3. 2015年9月03日 20:39:26
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「講座:ビジネスに役立つ世界経済」 2015年09月03日(木) 安達 誠司 米国の出口政策は成功するか?利上げに前向きなFRBと、追加緩和を促す「長期停滞論」のせめぎ合いジャクソンホール会議のオープニングレセプションに到着したスタンレー・フィッシャー氏(左)?〔PHOTO〕gettyimages 「年後半にインフレ率がしかるべき水準まで上昇する」 今週も世界の株式市場は大荒れである。もちろん、中国経済の先行き不安もあろうが、今週の株価調整のきっかけは、8月29日に開催されたカンザスシティ連銀主催のシンポジウム(ジャクソンホール会議)に出席したスタンレー・フィッシャーFRB副議長の、9月利上げの可能性に含みをもたせた発言であった。 フィッシャー副議長は、マクロ経済学の標準的な教科書を執筆するほどのアメリカ経済学会の大物であり、現在のFRBの金融政策にも多大な影響を与えている可能性が高い。 そのフィッシャー副議長が、中国経済の動向を注視する必要があるとしながらも、年後半にはインフレ率が上昇すると信じるに足る理由があり、インフレ率が上昇する可能性が高い状況下では、実際のインフレ率が目標値に到達する前に利上げを実施しても米国経済には大きな影響はない、という内容の発言を行った。 世界的な株式市場の混乱から、9月利上げを予想する市場関係者の割合は急低下していたため、この発言は市場に大きなサプライズをもたらした。 この「年後半にインフレ率がしかるべき水準まで上昇する」という見通しは、FRBだけではなく、イングランド銀行や日本銀行も共有している。そして、その理由が、原油価格の落ち着きや需給ギャップのマイナス幅の縮小である点も共通項である。 ただ、なぜ原油価格が落ち着くと予想されるのか等の判断基準がいまひとつ明確ではなく、正直いって、この楽観的な見通しに至った背景が、筆者にはどうしても理解できない(筆者個人の力不足もあるだろうが)。 IMFの会議で「長期停滞仮説」を提唱したサマーズ元財務長官(奥)。手前はバーナンキ前FRB議長?〔PHOTO〕gettyimages
厳密な議論が可能になった「長期停滞仮説」 ところで、このほかに、このタイミングでの利上げの是非の判断を難しくしているのが、ここ数年来、米国で論争となっている「長期停滞仮説(Secular Stagnation Hypothesis)」の存在である。 ここでいう「長期停滞仮説」とは、ローレンス・サマーズ元財務長官が2013年11月にIMFの会議で提唱したものに端を発している。 サマーズ氏は、1)2008年のリーマンショック以降、金融危機をきっかけに始まったデ・レバレッジ(負債削減)が投資減をもたらしたこと、2)担保価値の毀損によって外部資金調達が従来に比べて困難になったことから、企業が予備的なキャッシュポジションを積み上げ、貯蓄超となった点を指摘した。 そして、その帰結として、先進国経済の潜在成長率が低下したと主張する。また同時に、米国において、人口増加率の低下に伴う労働投入の減少、所得格差の拡大なども発生しており、これらも潜在成長率の低下に影響している可能性が高いと指摘している。 そして、このような潜在成長率の低下が、自然利子率(完全雇用で資源が効率的に配分されている状況下で成立する実質金利)をマイナスの水準にまで低下させたため、QE政策によって実質金利が低下しても投資拡大の効果は決して大きくなく、それが、景気回復(経済の正常化)を遅らせている、と結論づけている。 この「長期停滞仮説」に対しては、ベン・バーナンキ(前FRB議長)をはじめ、ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン(プリンストン大学教授)や「テイラールール」で知られるジョン・テイラー(スタンフォード大学教授)らが反論を提示し、大きな論争となった。 彼らは言わずと知れた米国経済学会の超大物であるが、論戦は、もっぱら個人のブログや新聞紙面で展開されるなど、ジャーナリスティックな側面が強く、厳密な経済モデルを用いた議論がなされてこなかったため、いまいちかみ合わない部分が多かった。 だが、最近になって、ブラウン大学のガウチ・エガートソン氏らが、この「長期停滞論」の理論モデルを提示した(「A Model of Secular Stagnation(NBER Working Paper Series No.20574)」)。これによって厳密な議論が初めて可能になったと思われる。 だが、日本でこの論文が紹介される機会はほとんどなく、依然としてジャーナリスティックであいまいな議論に終始している感が強い。そこで、その概要を極めて簡単にではあるが、以下に紹介したいと思う。 潜在成長率が長期的に低下する現象 エガートソン氏らがこの論文で提示した経済モデルは、「Overlapping Generation Model(重複世代モデル、OLG)」と言われるもので、若年層、中高年層、老年層の3世代で経済が構成されている。 そして、若年層はネット借入超過(例えば、教育や住宅投資など)で、そのファイナンスを中高年層の貯蓄で賄う(すなわち、中高年層はネット貯蓄超過)と仮定されている。なお、老年層は貯蓄を取り崩して消費を行い、貯蓄投資バランスはニュートラルと仮定されている。 このモデルでは、中高年層の貯蓄額(もしくは貯蓄率)は、人口構成等で先決されるとの仮定がおかれている。そして、貯蓄(資金供給)が先決される中で、何らかの外部ショック(例えば、リーマンショック等の金融危機によるデ・レバレッジ、もしくは若年層の人口減)によって若年層の投資が減少した場合、投資需要の減少によって貯蓄と投資のバランスが崩れるため、それを均衡させるために自然利子率が低下することになる。そして、当然、投資減によって経済成長率も低下する。 ところが、話はこれにとどまらない。そのまま時間が経過し、世代が変わり、若年層は中高年層となった状況を考えると、前期に投資を減らした若年層はその利払い負担は低いため、中高年層になってからのネットの貯蓄が増加する(前述のように貯蓄額は前期に決まる)。一方、若年層人口の減少トレンドが持続する場合、投資需要も減少するので、経済全体の貯蓄超過は改善されず、自然利子率はやはり低下する。 ここでいう自然利子率とは、経済全体にとっての投資のリターンを意味する。実際の実質利子率とインフレ率は金融政策を含む需要面との関係で決まる。ここで、自然利子率が実質金利より低ければ、投資のリターンが調達金利を下回ることになるため、さらに投資は減少し、その結果、経済成長率(潜在成長率)も低下していくことになる。 以上より、エガートソン氏らが提唱した経済モデルでは、人口成長率(特に若年層)が鈍化する中、金融危機などの外的ショックによって、投資減・外部資金調達減が発生した場合、潜在成長率が長期的に低下する現象が起こりうることが理論的に明らかにされた。 長期停滞の克服に有効なポリシーミックス この論文で興味深いのは、金融政策に対するインプリケーションである。具体的にいえば、この論文では、「長期停滞」から抜け出すためには、より高いインフレ目標を設定した上でこの目標にコミットすること、すなわち、より強い景気刺激策をとることが正しい経済政策であるとされる。 一方、逆に、「ゼロ金利制約」に拘束される状況下で、金融政策が現状維持(すなわち、ゼロ金利政策の維持)である場合、経済がデフレ状態で続くか、それとも、通常のインフレ状態に戻るかは「神のみぞ知る」という点である(つまり、これは、理論的な経済の「均衡点」として、デフレ均衡とインフレ均衡の2つが存在することを意味する)。 これを現実の金融政策論に適用すれば、中央銀行がゼロ金利政策を維持する中で事前にコミットする「フォワード・ガイダンス」は、「長期停滞」には有効ではないということになる(エガートソンらもこの点に言及している)。 以上より、もし、「長期停滞論」が現実の米国経済で妥当するとすれば、FRBのとるべき金融政策は、1)インフレ目標を現行の2%から3〜4%程度にまで引き上げた後に、2)追加緩和(QE4)を実施する、ということになる。 また、この論文では、中央銀行の財政ファイナンス(国債買いオペ増額)を伴う財政支出拡大が、長期停滞を克服するのに有効なポリシーミックスであると結論づけている。言うまでもなく、現状の米国当局はこの論文の政策提言を全く取り入れていない。 もっとも、現状の米国経済が、この「長期停滞」に妥当するかどうか自体が論争の的であることから、この論文の結論をもって現行のFRBの金融政策が失敗すると結論づけることはできない。 〔PHOTO〕gettyimages 今後実施される「利上げ」で論争に決着がつく ちなみに、サマーズ氏が提唱した「長期停滞論」は、元々は、1938年に、当時、全米経済学会会長であったアルヴィン・ハンセン氏が全米経済学会のスピーチで提唱したものである。サマーズ氏は、これを現代によみがえらせたに過ぎない。
ハンセン氏は、大恐慌後の世界において米国経済が直面した長期的な景気低迷の原因を、人口増加率が鈍化する局面での投資減・貯蓄余剰と金融危機による資金需要の低下に求めた。1938年という年は、前年の1937年にFRBが出口政策に失敗し、量的緩和を復活させた年である。 FRBは1936年から1937年にかけて、十分景気は回復し、量的緩和によって膨張したマネーを放置しておけば、資産バブル等の大きな副作用が生じかねないとして、出口政策を断簡的に実施した。ただ、その出口政策は失敗し、1937年には大恐慌期に次ぐ深刻なデフレとなった。米国は、1938年以降、このエガートソン論文が提示したポリシーミックス(量的緩和による財政ファイナンスと財政支出拡大)によって、景気を回復軌道に乗せた。 現在の米国経済は、大恐慌期直後ほどの悪化幅ではないが、ほぼ同種の経済停滞に直面してきた。だが、前述のフィッシャー副議長の認識は、「長期停滞モデル」の提示した政策提案と相反するものである。 本当に9月に実施されるか否かは不透明だが、今後実施される利上げは、長期停滞に関する論争に決着をつけることになりそうだ。 著者: 浜田宏一、安達誠司 『世界が日本経済をうらやむ日』 (幻冬舎、税込み1,620円) なぜ株価はこれほど上がったのか? 景気回復は本当に続くのか? ノーベル経済学賞に最も近いといわれる、イェール大学名誉教授が語る「経済の真実」とは!
amazonはこちらをご覧ください。 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/45062 http://www.nber.org/papers/w20574.pdf http://www.princeton.edu/jrc/conferences/fourth-annual-conference/Eggertsson_slides_Princeton.pdf 123 A model of secular stagnation Gauti B. Eggertsson and Neil Mehrotra Brown University Japan’s two-decade-long malaise and the Great Recession have renewed interest in the secular stagnation hypothesis, but until recently this theory has not been explicitly formalised. This chapter explains the core logic of a new model that does just that. In the model, an increase in inequality, a slowdown in population growth, and a tightening of borrowing limits all reduce the equilibrium real interest rate. Unlike in other recent models, a period of deleveraging puts even more downward pressure on the real interest rate so that it becomes permanently negative. During the closing phase of the Great Depression in 1938, the President of the American Economic Association, Alvin Hansen, delivered a disturbing message in his Presidential Address to the Association (Hansen 1939). He suggested that the Great Depression might be the start of a new era of ongoing unemployment and economic stagnation without any natural force pushing the economy towards full employment. This idea was termed the ‘secular stagnation’ hypothesis. One of the main driving forces of secular stagnation, according to Hansen, was a decline in the birth rate and an oversupply of savings that was suppressing aggregate demand. Hansen’s fears of secular stagnation turned out to be unwarranted. World War II led to a massive increase in government spending, ending any concern of insufficient demand. And the subsequent baby boom drastically changed the population dynamics in the US, erasing the problem of excess savings driven by an ageing population. Secular Stagnation: Facts, Causes, and Cures 124 The return of the secular stagnation hypothesis Recently, Hansen’s secular stagnation hypothesis has gained renewed attention. One obvious motivation is the Japanese malaise that has by now lasted two decades and shares many of the same symptoms as the Great Depression in the US ? namely, decreasing population growth, a nominal interest rate stuck at zero, and subpar GDP growth. Another reason for renewed interest is that, even if the financial panic of 2008 was contained, growth remains weak in the US and employment growth remains sluggish. Most prominently, Lawrence Summers raised the prospect that the crisis of 2008 may have ushered in the beginning of secular stagnation in the US in much the same way as suggested by Alvin Hansen in 1938. In the words of Summers, we may have found ourselves in a situation in which the natural rate of interest ? the short-term real interest rate consistent with full employment ? is permanently negative (Summers (2013). Lack of a formal model Despite the prominence of Summers’ discussion of the secular stagnation hypothesis and the flurry of commentary that followed it, there has not been an attempt to formally model this idea ? to write down an explicit model in which unemployment is high for an indefinite amount of time due to a permanent drop in the natural rate of interest. Our recent work (Eggertsson and Mehrotra 2014, on which this chapter is based) seeks to fill this gap. It may seem somewhat surprising that the idea of secular stagnation has not already been studied in detail in the recent literature on the liquidity trap, which concerns itself with policy options once the central bank cannot lower the nominal interest rate beyond zero. This literature already invites the possibility that the zero bound on the nominal interest rate is binding for some period of time due to a drop in the natural rate of interest. However, secular stagnation does not emerge naturally from the current vintage of models in use in the literature. Most analyses of zero lower bound episodes take A model of secular stagnation 125 place within models with a representative agent (e.g. Krugman 1998, Eggertsson and Woodford 2003). In these models, the long-run real interest rate is directly determined by the discount factor of the representative agent, which is fixed. The natural rate of interest can then only temporarily deviate from this fixed state of affairs due to preference shocks or some similar alternatives. And changing the discount rate permanently (or assuming a permanent preference shock) is of no help either, since this leads the intertemporal budget constraint of the representative household to ‘blow up’ and the maximisation problem of the household to no longer be well defined. Moreover, even in models with some heterogeneity in borrowing and lending, it remains the case in most of those settings that a representative saver’s discount factor pins down a positive steady-state interest rate. But, as our paper shows, moving away from a representative savers framework to one in which households transition from borrowing to saving over their lifecycle will have a major effect on the steady-state interest rate and can open up the possibility of secular stagnation. The logic of a secular stagnation model In our work, we consider a simple overlapping generation (OLG) model (in the spirit of Samuelson 1958) where households go through three stages of life: young, middle aged and old. Income is largely concentrated within the middle generation. This gives rise to demand for borrowing by the young, and gives the middle aged an incentive to save part of their endowment for old age by lending it to the young. We assume that borrowing by the young is constrained by an exogenous debt limit. In this environment, we show that the steady-state real interest rate is no longer determined solely by households’ discount factor. Instead, it depends on the relative supply of savings and demand for loans, and the equilibrium real interest rate may easily be permanently negative. Forces that work in this direction include a slowdown in population growth, which increases the relative supply of savings, along with a tighter debt limit, which directly reduces demand for loans. An increase in income inequality, either across or within generations, may also generate a negative real interest rate. Interestingly enough, all three factors ? an Secular Stagnation: Facts, Causes, and Cures 126 increase in inequality, a slowdown in population growth, and a tightening of borrowing limits ? have been at work in several economies that have experienced low interest rates and subpar growth in recent years. We also show that a fall in the relative price of investment works in the same direction. Permanent deleveraging when there is no representative saver One interesting result emerges when we consider a debt deleveraging shock of the kind common in the literature (e.g. Eggertsson and Krugman 2012 for a theoretical analysis). In that work, a deleveraging shock leads to a temporary reduction in the real interest rate as debtors pay down their debt. If prices are fully flexible, then this reduction in the real interest rate leads savers to increase their spending, fully compensating for the lower spending by borrowers. (This effect is complicated when prices are not fully flexible by a zero lower bound in nominal rates). Once the deleveraging process is complete (debt is back to a new debt limit), the economy returns to a steady state with a positive interest rate. In our model of secular stagnation, however, no such return to normal occurs. Instead, a period of deleveraging puts even more downward pressure on the real interest rate so that it becomes permanently negative. The key here is that households shift from borrowing to saving over their lifecycle. If a borrower takes on less debt today (due to the deleveraging shock), then tomorrow he has greater savings capacity since he has less debt to repay. This implies that deleveraging ? rather than facilitating the transition to a new steady state with a positive interest rate ? will instead reduce the real rate even further by increasing the supply of savings in the future. Thinking about prices Consider now how inflation behaves when the zero bound on the nominal rate is taken into account. A key result that emerges is that, under flexible prices, the zero bound on the nominal interest rate implies the existence of a lower bound on steady state A model of secular stagnation 127 inflation, which can be no lower than the negative of the natural rate of interest. Thus, for example, if the natural rate of interest is -4%, then there is no equilibrium that is consistent with inflation below 4% in steady state. The secular stagnation hypothesis implies that long-run price stability is impossible when prices are flexible. We show that this has profound implications for an economy with realistic pricing frictions. If a central bank can force inflation below this ‘natural’ lower bound, it does so at the expense of generating a permanent recession. To formalise a permanent recession explicitly, we assume in our model that wages are downwardly rigid (this particular theory of downward nominal rigidity is not central to our result, and other alternatives are very well possible). In this economy, we show that if the central bank is unwilling to tolerate high enough inflation, output falls permanently below the full-employment level. In line with the literature that emphasises deleveraging shocks that have short-term effects, we find that, in this economy, a long slump is one in which usual economic rules are stood on their head. The old Keynesian paradox of thrift is in full force, as well as the more recent ‘paradox of toil’ (Eggertsson 2010), where an increase in potential output decreases actual output, as well as the proposition that increasing wage flexibility only worsens the shortfall in output (Eggertsson and Krugman 2012). Monetary and fiscal policy Secular stagnation leaves important roles for both monetary and fiscal policy. We find that a high enough inflation target can ? if credible ? always do away with the slump altogether as it accommodates a negative natural interest rate. Importantly, however, an inflation target that is below what is required has no effect in this context. This result formalises what Krugman (2014) has referred to as the ‘timidity trap’ ? an inflation target that is too low will have no effect in an economy experiencing secular stagnation. We show this trap explicitly in the context of our model, which only arises if the shock is permanent. Similarly, we illustrate that, in a secular stagnation environment, there are Secular Stagnation: Facts, Causes, and Cures 128 strong limitations of forward guidance with nominal interest rates. Forward guidance relies on manipulating expectations after the zero lower bound shock has subsided; as the shock in our model is permanent, manipulating these types of expectations is of more limited value. Moving to fiscal policy, we show that either an increase in government spending or a redistribution of income from savers to borrowers can eliminate the output gap, although this latter result depends on the details of the distribution of income. Takeaway The main takeaway from our analysis is not a prediction that the world as we see it today will remain mired in a recession forever. Instead, the purpose is to establish conditions under which a permanent recession can take hold, or more to the point, provide a formalisation of the secular stagnation hypothesis. An important conclusion from our analysis is not just that a permanent recession is possible, but instead that a liquidity trap can be of arbitrary duration and last as long as the particular shocks that give rise to it (such as a deleveraging shock and/or a rise in inequality and/or population growth slowdown). This is particularly relevant when considering the Great Depression in the US (where the short-term interest rate started to drop in 1929, only to finally start rising again in 1947) or current-day Japan (where interest rates started falling in 1994 and remain at zero). It highlights that a passive attitude towards a recession of the kind experienced by the world today is not appropriate. Our model of secular stagnation instead provides, in our view, a strong case for aggressive policy interventions that are aimed at increasing aggregate demand. References Eggertsson, G B (2010), “The Paradox of Toil”, Staff Report, Federal Reserve Bank of New York. Eggertsson, G B and M Woodford (2003), “The Zero Bound on Interest Rates and Optimal Monetary Policy”, Brookings Papers on Economic Activity 34(1): 139?234. A model of secular stagnation 129 Eggertsson, G B and P Krugman (2012), “Debt, Deleveraging, and the Liquidity: A Fisher-Minsky-Koo Approach”, The Quarterly Journal of Economics 127(3): 1469? 1513. Hansen, A (1939), “Economic Progress and Declining Population Growth”, American Economic Review 29(1): 1?15. Krugman, P R (2013), “Secular Stagnation, Coalmines, Bubbles, and Larry Summers”, The New York Times blog, 16 November. Krugman, P R (2014), “The Timidity Trap”, The New York Times, 20 March. Samuelson, P A (1958), “An Exact Consumption-Loan Model of Interest With or Without the Social Contrivance of Money”, Journal of Political Economy 66(6): 467? 482. Summers, Lawrence (2013), “Why Stagnation Might Prove to be the New Normal”, Financial Times, 15 December. http://pratclif.com/2015/secular-stagnation_files/vox-gauti.pdf
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