に陥れた。ただ、当時の財政・金融の誠実性が、50年〜60年代の好況の主な支えとなった。ダウ平均は1954年から65年で倍に上昇し、66年には1000近辺に達した。マーティン氏が1970年にFRB議長を退任すると、当時を知る人なら分かる通り、インフレは完全に手に負えなくなった。悪霊を封じ込めるため極端な措置が求められた。

 1979年8月14日

 ダウ平均は1970年代を通じて低迷し、1979年8月時点で900弱と、1965年の水準を下回っていた。石油ショックが経済の打撃となり、インフレは抑えきれていなかった。「スタグフレーション(インフレを伴う景気停滞)」という言葉が盛んに使われた。

 この獣を飼いならすよう任されたのが、FRBやチェース・マンハッタン・バンク、米財務省での職務経験があるエコノミストのポール・ボルカー氏だった。ボルカー氏は79年8月、FRB議長として初のFOMCに出席し、直ちに自らの政策を実行した。フェデラルファンド(FF)金利はすでに11%だったが、FRBは利上げに着手する計画を策定した。これはリセッションを招いたが、ボルカー氏は自身の政策を貫いた。

 FF金利は1980年4月までに18%へ、81年1月には19%へ達した。だが、痛みを伴うこの計画は奏功した。インフレは低下し、ボルカー氏は87年に議長退任を強いられたが、同氏が導入した異論の多い政策は後の「大いなる安定(グレート・モデレーション)」に道筋をつけた。

 1998年9月23日

 1980年〜90年代の米経済は総じて好況だった。ダウ工業株30種平均は79年の900から88年には2000へ、98年夏には8000近くへ急伸した。ボルカー氏の後任として連邦準備制度理事会(FRB)議長に就任したアラン・グリーンスパン氏は多くの功績が認められ、市場には90年代半ばの時点で楽観ムードが広がっていた。「マエストロ」と称された同氏でさえ抑えられないほどだった。

 同氏が1996年の講演で発した「根拠なき熱狂」という警句は聞き流されてしまった。市場は上昇を続け、投機筋はさらに大幅な買いを仕掛けた。それから程なく、大手ヘッジファンド1社が破綻寸前であることが判明した。金融市場全体の打撃となり得るほど大規模な破綻だ。

 1998年9月23日にニューヨーク連銀で開かれた会合は、連邦公開市場委員会(FOMC)ではない。金利やFRBの政策が議題ではなかった。正しくは、FRB関係者と米大手金融機関幹部の会合で、議題は大手ヘッジファンドのロングターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)だった。膨大な為替取引を手掛けていたLTCMは、ロシア財政危機の影響で破綻の瀬戸際にあった。LTCMは取引相手があまりに多かったため、破綻すれば米金融業界に大混乱をもたらす恐れがあった。

 このため、FRBは9月に救済策をまとめた。この際FRBは身銭を切らなかったが、救済に介入したことで、FRBはいつでも市場を行き過ぎから守ってくれるという認識が米金融業界に根付いた。この概念はその後「グリーンスパン・プット」と呼ばれるようになった。

 2008年12月16日

 証券大手リーマン・ブラザーズが2008年9月に破綻し、株式市場は混乱に陥った。FRBと政府は数カ月にわたり緊急体制を敷いた。経済は急減速し、10月には47万6000人、11月には76万人の雇用が失われた。

 ベン・バーナンキ氏が議長を務めていたFRBはすでに利下げに着手していたが、この12月半ばのFOMCで未踏の領域に踏み込み、FF金利誘導目標をゼロ〜0.25%に引き下げた。同目標は08年8月時点で2%だった。FRBは危機に見舞われると、直ちにゼロ近辺へ利下げした。FF金利誘導目標はこれ以降据え置きとされている。

 これほど長期にわたって積極的な金融政策が続いた前例はない。今週か年内、もしくは2016年のFOMCのいずれで利上げが決まったとしても、こうした歴史上重要な会合のリストに加えられるに値するものとなるだろう。

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6. 2015年9月16日 16:34:53 : OO6Zlan35k
FRBへの教訓:利上げに持続力なし
ほぼ10年ぶりの利上げを検討するFRB本部 PHOTO: ANDREW HARRER/BLOOMBERG NEWS
By HARRIET TORRY AND JON HILSENRATH
2015 年 9 月 14 日 14:11 JST

 世界の各中央銀行が利下げで金融危機に対応して以来7年間で、十指に余る国々が金利を元に戻そうと試みた。だが、ユーロ圏もスウェーデンも、イスラエル、カナダ、韓国、オーストラリア、チリなど、どの国も一つとして金利を目指した水準まで上げ続けることはかなわなかった。

 米連邦準備制度理事会(FRB)がほぼ10年ぶりの利上げを検討するにあたり、こうした事実はリスクがあることを示している。FRBは利上げが可能だと示唆しているが、今週の会合で政策行動をとろうがとるまいが、今後3年間でゆっくりだが着実な利上げを見込んでいる。FRBの判断が正しければ、米経済は成長を続け、失業率は低水準に安定し、それに連れてインフレはゆっくりと上昇するだろう。

 だが、米国外での最近の歩みを手掛かりとするならば、経済がついてこないかもしれず、金利は長期にわたり引き続き並外れて低い可能性がある。

 各中央銀行がここ数年間で金利を反転させた理由はさまざまで、異なる結果をもたらした。欧州中央銀行(ECB)は2011年、商品(コモディティー)価格の上昇を懸念した。スウェーデンやカナダ、オーストラリア、イスラエルでは、住宅市場の好況が悩みの種になった。カナダ銀行(中央銀行)などは、建設の回復を目にし、失業率の低下に利上げの理由を見いだした。

 イスラエル銀行(中央銀行)は、現在FRB副議長を務める当時のフィッシャー総裁の下で、利上げの先駆けとなった。世界の景気回復が始まったばかりの09年9月に0.5%から利上げに着手し、11年5月までに政策金利を3.25%まで引き上げた。だが、イスラエル経済は欧州経済の落ち込みと世界的なインフレ低下に見舞われ、後任のフラグ総裁はその後、金利を0.1%まで押し下げた。

 危機以降、FRBと英中銀イングランド銀行は利上げをしてこなかった。両国は他の国々よりも強い景気回復を享受してきた。彼らの忍耐強さが役立ったのかもしれない。両国はいまようやく、利上げに耐えられるほど健全になったようだ。

 先進国中央銀行の政策転換を研究したロイヤルバンク・オブ・スコットランドのエコノミスト、マーカス・ライト氏は、危機以降に他の国々が経験したことの中に教訓があると言う。「利上げには極めて慎重であるべきだ。実際、本当に強い裏付けが必要だ」と指摘した。

金融危機以降に利上げした国々-利上げを維持できた国は一つもない ENLARGE
金融危機以降に利上げした国々-利上げを維持できた国は一つもない
 スウェーデンでは、信用緩和が住宅市場の過熱を招いているとの懸念が生じた10年に利上げを開始した。失業率が高いにもかかわらず、リクスバンク(中央銀行)は政策金利を10年7月から11年7月にかけて1.75%引き上げ2%とした。

 利上げ後にインフレが低下し雇用の伸びが反転した。ギリシャの債務危機が深刻化してスウェーデン経済への打撃を増幅する中、リクスバンクは方針転換し、12月にかけて利下げを行った。そしていまやマイナス金利を導入した欧州諸国のひとつとなり、市中銀行が中央銀行に預ける準備預金から金利を徴収している。

 リクスバンクの政策判断に抗議して13年に副総裁を辞任したラルス・スベンソン氏は、「早すぎる引き締めは、スウェーデンの事例にもみられるように、とても大きな犠牲を伴う可能性がある」と語った。

 現在はさまざまな要因が金利を抑えているが、その多くは中央銀行が制御できるものではない。新興国、なかでも中国の景気減速は、商品(コモディティー)への需要を弱め、物価を押し下げた。先進諸国の銀行は07年から09年にかけての危機からの立ち直りが遅く、民間部門の信用を絞っている。先進国の人口高齢化と低い生産性の伸びで、各国経済は中央銀行が目指す金利上昇に耐える力を失った。また、各国政府は財政緊縮に集中し、景気刺激策は自国の中央銀行に任せきりにしている。

 スベンソン氏によれば、経済が基本的に耐えられるよりも長期にわたり中央銀行は金利を押し上げることはできない。危機以降の環境下で各中央銀行は、経済を活性化するうえで十分低い金利を設定することに失敗したのだ、と指摘した。

 一部の中央銀行関係者は、後知恵では何とでも言えるが、中央銀行は経済情勢の展開に従って対応する必要があるのだと言う。

 リクスバンクのヤンソン副総裁は14年の講演で批判に対し、「後知恵になるが、インフレがいまのように低いことが分かっていれば、金融政策がある程度までより拡大的なものであり得たのは明らかだ」と答えたが、「これは金融政策が不確実な見通しに基づかねばならないという事実の、自然で避けようのない結果だ」と語った。

 2011年にユーロ圏で利上げしたトリシェ前ECB総裁は、商品価格主導のインフレ上昇と家計や企業が将来のインフレ上昇を予想する恐れに対応する必要があったのだと述べた。インタビューで前総裁は、ECBの使命はインフレ率を2%弱にすることにあり、在任中にECBは「まさしく約束したこと」を行ったのだと主張した。退任後に行われた一連の利下げは、物価情勢が変化したためだと指摘した。金融危機との闘いには、債券買い入れや銀行に対する緊急融資などの他の措置を利用したのだと述べた。

 FRB自身の経験は、金融危機後の利上げが耐え難いほどゆっくりとした過程になり、しかも間違いになる可能性があることを示している。

 1929年に株式市場が大暴落した7年後の36年に、FRBは銀行の準備預金所要額を引き上げた。米政府も金への資金流入が通貨供給量(マネーサプライ)を押し上げないように努め、財政収支を改善するために増税と歳出削減を行った。これらが相まって貸し出しが抑えられ、雇用と成長が打撃を受け、米経済は20世紀中3番目に悪いリセッション(景気後退)に陥った。

 FRBは金融緩和政策に方向を転じ、それが第二次世界大戦終了後もしばらく続いた。3カ月物政府短期証券の利回りは、48年まで1%を超えず、29年の大恐慌から四半世紀近く後の52年まで2%を上回ることはなかった。

 FRB当局者は現在、段階的に動く方針を示している。だが、その金利見通しでさえ、まだ高すぎる可能性がある。当局者らは今年6月、オーバーナイト物フェデラルファンド(FF)金利が現在のゼロ近くから、16年末には1.625%、17年末までには2.875%に上昇すると予想した。

 投資家の見通しは違う。FRBの金利見通しを取引対象とするFF金利先物市場では、FRBの金利誘導目標は16年末でも1%を下回り、17年末は1.5%よりも低いとみられている。

 今週の政策会合を控えて一部の当局者は、先行きの金利見通しの下方修正を予想していると語った。当局者らの長期的な金利見通しは、過去3年間にわたり徐々に低下してきた。

 だが、過去の経験と市場の予想は、FRBが段階的だと考える見通しも、十分段階的ではない可能性を示唆している。

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http://si.wsj.net/public/resources/images/NA-CH124_OUTLOO_16U_20150913182408.jpg


[12削除理由]:管理人:無関係の長文多数

7. 2015年9月16日 19:59:06 : HV5OehK4pk
3. 2015年9月16日 14:25:45 : OO6Zlan35k
(ブルームバーグ):米連邦公開市場委員会(FOMC)が今週の会合で0.25ポイントの利上げを決めるのはちょっと不安だという怖がりの投資家のために、もっと口に合いそうな方法をエコノミストらが提案した。0.125ポイントの利上げだ >

誰も怖がらない、怖がっているのは君等だけだ。




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