1. 2015年9月03日 11:23:51
: OO6Zlan35k
2015-08-06 IMF 異次元緩和の限界を示唆 今日の日経夕刊には、IMF研究者の見解として、日銀の異次元緩和が2017、18年にも限界が訪れるという予測が載っています。日銀の異次元緩和に対する問題点が指摘され始めた。 国際通貨基金(IMF)は3日発表した個人名義の論文で異次元緩和の技術的な限界を指摘。「現状の国債買い入れは2017〜18年に限界が来る」との見方を示した。日銀による大量の国債買い入れによって市場のゆがみが増し、日銀内でも異次元緩和の副作用を巡って不協和音が生じている。異次元緩和の導入から2年余り。金融政策運営の先行きにも不透明感が漂いつつある。 IMFの論文は緩和効果の1つである「ポートフォリオ・リバランス効果」に焦点を絞り、投資家の資産構成の変化を通して異次元緩和を分析している。銀行の担保需要や保険会社のALM(資産・負債の総合管理)上の制約、年金基金の資産構成などを考えると、17〜18年には日銀が国債の購入額を減らす必要に迫られる可能性があると指摘。そのうえで短期国債を売って長期国債を買う「ツイスト・オペレーション」や地方債の買い入れなど、追加緩和の代替手段があるとの見方も示した。 日経新聞 2015年8月6日夕刊 IMF、異次元緩和の限界示唆 日本国債等の発行残高は2015年3月末現在で1,038兆円です。 異次元緩和の結果、現在275兆円を日銀が保有し、主体別では最大の保有者となっています。(図1) 出所:日銀資金循環統計(2015年3月時点) 以前、日銀が異次元緩和を継続していけば、2030年には発行高全てを買い切ってしまい、日本の財政問題は解決してしまう、という半分冗談記事を書きました。 政府債務問題は2030年に消失する? - シェイブテイル日記 半分冗談というのは、日銀が国債を買えば買うほど政府の利払費負担が軽減できる反面、まさにIMF研究者が指摘したように、国債は単なる借金というよりも、金融が円滑に回る上で重要なニーズがあるため、日銀が全て買い入れる前に買い入れの限界が訪れるということでした。 ただ、シェイブテイルとしても、あとわずか2,3年で異次元緩和の限界が訪れるという予測は正直なところ、意外に早いと感じています。 このIMF研究者の指摘は金融政策でデフレを脱却したいという黒田総裁をはじめとするリフレ政策信奉者と、日本は遠くない将来財政破綻するので、緊縮財政は避けられないという財政破綻派がそれぞれ自説を再考すべき論点を提供しているといえそうです。 金融政策リフレ政策信奉者に対しては、そう遠くない将来に買い入れ可能な国債がなくなろうという現在でも、インフレ率は当初狙いの2年で2%より相当低い水準にしかなっていないことです。 それにもかかわらず、国債買い入れを主体とした現在の異次元緩和が最善の解なのでしょうか。 一方、財政破綻派に対しては、国債が日銀と商業銀行との間で奪い合いになるほど人気がある現在、国民経済に大きな負担をかける消費税増税を行ってまで国債を減らして財政再建しようとする意味は一体何なのかという点です。 これらふたつの論点に対する私の答えは共通していて、このブログで繰り返し述べてきたように、経済が成長するなら、国債残高増大は気にする必要がない、というより当たり前であり、政府が新発国債を発行して財政出動をおこない経済成長を確実にすれば、デフレ脱却と財政再建は同時に達成可能でしょう。 金融政策リフレ派と財政再建派の皆さんはいかがお考えでしょうか。 コメントを書く どりあん2015/08/09 13:46経済が成長するなら という前提が一番有りえない命題かと 労働人口が減り、エネルギー価格も最早下がらない(サウジアラビアですら経常赤字でアメリカの石油業界もリストラの嵐、政情不安に産油国がなっています)この状況で経済が成長するならいっそ日本は鎖国しては? 資源はリサイクル、エネルギーも国内炭鉱を再開して石炭液化で賄う事もコストを無視するなら可能と言えば可能(膨大な雇用も産まれ間違いなく内需の拡大にはなります) もっともこんな事をしたら日本経済はエネルギーコストで破綻しますが。 line2015/08/10 11:06>一方、財政破綻派に対しては、国債が日銀と商業銀行との間で奪い合いになるほど人気がある現在 「人気がある」というのは日銀が国債購入代金を当座預金に置き、この利息が0.1%となっており、短期国債を保有するよりも利息が高いからではないでしょうか? 中長期国債にしても日銀に売却すれば0.1%は確実に得ることができ、定期預金利息よりも安いものです。楽ちん経営ができるだけで、人気が出ないわけがないと思いますが、いかがでしょうか? line2015/08/10 11:07だけで>わけで line2015/08/10 11:08安い>高い shavetail12015/08/10 12:25どりあんさま 日本が他国と異質なのは、実質GDPはそれなりに成長している一方で、名目GDPが17年も前の97年時点での523兆円をいまだに超えないことです。 日本の問題が名目GDP成長率だと捉えれば、これは単に民間非金融部門にお金が回っていないだけですから、人口減・エネルギー環境とは無関係に他国同様の成長は可能なはずですね。 なにせ、実質成長率では他の先進諸国と大差ないのですから。 私は、19世紀の米国での金不足デフレ解消局面の状況などから、日本が2-3%のインフレ(デマンドプルインフレ)になれば、実質成長率も今よりも高まると思っています。 それは、デフレ局面でCPIはそれほど下がらないのにGDPデフレーターが大きく下がる、下級財シフトが起こっているとすれば、それが反転する局面では上級財シフトが発生して、需要決定要因が現在の価格だけから品質など他の価値も含めたものへと正常化すると予想されるからです。 この点はパラレルワールドがないので、証明は困難ですが。 shavetail12015/08/10 12:32lineさま 日銀は当座預金に対して確かに付利をしていますね。 この付利がなければそもそも金利のある国債を金利のない当座預金に替えるインセンティブが金融機関に発生しないでしょう。 ということは、仮に付利を止めれば一層国債の人気(価格)が高まるということであり、付利をしなければ国債価格が下るということではないように思いますがいかがでしょう。 IMFの分析では銀行の担保需要、資産負債の総合管理上の制約、年金基金の資産構成などをから2,3年後には買える国債が枯渇するという見立てですから、日銀が買入れる国債が供給不足ではなく、需要不足を迎えるという局面は、付利をよほど高めるなど現状とは異なる環境を想定しないと訪れにくいのでは? line2015/08/11 08:59Shavetailさま 経済現象で実験はできないので、「もし」は無いのですが、どうして付利0.1%を設定しているのでしょう?そんなに国債に人気があるなら付利をゼロとしたほうが良いと思いますし、市中に資金が行き渡るためにはやはり付利をゼロとしたほうが望ましいと思います。異次元の金融緩和の公式的目的のためにはこちらのほうが望ましいと思いますが、どうしてあえて日銀が市中銀行から国債を買い取った代金に0.1%の「おまけ」を付けるのでしょう?すでに「おまけ」は年間3000億円近くになっており、今後も増加し続けています。どうしてなんでしょうね? shavetail12015/08/11 15:58付利をせざるを得ないのは日銀の国債買いオペをスムーズにおこなうためでしょうね。 つまり金融機関から見て、これまでは魅力度は 0%金利当座預金<余剰国債<0.1%付利当座預金 だったという想定ができますね。 要するに付利をしているということは、これまででも0.1%付利を外せば余剰となる国債が出ず、日銀が買えなかった可能性が高いと想定されますね。 更に国債が枯渇する数年後はもっと高い付利でなければ安定的な買いオペをはできないでしょうが、その銀行が濡れ手で粟となる政策を世論が許すかどうかという別の問題も発生しそうです。 line2015/08/12 18:53Shavetaillさま 日本銀行は年間3000億円もの「おまけ」をだしながらもどうして国債を買おうとするのでしょうか? shavetail12015/08/13 06:56lineさま そこは私もわからないのですよ。 例えばバーナンキは大規模資産購入では住宅市場崩落を防ぐためにMBSを買ったし、国債購入は金融市場崩落阻止のためだったでしょう。 当時アメリカの物価は一時的下落はあっても2年続けての下落でもないし、それ以上に住宅市場や金融市場の安定性維持が重要でした。 一方日銀の場合、住宅や国債市場崩落の恐れはなく、物価をあげたいだけでしょう。 しかしバーナンキは議会証言で資産購入(買った結果はマネタリーベース増大)で物価上昇の兆しはないと断言しました。 黒田総裁とバーナンキ議長の資産購入は目的が違うのですね。 同床異夢。 黒田総裁は異次元緩和を始めるときに、マネタリーベースつまり銀行世界のお金とマネーストックつまり我々が暮らす非金融世界の御金を区別せずに異次元緩和の目的を説明していました。 我々の世界のお金が増えればインフレになりますが、金融世界のお金が増えても直接インフレ要因にはなりません。 間接的に市場参加者に心理的影響を与えて円安効果を期待はできますが…。 そういう意味で、黒田総裁や金融リフレ派がなぜ国債購入でのデフレ脱却にこだわるのかは謎です。 line2015/08/13 10:40Shavetailさま この銀行業界への「おまけ」は毎年国立競技場を新設できるほどの予算です。ゼロ金利政策も大規模金融緩和もすでに米国で実施されており、インフレを引き起こさないことも確認できていました。黒田東彦もそれほどおバカさんではないと思います。実施される金融政策は誰の目にも明らかですが、国家運営の根幹に関わるような考え方は開示するわけがないと私は思っています。いかがでしょうか?なんでも開示、なんて言うのは民主党のようなおバカさんだけだと思っております。 どりあん2015/08/14 22:45Shavetail1さん 単純に実態を無視して増え過ぎた資本の利回りが求める利潤を経済の実態(ほぼゼロ成長)を無視して実現させるから実質では成長しても名目では当然の結果としてマイナスになってるのでは? 非金融のお金と金融のお金の関係で言うならパイが増えない中でも増える資本の利潤を一定にするとあちあらのお金が増えても我々の世界のお金は増えませんからね。 異次元金融緩和後はそれが更に露骨になりましたね。 本来お金が増えるのに対して利回りは低下しなければならない所が上場企業他のROEはむしろ上がってますからね。 実質賃金が下がった事でこれは実現してると言っても良い訳ですが。 財政出動でもベーシックインカムでも何でも我々のお金を増やした場合に何が起きるか考えるとShavetail1さんの言う通り一時的には経済成長が起きるとは思いますが、結果として引き起こる資源エネルギーの消費拡大によって制御出来ない激しいインフレに見舞われ結局の所持続的な経済成長には繋がらないかと。 日本の場合は労働力も絶望的に不足してますしね。 国外にしても経済成長が順調と言える数少ない途上国だった中国もいよいよ限界の様ですね(昨年度に石炭の生産が頭打ちしてましたが今年に入っていよいよ大減速が始まりましたね)自慢だった労働力(密航者)もベトナム他から受け入れ無ければならない状況になってるそうで。 資本主義の延命の為の金融緩和を今後も世界中で延々と続けるのでしょうがその事が我々の生活を苦しめる事は有っても救う事は無いのでは? Gokai2015/08/16 23:38国債残高が増えれば増えるだけ、金融資産も同額増えていくので、 本来は経済成長も加速されていくはずなのですが、 1990以前と違い現在は、分配再分配システムがきわめて異常なため、金融資産は偏在していることが想像されます。 そしてその偏在が事実であるなら、 その為に経済成長も期待するほど起こりえないことでしょう。 ところが昨年十月末から始まった第二次アベノミクスは、その分配再分配の悪い効果をさえ超えて金融資産の増加がなされていくでしょうから、 いずれ景気回復、経済成長が数年は生じることができると予想します。 holyfirework2015/08/19 19:23盛り上がっているところ、失礼致します。 サイト『進撃の庶民』主催の討論会のお知らせに参りました。 【第8回進撃の庶民討論会】 日時:8/22(土)21:00~25:00 議題:建設国債の機動的発行の是非につい て インフラ整備は、国家経済の基盤であり、 現役世代が次世代へと引き渡すべき希望で あり、国家国民の資産そのものです。 大震災の例もありますし、インフラ整備や 補修は、国家財政に関係無く、必要に応じ て速やかに財政出動出来るようにするべき ではないでしょうか。 建設国債を財政上の制約を一切受けること なく、必要なだけ速やかに発行出来るよう にすることの是非について、皆さんの意見 を聞かせてください。 holyfirework2015/08/19 19:23盛り上がっているところ、失礼致します。 サイト『進撃の庶民』主催の討論会のお知らせに参りました。 【第8回進撃の庶民討論会】 日時:8/22(土)21:00~25:00 議題:建設国債の機動的発行の是非につい て インフラ整備は、国家経済の基盤であり、 現役世代が次世代へと引き渡すべき希望で あり、国家国民の資産そのものです。 大震災の例もありますし、インフラ整備や 補修は、国家財政に関係無く、必要に応じ て速やかに財政出動出来るようにするべき ではないでしょうか。 建設国債を財政上の制約を一切受けること なく、必要なだけ速やかに発行出来るよう にすることの是非について、皆さんの意見 を聞かせてください。 http://d.hatena.ne.jp/shavetail1/20150806
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