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G20が認めた「危機の中国経済」 日本経済を守るためには「消費増税延期」しかない!(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/15/hasan100/msg/403.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 9 月 07 日 14:00:45: igsppGRN/E9PQ
 


G20が認めた「危機の中国経済」日本経済を守るためには「消費増税延期」しかない!
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/45145
2015年09月07日(月) 高橋 洋一「ニュースの深層」 現代ビジネス


■中国経済危機はどこまで深刻か


5日に閉幕したG20財務相・中央銀行総裁会議は、中国に焦点が当たった。名指しこそしていないが、共同声明のポイントは次の部分にある。


<我々は、負の波及効果を最小化し、不確実性を緩和し、透明性を向上させるために、特に金融政策その他の主要な政策決定を行うにあたり、我々の行動を注意深く測定し、明確にコミュニケーションを行う>


筆者は、「我々の行動を注意深く測定」に着目している。ある意味で、これは中国統計の杜撰さを指摘しているからだ。


8月24日付けの本コラム(衝撃!中国経済はすでに「マイナス成長」に入っている?データが語る「第二のリーマン・ショック」 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/44888)で書いたように、中国ショックの本質は、中国の統計の信頼性のなさである。


GDP統計では、支出面アプローチでGDPを消費、投資等に分解する。中国国家統計局のデータにももちろんそれがあるが、OECD等の国際機関では掲載されていない。おそらく統計のプロならば、中国の統計のいい加減さを知っているので、使っていないのだろう。


それを承知の上で、あえて中国国家統計局のデータを使うと、中国経済では、先進国では当たり前の「民間消費主導」になっていないことがわかる。



先進国であれば、GDPの6割程度は民間消費であるが、中国では4割にも達していない。筆者には、この点にも、中国の「構造問題」があるように思える。


筆者の愛読書の一つに、ミルトン・フリードマン『資本主義と自由』(1962年)がある。ちなみに、マンキュー教授もテキスト以外で推薦する一冊といえば、この本であるといっていた。



同書では、政治的自由と経済的な自由は密接な関係があって、競争的な資本主義がそれらを実現させると書かれている。


これを中国に当てはめると、一党独裁の政治体制では、資本主義の経済的な自由は達成できないことになる。この議論が正しければ、いつまでたっても、GDPのなかで民間消費が大きな割合を占めることはないだろう。


中国経済がいびつな構造をしているのは、中国の政治体制が一党独裁のままであれば是正できない「構造問題」というわけだ。


■財務省に操られた「麻生発言」


中国では消費が少ない分、過剰な投資になるわけだが、大きすぎる投資は経済を不安定にする。つまり、バブル崩壊だ。


G20でも中国のバブルが問題になっていることが認められたが、中国経済の正常化は、政治体制にまでメスを入れないと達成できないというフリードマンの50年以上前の卓見はあたると、筆者は思っている。


というわけで、中国問題はかなり用心しなくてはいけない。


そして、日本経済である。筆者は、2014年度の経済成長をマジメに分析してきた。その結果、中国ショックがあろうがなかろうが、予定通りに2017年4月から消費再増税を行えば、2017年度の経済成長はマイナスになると試算している。



ところが、内閣府の試算では、2017年4月から消費再増税しても「経済成長は落ちない」という。しかし、2014年4月からの消費増税で失敗したときも同じセリフを吐いていた。その上に中国ショックが重なれば、日本経済はかなり悲惨なことになるだろう。


そうした状況にもかかわらず、政府からは、別の声が聞こえてくる。G20に出席していた麻生財務相は、外遊先のトルコで「軽減税率は面倒くさい。給付金で対応」と発言。これは明らかに財務省から出てきたものだ。


このように海外から発信するという手法は、それまでの議論をひっくり返すときにはしばしば見られる方法だ。早速、与党協議をしていた自民・公明両党の議員から、寝耳に水という意見が出ている。


軽減税率ではなく給付金になると、価格上の優位性を期待して軽減税率に賛成し、そのために消費増税にも賛成していた新聞業界も、メリットがなくなる。だから、大騒ぎをしているようだ。


これまで筆者は、新聞業界が財務省からの天下りを受け、消費増税の軽減税率を主張してまで、消費増税に賛成してきたことを批判してきた(例えば、2011年1月24日付け本コラム「消費税賛成の裏側に「大新聞の非競争的体質」あり」 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/1961 など)。


目先だけを考えると、新聞が軽減税率の対象ではなくなると、これまでの財務省からの天下りがムダになることになる。新聞社にとっては大きな痛手だが、自業自得だと思う。さらに新聞社の経営問題にも発展するだろうから、これまでのマスコミの消費増税への賛成スタンスが変わるのではないか、と密かに期待している。


しかし、その一方で、なぜ財務省がこうした案を出してきたかを冷静に分析する必要もある


■「消費増税はマスト」が一番問題


外遊先で麻生財務相が話したというだけで詳細はわからないが、次の通りと思っている。


1)2017年4月からの消費増税はマスト。
2)その際、「酒類を除く飲食料品」の消費増税分に相当する給付金を事後的に払う。
3)給付金の事後支払の際には、マイナンバーを利用して個人の課税データを参考にして推計する。


まず、経済セオリーとしては、軽減税率はそもそも豊かな者へも恩恵があり、弱者対策に特化できない。その上、実務上は軽減税率の対象と非対象の区分けが難しいし、税務官僚に裁量の余地が大きすぎるので、弱者への負担軽減策としては、給付金のほうが望ましい。


であれば、2)と3)については、いい考え方であるといえる。問題は、1)である。


そもそも、2017年4月に消費再増税を実施すれば、経済成長は再びマイナスになりうる。さらに、中国ショックもかなりの確度でありえることを見越せば、消費再増税を回避することを考えるべきだろう。


ということは、1)を除けばいい。つまり、消費増税をせずに、2017年4月から給付金制度=2)と3)だけを実施すればいい。経済政策としては、低所得層に対して、3000〜5000億円の減税ということにある。


この程度の財源は、景気の落ち込みを防げば捻出できる程度だ。なにより、2014年度の消費増税の失敗を再び犯すことはあるまい。


とりあえず2)と3)だけやるのが最低ラインであるが、さらに効果的な政策を加えるとすれば、消費税について、現行の帳簿方式からインボイス方式に変更すべきである(編集部注:業者や利用者が、いったいいくら国に消費税を納めればよいかを明確にするシステム)。


消費税を導入している国で、日本だけが帳簿方式であり、他の国ではインボイス方式になっていることを財務省はよく知っているはずだ。しかも、現行の帳簿方式は、中小事業者にとってみなし仕入率を採用できるので、「益税」が発生して、事実上補助金になっている。


これは、その分、消費者の払った諸費税が国ではなく中小事業者の懐に入っているという意味で、増税に苦しむ消費者とその一部をもらえて儲ける事業者の間で不公平である。他の国では、インボイス方式なので、このような不合理はない。


■やっぱり増税は時期尚早


インボイス方式に変更すれば、益税の部分は増収になるはずだ。しかも、インボイス方式は、消費脱税がやりにくいので、この意味でも増収になる。それを給付金の財源にすればいいだけだ。


ここまで来ると、やはり歳入庁にも言及したい。社会保険料は、法的性格は税と同じであるので、社会保険料と税は同じ機関で徴収するのが、行革にもなるし、徴収効率が増すので、世界の常識になっている。これが「歳入庁」だ。


海外では、米国、カナダ、アイルランド、イギリス、オランダ、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、ハンガリー、アイスランド、ノルウェーが、歳入庁で税と社会保険料の徴収の一元化を行っている。東ヨーロッパの国々でも傾向は同じで、歳入庁による徴収一元化は世界の潮流と言ってよい。


しかし、この常識は、財務省には通用しない。国税庁の人事が財務省の裁量で自由にできなくなるからだ。


かつて、筆者が大蔵省にいたとき、1998年ごろのイギリスで、従来の社会保険料徴収機関と国税徴収機関がバラバラであったのが、まさに「歳入庁」として統合され、あっという間に作られた。この手法があまりに見事だったので、その経緯を当時の大蔵省にレポートしたら、その事実を口外しないように言われて驚いたものだ。


社会保険料の徴収漏れは巨額で、ある試算では年間10兆円にもなるという。もちろん、政府はこの試算を否定するが、社会保険料と国税の徴収が二本立てでいいはずない。何もやらずに否定だけは懸命なのはおかしい。


増税前にやるべきことは多い。それをやらずに、増税は時期尚早である。



 

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コメント
 
1. 忍穂耳の垢 2015年9月07日 15:15:32 : 5n2KmwfCW10dU : 5mE3IdPl16
困ったものだ。消費税増税は論外なのはむろんだが、給付金をそれも個人データを把握できるマイナンバーでやるのだと。

弱き者が、ますます生きられない社会がやってくる。
こうしたお役人らには、想像もつかないだろうが、弱者とは単に力の弱き者、稼ぎの悪い者を言うわけではない。
こうした給付金、還付金というシステムを理解し、それに応ずるリテラシーそのものが無い者は、まっさきに弾き出されるだろう。

なにしろゴミの分別でさえ、満足に理解できない者が居るのだ。
そうした者の何割かは、ゴミ分別というリテラシーの不足がもたらしたものだろう。
可哀想なことに、その不足が補われる前に、彼らは不適格者として指弾され、蔑まれてゆく。

社会には、じつに多くのリテラシーが必要なのだが、それを憂う声は無い。
人にはそれぞれ、習得の速さと度合いが違うにも拘らず、その多様さを補う仕組みも、そもそもの意識も足りない。ますますその不適格者は、この世では生きられない者となろう。

記事が語るような施策は、それこそ自己責任とは言え、食い詰めて家を失ったホームレスらを、さらに奈落の底にたたき落とすだろう。
彼らのどれほどが、その給付金申請に辿り着けるのだろうかとも思う。
それを、目的としているのかも知れぬが、わたしはそのような弱者に非情な社会の到来を望んではいない。


2. 2015年9月07日 15:26:29 : v1gbxz7HNs
至って政治的な冷戦大時代的経済論だ。
自由不自由にかかわらずバブルが崩壊しなかった例があるか。
中国もまた例外ではないだけだ。

3. 2015年9月07日 18:17:49 : ZUTrbRG6eY
よその国の心配をするより自分の国のほうを心配したらどうか。

日本は貧富の差は広がり結婚も出来ず当然子ども持てない若い人があふれているが。


4. 2015年9月07日 18:23:27 : nJF6kGWndY

>インボイス方式 歳入庁による徴収一元化 参議院廃止 議員歳出の完全公開・・

面倒な改革は遅々として進まず

バラマキのための増税は簡単に進む

だな


5. 2015年9月08日 07:36:56 : jXbiWWJBCA
【第395回】 2015年9月8日 真壁昭夫 [信州大学教授]
アベノミクスに大逆風、安倍政権に足りないのは何か
最大の成果であった
円安・株高に世界経済の逆風


 これまでの“アベノミクス”の最大の功績は、異次元の金融緩和策によって円安トレンドを作り出し、株価を押し上げたことだ。それによって、一時期、景気回復への期待が盛り上がった。

 ところが、7月以降の中国経済の急減速やそれに伴う世界的な株価下落で、円安・株高に陰りが出始めている。それに伴い、アベノミクスの功績が少しずつ消え始めている。

 今回の金融市場の混乱は、中国経済の減速懸念の鮮明化により、ヘッジファンドなどが保有する金融資産のリスク量を減らす行為に走り始めたことが原因だ。大手投資家のリスクオフの動きだ。

 そのリスクオフのオペレーションによってわが国の株価も不安定な展開となり、9月4日の日経平均株価は、8月末の高値である2万800円台から約15%も売り込まれることになった。

 また、為替市場ではヘッジファンドや為替ディーラーが、今まで積みあげてきたドル買い・円売りの持ち高の巻き戻しに動いている。そのため、円が買われて強含み、ドルが売られやすく弱含みの展開になっている。

 足元の株式、為替市場の動きは、アベノミクスにとって無視できないマイナス要素として作用するだろう。今後、そうした状況が続くと、経済を活性化してデフレから脱却するという目的を達成することが難しくなる。さらに、アベノミクスに希望を抱いた人々を失望させることにもなりかねない。

 安倍政権発足以降、アベノミクスに好循環をもたらした経済状況は、徐々に厳しい条件を突きつけ始めている。ここから本当の意味で、その真価が問われることになる。

ここまでは“及第点ギリギリ”
重要な改革や成長戦略が手つかず

 これまでのアベノミクスを成績評価すると、率直に言って、及第点ギリギリというところだ。円安・株高の成果をもたらした一方、本当に重要な構造改革や社会保障制度の改革、成長戦略にほとんど見るべきポイントはない。

 確かに、黒田日銀総裁の思い切った金融緩和策によって、それまでの円高傾向の風向きを変え、1ドル=70円台の円高から125円台まで円安に持っていった。

 円安傾向が定着することで、自動車をはじめとするわが国の主力輸出企業の収益状況を大きく押し上げた。それに加えて、円ベースの海外子会社の収益を膨らませて、連結ベースの企業業績を大きく改善させた。

 その円安効果はかなり大きい。大手企業経営者の一人は、「多くの企業が最高益を上げているが、このうち半分は円安のおかげと考えた方がよい」と指摘していた。

 また、異次元の金融緩和策で潤沢な流動性=お金が市中に供給され、そのお金の一部が株式市場に流れ込み株価を押し上げた。日経平均株価で見ると、安倍政権誕生の前の2012年11月に8661円だったが、今年6月には2万900円台手前の水準まで上昇した。アベノミクスは、2年半の間に株価を約2.4倍に押し上げたことになる。

 しかし、肝心要の成長戦略に見るべきものがほとんど見当たらない。金融政策や財政政策の発動で一時的に景況感を回復させたところで、それが長期間続く保証はどこにもない。むしろ、金融・財政政策の効果は、「風邪をひいて頭が痛いので、鎮痛剤を飲む」という一時しのぎ、単純な弥縫策と考えるべきだ。

 最も重要なポイントは、経済が風邪をひかない体力をつけることだ。そのためには、労働市場の改革や社会保障制度の改革など、痛みを伴う改革を進めることが避けて通れないプロセスだ。問題は、そこにほとんど手が着いていないことだ。

安保よりも経済の立て直しを
安倍政権と国民意識にある齟齬

 ここまでの安倍政権の政策運営を見ていると、同政権が念頭に置いているのは安全保障問題のように見える。安全保障に関する仕組みの整備が重要であることに間違いない。しかし、それと同じ程度に重要なことは、経済を立て直すことだ。

 1990年代初頭、未曽有のバブル崩壊を経験し、その後、わが国経済は長期低迷の長いトンネルに突入した。その間、デフレが進行し、企業経営者も国民も“縮み”指向の罠に入ってしまった。

 わが国は既に、本格的な人口減少・少子高齢化の局面に入っている。そうした状況で、これからも“縮み”指向を続けていくと、いずれ経済基盤はさらに沈下し、世界の経済一流国のカンバンを下ろさざるを得ないことも懸念される。

 経済の基盤の沈下がさらに進むと、医療や介護、年金などの制度を維持することが難しくなる。その背景には、財政状況の悪化がある。今まで、国内の個人金融資産の蓄積によって、国債の消化に問題が顕在化しなかった。

 しかし、国内の個人金融資産は無限にあるものではない。また、日銀が国債を一手に買い上げているような現状を永久に続けられるものではない。今の状況は、いずれ終局を迎えることは言を俟たない。

 国民にとって、わが国が抱える経済の将来的なリスクは、安全保障と同じか、あるいはそれ以上に関心の高い問題なのである。その意味で安倍政権の政策運営の優先順位は、国民の意識と徐々に齟齬が生じている。

 わが国が民主主義に基づいてシステムを取る以上、政権は国民の支持なくして存続することはできない。安倍政権は、その基本理念に立ち返って政策運営をすべきだ。

一時しのぎの策ではなく
長い目で見た改革に踏み込む必要

 最近の安倍政権の行動を見ていると、もう一つ気になるところがある。それは、賃上げのプロセスや、官製相場と言われるほどの株式市場への介入姿勢だ。

 基本的に企業の給与は企業自身が決めるべきで、政府が決めるものではない。企業が業績などを総合的に判断して、最も適切と考えられる水準に落ち着くのが自然だ。株価も、投資家が自由な判断に基づいて売買を行い、それに基づいて決定される要素だ。

 政府が個別企業の経営者を官邸に呼び賃上げを要請すれば、一時的に賃金水準は上昇するかもしれない。あるいは、公的資金で株式を購入すれば、短気的に株価は安定することだろう。しかし、そうした状況が長期間続くことは考え難い。

 賃金を無理やり上げて収益状況が悪化すると、中長期的には企業の存続が危なくなることも考えられる。あるいは、公的資金が株を押し上げたとしても、海外投資家が割高な株式に売り浴びせを仕掛けることも想定される。

 今、わが国が必要としているのは一時しのぎの弥縫策ではなく、長い目で見て経済にメリットをもたらす社会の仕組みの改革などだ。それはときに大きな痛みを伴うことになる。

 それでも、そうした改革を行うことによって、長い目で見ると、国民は経済の回復という果実を手にすることができるはずだ。安倍政権が相応の高い支持率を維持している間に、そうした痛みを伴う改革にまで進んでほしいものだ。

 かつて、1990年代初頭に東ドイツと統合したドイツには、共産党政権下で停滞した東ドイツ経済に足を引っ張られる格好で経済状況が大きく低下した時期があった。当時は、「ドイツはヨーロッパのお荷物」と揶揄されたこともあったほどだ。

 しかし、その後、労働市場などを積極的に改革し、経済全体の効率を上げることを目指した。それが今日のドイツ経済の礎になったと言われている。それは、わが国にとって格好のモデルケースの一つと言える。わが国の政権も、長期的視点に立った経済運営が必要になるはずだ。
http://diamond.jp/articles/print/78067


6. 2015年9月08日 15:01:39 : OO6Zlan35k
コラム:むなしく響くG20の「通貨安競争回避」
Andy Mukherjee

[シンガポール 7日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 通貨戦争回避に向けた主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の誓いはむなしく響く。米国に利上げを遅らせるよう求めることもなければ、中国や他の新興国からの資本逃避に歯止めをかける新たな計画も打ち出されなかった。

これら2つの対策なしに、G20加盟国の多くの為替レートが対ドルで下落し続けるのをどのように防げるのかは不透明だ。

国際通貨基金(IMF)は6月、米連邦準備理事会(FRB)は利上げ時期を来年に先送りすべきだと提言した。先週末のG20会合で、IMFのラガルド専務理事はあらためて性急な利上げに警告を発した。しかし、5日のG20会合声明は、一部先進国で金融政策引き締めの「可能性が高まっている」と言及することで、実質的には米国と英国の利上げを賛美したといえる。

こうした利上げが、すでに大規模に進んでいる新興国からの資本流出を加速させるとすれば、これらの国の通貨は対ドルでの下落幅を拡大するだろう。これは各国が輸出市場における不公正な優位性を得ようとする意味においての「通貨安競争」ではない。だが、一段の通貨安の引き金になり得ることに変わりはないのだ。

国際会議の議論だけで資本の流れを反転させることはできないが、G20にできることは他にほとんどないのも事実だ。世界の金融界の指導者たちは投資促進が「最優先課題だ」と指摘したが、新興国市場に対する資金提供計画は示さなかった。G20議長国であるトルコの実質設備投資は過去16四半期のうち9四半期で減速した。投資家たちは世界的なデフレに対し神経質になっており、だからこそ中国人民元のわずか3%の下落が世界の株式や商品市況の急落を引き起こしたのだ。米国や中国などの大国が政策面で協調するとの見通しもほとんどない。

G20はデフレの脅威を認めることを拒んだ。民間部門の過剰債務問題については言及すらなかった。財務相たちは自らの成長戦略を「適時かつ効果的に実施」すると約束した。しかし、何ら証拠が示されない状況においては、それすらも次第にうわべだけの約束に聞こえてくる。

●背景となるニュース

*G20財務相・中央銀行総裁会議は5日、「通貨の競争的な切り下げを回避し、あらゆる形態の保護主義に対抗する」方針を明記した。

*アンカラで2日間開かれた会合後の共同声明では、米国を名指しし年内の利上げを思いとどまるよう勧告することはせず、中国に人民元の安定を求めることもなかった。

*しかし、「負の波及効果を最小化し、不確実性を緩和し、透明性を向上させるために」個々の行動を「注意深く測定し、明確にコミュニケーションを行う」ことを確約した。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
http://jp.reuters.com/article/2015/09/07/column-g20-currency-war-idJPKCN0R70I620150907?sp=true

中国「心配ご無用」とウォール街−狙い撃ちの犠牲者は新興国
2015/09/08 13:02 JST
  (ブルームバーグ):過去1カ月の金融市場の不安定な動揺を招いた中国経済の減速について、世界の主要先進諸国の障害になるほどではないと大手投資銀行のエコノミストらが予想している。
こうした予測は、米銀ゴールドマン・サックス・グループとJPモルガン・チェース、ドイツ銀行のエコノミストの間でコンセンサスとなっており、中国の減速をめぐる投資家の不安を和らげる役に立つ可能性がある。
JPモルガンのジョゼフ・ラプトン氏とデービッド・ヘンスリー氏のナンバークランチング(複雑な計算作業)によれば、中国の成長率が1ポイント鈍化した場合でも、先進工業諸国に波及する国内総生産(GDP)の押し下げ効果は0.2ポイントにとどまる。
ラプトン氏はウェブキャストで、「悪影響がないことを意味しないが、プラスの支援要因が幾つか存在する」と指摘した。
中国の需要減少伴う商品価格の下落や他の地域への資本フローの増大は、購買力の向上と中国以外の金融市場の借り入れコスト抑制につながり、プラス材料に働く。さらに世界のGDPに占める対中輸出の割合は2.5%にすぎず、しかも製造過程の半製品がその大部分だ。
それでも資源生産国で輸出依存度の高いブラジルやロシアを含む新興市場国が、中国経済鈍化の犠牲者になると予想される。JPモルガンは、中国の減速がこれら諸国を狙い撃ちすることで、新興市場の下降が世界経済の最大の脅威になると分析する。
一方、ゴールドマン・サックスのジャン・ハッチウス氏らは、米国の対中輸出は全体の約7%にすぎず、中国の最近の景気下降と人民元の実質的切り下げが米経済に与える押し下げ効果は、0.2ポイント程度と軽微にとどまると推計している。
原題:Wall Street Tells Investors to Chill Out Over Chinese Contagion(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ロンドン Simon Kennedy skennedy4@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: James Hertling jhertling@bloomberg.net Christopher Anstey
更新日時: 2015/09/08 13:02 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NUC8CX6K50YB01.html

アングル:南ア中銀、通貨防衛を阻む外貨準備不足
[ヨハネスブルク 7日 ロイター] - 南アフリカ準備銀行(中央銀行)は外貨準備が低水準にとどまっているため、通貨ランドの急落を食い止める力を失っている。

ランドの対ドル相場は年初来で21%下落し、7日には過去最安値をつけた。米国の利上げ観測を背景に新興国資産全般が売られていることに加え、中銀が同日発表した南アフリカの8月の外貨・金準備額が412億2440万ドルと、ほとんど増えていないと判明したことが打撃になった。

足元の外貨準備額は5─7カ月間の輸入額をカバーできる水準ではあるものの、同国が国内総生産(GDP)の5%近い経常赤字を抱えている点を踏まえると、投機的なランド売りに対しては極めて脆弱な状況に置かれている。

BNPパリバ・カディス・セキュリティーズのエコノミスト、ジェフリー・シュルツ氏はロイターに「他の新興国と比べた南アフリカの外貨準備の少なさは、通貨価値に影響を及ぼせる力を備えていないことを意味する」と指摘した。

中銀もかねてからその点は認めており、クガニャゴ総裁は前週末にあらためて外貨準備の水準が通貨防衛には不十分だとの考えを示した。

ドルは年末にかけて堅調を維持しそうで、南アフリカの公的準備の柱である金の価格は他のコモディティに歩調をそろえて下がっている。このため同国の外貨準備が増加する余地は乏しい。

NKCアフリカン・エコノミクスのアナリスト、バート・ステメット氏は「金価格とドルの短期的な見通しは『現在とほとんど同じ』で、外貨準備は圧迫されるだろう」と話す。

同氏は、今後米連邦準備理事会(FRB)の利上げが見込まれる中で、こうした外貨準備をめぐる懸念が、既に売られ過ぎの状態にあるランドの価値をさらに損なうとみている。

外貨準備が使えない中銀は、経済成長率が2%を下回る伸びにとどまっているにもかかわらず、7月に25ベーシスポイント(bp)引き上げた政策金利を一段と上げるしかなくなる可能性がある。

年6回予定される金融政策委員会(MPC)の5回目が、今月開かれる。

ネドバンクのアナリストチームは調査ノートで「MPCは最近数週間のランド急落がもたらす物価の上振れリスクと、ランドがこれからもっと値下がりする恐れをより重視する見込みだ」とした上で、今月中に25bpの追加利上げが実施されるリスクは大きいとの見方は変わらないと主張した。

(Stella Mapenzauswa記者)
http://jp.reuters.com/article/2015/09/08/safrica-reserves-idJPKCN0R805R20150908?sp=true
コラム:米雇用統計はFRBの金利正常化を後押し
Daniel Indiviglio

[ワシントン 4日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 8月の米雇用統計を受けて、連邦準備理事会(FRB)は政策運営がやりやすくなった。失業率が再び低下したことで、FRBに課せられている2つの任務のうちの最大雇用は、まさに達成されようとしている。

もう1つの任務、つまり物価の安定に関しても、現在は物価見通しが安定している点からすれば、事実上のゼロ金利政策を解除するのはそれほど難しくないはずだ。

8月の非農業部門雇用は17万3000人の増加にとどまったが、6月と7月の上方修正と踏まえて半年間の平均雇用増加ペースを見ると、20万人を上回っている。失業率は5.1%で、過去1年間に1%ポイント下がった。米国の失業率は、労働市場が健全な状態にあることを示す、いわゆる自然失業率に近い水準にあるように見える。

これは16─17日の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げに踏み切るかどうか議論するFRBにとって、ある程度の安心感を与えるだろう。

直近で失業率が、景気後退脱却後に5.1%まで低下したのは、2005年5月。その後FRBは政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き上げて3.25%とした。

足元の失業率が労働市場の実態を正確に反映していないのではないかとの懸念は、くすぶり続けている。しかし、たとえ就職を望みながらも労働人口に入っていない120万人前後が再び参入し、労働参加率がより典型的な水準になったとしても、失業率は5.8%までにしか上がらない。1994年10月に失業率が5.8%に下がった時は、FRBは政策金利を75bp引き上げて5.5%としている。

さらに5─7月の3カ月間の労働市場の改善は他の指標でも明らかだ。例えば求人率は3.6%と、2001年1月以降で最も高くなった。

一方でデフレは現実的な脅威にはみえない。ダラス地区連銀が公表しているトリム平均個人消費支出(PCE)価格指数をみると、前年比上昇率は7月までの半年間、FRBが目標とする2%で推移している。失業率と物価上昇率を足し上げたミザリーインデックス(悲惨指数)は1950年代以降の最低水準に近い。

確かに最近の中国経済や株式相場、原油価格の波乱は、FRBの目先の政策運営をより困難にした面はあるかもしれない。しかし米国の雇用情勢はその反対の状況を示唆している。

●背景となるニュース

*米労働省が4日発表した8月の非農業部門雇用者数は前月比17万3000人増だった。トムソン・ロイターがまとめたエコノミスト予想は22万人増。6月と7月の雇用者数は合計で4万4000人の上方修正となった。

*8月失業率は5.1%で、7月の5.3%から低下した。

*FOMCは16─17日に開催の予定。
http://jp.reuters.com/article/2015/09/06/usa-economy-breakingviews-idJPKCN0R610S20150906


[12削除理由]:管理人:無関係の長文多数

7. 2015年9月08日 20:10:09 : LjMCkTbcIQ
5日のG20会合声明は、一部先進国で金融政策引き締めの「可能性が高まっている」と言及することで、実質的には米国と英国の利上げを賛美したといえる。>

流れとしては悪くない、しっかり利上げすることを前提にだが。




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