1. 2015年9月03日 11:52:39
: OO6Zlan35k
日銀のETF買い入れ [2014/10/31]日本銀行は2014年10月31日の金融政策決定会合で、株価連動型上場投資信託(ETF)を年3兆円買い入れる事としました。 これは、今まで実施してきた内容の3倍の資金流入となります。 (それ以前の内容:日本銀行は2%の「物価安定の目標」を目的として「ETF、J-REITの買入れの拡大: 資産価格のプレミアムに働きかける観点から、ETFの保有残高が、それぞれ年間約1兆円に相当するペースで増加するよう買入れを行う。」としています。) REIT(リート)の買い入れについては日銀のREIT買い入れをごらんください。 日銀のETF買い入れは住友信託銀行が実務を行っています。(以下、管理会社) 管理会社から注文を受けた証券会社は、ETFを構成する銘柄を流通市場から購入し、管理会社に持ちこみ新たなETFと交換します。 購入の際に株式市場に大量の資金で買いがはいり、その結果株価全体を押し上げるといった流れになります。 本日のTOPIX 計算式: 前日比(%)=(現在値(前場終値)-前日終値)÷前日終値×100本日のTOPIX 時間 前日比 現在値 前日終値 2015-09-03 11:30 +1.81 1492.55 1465.99 ★前場の終値の時点で前日比が+1.81%で-0.14%以下になっていないため、日銀ETFの買い入れ条件には達していません。(2015年※あくまで推測です) TOPIX前日比とETF買い入れ実績の相関関係 日銀発表のETFの買い入れ実績とTOPIX前日比(前日終値と当日前場終値の比較)との相関関係を整理してみました。 調査期間は2010年10月〜現在 までの期間となり、 ※当日分のデータについてはTOPIX前日比が12:00頃、ETF買い入れ額については夕方の日銀発表後に反映されるため、一時的に未反映の時間帯がございますがご了承願います。 テーブル内容の全表示 ETF買い入れに対して条件(※-1%からマイナスに変更)が合致したか 日付 ETF買い入れ額 条件合致日 TOPIX前日比※1 2015-09-01(火) 337億円 ○ -2.45 2015-08-31(月) 337億円 △ -0.78 2015-08-24(月) 337億円 ○ -3.86 2015-08-21(金) 337億円 ○ -2.46 2015-08-20(木) 337億円 △ -0.94 2015-08-19(水) 337億円 △ -0.41 2015-08-18(火) 0億円 × -0.02 2015-08-13(木) 337億円 △ -0.37 2015-08-12(水) 337億円 △ -0.99 2015-08-11(火) 0億円 × -0.13 ・・・表のデータを省略して表示中
※1TOPIX前日比は前日終値と当日前場の終値の比較です。 ※2 ○が-1%以下のルールに合致した日、△がマイナスになった場合に合致した日です。×はマイナスでも買い入れが無い、もしくはプラスで買い入れがされた日です。 最近(2014年1月)はTOPIX前日比-1%という条件が成立しなくなってきているため、2013年以降のTOPIXの前日比全体の流れとETF買い入れが発動された日の相関関係を見てみます。 縦軸がTOPIX前日比、赤色が日銀によりETFの買い入れが発生した日です。 このグラフを見ると黒田総裁に変わってから-1%→-0.5%にまず条件が緩和され、9月頃から-0.5%から基本0%以下で発動、そして2015年にはいってまた少し条件が変更になり-0.14%で発動(あくまで推測)といった流れのように想像できます。 2013年1月以降のTOPIX前日比に対するETF買い入れ状況
ETF買い入れ残高(推定) 以下の仮定をたてて、ETFの買い入れ残高の概算を推測してみました。
・ETFは日経平均連動型のETFを購入したとする。(実際の買い入れ対象は「指数連動型上場投資信託(ETF)であって、東証株価指数(TOPIX)または日経平均株価(日経225)に連動するもの。」とあるのでTOPIX連動型のETFも購入されています。 ) ・購入時の価格は購入日14:00の225先物の価格とする。(※時間は購入日午後のただの決めです。) ・保有額は現在の円建てCME値と比較して算出する。保有額=(現在のCME値/購入価格)×購入額 ・年間買い入れ額は約1兆円とする。(日銀政策決定会合の議事要旨では「ETFおよびJ−REITについて、保有残高が、それぞれ年間約1兆円、年間約300 億円に相当する ペースで増加するよう買入れを行うこと」と記載されています。) ・年間のまとめは年度(4月〜3月)ではなく1月〜12月で算出 市場名 限月 価格(円) 変化 更新時間(日本時間) CME円建て 18255.00 55.00(0.30%) 2015-09-03 11:28 ※残: 3兆円 − 年間の保有額の合計 2015年 ETF買い入れ残高(推定) ※残: 1兆円 − 年間の保有額の合計 2014年 ETF買い入れ残高(推定) 年別月毎のETF買い入れ額および保有額(推定) 月 2010年買入額 保有額 2011年買入額 保有額 2012年買入額 保有額 2013年買入額 保有額 2014年買入額 保有額 2015年買入額 保有額 1 0 0 438 776 188 410 227 390 1,104 1,290 3,443 3,640 2 0 0 141 241 0 0 238 388 989 1,237 1,322 1,377 3 0 0 1,179 2,235 262 469 574 854 949 1,190 2,464 2,344 4 0 0 552 1,055 855 1,642 1,266 1,782 696 878 2,907 2,693 5 0 0 388 733 2,382 4,940 752 956 476 614 2,170 2,010 6 0 0 201 384 789 1,712 1,574 2,211 390 468 4,431 3,969 7 0 0 221 406 204 438 744 952 720 859 2,592 2,337 8 0 0 1,732 3,435 702 1,476 1,664 2,206 1,236 1,472 3,020 2,766 9 0 0 1,561 3,307 510 1,050 1,056 1,329 438 493 337 338 10 0 0 742 1,586 314 667 917 1,180 1,323 1,582 0 0 11 0 0 492 1,053 191 394 485 622 2,280 2,425 0 0 12 284 504 356 767 0 0 1,456 1,709 2,244 2,336 0 0 残 - 9,496 - - - - - - - - - 8,526 ※単位は億円 年別のETF買い入れ額および保有額の総計(推定) 年度 買い入れ額 保有額 評価額 損益 2010年 284 504 220 2011年 8,003 15,978 7,975 2012年 6,397 13,198 6,801 2013年 10,953 14,579 3,626 2014年 12,845 14,844 1,999 2015年 22,686 21,474 -1,212 総額 61,168 80,577 +19,409 ※単位は億円 損益分岐点(買い入れ額=保有額となる価格)は 13,870円
ETF買い入れ時に株価が上昇する確率 よくニュースで「日銀のETF買い期待で・・・」といったフレーズをよくききますが、日銀がETF買い入れを行った日に225が実際値上がりしているかどうかは興味のあるところです。 そこで225ミニの価格を元に11:30の価格を開始価格、15:15の価格を終了時の価格として、その日の225ミニの価格が上下のどちらに推移したか調べてみました。
テーブル内容の全表示 年月 上昇した確率 (%) 上昇日 下降日 上昇時値幅 平均:最小:最大 下降時値幅 平均:最小:最大 2015/09 0 0 1 0: 0: 0 -330: -330: -330 2015/08 33 4 8 100: 40: 160 -141: -50: -380 2015/07 50 5 5 125: 10: 265 -101: -15: -410 2015/06 54 7 6 66: 25: 135 -113: -5: -245 2015/05 75 6 2 94: 45: 160 -103: -90: -115 まとめ 日銀がETFを購入した日に株価が上昇する確率は 46.97 %です。。。
ETF買い入れ時の日経225先物(mini)の動き 日銀がETF買い入れを行った日の直近の4日分の日経225先物(mini)のチャートを載せておきます。 太いローソク足が前日までの日足、細いローソク足が当日の60分足です。 2015-09-01(火) 2015-08-31(月) 2015-08-24(月) 2015-08-21(金) ETF買い入れ実績確認先 日銀ETFの買い入れ実績は日銀 買入結果で確認できます。 ※2014年4月からURLが変更になりました。
日銀のHP 統計→ 日本銀行関連統計 金融市場調節関連 オペレーション→ 日時公表分 公表データ→ 指数連動型投資信託受益権(ETF)および不動産投資信託投資口(J-REIT)の買入結果 ETF買い入れの推移 ETF買い入れ条件[2015/8/14] ETFの買い入れ条件について最近はTOPIX前日比がマイナスでは発動していないのでは?というご指摘が何名かの方からございました。 最近のデータを確認してみると、7/3,8/11 -0.13%→発動せず 7/24 -0.14%→発動となっているデータがでているため、ここらへんあたりが分岐点になっているようにも推測できます。 TOPIX前日比と関連性の無いETF買い入れの実施[2014/12/8-12/10] 12/14日に実施される衆院選まではかなり強引にETFを買ってくるとは思いましたが、さすがに前日比プラスでのETF買い入れは予想外でした。 当日朝に発表された2014年7-9月期のGDP改定値が、実質ベースで前期比の0.5%減、年率換算で1.9%減となり、速報値から下方修正されたのがかなりのインパクトだったようですね。 選挙まではかなり無理やりやりそうですが、無条件に買い入れをする理由がない限り、あくまで今回は特別ではないかと個人的に思っています。 念のため、新規に日銀の買い入れ対象となったJPX日経インデックス400での判定に変更されていないかをチェックしましたがこちらも前日終値と前場終値の比較はプラスになっており、関連性は今のところなさそうです。 12/10は、逆にマイナスにも係わらずETFの買い入れは行われませんでした。今後も注意が必要です。 「量的・質的金融緩和」の拡大[2014/11/5] ETFおよびJ−REITについて、保有残高が、それぞれ年間約3兆円(3倍増)、年間約900億円(3倍増)に相当するペースで増加するよう買入れを行う。新たにJPX日経400に連動するETFを買入れの対象に加える。 引用元:日銀 2%の「物価安定の目標」 発表後の一回目の買い入れ額(2014/11/5)が380億円と約3倍になっており、今までの傾向から同月内の買取り額は変化しない(月頭の打合せあたりで決めているような印象)ため、11月は380億円で買い入れが実施される事になるでしょう。また、黒田総裁の発言から考えて消費税増税までは TOPIX前日比はマイナスになれば発動といったところでしょうか。
ETF関連ニュースの注意点[2014/10/5] 2014/8/4〜2014/8/8の5日連続で日銀のETF買い入れが実施されました。主要なニュースメディアでも取り上げられていましたが、ニュースタイトルが少し気になったため整理しておきます。 ・ロイター 「日銀がETFを4日連続買い入れ、計576億円 過去最長に並ぶ」←事実 ・WSJ 「日銀、ETF買い入れペースを加速」←事実だがミスリード あくまで管理人の推測でしかありませんが、単に相場が5日連続(※ニュース発表時は4日)で悪くTOPIX前日比がマイナスをつけただけであり、日銀のETF買い入れの条件は8月時点では変更はなかった事はその後のETF買い入れ実績からも明白です。 WSJのニュースタイトルだけを見て早合点をして、ポジティブなイメージを持たず、内容をよく確認したほうがよいですね。 日銀 1%ルールの緩和か?[2013/4/15] 日銀黒田新総裁の元、TOPIX前日比が-1%に満たないにも関わらずETF買い入れが実施されました。それ以降、日銀内部での条件が緩和され-1%に満たない場合でも買い入れが継続されて実施されてます。 年間の買い入れ枠は1兆円で変化はありませんが、全体的に一回あたりの金額が抑えられ、その分こまめに実施されている傾向がでています。 日銀の1%ルール[2011/6/19] 「日銀の1%ルール」――。日銀が昨年12月15日に指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れという異例の政策を始めてからほぼ半年、株式市場でこんな言葉が聞かれるようになった。東証株価指数(TOPIX)の前場終値が前日比1%超下がると、午後にETF購入による株価下支えが実施されるというのだ。 2011/06/19の日本経済新聞 より ページ更新日:2015/09/03 http://tradememo.biz/pub/etf
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