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閉鎖されたラスベガスにあるMRIインターナショナルの本社ビル(「Wikipedia」より/FutureDetails)
1300億円集め豪遊生活…巨額詐欺事件犯人が野放し!被害者は泣き寝入りか
http://biz-journal.jp/2015/09/post_11371.html
2015.09.03 文=編集部 Business Journal
ようやく、希代の詐欺集団が裁かれることになった。
米司法省は現地時間の7月8日、米資産運用会社MRIインターナショナル代表者のエドウィン・ヨシヒロ・フジナガ被告(ラスベガス在住、68歳)、日本支社長の鈴木順造被告(東京在住、66歳)、日本支社ジェネラルマネージャーの鈴木ポール武蔵被告(東京在住、36歳)の3人を詐欺罪などで起訴した。
これを受けてMRI被害者弁護団(団長:山口広弁護士)は声明を出した。
「3名は、8つの郵便詐欺、9つの通信詐欺で起訴され、フジナガはこのほか3つのマネーロンダリングの罪でも起訴されています。またこの起訴は3被告全員について、これらの犯罪から得られた果実(利益=筆者補記)に対する没収も求めています。(略)(米国司法省、連邦捜査局には=筆者補記)今後もフジナガ・鈴木らの刑事責任実現に向けてさらなる活動をされることを切望します」
だが、この声明は被害者弁護団の勝利宣言にはほど遠い内容だった。
2013年4月26日、MRIの巨額詐欺事件が発覚、5月に被害者弁護団が結成された。弁護団は当初から被害の最大限の回復とフジナガ被告らの刑事訴追の実現を目指して日米をまたいで活動を続けてきた。
今回の米司法省による起訴は被害金額の没収を求めるもので、刑事訴追はなし。没収した資産は米国庫に入り、被害者には戻ってこないということだ。刑事訴追なしだから刑務所暮らしは免れる。これでは弁護団が詐欺集団に勝ったことにはならない。声明文からは弁護団の苦渋が浮かび上がってくる。
巨額の投資詐欺事件なのに、立件されたのは郵便詐欺や通信詐欺など限定的で、あまりに軽すぎるとの印象は拭えない。
フジナガ被告の初公判が7月9日、ラスベガス地方裁判所で開かれた。保釈が認められたフジナガ被告は公判後、地裁の裏口から姿を現したが何も語らず、近くに止めてあった自動車に乗り込む姿をテレビが映し出していた。被告に同行した弁護士が報道陣に「被告には何も言わないように言ってある。起訴内容などはすべて否認している」と語った。
「保釈金は求められず、代わりに司法当局に居場所を定期的に報告し、9月に予定されている次回の裁判に必ず出廷する宣誓書を提出した」と日本経済新聞では報じられた。フジナガ被告は、白昼堂々と活動できるわけだ。
MRI事件は日本人だけがカモにされた投資詐欺事件である。
■8700人から1300億円を巻き上げたMRI
MRIは1998年7月、米ネバタ州ラスベガスで設立された。米国の医療機関が保険会社に医療報酬を請求する権利(診療報酬請求債権)を買い取って回収する「ファクタリング事業」で、資金を運用している元本確保型(元本保証ではない)だから、年利6.0〜8.5%の配当が可能だと宣伝していた。
運用資金のほとんどを日本で集めており、8700人の顧客から1300億円の資金を受け入れていると公表していた。
13年4月、日本国内の顧客から預かった資産1300億円を運用せず、関東財務局に虚偽の事業報告書を提出していた疑いがあると報道され事件化した。
事件の主役は社長のフジナガ被告と、日本支社長の順造被告の2人だ。フジナガ被告は、祖父の代に九州地方からハワイに移住した日系3世の米国人。ハワイの銀行などに勤めた後、98年に同僚だった米国人男性と共同でMRIを設立。共同経営者の死後、社長に就任した。
順造被告もハワイ出身。ハワイで旅行会社を経営しており、フジナガ被告とはハワイで知り合ったとされている。MRIが98年に設立すると同時に、順造被告は東京・麹町に東京事務所を開設した。
順造被告と息子の武蔵被告が日本支社を舞台に巨額の出資金集めに奔走した。出資者から集めたカネで鈴木ファミリーは超高層マンションを複数購入しているが、フジナガ被告の豪遊ぶりは半端ではない。事件発覚後、日本のマスコミは大挙して米国に押しかけフジナガ被告の蓄財ぶりを暴いた。
7月9日付ウォール・ストリート・ジャーナル日本版は、こう報じた。
「米証券取引委員会(SEC)は『派手な生活を送るために詐欺を働いた』と断言していた。(略)フジナガ社長の自宅はラスベガス郊外の高級住宅地にあり、ゲートで閉じられた広大な敷地には警備員が常駐。関連会社名義の豪邸もハワイなどに複数あり、売却したロサンゼルス郊外のビバリーヒルズの邸宅は、映画俳優のジャッキー・チェンさんが前所有者だったという」
「SECはMRIの資産凍結などを求めた申立書で、フジナガ社長は投資家の出資金を無断で関連会社に移した他、高級車の購入やクレジットカードの支払いなどに流用したと指摘。離婚した妻の生活費や子の養育費にも月2万5000ドル(約300万円)を使っていたと言及した」
フジナガ被告は、集めたカネを私生活で湯水のごとく使っていたことになる。
■史上最大の投資詐欺事件の主犯は禁固150年
浜の真砂は尽きるとも世に投資詐欺のタネは尽きまじ――史上最大の投資詐欺事件の主役はバーナード・ローレンス・マドフだ。証券会社会長及びナスダック会長が起こした詐欺事件である。
マドフは高利回りをうたい、投資家から集めた資金を金融市場などで運用せず、既存の顧客への配当に回し、自転車操業で巨額の損失を隠していた。サブプライム住宅ローン危機で株価が下落したのを受けて、複数の投資家から払い戻しを求められたが、マドフは払い戻すための資金をつくれず、不正が明らかになった。
08年12月11日、マドフは詐欺罪で米連邦捜査局(FBI)に逮捕された。被害に遭ったのはプロサッカーやプロ野球チームのオーナー、映画監督のスティーブン・スピルバーグなどの超有名人たちだった。日本では野村證券などの金融機関が被害に遭った。被害総額は5兆円とも6兆円ともいわれている。
09年6月29日、マドフは詐欺、マネーロンダリング(資金洗浄)などの罪で150年の禁固刑を言い渡され、ノースカロライナ州の刑務所で服役中だ。
前述のとおり、郵便詐欺、通信詐欺、マネーロンダリング(資金洗浄)などの罪で起訴されたMRIのフジナガ被告は刑事訴追されず、いわば野放し状態だ。詐欺師たちの口車に乗ってまんまと大金を巻き上げられた被害者たちの歯ぎしりが聞こえてきそうだ。
(文=編集部)
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