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福島2号機事故 悪化の一因 逃がし弁の作動装置が溶ける?
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201512/CK2015121702000232.html
2015年12月17日 東京新聞
福島第一原発5号機の格納容器内にある逃がし安全弁=東電提供
東京電力は十七日、福島第一原発事故の際、2号機で原子炉圧力容器内の蒸気を抜いて圧力を下げる「逃がし安全弁」と呼ばれる弁を作動させるための装置の部品が、高熱で溶けていた可能性があると発表した。「原子炉の圧力を下げる作業が難航し、注水が遅れた要因の一つとなった可能性もある」としている。
東電によると、溶けた可能性があるのは逃がし安全弁を作動させるために窒素ガスを送り込む「電磁弁」と呼ばれる装置のゴム製シール材。耐熱温度は約一七〇度だったが、検証の結果、高温だと短時間の使用にしか耐えられないことが分かったという。
2号機では事故四日目の二〇一一年三月十四日、事故発生直後から原子炉に注水を続けてきた冷却装置が停止、消防車による代替注水を試みたが、原子炉圧力が高く水が入らなかった。
東電は圧力容器の蒸気を抜くため仮設バッテリーを使って八個ある逃がし安全弁を開く操作をしたが難航。操作するうち、弁が開いて注水が可能になった。これまで弁が開かなかった理由は未解明とされていたが、東電は、電磁弁のシール材が溶け窒素ガスが漏れ、逃がし安全弁が作動しなかった可能性があるとしている。再稼働を目指す柏崎刈羽原発(新潟県)では長時間の使用に耐えられるシール材に交換する方針という。
<逃がし安全弁> 原子炉圧力容器の圧力が異常上昇した場合に損傷を防ぐため、容器内の蒸気を格納容器下部の圧力抑制室へ逃がす弁。蒸気は圧力抑制室内の水で冷やされ液化される。原子炉1基に複数設置されている。一定の圧力を超えた場合に自動で作動するケースと、中央制御室から遠隔操作で作動させるケースがある。逃がし安全弁を作動させるには電源のほか、装置内のピストンを動かすための窒素ガスが必要となる。
◇
福島第一原発2号機の減圧装置、熱で劣化し作動しなかったか
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2660604.html
福島第一原発事故の検証を行っている東京電力は、2号機で原子炉の圧力を下げる装置が熱で溶けたため、「メルトダウン」が進むなどした可能性があるとの調査結果を公表しました。
福島第一原発の2号機では2011年3月14日、非常用の冷却装置が停止したため、消防車を使って原子炉に注水を行いました。
しかし、原子炉の圧力が高く、水が入らない状態だったため、圧力を下げる「逃がし安全弁」という装置を開けようとしましたが、なかなか圧力は下がらず、メルトダウンが進みました。
東京電力が検証した結果、逃がし安全弁の部品が核燃料の熱で溶けて劣化したため、うまく作動しなかった可能性があることがわかったということです。
東京電力では、新潟県の柏崎刈羽原発の逃がし安全弁について、耐熱性の高いものに交換したいとしています。(17日13:13)
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