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まるで「デロリアン」!?下水汚泥から水素燃料を精製へ 福岡市と九大が実証実験
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150830-00000501-biz_san-nb
SankeiBiz 2015/9/1 10:00
「究極のエコカー」とされる燃料電池自動車(FCV)をトヨタ自動車が発売するなど、水素エネルギーの普及に向けた動きが加速している。福岡市と九州大は、水素を下水汚泥から精製してFCVに供給するという世界的にも珍しい実証実験に取り組んでいる。現在、水素はLNG(液化天然ガス)を改質する製法が一般的だが、処理場に毎日集まる汚泥を原料にできれば、化石燃料に頼らず、輸送に伴う二酸化炭素(CO2)排出も少ない「地産地消型」のエネルギーサイクルが現実味を帯びてくる。映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の公開から30年。同作に登場する「デロリアン」のように廃棄物をクルマの燃料に使う日が近付いてきた。
■手間いらず、豊富な原料
博多港に面した工業地帯に建ち、1日約20万トンの汚水を処理する福岡市中部水処理センター(中央区)が実証実験の舞台。国土交通省が助成する「水素リーダー都市プロジェクト」として昨年4月にスタートした。約13億円かけて水素製造プラントを建設し、製造した水素を市有のFCVなどに供給する取り組みだ。
同センターに集まる下水汚泥を発酵させると、可燃性のメタンなどを含む「バイオガス」が毎日約1万2000立方メートル発生する。そのうち8割はガス発電などに回して場内設備の運転に利用し、残り2400立方メートルを使って水素を製造している。
製造過程では、バイオガスを分離膜に通してメタンとCO2に分け、そのメタンと水蒸気を反応させる「水蒸気改質」により、純度99.99%以上の水素を毎日3700立方メートル生産している。これはFCV65台を満タンにできる量で、まさに「下水は宝の山」(津野孝弘・福岡市下水道計画課長)というわけだ。
一連の工程はLNGを改質する手法と同じだが、下水汚泥の活用には優位な点が多い。まず、処理センターに日々集まる汚泥を利用するため、原料をプラントまで運んでくる手間がかからない。コストだけでなく、製造に伴うCO2排出量も少なく抑えられる。また、下水処理場は全国各地にあるため、エネルギーの地産地消につなげられる。
「理想的な水素社会の第一歩は下水処理場から始まる」というのが、実験に携わる九州大水素エネルギー国際研究センターの田島正喜客員教授の持論だ。
■需給のギャップを乗り越えろ
下水汚泥の活用は、高い潜在力を秘めている。
国交省によると、全国に2100カ所余りある処理場のうち、汚泥の発酵設備があるのは約300カ所。年間3億1000万立方メートルのバイオガスを発電などに回しているが、8500万立方メートルは未利用だ。これを活用するだけで、年間1億3000万立方メートルの水素を製造でき、FCVを260万回満タンにできる。
さらには、下水汚泥の5倍の量に相当する家畜屎尿(しにょう)、一般廃棄物から水素を製造するサイクルも検討されている。実現すれば、エネルギー資源に乏しい日本にとっての意義は計り知れない。
こうした夢のエネルギーサイクルを目指す上でカギとなるのが、水素ニーズの拡大だ。福岡市は今後、水素の供給先を一般にも広げていく計画だが、現時点で市内を走るFCVは20台足らず。「技術的には順調だが、需要と供給のギャップが課題」(津野氏)となっている。
田島氏は「FCVなどを普及させて水素エネルギー社会を作る上で、今後10年ほどは苦しいスタートダッシュの時期が続くだろう」と見通す。「最初の『谷』を乗り越えるために、官民挙げて知恵を出し合わなくては」と訴える。(山沢義徳)
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