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中国がくしゃみをすると、世界が鳥インフルエンザに倒れる?〔AFPBB News〕
一貫性のない中国の政策に振り回される世界 為替政策を見れば分かる、中国当局者の困惑ぶり
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44651
2015.8.28 Financial Times JBpress
かつては、米国がくしゃみをすると、諸外国が風邪を引くものだった。それが今、経済のインフルエンザを蔓延させることにかけては、米国には正真正銘のライバルがいる。最近では、どうやら、中国がくしゃみをすると、世界が鳥インフルエンザで倒れるようだ。
中国が今、世界の経済生産の16%を占め、購買力平価(PPP)ベースで米国と並んだことを考えると、これは何ら意外ではない。
エコノミストたちは長年、中国政府に市場志向の改革を採用するよう求めてきたが、恥ずべき秘密は、中国がまさに正反対のことをして世界経済を背負ってきた、ということだ。
そして中国経済が大きく揺れ、中国の政策立案者が市場が若干の影響力を振るうのを容認している今、世界の投資家は恐怖におののきながら事態を見つめている。
■世界経済を背負ってきた中国の代償
2008年に世界が事実上の封鎖状態に陥った時、物事を動かし続けたのは、中国の国家介入――本当に巨大な規模の昔ながらの景気刺激策――だった。
石油、鉄鉱石、銅に対する中国の需要が、南米からアフリカまで、さまざまな資源生産国に活況をもたらした。中国の消費需要の急増のおかげで、米国の自動車メーカーや台湾の半導体メーカーが破綻を免れた。
だが、中国経済には、支払わねばならない代償があった。システム全体の債務総額は2009年以降膨れ上がり、国内総生産(GDP)比130%から約280%に跳ね上がった。中国は投資水準をGDP比50%近くに増やし、まるで必要のない住宅、オフィス、製鉄所を建設した。
中国政府は輸出に頼る代わりに、人民元がドルに対して上昇するのを容認した。最大のライバルである日本が紙幣の印刷機を回し始めた時でさえ、中国はぐっと堪えた。日本政府が2013年に経済を再生、再浮揚させるアベノミクスに乗り出してから、人民元は円に対して40%近く上昇している。
ところが今、中国政府は不器用かつおぼつかない様子で政策を調整している。
政府は中国経済が永遠に10%の成長を続けることができないことを受け入れた。
固定資本投資を削減し、世界のコモディティー(商品)価格を急落させ、ブラジルからオーストラリアまで多くの経済国にダメージを与えた。
もっと最近では、株式市場を制御しようとする不毛な試みの後に、市場の力に屈した。その結果は恐ろしいほどの急落だった。
万が一、それでは面白味に欠ける場合に備えて、中国人民銀行はよりによって今月、市場がより大きな決定力を持つ為替レートに移行することにした。中銀はこれで竜巻を解き放った。
「ツケを払う時だ」。香港に本拠を置く証券会社CLSAの最高経営責任者(CEO)、ジョナサン・スローン氏は、2009年の6000億ドル規模の景気刺激策の繰延コストに言及して、こう語る。
■矛盾するメッセージ
中国から発せられるパニックの予感は、矛盾するメッセージによって増幅されている。中国政府がいったい何をしようとしているのか、世界にはまるで見当もつかない。
為替レートを取ってみるといい。中央銀行の実務官僚はほぼ間違いなく、競争的な通貨切り上げを目指したわけではない。むしろ、人民元が国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)に採用される確率を高めるために、より柔軟な為替レートに移行することを望んでいた。
なぜ通貨切り下げが本当の狙いではなかったということが分かるのか。なぜなら、中国はそれ以来、1日に100億ドルもの資金を通貨下支えにつぎ込んでいるからだ。
これは、中国の政策立案者がどれほど混乱を来しているかを物語っている。
中央銀行が市場志向の為替相場制度を求めているということを市場に納得させるために、大変な規模で介入せざるを得なかったのだ。
これは、どれほど奇妙なことだろう?
これが、中国の経済政策全体の状況を示す縮図だ。政策立案者たちは、市場と国家管理の板挟みになっている。2013年の中国共産党第3回全体会議で示された経済のロードマップは、市場の「決定的な役割」と国家の「支配的な役割」の双方を掲げていた。これで、すべてがはっきりするか?
現実には、政策立案者たちはこの2つの間を危なっかしく行き来した。
■市場と国家の間を行き来
株式市場を下支えしたかと思えば、結局、ただ崩壊するに任せた。
信用を制限したかと思えば、再び水門を開くだけだった。国営企業の抜本改革を発表しては、結局、ほとんど何もしなかった。
中国当局の一貫性を欠く政策のために、世界は進む方向についてあやふやな気持ちを抱き、中国の政策立案者が果たして常々言われていたほど有能なのかどうか確信が持てなくなっている。
■中国はどこへ向かっているのか?
では、中国はどこに向かっているのだろうか。手がかりを探すために習近平国家主席に目を向ければ、我々は国家管理が勝利を収めると推論するかもしれない。
習主席はどう見ても、物事を成り行きに任せるような印象を与えない。彼にとっては、支配がすべてだ。自党の支配、メディアの支配、それに間違いなく、経済の支配だ。
いざとなれば、国家介入が、中国の指導者たちの目にはきっと実務官僚による市場原理との無謀な戯れに見えたに違いないものに勝るだろう。
もしそれが正しければ、中国政府は事態を安定させ、そこそこのレベルの成長を確実にするために何でもする。
短期的には、それは世界にとって良いことだ。だが、審判の日を先送りするだけなのかもしれない。
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