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8月30日、現在の中国の状況と最も類似性が際立ち、最も価値ある教訓となるのは、株式市場と不動産市場の崩壊を伴った1990年代の日本のバブル崩壊だ。上海の証券会社で26日撮影(2015年 ロイター/Aly Song)
焦点:中国株ショック、日本のバブル崩壊との相違点
http://jp.reuters.com/article/2015/08/31/global-markets-china-parallels-idJPKCN0R00JC20150831
2015年 08月 31日 15:48 JST
[シンガポール 30日 ロイター] - 中国株の急落に端を発した世界的な市場の混乱を受け、一部では、現下の状況を2008年の世界金融危機や1997年のアジア通貨危機になぞらえる向きがある。しかし、そうした比較はやや説得力に欠ける。
現在の中国の状況と最も類似性が際立ち、最も価値ある教訓となるのは、株式市場と不動産市場の崩壊を伴った1990年代の日本のバブル崩壊だ。
中国株は、今年6月半ばに急落するまでは約1年間で150%上昇していた。株式市場は信用取引に後押しされ、相次ぐ軟調な経済指標を無視する形で過熱していた。
その点では、信用バブルが崩壊した2008年の金融危機との表層的な類似性はある。
しかし今回の市場混乱には、リーマン・ブラザーズを破綻させるという米当局の衝撃的な決断のような直接的な引き金は存在しない。
独DZバンクのストラテジスト、クリスチャン・レンク氏は先に「株式市場の極端な動きを見れば、リーマンショックの日々とほぼ同じだ。ただ当時は、はっきりと定義できるような現実の出来事が引き金だった」と指摘。そのうえで「足元にあるのは中国に関する進行中の懸念であり、引き金はなかった」と語った。
中国市場の混乱は、アジア通貨危機の構造とも全く異なるものだ。
日興アセット マネジメント(ニューヨーク)の主席グローバル・ストラテジスト、ジョン・ベイル氏は「巨大な貿易赤字によって進んだ1997年と1998年のアジア危機との類似性はほとんどない」と指摘。「現在われわれが目にしているのはむしろ、世界的なセンチメントの急速な変化だ」と述べた。
一方で、現在の中国と1990年代の日本には、際立った類似性がある。
当時の日本と同様、中国政府は過熱した不動産市場と株式市場を冷まそうとしている。
両方ともに経済は大型投資と巨額の貿易黒字、割高な通貨を原動力とし、金融セクターの自由化を進めていたのも同じだ。現在の世界経済に占める中国の割合は約12%であり、1990年の日本とほぼ等しい。
<日本の過ちを避ける>
実質国内総生産(GDP)の伸び率はバブル崩壊直前の日本が平均5%であり、中国の過去10年間は同10%だ。
双方ともに信用が急速に拡大し、当局による過熱抑制策が市場崩壊の一因となった。
政策対応はともに逐次投入であり、中国は新規株式公開(IPO)の方針や市場流動性対策、シャドーバンク規制をめぐって右往左往した。
中国当局が恐れているのは、その後の日本を襲ったデフレとスタグネーションのわなに陥ることだ。
中国規制当局と接点を持つ日本人関係者の1人は、「彼らは日本の成功にはまったく興味がない。最大の関心事は日本の失敗だ」とし、「日中経済には多くの類似点があり、われわれの経験から学ぶことは非常に多いと思う」と今年3月に語っていた。
ただ、当時の日本と現在の中国には、いくつかの憂慮すべき違いもある。現在は世界経済の成長が弱く、中国がその4割を担っている。また中国は、多くの多国籍企業の成長も担っている。
世界最大の一次産品消費国である中国の経済減速は、燃料資源や金属の価格を下落させ、世界中にデフレ圧力を加えることになる。
日本のバブル崩壊時には世界経済は堅調であり、国際的な影響は限定的だった。
英オックスフォード・エコノミクスの主任エコノミスト、アダム・スレーター氏は「90年代の日本のバブル崩壊は多くが自国内に跳ね返っただけで、アジアへの波及効果は一部にすぎなかった」と指摘。一方で「中国減速の影響は、世界全体での向こう1─2年の非常に低調な成長となって現れるだろう」と語った。
一方、一部の重要な違いと日本の経験からの教訓は、中国当局のみならず、世界の投資家も安心させるはずだ。
中国の株式市場は、当時の日本と比べると対GDP比での規模が大幅に小さい(40%対140%)。そのため株価急落が経済全体に与える影響も小さいとみられる。また、中国は都市化率が55%にすぎず、1人当たりGDPでは今も中所得国であるため、景気を支援するためのインフラ支出の余地も大きく残されている。
日本は行動が遅く、金融緩和が小さ過ぎかつ遅過ぎで、資本市場が国際的な流れに翻弄された。一方、自国の資本勘定を厳しく管理する中国は、積極的に事前策を講じてきた。
株式市場や不動産市場での度重なる介入や規制変更は、常に効果的とは限らず、時には逆効果を招くこともある。しかし、中国政府が大事をよそに安逸をむさぼることはまずない。
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