7. 2015年9月04日 11:49:31
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>>06 ブリッジウォーター全天候ファンドも8月損失−マイナス4.2%所詮、リスクパリティーと言っても限界がある 過剰な期待は禁物だということだ http://www.alliancebernstein.co.jp/knowledge/archives/90 厳しい視線を受けるリスク・パリティ戦略 DanielJ_Loewy.jpg ダン・ローウィ―(写真) アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー マルチアセット・ソリューション部門 最高投資責任者 兼 共同責任者 ブライアン・ブラグマン アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー ダイナミック・アセット・アロケーション戦略 ポートフォリオ・マネジャー
PDF版をご希望の方はこちら pdf 2014年5月20日 10年以上にわたり力強いリターンを実現し、飛躍的な成長を遂げたリスク・パリティ戦略が、足元では苦戦を強いられている。リスク・パリティ戦略は致命的な欠陥をかかえていたのだろうか? アライアンス・バーンスタインではそうは考えていない。
リスク・パリティ戦略では、さまざまな資産クラスを投資対象としているが、市場時価をベースに配分を決定するのではなく、主な資産クラスのリスク寄与度をバランスさせてポートフォリオを決定する。このように戦略レベルでリスク分散させることで、伝統的な資産配分と比べると、ポートフォリオ内の株式のウェイトは低くなり、債券、クレジット、コモディティなど他の収益源泉のウェイトが高くなる。これが原因で、株式市場が堅調で他の資産が振るわなかった2013年は、リスク・パリティ戦略にとって厳しい年となってしまった。 これは足元の環境がリスク・パリティ戦略の構造的な脆弱さを露呈したことを意味するのか、あるいは今後より高いリスク調整後リターンを実現するプロセスの中で単に一時的な下落を経験したに過ぎないのか、多くの投資家は疑問を抱いている。アライアンス・バーンスタインでは、リスク・パリティ戦略は投資家のポートフォリオにおいてますます重要な役割を果たすと考えている。資本市場を100年以上さかのぼってリサーチしたが(巻末の「バックテストに関する注意」参照)、その結果からは伝統的な株式60%/債券40%のポートフォリオ(以下60/40戦略)よりも、リスク・パリティ戦略の方が持続的に投資家に利益をもたらすことが示されており、この傾向が今後も続くとみている。 アライアンス・バーンスタインのリサーチでは、資産配分におけるリスク・パリティ戦略の役割を評価する際に、以下の4つの項目を考慮することが重要であることが分かった。 長期的には分散が成功をもたらす
リスク・パリティ戦略は、特に株式市場が上昇する環境では60/40戦略に後れを取る可能性がある。しかし、長期的に見ると必ずしもそうとは言えない。数四半期や数年といった短期では、リスク・パリティ戦略が60/40戦略をアウトパフォームする期間の割合は55%程度であるが、5年から10年の期間で見るとその割合は70%を超える(次ページの図表1)。期間が長くなるにつれて、リスク・パリティ戦略のパフォーマンスは60/40戦略をアウトパフォームする割合が高まるだけでなく、その傾向がかなり安定したものになる 。 Chart1.png 例えば、アライアンス・バーンスタインがリサーチを行った期間における任意の10年間のうち20%は、60/40戦略のリターンはキャッシュに対して年間2%以上アウトパフォームできなかった。この期間は株式が長期にわたって振るわなかったため、60/40戦略のパフォーマンスは低くなってしまった。一方、幅広い資産への投資によってリスクを分散しているリスク・パリティ戦略のパフォーマンスはそれほど悪いものではなく、実際に当該10年間のうちキャッシュを2%以上アウトパフォームすることができなかった期間の割合はわずか2%に留まった。つまり、リスク・パリティ戦略は長期的にはより高く安定したパフォーマンスを達成してきたということだ。 動的な資産配分がリスク・パリティ戦略に付加価値をつける
リスク・パリティ戦略の中には、リスクとリターンの予測が非常に難しいという理由から、どのような市場環境でも主要な資産クラスでリスクを均等に配分するというアプローチがあるが、これは短絡的で適切でないと考える。もちろん、将来の債券リターンを予測することは簡単なことではない。しかし、国債の利回りが1.6%程度でしかなく、イールド・カーブが比較的フラットな状態では(例えば2013年半ば)、リスク・プレミアムは通常よりもはるかに低い水準となるため、債券投資家にとってはリスクが高くなる可能性が高く、これを資産配分に取り入れるのは妥当と言えよう。 アライアンス・バーンスタインでは、資産配分を動的に調整することが、リスクおよびリターン両方の観点から利点があると考えている。資産横断的にシンプルなバリュエーションと市場の変動に即応するリスク・モデルを用いることにより、長期的により高いリターンの実現とダウンサイド・リスクの管理が行える。次ページの図表2からは、動的なリスク・パリティ戦略は静的なリスク・パリティ戦略よりも年間で1.7%高いリターンをあげたことが見てとれる。これは、静的なリスク・パリティ戦略の60/40戦略に対する超過収益に匹敵する大きな効果となっている。また、1.7%の追加リターンのうち約3分の2は動的なリスク予測によるもので、残りの約3分の1は動的なリターン予測によるものであった。このことから、投資家はリスクとリターンの両方を考慮したポートフォリオを構築する必要があることが分かる 。 Chart2.png 今はリスク・パリティ戦略に投資するには良いタイミング
リスク・パリティ戦略のパフォーマンスはまだしばらくは回復しないと考えている投資家もいるが、アライアンス・バーンスタインの考えは逆だ。2013年末には債券利回りは上昇し、イールド・カーブはスティープ化した。また、コモディティ市場は下落し、多くのコモディティ先物カーブは「バックワーデーション」状態、つまり先物価格が現物価格を下回る状態となったため、コモディティ先物が高いリターンをあげることとなった。株式市場は大幅に上昇し、いよいよバリュエーションは割安とは言えない水準となった。 こういった状況はすべて将来のリスク・パリティ戦略の良好なパフォーマンスを示唆すると考えている。過去100年を振り返ると、債券やコモディティが急落した局面では、割安な資産クラスへの分散と期待リターンの上昇により、通常、リスク・パリティ戦略は力強いパフォーマンスを実現しており、平均的にはリスク・パリティ戦略は下落局面のあとは数四半期にわたりアウトパフォームしている。 複数のリスク・パリティ戦略で分散を行うことがパフォーマンス向上につながる
リスク・パリティ戦略の投資手法は日々発展し続けている。運用マネジャーの数も増加しており、戦略の種類も多様化している。これにより投資家の選択肢は増え、より効果的な分散ができるようになる。その中で、リサーチと運用者によるリスク配分の判断を上手く統合させた動的な資産配分戦略を選べるかどうかが、カギを握ると考える。 投資家の懸念はあるものの、アライアンス・バーンスタインではリスク・パリティ戦略の今後の見通しは明るいと見ている。当戦略の進化に合わせて、投資家は他の資産クラスで分散を行うのと同様に、様々な種類のリスク・パリティ戦略を補完的に用いることで効果的な分散を行う必要があるだろう 。 当資料は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーのCONTEXTブログを日本語訳したものです。オリジナルの英語版はこちら。 http://blog.alliancebernstein.com/index.php/2014/04/03/risk-parity-under-the-microscope/ 本文中の見解はリサーチ、投資助言、売買推奨ではなく、必ずしもアライアンス・バーンスタイン・ポートフォリオ運用チームの見解とは限りません。本文中で言及した資産クラスの過去のパフォーマンスは将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。 当資料は、2014年4月3日現在の情報を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が翻訳した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。アライアンス・バーンスタインはアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。 【バックテストに関する注意】 本レポートで示したリスク・パリティ戦略のバックテスト期間は1909年12月31日から2013年12月31日までで、グローバル株式、グローバル国債、分散されたコモディティ先物を組み入れています。すべてのリターンは四半期ベースです。グローバル株式およびグローバル債券の組入れ国には、米国、英国、日本、ドイツ、フランス、イタリア、オーストラリア、カナダが含まれ、各国の名目GDPのウェイトを使用しています。分散されたコモディティ先物では、1910年から1990年、および1990年から2013年の期間にダウ・ジョーンズUBSコモディティ・インデックスに基づいてアライアンス・バーンスタインが選択した複数のコモディティ先物を使用しています。すべてのリスク・パリティ戦略のボラティリティは、株式60%/債券40%のポートフォリオの当該期間全体のボラティリティと同等になるように設定されています。静的リスク・パリティ戦略ではポートフォリオにおける各資産クラスの平均リスク寄与度が同等になるように資産額を配分します。動的リスク・パリティ戦略ではシンプルなリスクとリターンの予測を用いて四半期ごとに資産とリスクの配分を調整します。当バックテストにおけるリスク予想は各資産クラスの移動平均リターンに基づいており、リターン予想は各資産クラスの基本的なバリュエーション(株価配当率、3ヶ月から10年ゾーンのイールド・カーブの傾き、コンビニエンス・イールド)に基づいています。これらのシンプルかつ動的なアプローチは、アライアンス・バーンスタインが実際に行っている投資プロセスではなく、説明のみを目的とした事例研究のために使用されています。別の期間、前提、配分、予測を用いた場合は異なる結果が示される可能性があります 。 債券の下落とは、グローバル債券がレバレッジ4倍のポジションにて四半期ベースで7.8%を超える下落を記録した場合を示し、コモディティの下落とは、コモディティ先物が四半期ベースで6.5%を超える下落を記録した場合を示します。どちらも当該期間全体のリターンの下位10%となります。 出所:ダウ・ジョーンズUBSコモディティ・インデックス、グローバル・フィナンシャル・データ、アライアンス・バーンスタイン |