2. 2015年8月31日 17:24:12
: OO6Zlan35k
小笠原誠治 日本の財政基盤は盤石だというChikirin 2015/08/28 (金) 11:55 「日本の財政基盤が盤石な理由」というタイトルをみて、またまた根拠のないことをいう輩がいるものだと思いました。誰がそんな記事を書いているのかと言えば、Chkirinとかいうネットでは有名な人なのです。 こういう記事を書く目的はなんなのでしょうね。釣り? いずれにしても、何を根拠にそのようなことを言っているのかと記事を読んでみると、全く支離滅裂。 この人、財政赤字を減らすのに2つの方法があると言います。 一つは、輪転機を回してお札を刷る方法です。但し、この人、輪転機で刷ったお札で国債を償還すればいいとはいいません。そうではなく、そのようなことをすれば通常は酷いインフレが発生し、そうなると借金の負担が軽くなるので、借金が実質的に減ると言いたいようなのです。 どうして、刷ったお札で借金を返せばいいと言わないのでしょうね。 いずれにしても、この人によれば、その方法は現実的ではないのだ、と。何故ならばどれだけ日銀が国債を市場から買い入れても2%のインフレさえ起すことできないからだ、と。 この人、本当に真面目に記事を書いているのでしょうか? そもそも、そうやって国の借金を減らすことを考えなければいけないこと自体が、財政が危ういということを物語っているではありませんか。 もう一つ、この人は財政赤字を解消する方法を提唱します。それは、徴税の強化だと。 徴税の強化とは増税のことです。いいでしょうか? 財政基盤が本当の盤石なら、どうして増税などする必要があるでしょうか。つまり、そうやって徴税を強化する必要があるということ自体が、これまた財政が危ういということ物語っているのです。 もうこれ以上この記事を読む必要はないのかもしれません。しかし...折角ですから、もう少しこの人の言い分を聞いてみることにします。 こんなことを言っています。 「税収を増やすための徴税強化が、日本は他国と比べて圧倒的にやりやすいんです」 でも、幾らそんなことを言われても、実際には、増税に対する反発が強いので、日本の例えば消費税の税率は他国と比べて低いものに留まっているのです。 因みに、この人、日本で徴税強化が何故やりやすいかといえば、日本は、他国に比べて治安が良く、平和で、民主的で、衛生状態や教育環境などもよく、さらに食べ物もおいしい...つまり日本が大変魅力的な国であるから、幾ら増税が行われても日本から抜け出したいと思う者など殆どいないからと言います。 確かに、仮に所得税などが大増税されたとしても、それほど多くの人が国外に脱出してしまう可能性は他国に比べたら小さいかもしれません。 しかし、問題は、その大増税をどうやって実施することができるかなのです。幾ら日本から脱出することを考えるお金持ちが少ないとしても、そもそもその増税を実施することができなければ、財政赤字を減らすことなどできません。 いざとなったら法人税を倍にする手段もあると言います。 本当に冗談も休み休み言って欲しい。 いいでしょうか。政府が一番やってはいけない政策とは、このように所得税を一気に倍にしたり、或いは法人税を倍にしたりするなど制度を急変させることなのです。そのような急変がどれほど甚大な影響を実体経済に及ぼすか分かっているのでしょうか。仮に増税するのであれば、少しずつやることが大事なのです。 この人、最後には、消費税を25%にしたら基礎的財政収支が均衡するし、そして、そのような状況になっても、国外脱出する日本人は少ない筈だなんて言っています しかし、繰り返しになりますが、その消費税の増税がなかなかできないので、財政が危機的状況にあるのです。 なんか読んで損をしたような気分になりました。 やっぱり釣り? http://www.gci-klug.jp/ogasawara/2015/08/28/024380.phpChikirin2015年08月27日 00:00日本の財政基盤が盤石な理由
ギリシャなど他国で財政危機が発生するたび、対GDPの借金比率などを日本と比較し「日本もめちゃ危ない!」的なことを言う人がいます。 オオカミ少年みたいに、何年も前から繰り返し「このままでは日本国債は暴落する。円も無価値になる」と脅し続けてる人もたくさんいます。 まっ、そういうこと言ってる人の大半は、 「だから消費税を上げないとダメ」「だから福祉レベルを落とすのは仕方ない」 と言いたい官僚か、 「だから新興国の投信や通貨に投資しましょう」と勧めたい金融機関だったりするわけですが、 一般の人でも「日本の借金は過大すぎて危ないのでは?」と思ってる人はいますよね。 もちろん私も、規律も際限もなく財政赤字が拡大してもいいとは思わないし、グローバルな金融市場には悪意をもって特定の通貨や債券を狙ってくるファンドもあるので、国債の暴落がありえないとは言いません。 んが、 イザという時、日本ほど金融的にも財政的にも安心な国は他にないとも思っているので、今日はその理由について書いておきます。 まず、財政赤字を解消する方法としてベストなのは、経済成長して歳入が増えることですが、これが簡単にできればどの国も困りません。
なのでここでは「低成長時代に、多額の財政赤字を解消する方法は?」という前提で考えます。 よく言われるのは「輪転機を回してお札を刷る」という方法です。独自通貨を持たないギリシャには不可能ですが、日本など独自通貨を持つ国ならこの方法もあり得るように見えます。 が、これも現実的じゃないんだよね。 ここ数年、黒田日銀総裁は最大限のお金を市場に供給してるにも拘わらず、インフレターゲットの 2%さえ実現できてないんですよ。 こんな状態の国で、財政赤字をチャラにするほどの高率なインフレなんて、どーやって起こすの??って感じです。 でもいいんです。財政赤字を解決するにはもうひとつ、とても有力な方法があり、日本はそれが簡単にできる国だから。 その方法? 徴税強化です。 財政赤字は、「税収を上げる」か「支出を減らす」ことで改善します。 支出側は、バラマキ大好きな公明党と、農村と高齢者の票に支えられた自民党が政権をとっている限り減らせません。 でも、 税収を増やすための徴税強化が、日本は他国と比べて圧倒的にやりやすいんです。 なぜだって? だって日本は、世界でもっとも住みやすい国のひとつだからです。 アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、日本、と言ってもいいし、ニューヨーク、ロンドン、パリ、ベルリンやフランクフルト、東京、と言ってもいいのですが、これらの国&都市は、他の国に比べて突出して住みやすいです。 理由は下記 ↓ ・民主主義かつ法治国家で、 ・戦争状態になく ・治安がよく ・衛生状態が良くて空気も水もキレイな上、 ・教育や医療などの社会インフラのレベルが世界最高レベルで、 ・食や文化の幅広さと奥深さが圧倒的 刺激的でありながら安定が享受でき、多様でありながら秩序だっている。便利でありながら、ものすごく尖ったモノにもアクセスできる・・・ これらの国&都市は、住みやすさという点で他国の都市とは比べものにならないくらい高い水準にあります。 特にこれらの国で生まれ育った“ネイティブ国民”にとっては、他国に住むのと自分の国に住むのは、決定的に快適さが違います。 また大都市は、お金がある人にとってはパラダイスと言えるほど住みやすいため、富裕層ほど東京の住みやすさ、楽しさ、奥深さ、快適さ、を理解しています。 だから彼らは、少々税金が高くなっても日本を出て行こうとはしません。 日本の大金持ちで、「資産だけ税金の安い他国に移したい」と思っている人はたくさんいますが、「人生の大半を外国で暮らしてでも、払う税金を安くしたい」と思っている人は、非常に少ないんです。 ところが、たとえばギリシャのお金持ちの中には、アテネに住むよりパリに住む方が楽しい、南仏の別荘で暮らしてもなんの問題もない、ニューヨークの方が快適だ、と本気で考えている人がたくさんいます。 だから徴税強化をすると、富裕層の資産がすぐに逃げ出してしまいます。 海外にネットワークを張り巡らせている大金持ちの華僑も同じです。めちゃな税制改正があったら、すぐに拠点を動かしてしまう。 ところが、資産をテクニカルに海外に移すことはできても、「金持ちが実質的な意味で他国に逃げ出す」みたいなことは、日本では起こりません。 しかも「テクニカルな資産の海外移転」は、法律を変えることで大幅に抑止できます。実際、最近はその動きがとても顕著です。 だからホントに税金を払いたくないなら、ホントに日本を出て行くしかなくなる。 でも、日本の金持ちでそんな覚悟のある人はほぼいない。 「死ぬ前の 10年間だけ海外に在住してたら相続税がゼロになります」と言われても、死ぬ間際の 10年間、自分の国である日本以外の国で過ごしたいお金持ちなんていないんです。 そのもうひとつの理由が、日本人は「他国に移るための障壁が極めて高い」ってことです。 ニューヨークやロンドンで生まれ育った人は、英語ができるので他国に住むことが日本人に比べて圧倒的に容易です。 フランス人やドイツ人は、英米人に比べれば動きにくいけど、それでも最近はユーロ圏内のモノ、人、お金の移動は非常に容易くなってます。 また、欧米のエリート&富裕層は(母国語がなんであれ)非常に高い確率で英語も堪能です。 これに比べ、日本人の場合は、 ・日本語は他国では通じない。富裕層の英語力も決して高くない。 ・社会慣行も商取引慣行も、食事も文化もまったく他国と異なる ため、めちゃくちゃ他国に逃げにくい。 これは企業も個人も同じです。 経団連は「法人税が高いと国際競争力が弱まる」と言いますが、イザ、日本が財政破綻するかもという段になって、政府が法人税を 60%に上げたら、これらの企業はすぐさま本社を海外に移せるでしょうか? P&G と花王では、本社を他国に移せる機動力や決断力は、全く異なっています。トヨタ自動車だって、相当のことが無い限り、中京圏から本社を移すことはできないでしょう。 てか、トヨタ自動車なんて「名古屋より東京の方が法人税が安い」みたいになっても三河から動きそうにない。 だからいざという時(=日本が本気でデフォルトを心配する必要がでてきた時)には、政府には法人税を一気に倍にする、みたいな選択肢があるんです。 もちろん企業の場合、テクニカルな節税方法は今でもたくさんあるし、税率が上がればそういった動きは一層加速します。 でもそれらは、個人が「日本に住みながら、相続税がゼロの国に土地を買う」のと同様、テクニカルな節税方法ばかりです。 さきほども書きましたが、テクニカルな節税は法律改正があれば一気に難しくなります。 結局は、日本国内に本社や研究所を構え、そこでたくさんの人を雇っている限り、政府は企業からいくらでも税金を徴収することが可能なんです。 だからといって、テクニカルな節税が難しくなった時、「だったらホントに本社を海外に移します」と言える日本企業って、どれだけあるんだろう? さらに日本は、もっとも回避しにくい消費税の上げ余地が大きい。 企業や富裕層と比べても、国を逃げ出しにくいのが普通の人です。英語もできず、専属の国際税理士もいない。外国なんて住んだこともないという人にとっては、どんだけ所得税や消費税が上がっても・・・海外に引っ越したりできないでしょ? もし消費税がヨーロッパ並の 25%になったとしましょう。今の 8%の 3倍ですから、消費税収は 17兆円から 51兆円へと 34兆円ほど増加します。 年間の借金は 37兆円だから、これだけで財政の基礎収支はほぼトントンにできる。他税を合わせれば「日本はいざとなればいつでも、財政収支をバランスさせられる」んです。 ※参考サイト 平成27年度一般会計の概要 みなさん、消費税が 25% になったら日本を出て行きます? どこの国に行く? 家はどーすんの? 仕事は? もちろんそんなことしたら最初は消費も落ち込みます。 でもね、実際にヨーロッパではみんなそういう消費税率の国で生活してるわけで、25%って決してあり得ない税率でもないんです。 国債暴落の危機とかに直面したら、当然やるべき増税のひとつに過ぎません。 消費税 25%じゃ暮らしていけないって? 大丈夫。国連が発表する国民の幸福度ランキングで常に上位に入ってる北欧諸国の消費税は、軒並みそのレベルなんだから。 てか消費税 8%の日本の幸福度は世界で 46位、消費税 25%のデンマークは幸福度 3位です。(2015年調査) 消費税を上げたほうが、幸せな生活が待ってるかもよ? もうちょっと現実的なところでは、固定資産税が倍になったら自分はどうするだろうと考えてみてね。 分譲マンションに住んでる人、持ち家の一戸建てに住んでる人、そうなったら家を売りますか? 売って、賃貸住宅に住み替える? アパート経営してる人、そのアパート売ります? ローンの残高が、売却代金より多かったりしない? 私の予想では、大半の人は黙って粛々と倍になった固定資産税を払い続けると思います。だから固定資産税の収入を倍にするのも日本では全く難しくない。 自国内での分譲マンションから賃貸アパートへの引っ越しさえしたくない人に、海外移住なんて無理でしょ。 このように、日本という国は世界の他の国とは大きく異なる特徴をもっており、それが、日本が止めどなく借金を増やせる(ようにみえる)理由です。 だから借金の大きさ(対経済規模比)の国際比較なんてしても、意味はありません。 比べるべきは「徴税強化の容易さ」です。だってそれこそが、日本と他国の決定的な違いなんだから。 必要になれば、消費税も所得税も法人税も固定資産税も相続税も、いくらでも上げられる。 万が一の時、日本ほど財政的に踏ん張りのきく国は他にはなく、日本の財政破綻なんて、まったくもって非現実的な話なのです。 ほんまかいな? f:id:Chikirin:20150810175729j:image:medium そんじゃーね! タグ: 日本経済 支持する(35) コメント(85) この記事を筆者のサイトで読む FacebookでBLOGOSをフォロー Chikirin フォローする 社会派ブロガー 急成長する読書市場 富岡製糸場に学ぶ世界に通用する企業の作り方 言論の自由は今でも命がけ 「権力に対抗しうるメディア」実現の条件 最初に働く場所の選び方 記事一覧へ あわせて読みたい
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