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週5回、訪問介護を行う千福さん(撮影/写真部・東川哲也)
増加する「老老介護」 80歳ヘルパーが現場で頼れる存在に〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150915-00000004-sasahi-ind
週刊朝日 2015年9月18日号より抜粋
昨今、介護現場での人手不足が問題視されているが、80歳前後の「働き手」が在宅や施設で活躍中だ。
「わたくしもあと100歳まで2年くらいでしょう、その間にもいろんなことがあって。(昔の出来事を)よく思い出すんです。こうして、たくさんの方がいらしてくれるから、収穫があります。毎日、楽しいですね──」
8月のある昼下がり。クーラーの利いた部屋で、思い出話に花を咲かせるのは、大阪府豊中市内でひとりで暮らすイクさん(仮名・98)。
ミッションスクールで学び、ピアノを習った幼少のころの思い出をぽつり、ぽつり語り始めた。
イクさんの話にじっくり耳を傾けるのは、千福幸子(せんぷくゆきこ)さん(80)。茶飲み友達ではない。部屋の掃除、買い物など、身の回りの世話をする現役ヘルパーだ。
シニアがシニアを介護する「老老介護」というと、大変という印象を持つが、シニアだからこそ相手の気持ちがよくわかるといった利点がある。
千福さんがイクさんの家に行くのは週1日。イクさんが好きな水色のエプロンを身につけて作業を開始する。まず、介護の記録に目を通す。イクさんの体調を確認。食事の希望を聞き、近所のスーパーに買い物に行く。次に床の掃除、台所は排水口まで手を伸ばし、整理整頓する。
家事支援が中心のケアを終わらせ、業務終了後の10分は会話の時間だ。ふたりが最も楽しみにしているひとときだ。
「仕事の内容は決められているので、手際よく仕事を終わらせた後、10分間でも、おしゃべりの時間にあてています。若い人のように、てきぱきとでけへんけど、相手の心に寄り添うことでは誰にも負けへんで。みんな年いったら話を聞いてもらいたいのよ」
そう笑いながら話す千福さんが目指しているのは“心のケア”だ。
現在、食事の支度や掃除などの家事支援が必要な人に週5日、訪問介護を行っている。利用者の要介護度は要支援〜要介護1で、87歳から98歳の男女4人。
千福さんが訪問介護員(ホームヘルパー)になったのは73歳になってから。ホームヘルパー2級(現・介護職員初任者研修修了者)を取得し、76歳で難関の介護福祉士、80歳で介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格を次々と取得した。
ケアマネジャーの試験は合格率19.2%(14年度)と狭き門。千福さんは昨年受験し、一度で合格したことが話題を呼んだ。ヘルパーを目指したのは、夫、庄一さん(享年72)が脳内出血で倒れてから。要介護状態になり、1年半、訪問介護を利用しながら、自身も老老介護を経験したことがきっかけ。
「介護の知識がなく、脳内出血で倒れた夫に十分な介護ができませんでした。担当してくれたヘルパーさんやケアマネさんにはホンマよくしてもらった」(千福さん)
24歳で結婚後、板金業を営む夫を支え、3人の子育てに奔走。60歳を過ぎてからは子どもが経営する薬局を手伝った。2003年、夫が他界し、06年、店をたたんだ。家族のために尽くした人生。やることがなくなり、心にぽっかりと穴が開いたとき、「自分に何かできることはないか」と考え、ホームヘルパーになる決意をした。
シニアは介護現場で貴重な戦力になると言うのは、東洋大学ライフデザイン学部の早坂聡久准教授。
「介護士不足は深刻です。人の命を預かる仕事なので、誰でもいいというわけではありませんが、軽度者向けの食事の支度や世話、洗濯や掃除などの家事支援は、年配の方のほうがニーズがわかるので適していると思います」
事業所の中でワークシェアリングをすれば、戦力になるという。実際に、介護現場で働くシニアは年々増えている。14年、公益財団法人介護労働安定センターが全国の介護事業所に実施したアンケートによると、60歳以上のホームヘルパーは34.3%、5年前に比べて9.8%アップした。
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