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観光客減少に直面したシンガポールと観光客が増えている日本・・日本がシンガポールから学べることとは?
http://www.focus-asia.com/socioeconomy/economy/427111/
2015年08月26日
シンガポール政府は観光を雇用創出と消費拡大が期待できる重要産業の一つとして位置付けており、観光収入はGDPの約10%を占める。2014年の外国人訪問者数は約1510万人。人口およそ550万人の3倍近くになる。ナイトサファリ、ユニバーサルスタジオ、F1、カジノを含む統合リゾート、世界のベスト空港と言われるチャンギ国際空港。国土が小さく観光資源に乏しいシンガポールは、政府主導で次々と開発を行っている。しかし訪問外国人数は2013年の1560万人をピークに減少している。2014年は外国人訪問者数が前年に比べ3.1%減少。2015年1月〜5月までは前年同時期と比較して4%減少となっている。
シンガポールを訪れる外国人はインドネシアと中国がツートップだが、これらの国からの訪問者が減少している。理由としてシンガポール政府観光局は、2014年に相次いだマレーシア航空とエアアジアの事故、中国の経済失速と2013年より中国で施行された観光法の影響によるツアー価格の値上がりにあるとみている。また中国の贅沢禁止令の影響からかカジノの売り上げも減少している。周辺諸国にもショッピングモールができており割高なシンガポールに来るメリットが減っている事もあると思われる。また円安と日本のビザの要件緩和を受けて日本に流れている部分もあるだろう。オーチャードに店舗を構えるある日系アパレル企業は、売り上げのおよそ3割を占めていた観光客が減ったため、売り上げが低迷していると言う。
シンガポール政府は数よりも質を重視するとして、医療ツーリズムを推進、高所得者を取り込む方針だ。多民族国家のシンガポールは言葉の面では心配がないのが強みだ。医療にしても、中国やインドネシアからの受診者にも即対応が可能だ。またアジアにおけるアートのハブを目指して、美術館の開設、ギャラリーの誘致、国際アートフェアの開催等こちらも政府主導で進めている。2014年以降の減少を受けて、各マーケットへのアプローチの見直しや旅行口コミサイトtrip advisor との提携なども進めている。Trip advisorが政府の観光局と提携をするのはシンガポールが初めてだそうだ。民間企業のようなフットワークだ。東京23区ほどの面積でけなげと思えるほど、次々と施策を打ち出し開発を進め、宣伝を行っている。都市国家シンガポールはインフラ整備、開発、宣伝に至るまで早い。
訪日観光客が増えている日本だが、観光政策は始まったばかりだ。シンガポールは1964年に政府観光局の前身であるシンガポールツーリズムプロモーションボードを設立。シンガポール独立時から観光に力を入れてきた。1964年の外国人訪問者数は91000人だった。それに対し日本がビジットジャパンキャンペーンをスタートしたのは2003年。観光立国推進基本法が施行されたのが2007年。まだまだ赤ちゃんだ。当時524万人だった訪日外国人の数が 2014年にはおよそ1340万人。2015年は既に1100万人を突破している。しかし日本の人口は1億2600万人だ。そして日本には素晴らしい観光資源がいくらでもある。日本人でも行きつくせない程だ。のびしろはいくらでもある。日本にとってこんなにたくさんの外国人観光客を迎えるのは初めての経験だ。そしてさらに増やすことを目標としている。
建国当初から人を呼び込む国づくりをしてきた都市国家シンガポールとは国の規模も政治の在り方も異なるが、この観光資源に乏しい国の施策から学べる点は多いだろう。
(編集 RH)
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