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トヨタ自動車本社(「Wikipedia」より/Chris 73)
日本の自動車メーカーに忍び寄る危機 国内&中国の販売激減ショック収まらず
http://biz-journal.jp/2015/08/post_11330.html
2015.08.30 文=編集部 Business Journal
トヨタ自動車の2015年上半期(1〜6月)の世界販売台数(ダイハツ工業、日野自動車を含む)は、前年同期比1.5%減の502万2000台だった。独フォルクスワーゲン(VW)の上半期の世界販売台数は0.5%減の504万台。トヨタはわずかにVWを下回り、上半期では4年ぶりに首位から陥落した。VWは上半期で初の世界首位となった。米ゼネラル・モーターズ(GM)は1.2%減の486万台にとどまった。ビッグ3ともマイナス成長となった。
トヨタは年間で首位を奪還することができるのだろうか。
■国内販売低迷
15年上半期のトヨタの海外販売台数は1.2%増の389万台。上半期としては過去最高となった。北米市場がガソリン価格の下落に伴い好調で、5.5%増の133万台を記録。新型「カローラ」などの販売が堅調な中国も10.1%増の51万台に達した。一方、国内販売は昨年春の消費増税の影響が長引き9.7%減の112万台と低迷。足を引っ張った。
国内メーカーの上半期国内販売台数は、12.1%減の243万8447台と大きく落ち込んだ。昨年の消費増税前の駆け込みの反動に加え、今年4月から軽自動車税が増税となり、軽自動車の販売が鈍化。マツダと富士重工業以外は販売台数が減った。
【2015年上半期 上位8社の国内販売台数】
※以下、順位、メーカー名、国内販売台数(前年同期比)
1.トヨタ自動車、76万3875台(▲8.7%)
2.ホンダ、39万4427台(▲17.9%)
3.スズキ、34万0941台(▲15.6%)
4.ダイハツ工業、33万1927台(▲13.4%)
5.日産自動車、32万6880台(▲15.6%)
6.マツダ、13万9109台(14.5%)
7.富士重工業、8万7846台(0.3%)
8.三菱自動車、5万3442台(▲27.0%)
14年(暦年)の世界販売台数はトヨタが1023万台で世界一の座を守った。2位のVWが1014万台、3位のGMが992万台と続いた。トヨタ、VWとも1000万台の大台を超えたのは初めてだった。
トヨタは今年1月、15年の世界販売台数を前年比1%減の1015万台と予想した。しかし上半期は1.5%減の502万台強。上半期の実績を2倍しただけだと、年間の目標の達成はかなり厳しい。カギを握るのは落ち込んだ国内販売をどうやってテコ入れするかだ。今秋にもハイブリッドの目玉車種である新型プリウスを発売して国内販売を建て直す。
VWは14年の世界販売台数では2位だったが、14年度(14年4月〜15年3月)の台数ではトヨタを抜いた。上半期を制覇したことでVWが15年もトップに立つとの見方がある。VWは世界最大の自動車メーカーの座に一歩近づいたといえる。
■中国市場に暗雲
一方で、VWが下半期もトップを守り続けることができるか、疑問視する声も挙がっている。ドル箱としてきた中国市場に暗雲が漂い始めたからだ。月次の世界販売では4月以降、前年実績を割り込んでいる。VWの首脳は15年の世界販売台数を「前年水準(1014万台)を維持する」と、これまでの見通しを下方修正した。期初は「穏やかな成長(微増)」を見込んでいた。中国市場については「市場の転換点にあり、競争はより厳しくなっている」と予測した。
【2015年上半期 中国上位5社の中国販売台数】
※以下、順位、メーカー名(合弁先)、販売台数(前年同期比)
1.上海大衆(上海汽車とVW)、93万8800台(▲0.2%)
2.一汽大衆(第一汽車とVW)、80万4000台(▲11.3%)
3.上海通用(上海汽車とGM)、78万9100台(▲3.2%)
4.北京現代(北京汽車と韓国・現代自動車)、51万0300台(▲7.7%)
5.東風日産(東風汽車と日産自動車)、47万4500台(0%)
(北京商報調べ)
VWの中国合弁会社、上海大衆と一汽大衆の今年上半期の中国販売台数は、前年比3.9%減の174万台強だった。前年割れは10年振りの事態だ。今年の販売目標は上海大衆が200万台、一汽大衆が185万台の合計385万台。上半期の落ち込みを見れば目標の達成は極めて難しい。
上海株式市場で株価の乱高下が続くなか、中国経済は減速感を強めている。中国市場全体の新車販売は上半期で1.4%増と急ブレーキがかかった。中国汽車工業協会は今年の中国の自動車販売の伸び率を年初の7%増から3%増に下方修正した。
VWを世界販売台数トップに押し上げる原動力となった中国市場が失速してきた。中国市場の急ブレーキは、中国市場に頼ってきたVWには大きな痛手だ。下半期にトヨタは日本市場で回復できるのか。対するVWは中国市場での落ち込みを、いかにして食い止めるかにかかっている。いずれにせよ、マイナス幅を小さくしたほうが勝つ。
(文=編集部)
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