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7月の経済指標について
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52740670.html
2015年08月28日 在野のアナリスト
昨日発表されたGPIFの4-6月期の運用実績は衝撃でした。約2.65兆円の黒字、という以上に国内株式の運用比率が、3月末の22.00%から23.32%にしか上昇していなかったからです。債券比率の低下からみても、ざっくり2000億円も増えていない。日経平均は19207円から20236円に上昇しているため、年金は売り方だった計算になります。しかし場中、年金の買いは観測されており、それとは逆に、こっそり売っていたのか? この説明がつかず、真相は藪の中です。
7月労働力調査が発表され、正規29万人、非正規17万人増であり、完全失業率も3.3など良好な数字とされます。しかし年齢、男女別の就業者をみると、前年同月比15〜64歳の男性が27万人減、女性が8万人増、65歳以上の男性が23万人増、女性が20万人増。相変わらず、女性と高齢者の就業率が上昇しているだけ、という問題があります。15〜64歳の人口動態が、男女計100万人も減少しているので、一見すると就業率が改善したように見えますが、これは少子高齢化の結果として、労働人口が減少する中で高齢者に頼った労働が増えている、極めて問題のある状態です。高齢者とていつまでも働けるわけではない。このままでは将来、強烈な労働力不足に陥るのでしょう。
7月家計調査は、勤労者世帯の実収入が実質で5.4%も伸びるなど、これは以前から指摘されていた通り、6月の一時金が7月に後ズレした影響でしょう。一方で消費支出が実質で0.2%減。つまり7月も消費が増えなかったことが示されました。一時金の影響で、教養娯楽が16ヶ月ぶりに高い伸びを示しますが、それでもマイナスを補えなかった。住居費の落ち込みが顕著ですが、それと同時に教育費も減っている。これは子供にかけるお金を減らす、という将来の不安となります。
7月の小売販売額は前年同月比1.6%増ですが、季節調整済みだと1.2%増。これと家計調査を重ねると、伸びた分の多くがインバウンド消費とみられ、事態はより深刻です。増える高齢労働者も、生活苦でそうなっているなら、日本の消費はほとんど期待できない。今後も低下傾向をつづけるのでしょう。最近、気になるのが日米ですすむ、在庫の積み上がりです。前向きな投資というより、日米とも消費減退の影響と、過剰供給の問題が解消されず、いずれ大きな調整を迫られることが確実です。中国の株価動向を織りこむのはこれからですから、よりインパクトが大きくなりそうでもあり、8月も消費減退となるなら在庫と消費の関係は、深刻さを増すのでしょう。
株価は3日間、大きく切り返しました。しかし半値戻しまで残り数百円のところですが、この辺りで頭打ちとなりそうです。何より、米国では株価急落前の経済指標で株価がもどっていますが、これは屁理屈の類であって、米経済が堅調かどうかは、8月の数字を確かめないといけません。今は買い方のポジション整理が追いつかず、必死で上げ、そこで整理をしたいといった思惑から、下げ過ぎを囃して切り替えしてきたのすぎません。世界同時株安の影響を今後、どの程度おりこむのか? その精査がはじまります。ここからは市場も気迷い状況がつづくのでしょう。
最近、見かけの経済指標と、実体、中身とが大きく乖離するケースが増えています。急速に縮む労働人口、日本はいずれこの数字を、景気に織りこまざるを得なくなります。効率化で何とかなる水準を超え、高齢者に頼る日本。労働人口の減少は、GDPの減少という問題となって襲ってきます。消費は長期的にみても期待薄、日本に成長期待が醸成されない背景を解決できない安倍ノミクスでは、日本の将来はより暗くなっていくばかりなのでしょうね。
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