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日生が三井生命買収に動いた理由 住友生命よりも優位に立てるとの思惑も
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150911-00000002-biz_fsi-nb
SankeiBiz 2015/9/12 08:15
日本生命保険が三井生命保険の買収に乗り出すのは、「三井住友銀行との関係強化が図れる」(日本生命の筒井義信社長)ことが最大の要因だ。日本生命は銀行窓口での保険販売で出遅れていた。「銀行との親密性が売り上げを左右するケースが多い」(生保関係者)からだ。第一生命保険はみずほ銀行、明治安田生命保険は三菱東京UFJ銀行と関係が深く販売を伸ばしている。
こうした状況の打開へ向け、独立系の日本生命は三井住友グループの三井生命に白羽の矢を立てた。三井生命を完全子会社化せずに、三井住友銀に10%程度の出資を仰ぐのも、「長期にわたっての関係を維持する」(生保大手幹部)ためだ。三井住友グループの住友生命保険は、経営再建の道筋が見えない三井生命との合併に難色を示してきた経緯がある。日本生命が三井生命を傘下に取り込むことで、三井住友銀との関係で住友生命よりも優位に立てるとの思惑も働いた。
また、日本生命は、これまで子会社で保険商品を開発してきた例がない。これに対し、第一生命や住友生命は傘下の子会社を活用し、商品開発や販売を進めてきた。死亡保障以外に、介護や医療など商品が多様化してきた現状において、商品開発力の迅速化は急務。日本生命としては三井生命との相互補完により、機動的な商品開発や営業戦略が立てやすくなるメリットが生まれる。
一方で課題も多い。両社とも営業職員経由の販売が大半を占めるなど事業形態が似ており、統合による相乗効果がうまく発揮できるかは不透明だ。三井生命は、契約者に約束した利回りを運用利回りが下回る「逆ざや」が続くなど、経営状況はよくない。三井生命の有末真哉社長は今回の買収受け入れについて「自主性の尊重」を決め手としたが、日本生命は、三井生命の経営の抜本的な見直しを迫られる可能性もある。(飯田耕司)
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