http://www.asyura2.com/15/genpatu44/msg/555.html
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米国の事故直後の報告書の記述が問題になっているようだ。
「機密解除された米国政府文書が明かす「4号機プールの使用済核燃料全てが大気中放出」と
それを隠蔽する日本政府から見えること」 (阿修羅・お天道様はお見通し 2015/12/22)
http://www.asyura2.com/15/genpatu44/msg/545.html
指摘されているのはこの記述である。
"The source term provided to NARAC was: (1) 25% of the total fuel in unit 2 released to the
atmosphere, (2) 50% of the total spent fuel from unit 3 was released to the atmosphere, and (3)
100% of the total spent fuel was released to the atmosphere from unit 4. "
この報告書の日付は2011年3月18日であり、4号機が爆発した15日のわずか3日後である。
当時は、東電は一連の爆発で混乱状態にあり、東電ですら各原子炉の状況を正確には
把握していなかった。
また徹底した情報統制を行なっており、菅直人首相ですら満足な情報を得られず、
彼が激怒して福島第一原発に乗り込んだのは御存知の通り。
情報が錯綜する中、衛星写真などわずかな情報を元にこの報告書が書かれたはずである。
2号機の全燃料の25%、 3号機の使用済み燃料の50%、4号機の使用済み燃料の100%が
大気に放出されたと書かれているが、何の根拠も示されていない。
これは事故直後の混乱の中で生じた誤情報である。
もし事実であるのなら、それを裏付けるデータや事実が続報で報告されるはずだが、それもない。
事故後、米国にとって日本にいる米国人の安全確保、避難が最優先課題であったわけで、
そのためにも事故をより過大に見積もった可能性もある。
過小報告して米国人に深刻な被ばく被害が生じれば、責任が問われるからである。
いずれにせよ、何の科学的データの裏づけもない単なる憶測である。
4号機の使用済み燃料が全量、溶融、放出されていたと主張するのなら、次の矛盾をきちんと
説明できなければならない。
(1) 4号機の使用済み燃料が全量溶解燃焼し、大気に放出されていたら、超高濃度の放射性ガスが
大量放出され、東日本は全滅していたはずだ。広瀬隆、A・ガンダーセン両氏もそう警告していた。
実際は日本脱出が必要なほどの汚染はなかった。なぜか。
「4号機は、傾き、倒壊しなくても終了です (乖離のぶろぐ)」 (阿修羅・赤かぶ 2012/4/15)
http://www.asyura2.com/12/genpatu22/msg/811.html
(2) 1500本以上の燃料が溶融すれば大火災になるが、4号機の最上階は火災の痕跡がない。
煤けてもいない。 屋根材も吹き飛んでいない。(むしろ損傷がひどいのは下の階である)なぜか。
「大きく破壊された福島第一原子力発電所4号機の原子炉建屋の様子」
(朝日新聞・東電提供 2011/6/30)
http://www.asahi.com/special/10005/images/TKY201106300307.jpg
(3) 自衛隊が2011年4月に空撮した放射温度写真(サーモグラフィ)では、燃料プール18℃に対し、
原子炉内のほうが29℃と高い。もし燃料プールで燃料が溶融したら、こんなに低温であるわけがない。
なぜか。
「4号機の原子炉で核燃料が燃焼中」 (原子力緊急事態宣言 2011/5/11)
http://phnetwork.blogspot.com/2011/05/blog-post_11.html
(4) もしプールの燃料が溶融燃焼し始めたら、大気への放出を防ぐために、チェルノブイリ事故で
行なったように、鉛や砂、ドロマイト、ホウ素などをヘリコプターから投下しなければならないが、
それを行なった事実はない。海水を投下しただけである。なぜか。
(5) 東電は4号機の使用済み燃料プールの動画を公開している。
もしこれがニセモノであるのなら、どこでどう撮影したのか?
「福島第一原子力発電所4号機使用済燃料プールの状況(5月8日公開」
https://www.youtube.com/watch?v=kHQtTdzBylA
(6) 燃料が溶融したら4号機も1-3号機と同様ひどく汚染され、とても人が立ち入りできない状態に
なったはずだが、作業員はもちろん、マスコミ関係者も中にはいって取材をしている。なぜか。
「事故から3年・・・渡辺キャスターが見た福島第一原発(14/03/07) 」 (YouTube ANNnewsCH)
https://www.youtube.com/watch?v=bRJlmDbE-w0
(7) 4号機建屋は不均等地盤沈下で崩壊寸前であり、クレーンで支えたり、燃料プールの下部を
補強したりした。燃料が全部放出されていたのなら、その必要もなかったはずだ。なぜか。
「東電によるフクイチ4号機の補強工事の写真。ワイヤーメッシュによる配筋、つっかえ棒(鋼製柱)」
(阿修羅・mainau 2012/4/3)
http://www.asyura2.com/12/genpatu22/msg/528.html
(8) 何十億円もかけて燃料取り出し用カバー・クレーンを設置した理由は何か?
これもマスコミに内部を公開しているが、ニセモノ、猿芝居だとでも言うのか?
「福島第一原発4号機プールの燃料取り出し作業が最終段階へ!
一回でも失敗をすれば、破滅的な事態になる可能性大!」 (阿修羅・赤かぶ 2013/9/30)
http://www.asyura2.com/13/genpatu33/msg/814.html
http://blog-imgs-58.fc2.com/j/y/o/jyouhouwosagasu/fukusimagennpatu4gouki092902.jpg
これらの問いに明快に答えることができるだろうか?できないだろう。
なぜなら、「4号機の使用済み燃料の100%が大気に放出された」のは真実ではないからである。
このほかにも、3、4号機燃料プールが吹き飛んで跡形もなくなった、4号機のプールが干上がったなどと
主張する人がいるが、これの説はすべて事故直後のどさくさの中で作成された、いい加減な
米国の報告書だけを元にしており、その後の確認や検証は一切ない。科学的根拠はゼロである。
一つの情報を得たら、それが正しいのなら何が起きるか、実際に起きたか、裏付けるデータや
事実はあるか、科学的かつ論理的に考えなければならない。
たった一つの報告書の記述を妄信して大騒ぎするのでは、工作員にいいように利用されるだけで、
永遠に真実には到達できないだろう。
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