★阿修羅♪ > 経世済民100 > 350.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
<上海株急落>中国の経済成長は終焉するのか 日本への影響は?(THE PAGE)
http://www.asyura2.com/15/hasan100/msg/350.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 9 月 04 日 20:50:00: igsppGRN/E9PQ
 

[写真]8月24日、上海総合指数が大幅続落し、中国初の世界同時株安の様相となった(ロイター/アフロ)


<上海株急落>中国の経済成長は終焉するのか 日本への影響は?
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150904-00000003-wordleaf-nb&ref=rank
THE PAGE 2015/9/4 16:00


 中国上海市場の株価急落につられて世界同時株安が誘発され、日本でも株価が乱高下しています。世界同時株安はいった沈静化したようにみえますが、中国経済の問題は解決したとはいえず、株価維持政策はそれらを先送りしただけかもしれません。中国経済が今後どう進んでいくのかを知るには、中期的な視点が必要です。日本の高度成長の経験からひもとき、その後、日本経済への影響を考えてみます。(釣雅雄/岡山大学経済学部准教授)


■中国経済の高すぎる「投資」依存度



[図](出所)中国の表:中国人民共和国国家統計局編、China Statistical Yearbook、日本の表:内閣府、国民経済計算、拙著(2014)『入門日本経済論』122頁


 中国の経済成長には、投資の役割が大きいという特徴があります。中国の経済成長のおよそ半分が投資によるものです(このことは、投資と消費がGDP成長にどれくらい寄与したのか《寄与度》をみることで確認できます)。さらに、次の図で日本の高度成長期と比較してみても投資の占める割合が大きく、中国は日本の高度成長とは異なる成長の仕方だとわかります。


 このような投資が大きいという特徴から、中国の抱える問題が見えてきます。


・中国国内の経済格差が拡大してきた
・過剰な投資は経済の成熟化に伴いいずれ縮小し、中国の成長率も小さくなる


 投資の中身では、不動産が非常に大きな割合を占めています。2013年の中国の産業別投資割合(中国人民共和国国家統計局編「China Statistical Yearbook」)は、全体の投資に占める割合が一番大きいのは製造業の33%ですが、その次が不動産の27%です。


 通常は所得の増加に伴い消費が増えるはずです。中国では住宅が重要で、結婚の条件にもなるようなので日本とは異なると思いますが、それでも、所得が増えたから不動産投資をしようという人は、高い所得水準の人に限られます。そのため、国民と一部の富裕層、あるいは企業とに所得格差が生じていて、それぞれが異なる経済行動をしていると考えられます。


 日本でも高度成長期に不動産投資は伸びていました。しかしながら、床面積でみると(建設省「建築物着工統計調査」)、1973年ころがピークでその後は居住用は1980年ころまで横ばいののち減少、鉱工業用は半減するような急速な縮小という状況になりました。これは、石油ショックの影響も大きいですが、基本的には、高度成長期の終焉によるものです。


 人口移動(総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告」)でみても、東京圏への超過転入は1962年がピークの38.8万人で、1970年代に入るとそれが急速に縮小しました。また、東京圏に限らず日本全体での都道府県間移動の総数をみると、1970年の424万人がピークとなっています。


 すなわち、日本でも高度成長期に人々が移動している間は、不動産投資が拡大していたのですが、それを過ぎると急速に(たとえば5年程度の間で)縮小するという現象が見られました。移動先での住宅需要が縮小したり、製造業への産業構造の転換が終わったためです。


 中国でもおそらく同じようなことが起こると思います。問題は、中国経済がかつての日本に比べて投資への依存度が高すぎる点、経済格差のために国民の消費需要への転換が進みにくいかもしれない点です。


■中期的には問題がある追加金融緩和



[図](出所)中国人民共和国国家統計局、Yahoo! Finance


 さて、上海株の下落への対応として、中国の中央銀行である中国人民銀行が8月25日に追加金融緩和を決定しました。中国は2014年の終わりから現在まで断続的に金融緩和を行っており、そのため、今回も「追加」金融緩和となっています。背景には不動産の価格下落があり、直近でも6月27日に金利を引き下げています。株式市場においてこの追加緩和は好感される政策かもしれませんが、これには中期的に問題があります。


 上海株のバブル的な上昇は、不動産から株式への資金移動が原因だと思われます。次の図は北京と上海の新築住宅販売価格の推移と、上海総合株価指数の推移を重ねて示したもので、昨年の夏ごろからそれぞれが反対方向に動く様子がみられます。不動産価格が下落していたため、投機的な資金が株式市場に流れ込んだのでしょう。そのため、今年の3月ごろを境に不動産価格が回復し始めると、逆に株価が下落しています。


 金融緩和は株式のみならず、不動産にも影響を与えます。中国の中央銀行が直面する問題は、株価を支えるための追加金融緩和により、住宅など不動産のバブル的な価格上昇を加速させてしまうことです。もし、今回の混乱が収まるとしたら、これまでと異なり、今後は不動産も株式も、どちらも価格が上昇するかもしれません。


 しかしながら、金融緩和は需要の「先食い」に過ぎず、日本の経験から考えても永久に不動産投資が伸び続けることはありません。この需要の先食いが強すぎる場合、将来、急速な不動産価格下落という経済ショックをもたらしてしまいます。日本のバブル崩壊もそうですが、米国のリーマンショックも同じ動きでした。日本でも1990年ごろのバブル崩壊から、不良債権問題、貸し渋り、投資の低迷などが不動産価格下落により生じました。さらに、中国では不動産投資が減少してしまうと、現在のような経済成長を維持できません。そのため、もし不動産価格にショックが生じた場合は、厳しい景気後退が発生してしまうでしょう。


■日本経済への影響は限定的か



[図](出所)財務省、貿易統計


 もし将来、中国経済が失速するとなれば、企業によっては大きな影響を受けると考えられます。それでも日本経済全体への影響は限定的でしょう。図で日本から中国、米国への輸出額の推移と内訳を示してみました。


 中国への輸出品の構成は、米国への輸出とは異なります。一般機械や電気機器(主に電子半導体)など中間財と呼ばれるものが多く、それらの多くは間接的にはEUや米国への輸出につながっています。図で分かるように、リーマンショック後、2010年でも米国への輸出は回復していませんが、それは主に輸送機器(自動車)の輸出減が響いたためです。ところが、中国への輸出は元に戻っています。


 もし中国経済が悪化すれば、日本経済が影響を受けるのは間違いありませんが、リーマンショックのような欧米での発生に比べると小さいものにとどまるはずです。ただ、隣国でもあり、単純に貿易だけを考えれば良いわけでもないでしょう。


 中国政府と中央銀行がどのような政策を採用するかによって、今後どうなるかはずいぶん異なります。そもそもの発端は、中国が経済成長を維持するための手段として金融政策を用いていることや、株式市場などで介入を強めたことです。中国は共産主義国でありながら、自由な経済活動を導入することで発展してきましたが、ここにきて、政府は経済成長維持のための介入を強め過ぎているようにみえます。日本の経験からもいずれ行き詰まることがあり得ますので、今回の混乱が落ち着いたとしても、日本の企業は中国経済の変動に対応できるようにしておいたほうがよいでしょう。


 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
1. 2015年9月04日 21:29:04 : OO6Zlan35k
コラム:中国減速長期化も、世界経済下押しで日欧に緩和圧力
田巻 一彦

[東京 4日 ロイター] - 世界経済の「激震」につながりかねない中国経済の減速と調整は、長期化する可能性が高まっている。元切り下げの「劇薬」ショックが市場の混乱につながり、輸出主導の景気急回復が見込めないためだ。

「チャイナリスク」が長期間くすぶり続けることになれば、世界経済の下押し効果が働き続け、量的緩和を続ける日欧に対する追加緩和圧力となるばかりでなく、米金融政策の動向にも大きな影響を与えそうだ。 

<中国経済見通し悪化、ドラギ総裁の明言> 

欧州中銀(ECB)のドラギ総裁は3日の会見で、中国経済について「見通しの悪化がみられる」と指摘した。7%成長は可能と中国の政策当局が強調しても、もはや、中国経済のかなりの規模の減速は、だれの目にも明らかになっている。

8月12日に発表された7月中国電力生産は、工業用需要の弱さを反映して前年同月比マイナス2%。財新/マークイットが1日に発表した8月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は、7月の47.8からさらに低下して47.3となり、約6年半ぶりの低水準。景気改善と悪化の分かれ目となる50を6カ月連続で下回り、中国経済の急減速ぶりを印象づけた。

8月8日発表の7月貿易統計では、輸入が前年同月比マイナス8.1%となった。輸出も同マイナス8.3%と落ち込んでいる。3日のドラギ総裁の会見でも、中国経済の減速が与える影響に関し「貿易を通じ、中国以外の各国経済が弱含む」と指摘した。

<根本原因は、過剰設備の存在>

中国経済の減速が何を起点に起きているのか──。ここをどう認識するかで、中国経済の現状と先行きに関する情勢判断に大きなギャップが生じることになる。

私は、2008年9月のリーマンショック後、需要の大幅な落ち込みを回避するために打ち出した4兆元の景気対策によって、生産設備が大幅に増強され、供給過剰体制が出来上がったことが、今日の中国経済の低迷を生み出していると考える。

初めは鉄鋼や化学などの製品在庫の積み上がりが目立っていたが、足元では幅広い範囲で在庫が積み上がり、供給過剰の経済体制になっていることが次第に明らかになりつつある。

中国政府が8月に打ち出した元切り下げは、輸出を回復させることで、過剰な在庫を整理する方向で打開しようとしたと考えることができる。

しかし、急激な元切り下げを見越したマーケットはショックを起こし、その後の元相場は、1ドル6.3元後半でコントロールされているように見える。

<国際金融のトリレンマに直面した中国>

米連邦準備理事会(FRB)の年内利上げが予想される中、中国人民銀行は8月25日、利下げと預金準備率の引き下げを決めた。ドル/元CNY=相場をコントロールしながら、米利上げを見込んだドル高が進むと、中国国内で引き締め効果が顕在化するからだ。

また、2日には全ての外為デリバティブの買いに準備を義務付けるなどの事実上の元売り規制を発表。資本移動の自由を規制する方向にカジを切り替えた。

この政策対応のドタバタは「国際金融のトリレンマ」という問題に、中国政策当局も直面した結果とみるのが自然ではないか。

「国際金融のトリレンマ」とは、1)為替相場の安定(固定相場制など)、2)独立した金融政策、3)自由な資本移動──の3つが同時には実現できないということを指す。

元の切り下げショックを見て、目立った切り下げを断念し、金融緩和をFRBとは関係なく実行した結果、資本移動の自由を規制せざるを得なくなった、という理解だ。

<緩慢な処理の公算大>

ここから導き出される中国経済の未来は、極めてゆっくりした元の切り下げで、ジワジワと輸出を回復させ、積み上がった在庫と余剰生産設備の処理を極めて緩慢に進める、という姿だ。

市場で期待される大規模な財政出動は、過剰生産整備を再び増加させかねず、それは上記の対応に水を差すことになる。

したがって中国経済の急回復は、かなりの期間見込めず、低い成長率の中国経済が継続することになる可能性が高まる。

世界第2位の経済大国が長期間、低成長を強いられれば、世界経済の成長も下押し圧力を受ける。そのうえ中国からの低価格品の輸出増は、その他の国でのデフレ増強要因として意識されるだろう。

<世界経済を下押し、注目される日欧の判断>

ドラギ総裁は3日の会見で「現在の新興国の状況は、貿易及び信頼感の影響を通じ、世界経済の成長に一段と打撃を与える可能性がある」と指摘した。

その状況が長期化するなら、ECBは追加緩和への圧力をさらに受けることになるだろう。同様に日銀も、成長率、物価の見通し引き下げ圧力を受ける可能性が高まる。

米連邦準備理事会(FRB)の利上げ判断にも、中国情勢の動向が占める割合が増える可能性がある。今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)後のイエレン議長の会見で、その部分のスタンスは明らかになるに違いない。

本来なら、過剰設備を早く除却すべきだ。その設備への融資が不良債権化すれば、速やかに償却を進め、銀行の不良債権が多額になって自己資本を毀損した場合は、そこに財政資金を投入するのが、再生への早道だ。

しかし、大量の「出血」は、経済だけでなく、政治的なショックを発生させかねない。中国の政策当局は「微温的」な対応を選択するのだろう。

時間をかけてゆっくりと対応するのであれば、そのプロセスは「失われた20年」を経験した日本と似てくることになるのではないか。
http://jp.reuters.com/article/2015/09/04/column-china-economy-idJPKCN0R40AN20150904?sp=true

[12削除理由]:管理人:無関係の長文多数


  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民100掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
経世済民100掲示板  
次へ