4. 2015年8月27日 18:52:33
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過去の危機が示唆する米株の行方バークシャー・ハザウェイを率いるウォーレン・バフェット氏 PHOTO: RICK WILKING/REUTERS By JUSTIN LAHART 2015 年 8 月 27 日 14:08 JST 投資家たちは今月、手痛い教訓を思い出した。株価が高い時には、悪いことが起きるということだ。株価水準がなお高いことを考えると、状況はさらに悪化する可能性もある。 しかし、過去の危機は、混乱というものが急激に通り過ぎ得ること、また、株価水準になお上昇の可能性があることを示している。 最近の市場の動揺にもかかわらず、米国は今や悪くない投資先のようにみえる。経済は着実に成長しており、雇用市場は引き続き堅調だ。家計は金融危機以降、バランスシートを大幅に修復しており、企業には巨額のキャッシュという緩衝材がある。銀行の自己資本も充実している。 加えて、経済の一角、そして企業は、中国の経済減速と株式バブルの崩壊によって打撃を受ける分野もあるが、他方で恩恵を受ける分野もあるだろう。中国での売上高減少や中国メーカーとの競争激化は打撃だが、ガソリンや輸入製品の価格低下は、米国の消費者にとっても彼ら消費者に製品を売る企業にとっても恩恵だ。 インフレ率(そして金利も)がより長期にわたってより低くなるとみられるため、これまで地固めしてきた住宅市場の見通しは、一層明るくなっているようにみえる。 にもかかわらず、米株式市場は中国のトラブルに異常に敏感になっている。26日の上昇のあとでさえ、S&P500種指数は7月の終値ベースの高値を約9%下回っている。同指数がこれほど低迷したのは2011年以来だ。当時の米経済にとって米国債危機と欧州債務危機という脅威は、現在の中国から受ける脅威よりもはるかに大きかった。 問題は株価だ。S&P500種指数は現在、構成企業の過去1年間の利益の約17倍で取引されている。これは7月中旬の18倍ほど高くないが、それでも11年の投げ売り局面で落ち込んだ11倍を大幅に上回っている。 企業の利益マージンが歴史的に厚く、今後は拡大ではなく縮小する公算の大きい時期だけに、現在の株価はこうした株価収益率(PER)で示唆されるよりもはるかに割高なのかもしれない。 実際、エール大学の経済学者ロバート・シラー教授が世に広めた「CAPEレシオ(景気循環調整後のPER)」は、S&P500種の利益の一時的な変動をなだらかにする狙いで考案された指標で、現在は24倍を超えている。過去50年間の平均である20倍を実現するためには、S&P500種は20%近く下落する必要があるだろう。 株価が割高な時に下落するのは、割安な時とは違って、投資家が安値拾いをして株式を購入する差し迫った理由を感じないためだ。それは、投資会社 バークシャー・ハザウェイを率いるウォーレン・バフェット氏が最近、買い得だと考える企業を見つけるのが難しいと感じていることや、今月発表した金属部品会社 プレシジョン・キャストパーツ買収合意の価格が「極めて高い」と公の場でこぼしたことをみれば分かる。 それが、売り局面が終わったと宣言する前に投資家が用心すべき理由だ。売り局面終了を宣言するまでには、株価が一段安となることと、中国の状況が安定したという実感の両方が必要かもしれない。 しかし、投資家は同時に、米国株が長期的に下方に動くと考えることにも用心すべきだ。1997年のアジア金融危機前、株価は現在よりも割高だった。98年初頭までに、さらに上昇した。98年のロシア債務危機の間は、目がくらむほど高いバリュエーションの段階で、その株価上昇が繰り返されたのだ。 歴史が繰り返すとすれば、投資家は年内にずっと大きな恐怖を感じ、そう感じたことを来春までに後悔するかもしれない。 関連記事 中国懸念で米緩和を予想するのは時期尚早 【寄稿】株価急落、異例の緩和策が招いた必然的結果=フェルドシュタイン氏 世界同時株安、警告は十分にあった 世界株安特集
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