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株式市場について
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52741356.html
2015年09月06日 在野のアナリスト
週末に8月米雇用統計が発表され、非農業部門の雇用者数が17.3万人増、失業率は5.1%、時間あたり賃金も上昇するなど、好悪両面があって、リスクオフの市場ではこれまでのようにイイトコどりというわけにもいかず、米市場は大幅下落、為替もドル安円高と、利上げを織りこみながらリスクオフで円買い、とかなり乱暴な動きとなりました。先に、ドラギECB総裁が追加緩和に言及し、ユーロ安がすすんだ流れもあって、今後は円安による業績の効果が利きにくい状況がつづきます。
かといって日銀に追加緩和の手はほとんどない。むしろ、市場が追加緩和を期待するのは、自分たちが立てた今期の業績予想に届かない、それを達成させるため、という意図が強いようにも感じます。ECBとて打つ手は限られ、恐らく資産購入のような量的緩和の拡大を小幅に増強するぐらいしかできない。一部で、米FRBの引き締めは遅すぎた、という議論も巻き起こっているように、緩和の手は打つときは思い切りだけでできますが、やればやるだけ閉じるのが難しくなる諸刃の剣です。
株式市場について、年度末までにもう一度20000円越え、さらに23000円、30000円などと景気のいい話をするところもあります。しかし残念ながら、そうはならないでしょう。まず今回の下落、中国経済の『不安』から発生しただけで、実体経済がどれほど悪化しているのか、は今後明らかになる。それが二番底ぐらいでしょう。そしてさらに、これだけのバブルを起こした後は、必ず半年ぐらいしてから金融破たんが起こります。それで大底、何らかの対策を世界と協調して打つことで、やっと反転です。ただ反転といっても底練りがつづくのか、一気に切り返せるかは対策次第で、失敗すればさらに底を探りにいく。これらは1年ぐらいかかる話です。
過去の事象と重ねて2〜3ヶ月で底打ち、そこから反転とするデータもあるようですが、それはショックと呼ばれるようにすでに実体の悪化で急落した局面ならそうです。しかも対策に成功したから反転した。今回がそれに類するかは、まだ『不安』の段階でこれほど急落したのであって、先の長い話です。中国政府には財政的に余裕がある点を、対策が成功する理由とするものもありますが、どこの国もバブル崩壊に伴う対策は苦慮するものであり、出てきてみないと分からない話です。
週末に開かれたG20でも、中国に対策がありませんでした。中国における三つの過剰、生産設備、投資、在庫。景気を減速させずにこれらを解消するのは困難で、対策の打ちようもありません。日本のバブルとてこれほど酷くなかった。中国が本格的にバブル崩壊となれば、どんな不規則な弊害が飛び出してくるかは、まだ誰も完全に予測を立てることができないのです。
バブル崩壊が半年先なのか、1年先なのかは分かりません。もしかしたら、その間にもバブルを助長させ、延命をはかる措置がでるかもしれない。そのときは戻りを試すこともあるでしょうが、それを期待して待つのは愚策です。そういう策が出てきたとき、臨機に対応すればいい話で、何もその期待を市場が織りこむ必要もありません。むしろ今がそんな期待をすべて織りこもうとしてきたからこそ、リスクオフになると一気に売られているのですから。
日本の株式市場は当面、週末のメジャーSQと9月FOMCの思惑も働き、値幅のでる動きにもなりそうです。通常、様子見となりそうな場面ですが、今は短期スジが動かずとも大きな値幅がでる展開であり、これに短期スジが乗っかると大きな変動になりやすい局面でもあります。日本では日銀の追加緩和ぐらいしか、対策の手がない一方、その対策が対策とならない懸念すら付きまとう。一旦、強いリスクオフになった市場では、イイトコどりどころか、ワルイトコどりが活発になるものであり、この鳥は性質が悪いことはしっかりと頭に入れておいた方がよいのでしょうね。
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