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買うも買わぬも、郵政上場を10倍楽しむ法(会社四季報オンライン)
http://www.asyura2.com/15/hasan100/msg/459.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 9 月 09 日 23:28:05: igsppGRN/E9PQ
 

巨大企業ゆえに成長性はなく面白みはないとされるが、そもそもなぜこうも巨大化できたのか(東京駅前に立つJPタワー、撮影:尾形文繁)


買うも買わぬも、郵政上場を10倍楽しむ法
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150909-00083653-shikiho-bus_all
会社四季報オンライン 9月9日(水)22時6分配信


 明日9月10日、東京証券取引所は日本郵政グループ3社の上場を正式に承認する見通しである。特に問題がなければ、日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の3社は11月4日に東証に上場する予定だ。

 私はこの郵政民営化の流れを『超大型3部作! 日本郵政民営化』という映画を見るかのようにとらえている。各題目を四季報っぽい言葉を使って表現すると、

 第1部「雌伏編」:郵政選挙から上場までの道のり
第2部「飛躍編」:上場から政府保有株完全放出までの大変革
第3部「自立編」:完全民営化後の日本郵政

 といったイメージになる。このうちの第2部「飛躍編」が明日、いよいよ封切りされる。日本郵政グループ3社が完全民営化に至るまでの激動の時代に突入するシーンであり、この大作の最も波乱万丈で面白いストーリー展開が予想される場面だ。日本郵政株に投資するしないはともかく、これからいちばん盛り上がるシーンを前に、無関心でいるわけにはいかない。

 もっとも、2005年の「小泉劇場」と言われた郵政選挙で、国民は民営化の賛否を投票している。その意味ではこの超大作の第1部は全員が観賞したわけであり、続編が気になる方もいるだろう。このコラムでは第2部「飛躍編」を10倍楽しむために、これから数回にわけて日本郵政について書いてみたいと思う。

■ どこを切っても日本一

 今回の日本郵政グループの上場についてメディアは、「今世紀最大の上場案件」とか「巨鯨の登場」などと囃し立て、かつてないスケールの案件であることを伝えている。事実、どの数字を見ても、上場会社として「日本一」なるものが目立つ。

 たとえば会社の規模を表す総資産は296兆円と三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> の286兆円を抜いてトップだし、労働力を表す従業員数も日本郵便グループは約40万人でトップ級だ。

 あまりに数字が巨大で実感がわかないので、自動車販売世界一のトヨタ自動車 <7203> と比較してみると、総資産はトヨタ自動車が48兆円で、郵政はそのなんと約6倍、連結従業員数も日本一のトヨタ自動車の34.3万人を軽く超える規模になる。

 さらにネットワーク力を表す店舗数を見ても、郵便局は2万4000局とコンビニ最大手のセブンイレブン(セブン&アイ・ホールディングス:3382)の店舗数約1万7700店を大きく上回るし、そのセブンイレブン店を中心に展開するセブン銀行 <8410> が保有する日本最大のATM端末台数2万1000台をも上回る。

 また、手紙やはがき、ゆうパック、ゆうメールを合わせた郵便物の総取扱数は220億件で、宅配便首位のヤマトホールディングス <9064> の約6倍、かんぽ生命の保険契約者数も2500万件で第一生命保険 <8750> の約3倍と、どれも圧倒的な日本一である。設備投資計画は日本一ではないが、それでも巨額の設備投資が必要とされる大手自動車メーカーのホンダ <7267> 並みである。

 その一方、どの角度から見てもケタ違いにスケールの大きい企業だけに、今後の「成長」という点では新興企業のような急成長は想像しづらく、エクイティストーリーは描きにくいという声も聞く。そのため公募価格はいくらで上場初値はいくらになるといった株価しか注目されていないのが現実のようだ。

■ 巨大企業も創業者を知れば見えてくる

 当然、株価は極めて重要だが、逆になぜここまで巨大な企業になれたのか、その要因を歴史的視点から確認してみるのも、この会社の魅力が見えて面白いのではないかと思う。

 では、歴史的視点とは何でどこに注目すればよいのか。私はこうした銘柄を考える際には、いつも創始者についてよく知るようにしている。企業には「法人格」という人と同じ人格があり、そこには「三つ子の魂百まで」よろしく、創業間もないころの創始者の精神や理念が、企業のDNAとして必ず息づいている。創始者を知ればその会社の人格を知ることができるのだ。

 日本郵政の創始者は「日本近代郵便の父」といわれる前島密である。これだけすごい事業を興した人物なのに、世間一般ではほとんど知られていないのは不思議だが、かくいう私もそこまで詳しくなかったため、このたび前島密生誕の地、新潟県上越市の前島記念館を訪問し、その地に立って思いを馳せてみた。

 生誕の地は遠くに山並みの見えるのどかな田園地帯。近くに日本スキー発祥の地「金谷山」があり、冬は深い雪に閉ざされる。前島密は天保6(1835)年に上野家の次男として生まれ、慶応2(1866)年に「前島家」の養子となった。

 明治4(1871)年、税金を担当する「租税権正」と交通と通信を担当する「駅逓権正」を兼務することとなる。その時、官用通信のための飛脚の料金を見て、その高額な金額を転用すれば郵便事業を開始できると考えたのが郵便の誕生とされている。

 翌々年の明治6(1873)年に郵便網が整備され、全国同じ料金で配達する「均一料金制度」が導入された。ちなみに「消印」や特定郵便局の制度、「郵便」や「郵便切手」、「はがき」などの用語も、前島自身が制定したものである。

 郵便為替、郵便貯金、簡易保険については、明治3(1870)年、明治政府の海外派遣団に随行した際、イギリスでは郵便だけでなく為替、貯金、保険も取り扱っている事実に衝撃を受けたのがきっかけとされている。その後明治8(1875)年に郵便貯金の取り扱いが開始されたが、簡易保険はさまざまな理由で時期尚早と判断され、少し遅れて大正5(1916)年から開始された。

 前島は郵政事業だけでなく、新しい時代を見据えていろいろな事業を提案し、実現に取り組んでいる。欧米視察において世の中の出来事を迅速に伝える新聞の必要性を強く感じたことから、明治5(1872)年に郵便報知新聞、のちの報知新聞を創刊している。

 また近代の鉄道、陸運業、海運業も前島密の働きによって大きく発展した。明治3(1870)年、大隈重信から鉄道建設の計画書を作るよう命じられ、当時のわが国に参考となる資料がまったくない中、計画書をまとめあげ、明治5年新橋-横浜間で日本初の鉄道を開業させている。なお電話も東京-横浜間で、明治23(1890)年に初めて利用されたが、この電話事業の発展にも前島密は深く関わった。

 陸運業では江戸時代からの定飛脚問屋を説得し、陸運元会社を設立させた。これが日本通運 <9062> の前身である。海運業では郵便汽船三菱会社(当時三菱商会)を補助し、これが日本郵船会社 <9101> の前身となっている。

 早稲田大学の前身である東京専門学校の運営にも2代目校長として深く携わり、遷都問題でも大阪遷都を主張する大久保利通を説き伏せ、東京遷都を実現させている。前島の活躍はまだまだあるが、ここから先はまた回をあらためてお伝えしていきたい。

 渡部 清二(わたなべ・せいじ):大手証券会社に23年間在籍。中堅企業、個人投資家向けの資産コンサルティング、世界の運用会社向けの日本株セールスに携わる。2014年4月四季リサーチ株式会社設立、代表取締役。
※四季リサーチのフェイスブックを開設しました。

 (隔週水曜掲載)

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。


 

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コメント
 
1. 2015年9月10日 09:39:27 : v1gbxz7HNs
楽しくない。郵便事業の民営化、つまり私物化自体が許せぬ。

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