http://www.asyura2.com/15/hasan100/msg/544.html
Tweet |
人民元国際決済システム、年内開始へ 中国が持つ「自信」とは?
人民網日本語版 2015年09月13日11:34
大連で開催された第9回夏季ダボス会議で、李克強総理は特別挨拶を行い、「中国は年内に人民元国際決済システム(CIPS)の稼働を開始する」と述べた。つまり、2011年に始まった人民元国際決済システムの構築がまもなく完了し、全ての技術的障害がすでに克服され、このシステムを構築すべきかどうかの議論に完全に決着がつくことになる。これは、何を意味するのだろうか?(文:梅新育・商務部研究院研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
この金融インフラの機能は、人民元の国際化推進だ。一般的に、通貨切り下げ競争と激しい為替変動は、通貨の国際化を妨げる大きな要因となる。ゆえに、年内に人民元国際決済システムを開始すると発表したこと自体が、中国の意思決定層の、人民元相場の安定を保証できるという自信、中国経済と人民元相場の一時的な動揺を克服できるという自信を示している。
この自信には根拠がないわけではない。▽中国が大国の中でも比較的良い経済ファンダメンタルズを持つこと▽約4兆ドルの外貨準備が中国に為替相場の安定を保つ力を与えたこと▽中国が異常な資本流出をコントロールする能力を持つこと▽その他の主要エコノミーと中央銀行も、積極的に中国と協力する内在的な動機を持つことなどを背景にしている。
資本の流出の目的は、リスクヘッジと裁定取引だ。規模の小さい経済体であれば、資本流出の量がドル相場と米国資産価格に根本的な影響を与えるほどでなくとも、同国の為替相場の大幅な下落につながる。しかし、中国経済と金融資産規模は膨大な規模を誇るため、人民元の大幅下落を招くほどの大規模な資本流出は、ドル相場と米国資産価格を大幅に引き上げるのに十分であり、その結果、資本流出・ドル買いが割に合わないどころか逆にリスクが高まる。米国の実体経済と金融市場にも破滅的な混乱が招かれる。
金融市場が大きな変動を迎えている時、中国の世界経済システムにおける重要性とマクロ安定性の強みは逆に突出している。ドルへの資本逃避の動機が削られ、資本が中国に回帰する動機が強まる。サブプライム危機において、米国市場のみに危機が限られていた時、資本は米ドルから流出したが、危機が世界中に蔓延した時、ドルへの資本逃避が起きた。中国と人民元も、この方向に発展している。たとえ、本当に大きな危機が発生したとしても、人民元が動揺するとは限らない。ましてや、本当の危機など発生していないなら、なおさらだ。
人民元国際決済システムが年内に投入されれば、中国の対外貿易と投資がさらなる強みを持つことになる。特に、設備輸出と大規模インフラの投資・建設・運営などの分野では、人民元国際化がもたらす為替リスクの低下などの利益が顕著で、貿易パートナーにもより多くの選択肢を提供できるようになる。
中国では現在、人民元はすでに米ドルに次ぐ第2の国際決済通貨となっている。2014年末、準備資産として人民元を保有する国外の中央銀行・金融当局は47を上回った。人民銀行と二国間通貨スワップ契約を締結した経済体は今年7月末で32に達しており、その規模は3兆1千億元に達している。人民元建て決済を開始した国家・地域は17になり、東南アジア、西欧、中東、北米、南米、オセアニアをカバーしている。
今年6月、人民元は世界第2の貿易・融資通貨、第5の支払通貨、第6の外国為替取引通貨となった。人民元国際決済システムが開始された後、人民元による国際決済は、国際銀行間通信協会(SWIFT)に依存することがなくなり、安全性と独立性が高められ、人民元の使用者に便宜がもたらされる。人民元国際決済システムはまさに、「水到渠成(条件が熟せば、自然に成就する)」と言える。(編集SN)
「人民網日本語版」2015年9月13日
http://j.people.com.cn/n/2015/0913/c94474-8949175.html
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民100掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。