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中国発の経済不安、世界的連鎖止まらず 中国、自国利益優先で「捨て身」対策の懸念(Business Journal)
http://www.asyura2.com/15/hasan100/msg/176.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 8 月 28 日 00:29:10: igsppGRN/E9PQ
 

                      中国・人民大会堂(「Thinkstock」より)


中国発の経済不安、世界的連鎖止まらず 中国、自国利益優先で「捨て身」対策の懸念
http://biz-journal.jp/2015/08/post_11259.html
2015.08.28 文=真壁昭夫/信州大学経済学部教授 Business Journal


 8月11日、中国の中央銀行である人民銀行は人民元の基準値算出方法を変更し、市場実勢を反映しやすくすると決定した。この決定を受けて同日の基準値は前日から1.9%低い、1ドル=6.2298元に設定された。この決定は中国経済が、通貨切り下げが必要な状況に追い込まれているという懸念を高め、“質への逃避”が進んだ。

 人民銀行の関係者からは、今回の決定は輸出促進を目指したものではないとの見解が出ている。切り下げの理由は人民元の国際化を進めることにあるという。一方、市場は景気支援を目的にしていると考えているようだ。

 政府、中央銀行の考えがどうであれ、市場が中国経済への懸念を高め、アジア市場での通貨安競争を懸念し始めたことは無視できない。そのため、中国経済のリスクがこれまで以上に意識されやすくなっていることには注意が必要だ。

■景気減速に直面する中国

 一般的に、人民元切り下げの最大の理由は、景気支援にあると考えられる。その理由は、中国が経済成長を支えられる基盤を確保できていないからだ。

 中国の経済成長は輸出に支えられていたが、2008年のリーマンショック以降、世界的な景気後退を受けて輸出主導の成長は困難になった。そこで中国はインフラ投資などを積極的に進め、景気低迷を乗り切った。積極的に推進された投資は、成長率の低下とともに収益率の悪化に直面した。

 特に13年5月には米国での早期利上げ懸念が高まったこともあり、一挙に中国の信用問題に対する懸念が高まった。この結果、地方政府の財政は悪化、国有銀行の保有する不良債権は増加し、投資に依存した開発を進めることは難しくなっている。

 こうした動きを受けて足元では、中国の景気減速懸念が高まっている。7月の輸出は前年同期比で8.3%減少し、市場予想を下回った。6月以降の株価下落やディスインフレ(物価上昇率の減少)圧力を払しょくするためにも、景気への期待を高めることが重要だ。そのために中国は、人民元の切り下げに踏み切ったのだろう。

 今回の措置は、景気を支えるためにできることはなんでも実行するという政府の意思表明とも考えられる。国有企業のリストラや鉄鋼業界などの再編が不可避となっている状況下、雇用や所得環境への懸念は高まりやすい。そのため、中国は今後も利下げや財政支出などの景気刺激策を積極的に発動する可能性がある。

■市場の反応

 人民元の切り下げを受けて、8月11日のアジア時間では質への逃避が進んだ。通常、通貨安は輸出企業の採算改善期待を高め、それは景気にプラスに働くと期待される。しかし、今回の人民元切り下げは市場にマイナスの影響を与えた。投資家は、中国経済が中央銀行による人為的な通貨切り下げが必要な状況に追い込まれているという不安を急速に高めたのだろう。

 ここで、改めて中国当局の見解を確認しておく。人民銀行の関係者は、通貨切り下げの理由は輸出支援ではないと述べている。むしろ、その理由は人民元の国際化にあるようだ。具体的には、IMFのSDR(特別引き出し権:IMFが設定する国際的な準備資産)の構成通貨に人民元が採用されることを念頭に置いているのだろう。一方、市場はこの考えよりも、景気支援を重要視しているようだ。

 人民元の切り下げは、アジアの通貨安競争への懸念をも高めた。市場は中国の目的は輸出サポートにあるととらえ、各国が通貨安を望むのではないかと考えたようだ。それを表すかのように、インドネシアルピアなど国際収支が赤字であり、景況感が軟調な国の通貨が大きな売り圧力に直面した。この動きは、その後の欧州、米国時間における株価や資源国通貨の下落につながった。

 中国の決定を受けて、米国の利上げが遅れるのではないかという観測が高まった点も慎重に考えたほうがよい。世界経済を支えてきた米国の金融政策が変わろうとしている時期だけに、市場はリスクに対して敏感になっている。そのため、中国の経済指標の下振れや追加的な政策対応は、アジアだけでなく米国の金利や株価等の動きを不安定にさせやすくなっていると考えられる。

■今後の展望

 今後の金融市場を考える上で、ボラティリティ(資産価格の変動率)の動向には注意が必要だ。人民元の基準値が市場実勢をフォローしやすくなったことを受け、人民元は弱含みしやすい。その動きが中国の株価に影響を与え、海外市場にも波及するリスクは高まりやすい。輸出を拡大させ、景気を支えるためには理論上、通貨安は有利だ。そのため、中国政府にとって人民元の減価圧力を高めるインセンティブは働きやすい。

 経済面を考えると、中国の行動は世界経済を不安定にする側面があると考えられる。中国は「シルクロード経済圏構想(一帯一路)」を提唱し、アジアから欧州に至るまでの地域に連携を呼びかけている。この構想の本質は、外需の囲い込みと独り占めだ。また中国はアジア新興国のインフラ開発資金を提供するAIIB(アジアインフラ投資銀行)を創設し、海外市場での中国系企業の事業基盤を拡大しようとしている。

 リーマンショック後、米国が利下げや量的緩和策を実施したことに対して、新興国からは通貨安に拍車をかけ新興国への懸念をあおっているという批判が高まった。すでに中国は世界第2位の経済大国である。中国の内需拡大には中長期的な時間が必要だ。そのため、当面の成長は外需の取り込みに依存せざるを得ない。中国が自国の利害のみを考え、ドラスティックな行動をとる可能性がある。その分、通貨安競争の懸念も高まりやすい。

 引き続き、中国は金融市場を管理し、成長への期待を支え、景気のハードランディングを回避しようとするだろう。それはバブルに支えられた高成長後に不可欠な不良債権処理などの先延ばしにすぎない。それだけに、中国経済の動きはより世界経済にインパクトを与えやすくなっていると考えられる。

(文=真壁昭夫/信州大学経済学部教授)


 

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コメント
 
1. 2015年8月28日 01:21:19 : LY52bYZiZQ
Financial Crisis | 2015年 08月 28日 00:55 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス

米利上げは来年3月、市場混乱で9月から後ずれ=TD証券

http://s3.reutersmedia.net/resources/r/?m=02&d=20150827&t=2&i=1074987048&w=644&fh=&fw=&ll=&pl=&sq=&r=LYNXNPEB7Q0UO
 8月27日、TD証券は市場混乱を受けて、米利上げ時期予想を2016年3月に修正した。写真はFRBのイエレン議長。ワシントンで5月撮影(2015年 ロイター/Carlos Barria)

[ニューヨーク 27日 ロイター] - TD証券のアナリストは、最近の国際金融市場の混乱を受けて、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ時期予想を従来の9月から2016年3月に修正した。

同社はリサーチノートで、FRBが利上げ時期を決定するにあたり、株式市場の動向が直接的な要因とはならないものの、中国株の急落が9月の利上げ決定を困難にしたのは確かだと指摘した。

http://jp.reuters.com/article/2015/08/27/usa-fed-td-idJPKCN0QW22T20150827


2. 2015年8月28日 19:21:01 : OO6Zlan35k
中国の銀行、過去10年で最悪な年に 不良債権処理急ぐ 
By CHUIN-WEI YAP
2015 年 8 月 28 日 18:29 JST

 【北京】中国の大手銀行が、増加する不良債権の処理を急いでいる。国内景気の減速が顧客の融資返済の重荷になっており、今年は各行が13年前に上場を開始して以来最悪の年となりそうだ。

 大手銀行の1-6月期の増益ペースは1-3月期から大幅に鈍化し、中国経済の減速をめぐる懸念を高めている。今週は中国の株式市場で少なくとも1兆ドル(約120兆円)が吹き飛び、ダウ工業株30種平均が1年半ぶり安値をつけるなど、世界の市場が大きく揺れた。

 総資産で国内最大手の中国工商銀行が27日発表した1-6月期(上半期)の純利益は0.6%増の1490億2000万元(約2兆8200億円)で、前年同期の7%増をはるかに下回り、1-3月期の1.4%増の半分にも満たなかった。

 国内3位の中国農業銀行の純利益は0.3%増の1043億2000万元で、前年同期の13%増、1-3月期の1.3%増から減速した。交通銀行の純利益は1.5%増の373億2000万元で、前年同期の6%増から鈍化した。

 野村証券の銀行業アナリスト、ソフィー・ジャン氏は「不良債権の増加が減益の主因ととみられ、このために銀行の資本増強能力が損なわれている」と述べた。

 最新の経済指標を踏まえると、中国が今年7%前後の成長目標を達成するのは難しいと多くのエコノミストはみている。7%成長は過去25年間で最も緩いペースだ。

 中国の銀行の帳簿上では、不良債権は極めて低水準にとどまっている。工商銀行は6月末時点の不良債権比率を1.4%(3月末は1.29%)としている。交通銀行の不良債権比率は1.35%(同1.3%)、農業銀行は1.83%(同1.65%)だった。

 これらはグローバルな基準では低い水準だが、各行の資産内容を正確に反映しているとみなすアナリストは少ない。

 不良債権が膨らんでいることを示す指標もある。銀行が不良債権とみなしていないが返済が遅れている「要注意先債権」は増えている。アナリストらは、こうした債権の多くを不良債権とみている。

 工商銀行の6月末時点の要注意先債権は4204億元で、不良債権の3倍近くに上り、融資額全体の3.6%を占める。1年前の要注意先債権は2310億元で、融資額全体の2.1%だった。

[12削除理由]:管理人:無関係の長文多数

3. 2015年8月28日 19:48:01 : OO6Zlan35k
コラム:外貨準備取り崩しが招く中国発「量的引き締め」

James Saft

[27日 ロイター] - 中国当局は資金流出の加速に対応して外貨準備を取り崩し、世界中に「量的引き締め」とも呼ぶべき影響をもたらそうとしている。

他の国々が金融緩和を行わない限り、リスク資産、そして世界の経済成長にとっての金融環境は引き締まるだろう。

中国人民銀行は2003年からの10年間で外貨建て資産を約4兆ドル積み上げた。貿易によって流入したドルは米国債などの証券に投資され、人民元の上昇を抑える役割を果たしてきた。

しかし今、そのマネーの流れが逆転している。中国が人民元を切り下げ、半ば変動相場制に踏み出すという実験を行って以来、逆流は加速した。

中国は7月に外貨準備を前年同月比5000億ドル超も取り崩した。一方で様々な報道によると、人民銀行は8月11日の元切り下げ以来、1000億ないし2000億ドルを費やした可能性がある。

ドイツ銀行のストラテジスト、ジョージ・サラベロス氏は顧客向けノートで「人民銀行は外貨準備を売却し、世界の固定利付資産の保有を減らすことによって人民元を防衛している。この行動は量的緩和(QE)の巻き戻し、言い換えれば量的引き締めに相当する」と指摘した。

人民銀行が買って抱え込んでいた資産の規模は、米連邦準備理事会(FRB)のQEをすべて合わせた額より大きいことを銘記したい。

中国による外貨準備の蓄積は世界的な金融環境の過度な緩和に手を貸し、金融危機という形でそれが爆発した。この流れが反転すると、金融危機ほどの一時的衝撃はもたらさないにせよ、じわじわと影響が広がってくる可能性がある。

中国による米国債売りの影響は既に顕現化しているのかもしれない。25、26日の米国債入札は低調で、海外中央銀行を含むカテゴリーである「間接入札者」からの応札の弱さが目立った。

また、米国債は市場が緊張にさらされた場合特有の安全資産らしい動きを示していない。11日の人民元切り下げ後に株式市場は動揺したが、10年債利回りは現在2.7%前後と、切り下げ前に比べてむしろ4ベーシスポイント(bp)上昇している。

ジャナス・キャピタル・グループのビル・グロス氏はツイッターで、中国が米国の超長期債を売っているのではないか、と疑問を呈した。

中国からの資金流出には、いくつもの複雑な要素が絡み合っている。一部は直接的、あるいは間接的投資資金の流出で、一部は中国市民が保有する資金が、厳しさを増した国内の金融環境、または当局による資産差し押さえという脅威を避けて安全な逃避先を求める動きである。

<長期のデフレか>

中国は3兆6000億ドルに及ぶ外貨準備を抱えているため、資金流出に余裕を持って対処できるのは間違いないが、さりとて無期限に続けられるものではない。

ソシエテ・ジェネラルのエコノミスト、ウェイ・ヤオ氏は顧客向けリポートで「中国人民銀行の武器庫が非常に大きいことには疑いの余地がないが、無限ではない。通貨安定への戦いを長く続け過ぎるのは良案ではない」と記した。

中国発の量的引き締めという考え方に基づけば、過去数週間の市場の乱高下はかなり説明がつく。リスク資産は打ちのめされ、債券も逆流に遭った。安全資産としての、また引き締めは成長を押し下げるという理由での米国債の需要はある程度存在しそうだが、外貨準備による売りという現実と、それが今後も続くかもしれないとの恐怖によってそれは減殺されている。

一連の状況から簡単に抜け出す道は無いかもしれない。中国経済が速やかに針路を転じて資金流入を呼び込むことはなさそうだし、単純に大幅な通貨切り下げを容認する可能性も低い。現実には、中国が資本を引き付け、世界の金融環境を刺激し続けてきた10年余が終わり、中国と諸外国は長期間にわたって道を引き返すことになるのかもしれない。

それはバブルが弾けるというよりは、長くゆっくりとしたデフレに例えた方が正しそうだ。


中国でマツダがライバル凌駕、ドイツ神話に陰り 2015年 07月 17日
金や新興国資産の「投げ売り」発生=米メリルリンチ 2015年 07月 24日
コラム:中国も陥る「国際金融のトリレンマ」 2015年 08月 27日
http://jp.reuters.com/article/2015/08/28/column-yuan-reserve-tightening-idJPKCN0QX08Y20150828?sp=true

[12削除理由]:管理人:無関係の長文多数


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