10. 2015年12月20日 15:47:42
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【重要】溶け落ちた燃料を取り除くのは不可能な状態になっている!原発と戦争を推進する日本の暴走(5) http://ameblo.jp/cpa-togo/entry-12107922677.html 2015-12-19 11:32:32 テーマ:ブログ
(5)溶け落ちた燃料を取り除くのは不可能な状態になっている! 格納容器は、いくら水を入れても中に水が溜まらない状態になっていて、発電所の敷地内で採取された地下水からは、ストロンチウムなどの放射性物質が高濃度に検出されている。明らかに格納容器から漏れ出しているのである。何しろ人間もロボットも中に入って見て来られないのであるから、誰にもわからないのである。そのシミュレーション結果をまとめた報告書にも、「これはどこまで正確かわからない」と書いてある。つまり、溶け落ちた燃料は、格納容器の中にも外にも、そこら中に散らばっているので、燃料をつかみ出すことができないのである。 もう炉心を取り出すことは諦め、チェルノブイリ原発のように、「石棺」で封じ込めるしかない。原子炉建屋全体を覆うようなコンクリート構造物を造るのである。しかし、1号機も、2号機も、3号機も、使用済み燃料プールの中には燃料が沈んだままである。その数は1号機が392体、2号機が615体、3号機が566体で合計1573体である。これを何とかしてつかみ出さなければ石棺すら造ることができない。1号機〜3号機の使用済み燃料プールの底から、燃料を少しでも危険の少ない場所に移すまでに何年かかるのか、東電も国も本当のことはわからないのである。 チェルノブイリ原発では、29年経った今、最初に造った石棺がボロボロになって第2石棺を造ろうとしている。数十年後にまた、第3石棺を造ることになるだろう。しかも、チェルノブイリで炉心が溶け落ちた原子炉は1基である。福島は3基であり、これから何十年、あるいは何百年と言う期間に渡って、放射能を封じ込める作業を続けていかねばならない。→これは天文学的損失になる。 福島原発では、ひたすら1号機〜3号機の原子炉の中に水を注入し続けている。その量は1日で400トン。それが毎日格納容器から漏れ出し、壊れてしまった原子炉建屋やタービン建屋の地下などに放射能汚染水として溜まり、どんどん地面の中に入り込んでいる。 発電所は海抜30〜40メートルだった台地を海面近くまで削ったところに建てられている。地下水が流れているところまで掘り下げているのだから、どんどん水が流れ込んでくる。その量は1日1000トン。そのうち400トンが損傷している原子炉建屋、タービン建屋の中に入り込み、人為的に入れている400トン以上の水と渾然一体となっている。それらの放射能汚染水は建屋に流れ込むだけでなく、一部は逆に建屋から外部に流れ出ている。つまり、福島原発は敷地全体が放射能の沼のような状態になっているのである。 小出氏は10万トン近くの放射能汚染水が溜まった2011年3月時点で、新潟にある柏崎刈羽原発まで放射能汚染水をタンカーで運ぶべきだと提案したが、受け入れてもらえなかったという。(柏崎刈羽原発には廃液処理装置があるからである。) そして、東電は1万1500トンの放射能汚染水を海に流したのである。その汚染濃度は法廷許容値の100倍に達していた。 その後も汚染水は増え続けている。東電はタンクを造って敷地内に並べ、そこに溜めこむということをしてきた。タンクの数はどんどん膨れ上がり、50万トンを超えている。タンクのほとんどが溶接せずにパッキンを入れてボルトでつなぎ合わせただけの応急タンクなので汚染水が漏れるのは当然なのである。いずれにせよ、東電は再び、「放射能汚染水を海に流す」という選択をするだろう。 ========================= 原発と戦争を推進する日本の暴走(6) 2015-12-20 10:45:19NEW ! http://ameblo.jp/cpa-togo/entry-12108246966.html テーマ:ブログ (6)溶け落ちた炉心を冷やすために注水が汚染水を増やしている! 事故から4年半が経ったのに、どうしてまだ水を入れ続けなければならないのか? それは崩壊熱があるからである。原子力発電と言うのは、ウランを核分裂させて、その時に生じるエネルギーを取り出して電気を作る仕組みである。しかし、何かトラブルがあれば、先ずは原子炉を止める、つまり、ウランの核分裂連鎖反応を止める。そして、原子炉の運転を止めれば、自らは発電することができなくなる。だが、原子炉内にはウランを核分裂させた約200種類もの放射性物質が大量に留まっている。これを核分裂生成物と呼んでいる。この核分裂生成物が原子炉の運転をストップしても延々と発熱し続けるのである。これが崩壊熱である。 福島原発の事故で原子炉が止まった直後、この崩壊熱は1号機でも10万キロワットくらいあった。3日経った後も5000キロワットを越えていた。電気ストーブ5000個分、家庭用のお風呂に張った水が1分で蒸発して空になるほどの熱さである。この熱を、とにかく冷やさなければいけないので、どんどん水を入れているのである。でも、圧力容器の底は抜け、格納容器すら壊れているので水が漏れ出し、格納容器内の水位が上がらないのである。それでも、冷やし続けるためには間断なく水を入れるしかなく、入れれば入れるだけ、どんどん放射能汚染水が外部に流出してしまうというジレンマに陥っている。 毎日増え続ける放射能汚染水を、防ごうと現場では労働者が苦闘している。1日に働く労働者は約7000人で、もちろん東電の社員ではない。下請け、孫請け、そのまた下請け、孫請けと多重な下請け関係の中で、次々と賃金をピンハネされ、個々の労働者の手に渡るときには、最低賃金にも満たないというのが現状である。そして、半数以上が作業経験が半年未満だという。このままでは廃炉作業が破綻してしまう。 チェルノボイリ原子力発電所の場合、事故を起こした原発は1基だが、60万とも80万ともいわれる軍人、退役軍人、労働者、一部の囚人が、事故の収束作業に駆り集められた。福島第1原発の事故で壊れたのは4号機も含めると4基であり、どれだけの労働者を集めることができるのか想像もつかない。それにしても問題なのは、「福島第1原子力発電所はアンダーコントロール下にあり、安全だ」と、緊急事態解除もしていないのに、世界に宣言した安倍首相の言葉である。結果として東京オリンピック開催が決まったが、残念ながら、福島の現場では、いまだに苦闘が続いている。原子力緊急事態宣言を、4年半たっても解除できないにも関わらず、オリンピックなどに浮かれていることが恥ずかしいことか、日本政府も東京電力も国民も自覚すべきである。 原発労働者の被曝限度は平時で年間50ミリシーベルト、5年間で100ミリシーベルトと決まられている。しかし、2011年3月11日、東京電力福島第1原子力発電所で未曾有の過酷事故が起きると、緊急作業時の100ミリシーベルトと言う被曝限度は到底守れないことになり、想定外の緊急事態だから、その上限が250ミリシーベルトに引き上げられた。そして、2013年4月中旬、厚生労働省の検討会が、「原発で今後、大事故が遭った場合、緊急作業にあたる作業員の被曝線量の上限を、100ミリシーベルトから自動的に250ミリシーベルトに引き上げる」との報告書をまとめたという。 本来なら、作業員の健康に配慮し、被曝限度を下げるのが役目であるはずの役所が、事故終息のために積極的に作業員の被曝を容認するのであるからグラックジョークである。確かに、苦闘している労働者のおかげで危機的な状況をある程度抑えることができている。しかし、環境に放出する放射性物質の量を少なくしなければならない。政府は、法律で守れなくなると、その法律を兵器で反故にする。この原発労働者の被曝線量の上限を、状況によっていつでも勝手に引き上げようというのであるから呆れた政府である。 原発は危険で事故を起こすものだということが前提になったのは当然である。それゆえ、原発の再稼働を許さないことが大切である。しかし、残念ながら、九州電力川内原発が再稼働してしまった。 |