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経済成長は将来も可能 米ハーバード大教授 マーチン・フェルドシュタイン氏
http://www.asyura2.com/15/hasan100/msg/530.html
投稿者 あっしら 日時 2015 年 9 月 13 日 01:50:34: Mo7ApAlflbQ6s
 


[グローバルオピニオン]経済成長は将来も可能 米ハーバード大教授 マーチン・フェルドシュタイン氏

 米ノースウエスタン大学のロバート・ゴードン教授は、米国の将来の経済成長率に悲観的だ。過去に生活水準の向上に寄与してきた主要な技術変革が、将来起こるどんな技術革新よりもはるかに重要だと彼は主張する。上下水道の整備や、自動車、電気、電話などを例に挙げ、これらは最近のインターネットや携帯電話のような技術革新よりも生活水準の向上にずっと重要な役割を果たしたという。


 私も同意見だ。しかしそれは、我々が1世紀前でなく現代に暮らしているのが幸運であることを意味するにすぎない。これらの技術革新が過去に起こったからといって、将来を悲観する理由はない。

 ゴードン氏はまた、最近の実質経済成長率が減速していると指摘する。米国の労働者1人当たりの国内総生産(GDP)は1891年から1972年までの間に年平均2.3%伸びたが、それ以降は1.5%にとどまっている。

 しかし公式統計は、新しい製品やサービスがもたらす生活水準の上昇の大半をとらえていない。空調設備や抗がん剤、新しい手術方法、あるいはテレビの娯楽、米グーグルや米フェイスブックのようなサービス、その他多くの日常的な革新がもたらす実質所得の増加を反映していない。

 これは、実質所得の本当の伸びが公式統計より高かったことを意味する。公式統計で1人当たりの所得の伸びは1.5%だが、実際には約3%だったと考えられる。われわれは実質所得の上昇の恩恵にあずかっている。そして将来の世代もそうだろう。今の世代の子どもたちは親の世代のような高い生活水準を享受できないという考え方に根拠はない。一部の人、特に相対的な高所得層には当てはまるかもしれないが、大半の人にとっては全く当てはまらない。

 30歳で子どもが生まれた中間所得層を考えてみよう。30年後には子どもが親と同年齢になる。実質所得の伸び率が年1.5%にとどまったとしても、30年後の平均所得は現在を60%近く上回る。製品の革新や向上が1人当たり実質所得を年3%増やすなら、30年後の平均所得は現在の2倍以上だ。

 もちろん、自己満足に陥るべきではない。米国は教育制度を改善し、貯蓄率と投資率を過去の水準まで戻し、雇用や利益を押し下げるような税制と所得移転制度を修正することで、将来の経済成長率を引き上げられるのだ。

 ゴードン氏は「技術革新」が米国の実質所得に及ぼす影響に焦点を合わせている。しかし彼の議論の重要な限界は「政策の革新」を軽視していることだ。米国経済、そしてその他多くの国の経済は、政策決定者が適切な改革をすれば、将来の経済成長率を高めることができる。

((C)Project Syndicate)

Martin Feldstein 米ニューヨーク市生まれ。1980年代のレーガン政権で大統領経済諮問委員会(CEA)委員長。全米経済研究所の所長など歴任。75歳。

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生産性上げる議論を

 かつては電算機、最近ではデジタル経済の普及にもかかわらず、米経済の生産性は下がった。「生産性の逆説」と呼ばれる学究テーマで、近年の技術革新の重みは1970年以前の自動車、電話などより低いといった議論につながっている。ただソフトウエアの質向上が価格に反映されないなど、統計のゆがみが指摘される。米企業の利幅は高水準で、生産性低下が実感に合わない面もある。生産性低下を前提にした悲観論より、生産性を上げるための方法論のほうがはるかに重要だ。

(経済解説部 太田康夫)

[日経新聞9月7日朝刊P.4]

 

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コメント
 
1. 2015年9月13日 11:08:23 : Zr4XPbrcrA
実質所得の向上については、実は、相対的な比較の問題がある。多くの人は、相対的な所得や消費水準の差に高い関心をもち、それによって幸福度を測りそうなところがある。したがって、名目成長率もまた目指すべき指標なのかもしれない。

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