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M&Aコンサルティングが所在していた六本木ヒルズ・森タワー(「Thinkstock」より)
逮捕・有罪の旧村上ファンド復活!娘を使って同じことを繰り返し、一体何がしたいのか?
http://biz-journal.jp/2015/09/post_11391.html
2015.09.04 文=編集部 Business Journal
電子部品商社の黒田電気(東京都、東証1部)は8月21日、大阪市内の本店で臨時株主総会を開いた。投資ファンドの旧M&Aコンサルティング、いわゆる旧村上ファンドを率いて「物言う株主」として知られた村上世彰氏ら4人を社外取締役に選ぶよう求めた議案は、反対多数で否決された。反対票は全体の6割。黒田電気の経営陣は胸をなでおろしたが、共同保有分を含めて16%強を有する村上氏側が4割の支持をとりつけた事実は重く、今後とも経営に発言力を持つ。経営陣は、これまで以上に株主の利益を重視した経営を迫られることになる。
黒田電気の臨時株主総会は2つの点で注目された。1つ目は総会の開催を求めた投資会社、C&Iホールディングス(東京都・港区)と南青山不動産(同)の村上絢CEO(最高経営責任者)が世彰氏の長女だったことだ。世彰氏はライブドア事件をめぐるインサイダー取引の容疑で2006年に逮捕・起訴され、11年に懲役2年、執行猶予3年、罰金300万円、11億5000万円の追徴金の支払いが確定した。絢氏は慶應義塾大学卒業後、モルガン・スタンレーMUFG証券に勤務。2年半前にC&Iグループに入り、今年6月にCEOに就いた。「物言う株主」としてのデビュー戦を勝利で飾ることができるのかという点だった。
2つ目は、日本企業のコーポレート・ガバナンス(企業統治)のあり方を問う試金石とみられたことだ。一昔前であれば、会社に安定株主がいて、経営陣の味方をしてくれた。この構図が根本的に変わってきた。安定株主が減り、浮動株主の比率が上がった。金融庁と東京証券取引所が取りまとめた上場企業の統治指針「コーポレートガバナンス・コード」が6月から施行され、中長期的に株式を保有する機関投資家が、「物言う株主」の主張に共鳴する条件が整った。
黒田電気の株主構成で大きな特徴は、外国人株主の比率の高さだ。今年7月16日時点で37.8%に達している。外国人株主の動向が、議案の成否に直結するカギを握る。外国人株主である機関投資家と物言う株主が共闘するのか。今後の日本企業のガバナンスの方向性を占うものとして注目されたのである。
■割れた、大手議決権行使助言会社の見解
株主総会の開催は、C&Iが求めた。南青山不動産や世彰氏個人の持ち分と合わせ黒田電気の発行済み株式総数の16.06%を保有している。招集通知によると、社外取締役の候補は世彰氏のほか、野村證券出身でルネサスエレクトロニクス執行役員常務兼CEO室長を務めた鈴木俊英氏。Scentan Venture Partners Limited Directorの金田健氏と、オリックス出身で旧村上ファンド関係者が関与する投資会社レノ社長を務める福島啓修氏。いずれもM&A(合併・買収)のプロだ。選任されれば純利益を今後3年間、100%株主に還元することや、企業買収による利益拡大を会社側に促すと主張した。
これに対して黒田電気の細川浩一社長ら経営陣は、「社外取締役はすでに取締役の半数の3人おり、ガバナンスは機能している」と反論。C&I側の要求を拒否した。6人の取締役のうち社外取締役は税理士の常山邦雄氏、本田技研工業出身で日信工業専務を務めた岡田重俊氏、弁護士の山下淳氏の3人だ。
会社側は「請求通り(利益の100%を)株主に還元すれば手元資金が枯渇し、中長期的な株主価値を損ねる」との理由で選任に反対した。
議決権行使助言会社は、海外機関投資家の議決権行使に影響を与える。今回のC&Iの議案をめぐり、業界を二分する大手議決権行使助言会社の見解は割れた。
米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)は、「(世彰氏らを選任すれば)本質的な議論ができていない現在の取締役会に、業界の状況やバランスシートの管理で新たな洞察をもたらす」と提案に賛成した。
これに対して、米グラスルイスは、「独立社外取締役はすでに3人おり、さらに村上氏を選任する決定的理由や主張を裏付けるデータに欠ける」と指摘し反対した。黒田電気はグラスルイスの見解を支持するコメントを出した。
結局、黒田電気株の4割近くを握る外国人株主のうち、13%強を保有するシュローダーが会社側についたことで勝敗は決したとみられる。黒田電気は液晶テレビの部品や自動車電装品の販売が好調で、15年3月期決算の純利益は過去最高の67億円。資本効率を示す指標であるROE(株主資本利益率)は9.9%と高い。
村上氏が社外取締役に入ると経営が不安定化して、かえって業績の悪化を招くと考えた個人株主が多かったことも影響した。
■三次方程式
絢氏はデビュー戦を勝利で飾れなかったが、確実にポイントを稼いだ。C&I側から株主提案を受けた直後の7月10日、黒田電気は16年3月期の年間配当を36円(15年3月期と同じ)から94円に大幅増額すると発表。16年3月期から18年3月期間までの配当性向を純利益の40〜65%とする、積極的な株主還元策を打ち出した。15年3月期の配当性向は19%だったが、これを大幅に引き上げる。
C&Iが提案した純利益の100%の株主還元要請に、会社側が対応したものだ。慌てて配当を増額した泥縄式の印象は否めないが、C&Iは実利を得た。投資ファンドは株価が上昇した時点で売り抜けるのが鉄則。今後、C&Iはタイミングを見計らい高値で売り抜けてリターンを得ることもできる。
世彰氏は個人で電子部品商社エクセル株式の約7%を保有。半導体商社の三信電気株を世彰氏と絢氏が代表を務める会社が約9%取得している。絢氏は黒田電気、エクセル、三信電気の3社の再編を主導すると目されている。半導体商社は経営規模が小さいことや海外の競合他社に比べて利益率が低いことから、経営再編は待ったなしでやってくると予測されている。経営統合の中核となる企業に、世彰氏らが保有している他社の持ち株を売却して高値で売り抜けるという「三次方程式」が成立する可能性もある。
(文=編集部)
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